今回は片腹痛くなる有名なキャンペーンを参考に。
<睡眠キャンペーン>
ターゲットとなる働き盛り世代男性の訴求性を高めるために以下の工夫をした。
①不眠を切り口とした明快なメッセージ
「パパちゃんと寝てる?」、「2週間以上続く不眠は、うつのサイン」、「お医者さんに行かなくちゃ!」
②娘から伝える
③多様な媒体の活用
また、従来のうつ病を前面に出した施策では、「こころのバリア」が支障となり、特に働き盛り世代男性に
は受け入れられにくい課題があった。このため、「睡眠」をキーワードとすることで、誰にでも理解されやすく、
健康問題として様々な立場で取り組みやすくなっている。
<紹介システム>
かかりつけ医・産業医がうつのスクリーニングをしやすくするために紹介のための基準や補助アイテムの
「顔の見える関係」になることで、連携が深まっている。
頻繁に市販の睡眠改善薬を購入する人に、医師とよく相談するよう薬剤師が声をかける取組を実施している。
酒販組合の協力により、啓発ポスターの掲示を小売酒屋に依頼したり、
ステッカーを酒販店の配達用軽トラックに貼るなどの依頼をしている。
睡眠キャンペーンが開始された平成18年と翌年の平成19年にかけては減少しています。
しかし、平成20年には再び増加しています。
平成17年 71人
18年 51人
19年 51人
20年 60人
21年 70人 (人口動態統計より)
とりあえず平成17年は自殺者のピークだったようですが、
平成20年、21年と増加して再びピークに達してしまいました。
この富士モデルは、自殺対策に効果があるとして絶賛され、
国が全国的な対策として採用したもののはずでしたが
私が一番おかしいと感じていることは、
このキャンペーンの実効性に関して何ら分析・評価がされていないことです。
つなぐことができました。」と誇らしげに広報で成果を強調しています。
しかし、その200人がどうなったかについては、全く追跡調査が行われていないのです。
精神科を受診した人が、完治したのか、自殺したのか、誰も把握していません。
いかに自殺を防ぐという目的が、いかに精神科を受診させるのかという手段に摩り替わってしまっているのです。ですから、○人も受診に繋げた、という事実を「成果」として発表するのです。
地域全体として自殺問題に取り組もうという試み自体は素晴らしいです。
人々が自殺問題に関心を持ち、父親の健康状態に関心を持ったことが、
短期的に自殺を減少させた本当の理由なのでしょう。
しかし、精神科で治療を受けること=自殺対策という麻痺した思考によるツケは、
しばらく経ってから現れるのです。
効果がないどころか、害悪すらある睡眠キャンペーンを政府が続ける限り、
国民のメンタルヘルスは蝕まれていくことでしょう。少なくとも、
精神医療現場におけるDSM依存による誤診、除外診断の無視、多剤大量処方、
医師による医薬品添付文書の無視という状況を解決しない限り、被害者は増える一方です。
この構図は、精神疾患の早期介入にも言えることです。
睡眠キャンペーンについて疑問を抱く人がいなかったように、
今のところ早期介入という概念が政府や国民に受け入れられつつあります。
しかし、これは数年後にとんでもない状況を引き起こすことでしょう。
何人の子どもの命や人生が奪われてから、その深刻な状況に気付くのでしょうか。
嫌な予感しかしない静岡県…。何が起きているのでしょうか。
静岡に限らず今後の動向を見るに辺り「自殺」の数もそうですが、
「不審死」として扱われる数も追わなければなりませんね。
~青森から鍼灸治療の意識改革を~