藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

再考をする 37 2024/2/15~2023/3/8

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid029KN4YPuc1QHW3oSgNkwMDBqNCChzo3oCNFKxxLNZG1wMSY2Gf59PJD8sN2RCDY7ml

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/aaa2a6b9783e462748652f175d09e3a896b3c240

>>毛髪を鑑定した結果、長期の摂取が疑われる濃度で、オランザピンの成分が検出された

新しい情報が次々と出てくる時期の為、もう少し時間が経たないと分からない事も多いですが、オランザピンにも致死量は勿論あるので、飲み過ぎれば死に至ると思うものの、殺害目的でオランザピンを使う事例は、少なくとも私は初めて聞きました。それでなくても、旦那の姉がエチレングリコールで死亡している過去実績があれば、先ずはそれ単体で急性中毒を惹起させて殺害を試みるはずです。

そこにオランザピンの長期的投与の背景を踏まえると、オランザピンを殺害目的で使用した可能性は低いと考えられ、成り行き上でオランザピンも含まれた、という状況かもしれません。その上で、妻のスマホからオランザピンを購入した記録があったようですが、ニュースを初めて見た時、幾枚かの写真も目に入り気になったのが、妻の体型変化です。

オランザピンはよく太ります。服薬で血糖がドカッと上がる為、そのぶんインスリン分泌も多く、その過程で脂肪合成が急速に進み、特徴的な太り方を呈する場合があります※1)。また、妻の暴れん坊的な過去エピソードも交えると、妻が自身の為に購入し、それと併行して子供にも思うところ(何とかなってくれないかなぁ、静かになってくれないかなぁ…等)があり、ネットで購入していたかもしれません。以下の話もあります。

>>母親が今年1月、東京都児童相談センターの聞き取りに、抗精神病薬「オランザピン」を「睡眠剤として飲むためにインターネットで購入している」と説明していた※2)

この説明が自身の為か、子供の為かは分かりませんが、オランザピンを長期的に子供に飲ませても望む通りにならず、知ってか知らずか致死量まで増量していたのと併行し、エチレングリコールも入れ、急性中毒で殺害したのかもしれません。仮に端から殺害目的でオランザピンを購入していたとしたら、購入間もなく殺害されていても不思議ではないはずです。そして「良くなってほしい」という想いで、オランザピンを懸命に子供に飲ませていたとしたら、それはどこか切ないものです。
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ここからはエチレングリコール抜きの話になりますが、日本では自分の子供に対し、(何とかなってくれないかなぁ、静かになってくれないかなぁ…)という切実且つ真摯な想いで、オランザピンや他の非定型抗精神病薬の投与事例は有触れていると思います。

そしてあくまで善意でオランザピンを投与しても、その行為はやはり危険である事には変わりません。この類の薬物は、子供大人問わず、吐き気止め、胃薬、食欲不振、痩せていくから太りたい等と様々な処方のされ方があり、思いがけず服薬している事例も少なくありません。ベンゾ離脱でもよく処方されます。

オランザピン(ジプレキサ)、リスペリドン(リスパダール)、クエチアピン(セロクエル)を代表に、パリぺリドン(インヴェガ)、ブロナンセリン(ロナセン)、ペロスピロン(ルーラン)、ルラシドン(ラツーダ)、アセナピン(シクレスト)、アリピプラゾール(エビリファイ)、ブレクスププラゾール(レキサルティ)等の非定型抗精神病薬や、

スルピリドドグマチール)等の定型抗精神病薬の処方例は多く、特に2016年以降は小児へのリスペリドン(リスパダール)※3)、アリピプラゾール(エビリファイ)※4)が承認されている影響で、当該薬物が目立ちます。

そして大切な事は、その投与が殺害目的の悪意でも、治療目的の善意でも、入手先が医師でもネットでも路上でも、勿論どのような服薬契機でも、飲めば同じ反応とリスクを抱える事だけは知る必要があると感じます。

