藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

梨状筋症候群に伴う外転筋の短縮(続き)

イメージ 1 では、このスパイラルからどのように脱却したら良いのか。
今回は絞扼性疼痛症に限局し、敢えて神経ブロックを用いないで除痛を目的とする事を前提に考えたいと思います。
  
 神経ブロックに重点を置き、普段治療を行っている僕にとっては、ブロック治療の効果の高さに甘えてしまい、ついつい他の手法を蔑ろにしていました。
 
 その為、神経ブロックが全く効かない患者様が現れてしまった際には、どのように手立てをうてば良いのか。これは、僕自身にとっても非常に大きな課題となっていました。
 
 筋肉の弛緩に伴い、神経圧迫が解除され、除痛となる一連的な流れを考えてみると、やはり先日にも書いた通り、必要箇所の筋肉に全て打たなければ効果や持続性も望めず、中途半端な結果になってしまいます。その反面、鍼の本数は増え、オーバードーゼになってしまいがちです。
 
 僕自身も未だにこの問題を解けない状態です。
只、これが確実な方法とは言い切れないのですが、刺鍼と抜鍼の順序、そして、刺鍼中(置鍼中)から抜鍼中にかけての経過中に、刺鍼部位以外のところをよく観察すると、刺鍼前には見られなかった硬結を発見出来る機会が多くあります。
 
 恐らくなのですが、身体に鍼を差し入れた結果、硬結等が表在に浮いてきたのだと思います。
そして、この硬結の位置を全て覚えておき(忘れやすい場合はマーキングしておいても良いかも)
全ての鍼を抜いた後に単刺で潰していくという作業を行います。
 
 この事により、治療終了後の結果が飛躍的に向上しています。結果的には刺鍼ポイントは多くなるのですが、単刺の為、オーバードーゼにはなりにくい事と効果の持続性の高さはカバー出来ていると思います。
只、この硬結が現れる場合というのは、神経ブロックも併用しながらの時でしか体験していないのですね。
というのも、患者様には100パーセントの割合で、どこかかしらにブロックかけながら治療を行っていますから、
神経ブロックしていない時の状態というのが、まだ分からないのです。
 
 今後機会を見て、神経ブロックなしの治療時に観察してみようと思います。
納得出来る答えを出せずに申し訳ありません。僕も引き続き勉強していきます。