藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

基本治療時に於ける腰背部の刺鍼ポイント

イメージ 1僕「症状をお伺いします」
患者「特にないです」
僕「!?(何故来たの?)」
 
 個人院を始めてからは上記のようなやり取りは無いのですが、渋谷や東松山の治療院に勤めていた頃は、比較的頻度の高い問診の始まり。
 
 勿論、問診なり触診なりで症状を引き出そうとするのですが、僕の力不足か何なのか、答えるのも鬱陶しいと言わんばかりの表情をする患者様も少なくありませんでした。
 
 当時は僕の見た目だけで「あんた若いから施術者変えて」と、言われた事も1度や2度ではありませんでした。今となっては良い思い出ですが、当時は相当悔しかった事を覚えています。
 
 そうなると、施術する側としては何をして良いのか分かりません。はてはて困ったと。これは、何かマニュアルなり作らなければと思考錯誤し始めたのが6~7年前の話でしょうか。
 
 今現在行っている治療というのも、全てその時から蓄積されている基本治療というのが土台としてあるのですが、当時は触診もままならず、背骨を見てもどこにポイントを置いて良いのかサッパリ不明でした。
 
 そんな折に読んだ解剖書に、椎体骨折の好発部位というのが記載されておりました。
要は加重が掛かりやすく折れやすい部分ですね。という事は普段の生活でも負担が掛かりやすい部分ではないかと思い、自分なりに追試し始めました。6年前に一緒に働いていた方達は、トリガーポイントにオステオパシーに強刺激オンリーに接触鍼オンリーとバラバラの趣向の集まりでしたから、皆して皆の治療法方に文句を言い合う訳です。面白かったですけどね。
 
 そんな折、ポカーンと取り残された僕が標榜していたのが、骨折の好発部位と、神経反射で打鍵槌を利用するポイントに刺鍼する事でした。今はそれにデルマトームやら竹村文近やらが加わっていますが、土台となるのは骨折の好発部位を狙う事でした。
取り合えずは追試に追試を重ねていく内に良い結果が出ている事も実感してきましたし、今までこれでご飯を食べているので見当違いではなかったのかなとも思っています。
 
 腰背部に於いては、C2、C5、C6、T7、T11、T12、L1、L4、L5をポイントとします。
経穴でなぞっても重要な部分だったような気がしますが、経穴は国家試験を最後にチンプンカンプンになってしまいました。あしからず。
 
 当時は、横突起(肋骨突起)間の少し外側で神経付近に刺入する方法に絞っていましたが、今は横突起(肋骨突起)に鍼先を当てるという刺鍼方法に変えています。神経後枝の過敏による腰背痛に対して、横突起(肋骨突起)の外側を狙わなくても、骨に当てる方法でも十分効果が得られている他、気胸等の事故のリスク軽減、回旋筋や多裂筋へも同時にアプローチ出来るという利点もあります。これで、大方の腰背痛持ちの患者様には対応出来るはずです。
 
※当院には「基本治療」という一定の順序が在り、特定の症状があった場合、基本治療中や基本治療後に盛り込んでいく方針を採っています。