※1)https://bunshun.jp/articles/photo/68955?pn=6 ※この頃と他(例 https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02141207/?photo=2)と比較しても良いかもしれません。歩く方向は同じと思われますが、旦那と徐々に距離が離れているのも分かります。歩きにくそうな靴が理由か、その他の理由もあるかもしれませんが、この類の薬物はドパミンの分泌が抑制(運動機能に異常を来すと解釈しても差支えないです)される為、動作緩慢が起きての結果かもしれません。

※2)https://news.yahoo.co.jp/articles/e9d0c70a950809a80f99560a88c072ab1d7c2653

※3)https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179038C1027_1_39/?view=frame&style=XML&lang=ja

※4)https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179045B1021_1_37/?view=frame&style=XML&lang=ja

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid0369TCzePsMvSXEBAGKUniar5MjteQWkr3Sd6w4oK6h2cy5qFtGyUkP4N5cPs1xUKZl

 

自殺や突然死後の遺体から検出出来た向精神薬の内訳に、抗精神病薬のオランザピン(ジプレキサ)は比較的上位に存在しますが※1)※コメント欄参照)、死に至った経緯は何れも概ね単剤ではない為、その点は留意して読む必要があります。

胃腸薬や食欲不振、食欲増進を目的とした抗精神病薬の使用ではなく、双極性障害統合失調症と診断され、そして当該薬物を投与される迄の服薬歴(或いは嗜好品歴)を追えば、ω1~2レセプタの変性、当該神経伝達物質(GABA)のネガティブフィードバックが見込まれる物質摂取の背景が見えてきます。

関連的に物質・医薬品誘発性精神病性障害※2)を見聞した事もあるかもしれませんが、当該病状は諸々の物質摂取による物質そのものの反応で惹起される側面もあり、臨床像は類似するも病態の起因は全く異なる為、それと見誤り治療の項にある

>>しばしばベンゾジアゼピン系薬剤または抗精神病薬※2)

を加えると、離脱期も含め、タイミング次第では奇異反応や過感受性的な病像を呈する可能性が高く、そうなると一層の増量が見込まれ、悪循環に陥る懸念が付き纏います。レセプタのレギュレーションは、自律的、及び薬剤によって、経時的に変化し続けると推測される為、服薬歴と服薬内容は勿論、時間の流れも読む事も大切です。

この類の薬物は、飲んでいる時にだけ問題が起きる物質ではありません。もしかしたら、飲んでいる時にだけ問題が起きる物質だとしたら、ここまで問題視される事も、問題視する事もないでしょう。
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>>服用薬剤は,睡眠薬フルニトラゼパムブロチゾラム等19種類,抗不安薬エチゾラムアルプラゾラム等14種類,抗うつ薬ミルタザピン,パロキセチン等17種類,抗精神病薬リスペリドン,オランザピン等22種類で,約70%の事例でこれら薬剤を併用服薬していた※1)

>>服薬剤数は2~4剤が多く,最多服薬は自殺で14剤,突然死10剤であった※1)

>>服薬内容は,自殺では睡眠薬抗うつ薬睡眠薬抗精神病薬睡眠薬単独,睡眠薬抗不安薬抗うつ薬抗精神病薬等がほぼ同数みられ,突然死では睡眠薬抗精神病薬が最も多く,ついで睡眠薬抗精神病薬等の各単独,睡眠薬抗不安薬抗精神病薬が多くみられた※1)

>>向精神薬には致死的副作用が記載されているものが多く,特にほとんど全てのDおよび第Ⅱ世代のPでは希死念慮,自殺企図の危険性が高く,また,全てのPで原因不明の突然死をきたす。そのほとんどは致死性不整脈,心筋障害,肺血栓塞栓等を,またSやAのほとんど全てで呼吸抑制をきたす※1)

※補足)S=睡眠薬 A=抗不安薬 D=抗うつ薬 P=抗精神病薬

※1)https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=10665

※2)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/08-%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E7%97%87%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E9%96%A2%E9%80%A3%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E7%BE%A4/%E7%89%A9%E8%B3%AA%E3%83%BB%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%93%81%E8%AA%98%E7%99%BA%E6%80%A7%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%97%85%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3

