藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

Q、TPAやTPIによるLTRの本質を知りたい

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A、あくまで臨床上での話です。
 
仮説として、LTRが存在する場合、LTRと思われるポイントに鍼尖が到達し、強い響きを得る事ができ、抜鍼。
 
その際、外出血や内出血が多くとして見られる場合があります。恐らく、今まで定義付けで臨床に利用していたLTRという理論は、単なる血管損傷にて生じた痛み(pain)とも考えられます。
 
私は鍼灸師なのでTPAとはなるのですが、
強い響きを得たところで、
それが症状の快方に向かうかと言ったら、
そのような傾向は少なく思います。
 
如何せん臨床上、様々な部位に対して数十本の鍼を留める事になる為、その1本の強い響きがどのような効果を示しているかというのが今一つ実感しておりませんし、納得出来ていないところです。
 
又、現在は1人院の為、実験的な機会も皆無であり、
あくまで憶測での話にしかならない事を勘弁頂きたいと思います。
 
通常、触診にて把握出来る程度の表在にある血管であれば、乱雑な刺入をしない限り、血管が避けて鍼は体内に入っていきますが、深部の触知出来ない血管が、周辺の筋肉等に圧迫されて身動きが取れない状態のところに10G程度の太さの鍼が刺入されてきた場合、血管損傷の確立はゼロではないと考えられます。
 
それを硬結と捉えるか、血管と捉えるかは、刺入する側の手の感覚に頼るしかないというのが正直なところです。鍼尖を僅かに上下する事により硬結か血管かを見極める事になるのですが、
擬音にすると、血管の場合は「ムチムチ」「ネチネチ」「ニチニチ」で
筋肉の場合は「ムヂムヂ」「ネヂネヂ」「ニヂニヂ」です(笑)
 
数回に渡り数ミリ程度の幅で鍼尖を上下する事により、筋肉へ刺入している場合は手応えは軽くなってきますが、血管の場合は手応えは変わりません。いつまで経ってもムチムチしています。
 
確かにTPを指標にした場合、例を挙げれば大腿外側や下腿外側の自覚痛やシビレに関し、中臀筋や小臀筋に刺入する事で、痛みが増幅、或いは再現され、緩和されるケースが非常に多くありますが、受け手側の感想を
聞く限り、非常に漠然とした増幅や再現痛である事が多く、LTRとは言い難い状態です。
 
他には、刺入速度が速ければ速いほどLTRを実感される機会が多いとのことですが、それはやはり
速い刺入速度により、体内の神経や血管が避けきれずに針先が当たってしまっているという考えも出来ます。
筋肉への刺入というのは、上述にもある通り、漠然とした響きや痛みなのかと思います。
筋膜の場合はもっと鋭い痛みに感じる場合も多いかと思いますが、やはりLTRとは異なりますしね。
 
その為、現在のところ、LTRは血管損傷(あるいは神経損傷の可能性も否定出来ません)としか捉えられないですね。
 
 
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