藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

美容鍼

イメージ 1医者の業界でも同じような風潮はあるかもしれませんが、
業界内の人間が飽和状態になってくると、個別化を図る為か、「スポーツ」や「美容」という名称で掲げてくる医院、治療院が蔓延してきます。
 
鍼灸業界でも同じように、「スポーツ鍼」「美容鍼」と銘打っている治療院も多くあります。
 
銘打つ事の善悪は置いておいて、今回は美容鍼の効果であるリフトアップや小顔の作用について考えてみたいと思います。
 
前の項でも記載した「刺入速度」にても少し触れたのですが、体内に異物が刺入される事により、交感神経が高ぶり、筋収縮が起こります。
 
これは何を意味しているのかというと、表面上(外見上)では皮膚が引き締まってくる作用が起こります。その為、抜鍼してから暫くの間は顔が引き締まったように感じられるのですね。只、いつまでも交感神経が優位になっている訳でもなく、時間の経過と共に皮膚は元通りに戻ります。時間でいったら30分以内には元に戻ります。その為、時折見かけるビフォーアフターの写真に関しては、筋弛緩となる30分以内に撮影されたモノとなります。
 
20分以内の置鍼で交感神経優位のまま抜鍼⇒即撮影⇒アラ綺麗☆となります。
 
置鍼を20分以上続けると、今度は副交感神経が優位となり、筋弛緩が始まります。これが、一般的な肩こりや腰痛の緩和には必要な事になってくるのですが、小顔やリフトアップを目的にする場合、20分以上の置鍼は逆効果になってしまいます。
 
患者様が望むなら写真のような顔だけに鍼という施術もしますが、基本的には私のスタンスではない為やらないですね。
 
美容や健康を望むのであれば、全身の代謝を良くしていく鍼を行う事で十分に結果が出るのに、何故このような美容鍼という分野が出来上がったのか謎ですわ。