 

 

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid0Yfu1W59NAha23P2nogddXvpCyWN9HAebih177KpgHjGxdQ9XLffsksX6FDGqqwGul

 

椎間板ヘルニアが当該脊椎高位の神経と接触し、症状を惹起させる仮説は100年以上に渡って議論され続けていますが、神経と椎間孔、脊柱管内と、脊柱管内を走行する脊髄の各々の構造を考えると、当該仮説には引き続き疑問が残ります。それでなくても歴史ある仮説の為、シェア内にも記載したように、「全身麻酔のみ」と「全身麻酔+ヘルニア切除」でも結果は同じ、無症候の椎間板ヘルニア持ちも7割存在する等、様々な検証も行われています。

 

このように椎間板ヘルニアがイコールとして症状を惹起するとは言い難いものの、椎間板が突出/脱出(ヘルニア)する現象は存在します。また、ヘルニアとなる脊椎高位も、多くは頸椎では何番目、胸椎ではあまり見られず、腰椎では何番目など、偏りが見られます。なぜヒトという生き物は、仮に無症候でも、似た部位に変性疾患を抱えるか、或いは抱えないかを考える必要はありますし、その考えを拡げる事で、様々な応用も出来るようになるかもしれません。

 

全般的に臨床疼痛学が発展し難い理由とジレンマを推測すれば、例えば臀部や下肢に痛みを抱え、画像所見でL5/Sの椎間板にヘルニアを認め、鎮痛剤を服薬して痛みが緩和したからと言って、痛みの原因がL5/Sである根拠が取れない理由に、L4/5の神経走行も、椎間孔を出た後に左記脊椎高位の神経と間も無く混じり合い、仙骨神経叢となって走行する為です。

 

自らジレンマの種を巻いている格好ですが、こればかりは相手が存在してのこと、痛みが落ち着けば原因はどこでも何でも構わないニーズに鎮痛剤が適した手段であれば、何かの変化自覚を及ぼす鎮痛剤がニーズに沿う理由も分かりますが、罹患細胞ベースの回復に寄与しているものではなく、薬剤の種類によって罹患細胞の治癒遅延を惹起している、また、痛みが薬物で抑えられる事で、痛みから逃避した動作が行われなくなれば、一層の器質的な異常を惹起するリスクもあります。

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度々「腰を回す」という表現を見ますが、腰椎椎間関節の構造上、腰はほぼ回らないものです。(一応、構造上の変性(椎間板ヘルニアや摩耗、椎間孔や脊柱管の狭窄、分離や滑り、椎体の摩耗や圧壊等々)が乏しい健全な状態を前提とします)それでも回っているように見えるのは、胸椎や頸椎の椎間関節と、股関節の構造のお陰です。以下に参考資料として各々の脊椎高位の可動域も挙げますが、腰椎は概ね前屈か後屈を受け持ち、回旋は元々難しい作りになっています。

 

傍目には頸椎から腰椎まで似た作りで構成されるも、各々で構造の差異による機能も異なり、それに応じて日常生活で傷める脊椎高位は、可動域の広さと受傷部位の確率は比例する傾向を持ち、それは画像所見でも明確な変性疾患に繋がるかもしれませんし、日常生活動作でのエネルギーは勿論、転倒や転落等の事故的なエネルギーの加わり方でも受傷高位は共通する印象があります。ひらたく書くと、可動域が広い=自由度が高い=負担が掛かり易い=傷め易い、傾向にあります。

 

このように普段の生活で傷める脊椎高位は想像も付き易いですが、神経細胞の受傷は日常生活動作に限った話ではありませんし、易損傷部位は当該脊椎高位の神経細胞そのものが自由度と機能性が高い為、結果的に受傷し易い可能性もあると考えられます。

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例として後根神経節を取り上げても、頸椎や胸椎、腰椎でも脆弱度は異なり、自律神経節も同様に脆弱、また、腓骨神経も物理的な圧迫なく優位に傷害されるのも興味深いですが、当該部位達の受傷は、ビタミンB6の過剰摂取や糖尿病、ワクチンでも惹起されるギランバレーのような感染症先行型含む自己免疫疾患諸々、抗がん剤等の薬物、精神的ストレス、後に帯状疱疹と呼称される事になるウイルスの潜伏感染部位等、多岐に渡ります。

 

発症契機から検討すると傷害理由は多岐に渡る為に混乱を招きがちですが、元来ヒトが備える部位別の神経細胞の構造的/機能的差異を知れば、なぜ脆弱で易損傷部位であるかを容易に紐付けられる応用が働きますし、視点を今一度、日常生活動作と易損傷部位と照らし合わせても、幅広い見方が出来るかもしれません。

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以下参考資料)※資料により多少の差はあります

 

C=Cervical spine

T=Thoracic

L=Lumbar

S=Sacrum

 

      屈伸 側屈 回旋

Oc–C1 13 8 0

C1–C2 10 0 47

C2–C3 8 10 9

C3–C4 13 11 11

C4–C5 12 11 12

C5–C6 17 8 10

C6–C7 16 7 9

C7–T1 9 4 8

T1–T2 4 6 9

T2–T3 4 6 8

T3–T4 4 6 8

T4–T5 4 6 8

T5–T6 4 6 8

T6–T7 5 6 8

T7–T8 6 6 8

T8–T9 6 6 7

T9–T10 6 6 4

T10–T11 9 7 2

T11–T12 12 9 2

T12–L1 12 8 2

L1–L2 12 6 2

L2–L3 14 6 2

L3–L4 15 8 2

L4–L5 17 6 2

L5–S1 20 3 5

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid0bKzwboJyXeGDtPZycrD1VA8mabq4DEjUZN5CDHRFvyH1d6vdk7VXFh22REyS6NtVl

 

GABAやドパミンセロトニンノルアドレナリン(以下 モノアミン)を、外因物質で分泌量の動態変化を求めた後に惹起されるリスク、レセプタの変性やネガティブフィードバック、それに関連する諸々は、自律的な生合成の能力そのものが奪取された状態で、また、それに付随する神経細胞の傷害と、結果論となる全身への反映が濃厚な病状の為、

 

「〇〇をしてGABAを~」や、「〇〇をしてモノアミンを~」が及ぶ範疇ではない、或いは及んでも極短時間の前向きな変化自覚か増悪自覚となるのは、後に針刺し行為と照らし合わせて述べますが、自力で生合成する能力そのものが乏しい状態であると捉えられます。

 

GABAが生理的に生合成を強化するタイミングをおさらいすると、空腹時や炎症時等の、緊急反応性が高い身体状態に惹起され、他の興奮性神経伝達物質の抑制として機能している側面がありますが、GABAが自律的に生合成し難い身体環境下では、予想だにしない状況に見舞われるのはイメージし易いと思います。

 

この上記諸々を、針刺し行為と紐付けると更に透明性が上がると思います。生体に針を刺すと炎症反応は必発し、当該反応で惹起されるメディエータの一部を、罹患細胞の改善に利用する事になりますが、個人差は大きいものの、基本的にメディエータは不快な自覚を及ぼす可能性もあり、有名どころは即時的に惹起される痛みかと思います。

 

アラキドン酸がカスケードする事で、シクロオキシゲナーゼ(以下 COX)が触媒となりプロスタグランジンが惹起され、ブラジキニンで増強させて信号として教えてくれるものの、要約すると痛みが伴う場合もあり、当該反応は一定の山なりの曲線を描きながら、概ね2~3日は続きます。

 

針刺し行為で「2~3日は調子が良い」と伺うのは、上記の理由と上記の曲線を描いている時期と思われますが、それそのものを評価に組み込まないのは、刺せば必発する反応でしかなく、罹患細胞の改善とは関係のないところで推移している現象に過ぎないからです。

 

刺針部位問わず、当該スパンで針刺し行為を指示しているのであれば、どこか誤認している可能性があります。人為的に慢性炎症を惹起している可能性があり、後々の疲弊を招きます。これは私がノンシリコンの針を使用する理由とも関連しますが、炎症は基本的に、生体にとって異常反応である事を念頭に置く必要があります。

 

話は戻し、重症度にもよりますが、治療のし始めに針刺し行為で「2~3日は絶不調」と伺うのも、上記の通りGABAが自律的に生合成する能力が乏しい場合、曲線を描いている時期は特に、当該反応で惹起された興奮性神経伝達物質を抑制出来ない為、それが全身状態に反映されているからと捉えられます。

 

この2点、「2~3日は調子が良い」「2~3日は絶不調」は、針刺し行為による炎症反応で惹起されたものの為、力価や性格に多少の違いはあれど、NSAIDsやアセトアミノフェンでCOXを阻害すれば、良いも悪いも現象を相殺する可能性(というか実例は多数存在します)があります。その代わり、針刺し行為も無効化されます。

 

上記のCOX阻害薬は、NSAIDsやアセトアミノフェンカロナール等)が身近かと思いますが、(ステロイド薬の継続使用による当該ホルモンのネガティブフィードバックで、消炎作業を自律的に行えない身体環境下等もありますが)ヒトの身体は炎症が生じ、不快な自覚が及んでも、自律的/生理的に消炎作業は始まる為、諸々を考えれば自然な経過に身を任す事も大切かと思います。

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以下関連

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/6177815325643015

 

神経栄養因子の産生要件を満たす行為は限定的でも、当該因子を相殺する薬物は様々存在します。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/5872203916204159

 

「血管拡張行為≠神経栄養因子の供給」を踏まえた上で、慢性症状との対峙を考える」

 

先日、blood barrier(以下bb)は必要な物質を届け、不必要な物質を弾く機能を持つも、何らかの契機で受傷し、何らかの理由で慢性化した場合、分子の大きさも相まってか、神経栄養因子も弾き続ける欠点に触れました。では、この欠点を補う、或いは覆す行為を考えると、思い浮かぶのが当該部位の人為的な再損傷によるbbの再脆弱化ですが、入力エネルギー次第ではリスクがあり、手段次第では構造的に不可能な部位も多くあります。

 

また、併せて不必要な行為も見えてきます。不必要な行為を知れば、身体的/感情的な負担を減らせます。概ね慢性期の病態対峙に於いて、「血管を拡張して云々…」の行為で、温熱による拡張、冷却による二次的血管拡張、揉む擦る伸ばす縮める等の自動他動問わずの運動、或いは類する、準ずる行為等々も挙げられます。

 

ヒトは元来酸素分圧保持機能を備えている為、足りない部位は組織が死なない程度に自律的に拡張しますが、それが組織改善に寄与する栄養因子が配られるのとはイコールにならない点です。再損傷による再脆弱化は忍容不可能なレベルであれば可能性はありますが、その場合は身体を壊すリスクがあり、忍容可能なエネルギーでbbが脆弱性を持つと、日常生活を送るだけで危険な状態になり、上記機能であれば誰も長期的に身体の問題で困っておらず、或いは生まれて間もなく壊れ続ける生物になります。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/5821244921300059

 

「消炎作用によるネガティブから病態を学ぶ」

 

炎症は悪で抗炎症は良の概念は、抗炎症を謳う薬物や食品のプロパガンダからの派生で、湿布を貼って運動をする行為1つ取り上げても、その矛盾に気が付けないレベルの浸透力です。亜急性期以降はNSAIDsやステロイド、tnf-α阻害薬等の抗炎症作用が奏功し難い為、準オピオイド系その他、向精神作用性物質の類が一般的ですが、神経伝達物質の上下動は罹患細胞には寄与せず、且つ副作用や離脱期に様々な傷害を負う懸念がある為、原疾患以上に全体像が複雑性を増す弱点を持ちます。只、今症例のように、

 

>>右上肢・右下腿の疼痛増悪感や不随意運動が頻発するタイミングは、疲労時に強く起きるとの事。現在(2014/2)、毎日登校は出来ないが、所属している部活動(運動部)に見学で顔を出す時は階段昇降が多く、運動量が多い日に諸症状が強く

 

>>同年7月中旬、原因不明で片耳が全く聴こえなくなる。高度な突発性難聴と診断を受ける。ステロイドパルス×5、高圧酸素治療、鼓室内へのステロイド注入×3を行うも、これらの治療で難聴は改善せず。又、この頃よりHPVV接種後と同様の疼痛や不随意運動等が再燃

 

の過程を伺うと、亜急性期以降の罹患細胞がどのような状態で維持されているかの推測は立ちますし、発症契機問わず罹患細胞の帰結状態の共通性が見えてきます。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/5846609275430290

 

「消炎作用によるネガティブから病態を学ぶ 2」

 

>>選択性を持つBBB(Blood brain barrier)は如何なるタイミングで選択性を保持出来ないかの示唆として、"未熟期"、"強い炎症期"、そして"免疫抑制期"他

 

以前腓骨神経麻痺を3種3例挙げました。1つは足を組み続けた事が原因か、1つは精神ストレスが原因か、1つはANCA関連血管炎が原因かで受傷理由は様々ですが、どの症例も腓骨神経そのものには触れず(よくある腓骨頭等)、腰神経(腓骨神経→坐骨神経→腰神経)で取っていた話に触れました。

 

これには後述する血液神経関門(blood-nerve barrier 以下BNB)の解剖的脆弱部位を逆手に取り、回復因子となるサイトカインやBDNF、GDNF等の蛋白合成部位とその促進を針刺し行為で得られる左記総称のinflammationを利用しています。

 

※概ね炎症性、圧迫性、虚血性を指しています)受傷組織が何処でも、トラブルは当該組織を走行する各種神経が拾い上げて教えてくれますが、ぱっと見でも大きな構造異常が前提でも無症候事例は有触れ、かと言って構造異常を修正しても症状は改善せず、検査機器も描写には限界があります。

 

先ずは何らかの契機で症状の自覚要因となる傷めた神経は、当該部位を構造的に開放、開大、開窓しても状況が好転しない理由に、脱髄や軸索変性等と適当に調べれば出ますが、受傷間も無くは限定的に脆弱化して開放され、蛋白合成が促進されて回復因子が配られるも、急性期を過ぎれば再度バリアを張る事が示唆されています。

 

そうなると、俗に言う慢性期にはそこに手出ししても意味がない事が示唆されます。示唆と言うより、例えば肩が凝っているヒトの肩に幾らアプローチしても…、腰が凝っているヒトの腰に幾らアプローチしても…的なネガティブが生まれる現場感覚のエビデンスは十分積みあがっていると思います。

 

BNBはBBBに準ずる機能性が示唆されるなか、異なる点は神経根と自由神経終末で一旦連続性が絶たれている点です。この解剖的な脆弱部位を逆手に取ります。また、前者近傍に存在する各部位は、知覚神経であれば後根神経節、運動神経であれば前角細胞が、蛋白合成を育む重要部位と示唆され、当該部位近傍まで届け、カスケード化させたinflammationを意図的/人為的に誘導して得られる結果も多いかもしれませんし、

 

これらの回復因子となる蛋白質は当該シェアや前項の通り、NSAIDsやステロイドで合成が阻害される為、行き過ぎた消炎、又は病態誤認による消炎行為は、仮に症状自覚は失われても、細胞レベルでの治癒遅延/治癒阻害を招く要因になります。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid036zGz4zzjmyMj13XJ95uH8CArjmFc6NJBjoAKUcX19NxWXWWot9Wq3LnhwpKpedeGl

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid0ZXVCZYwxbdDvvznETDzvrRv65vzhttGGR8aBFEp8UX71wR9CgF4eyoMuePUbjGuil

 

>>抗うつ薬を処方する医師が一定数存在する背景には、常用量依存の問題からベンゾジアゼピン抗不安薬(BZ系抗不安薬)の処方を控え、その代わりに抗うつ薬を処方している可能性が※1)

 

※上記は、日経メディカルに会員登録しなければ読めない部分から抜粋している為、未登録の場合は読めないです。

 

ベンゾの常用量依存の問題は、1950~60年代から始まっていますが、日本では大幅な遅れを取った2017年3月にPMDAが発表して以降※2)、添付文書に離脱症状のリスクが追記され、診療報酬の見直しから何から大きく変わり、リスク面の認知度も高まっていますが、改めて抜粋部分を読み直すと分かる通り、

 

「ベンゾに常用量依存の問題がある為、代わりに抗うつ薬」という流れは、2017年頃より傾向が見られ始め、何故このような流れが起きるかに関しては、抗うつ薬の類の添付文書には、離脱症状のリスクが記載されていないからと推測しています(新生児離脱等の記載は別)し、SSRIで一例を挙げますが、場合によっては現象そのものを以下のように否定しています。

 

>>投与中止(特に突然の中止)又は減量により、めまい、知覚障害(錯感覚、電気ショック様感覚、耳鳴等)、睡眠障害(悪夢を含む)、不安、焦燥、興奮、意識障害、嘔気、振戦、錯乱、発汗、頭痛、下痢等があらわれることがある。症状の多くは投与中止後数日以内にあらわれ、軽症から中等症であり、2週間程で軽快するが、患者によっては重症であったり、また、回復までに2、3ヵ月以上かかる場合もある。これまでに得られた情報からはこれらの症状は薬物依存によるものではないと考えられている※3)

 

参考までに、μオピオイドレセプタの部分的アゴニスト作用と、セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害作用(以下 SNRI)を持つトラマドール塩酸塩が主成分のトラマール※4)とトラムセット※5)の添付文書を見ると、共に重要な基本的注意の項目に

 

>>連用により薬物依存を生じることがある

 

と記載がありますが、SNRIのデュロキセチン(サインバルタ)※6)の添付文書には見当たりません。このように、オピオイドには依存性のリスクは記載されているものの、SSRISNRI、参考は挙げませんがNaSSAの類に当該リスクの記載はありません。念の為、三環系抗うつ薬クロミプラミン(アナフラニール)※7)、四環抗うつ薬のミアンセリンテトラミド)※8)には離脱症状のリスクの記載があります。参考までに※7)を以下に記載します。

 

>>投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害、筋攣縮等の離脱症状があらわれることがある

 

ここからも分かる通り、添付文書だけを見ていると、そのバランス感覚の悪さが分かりますが、「添付文書に記載がないから、そのような現象は起きない(或いは当該現象は薬物依存によるものではない)」、或いは「添付文書に記載があるから、そのような現象が起きる」で判断している兆候は読み取れます。

 

また、仮に添付文書に記載があり、当該症状の惹起が時系列に沿うものだとしても、当該合法薬物達と服薬者側の間には、傷病名が存在している為、それが離脱症状だとしても、服薬契機となった既存の○○病や○○障害、○○症候群の増悪とされる場合や、新規の病気と鞍替えされ続けているのが現状です。

 

これが同一神経伝達物質の動態変化が入る違法薬物であれば、離脱症状、或いは禁断症状と直ぐに表現と判断がされるのも、また不思議なもので、合法薬物だから離脱症状はなく、違法薬物だから離脱症状がある、とするのは無理な話です。

 

このように、ベンゾや抗うつ薬に限らず、左記含む精神作用物質全般や、オピオイド等の鎮痛剤の類は、世間一般で呼称される「依存症(=当該物質を飲んだばかりに、標的レセプタの変性と生理的な分泌能に異常を来す為、当該物質なしでは自律的な生命維持活動が困難になる)」のリスクはあると考えるのが妥当ですし、先々の安全に繋がっていくものです。

 

※1)https://medical.nikkeibp.co.jp/.../100.../202403/583411.html

 

※2)https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf

 

※3)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058794.pdf

 

※4)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00063379.pdf

 

※5)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00062002.pdf

 

※6)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058451.pdf

 

※7)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00001856.pdf

 

※8)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00007107.pdf

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f:id:fujiwarakota:20200710112556p:plain イメージ 1 ~針治療から病態定義の見直しを~

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