藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

変わらぬ根本的思考を1960年代から読む


根本的思考に変化が見られない以上、精神医療は患者の脳に原因を求め、脳を揺さぶり続けます。
ロボトミーは衰退しましたが、言っている事と遣っている事は今も昔も変わりません。

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ロボトミーを題材とした作品があります。

この作品は、精神病を脳に取り付ける装置で治そうとする医師が、
ある自閉症の患者の治療のため、彼の脳に心をコントロールする装置をつけるといったお話です。
ところが、その患者は精神に異常をきたしてしまい傷害を起こします。
結局、最後はブラックジャックがその装置を取り除き、めでたしめでたし・・といった内容です。

この作品は、
当時ロボトミーを推進していた医師会からの圧力がかかったため、お蔵入りしたと言われています。

ブラックジャックが週間連載されていたのは、1973~78年です。
そして、この「快楽の座」が掲載されたのが、少年チャンピオン 1975年1月20日発売のNo.4号。
おそらく原稿は1974年の終わりに書かれていると思われます。
 
アメリカでは1970年代にはほとんど姿を消したロボトミーですが、
日本では、日本精神神経学会で「精神外科を否定する決議」が可決されて
ロボトミーがようやく完全に過去のものとなったのは1975年です。
これから考えると、作品発表が後1年遅かったら、お蔵入りにならなかったのでは?と思うのですが。

ロボトミー手術とは」
 
フリーマンとジェームズ・ワッツ (James W. Watts) により術式が「発展」されたこともあり、
難治性の精神疾患患者に対して熱心に施術された。
1949年にはモニスにノーベル生理学・医学賞が与えられた。
 
しかし、その後、抗精神病薬の発明と飛躍的な発展がされたことと、
ロボトミーの副作用の大きさと相まって規模は縮小し、
脳神経学では禁忌とまでにされて追い込まれる事になる。
 
また、モニス自身もロボトミー手術を行った患者に銃撃され重傷を負い、
諸々の施術が(当時としては)人体実験に近かった事も含め、槍玉に挙げられ廃れる事になる。

lobotmy = lobo(前頭葉・中肺葉などの「葉」をあらわす)+tomy(切除する) 
つまり、総じて言ってしまえば脳の一部を切除する手術のことです。
 
もちろん、甚だしい害をもたらすことは間違いありません。
かつてこの手術は究極の治療として賞賛されました。
しかし、事実を知らない人々による賞賛の陰で、尋常でない数の人の命が奪われていました。
もちろんこのような手術を考案したのは精神科医であり、実践していたのも精神科医です。
このような、劇的な手法は精神科医の正体を自ら露呈することとなり、非難を浴びることになりました。

精神科医はこの非難をかわすために、
ロボトミー手術ほど劇的ではないものの、
しかし確実にロボトミーと同じ効果をもたらすものを探していました。
1950年代初めに、次なる「奇跡の治療」が開発されました。
 
この治療は精神医学の金庫を膨れ上がらせ、
精神医療施設の様相を変えるものとなりましたが、
彼らの意図そのものは決して変りませんでした。
 
フランスの精神科医ジャン・ドレーは、
もともと合成染料として開発された薬品、「ソラジン」を発見しました。
抗精神病薬」として売り出されたソラジンは、脳の機能を妨げるものであり、
精神科医たちはその作用を「化学的ロボトミー」と呼びました。
 
ソラジンの発売と同時期に、
精神科医のビジネスをその後一変させることとなった、新たな進展がありました。
薬品をどのように投与するかは医師の処方箋によって決定されるという新しい法律です。
 
その結果、大手製薬会社は医師を自分達の味方に引き入れようとするようになりました。
1951年まで、米国医師会(AMA)は製薬業界に対する監視機能を果たしていましたが、
製薬会社から影響を受けたAMAは、公正であるべきその立場を捨てて、
利益を追求する薬物ビジネスに加担したのです。
 
その結果、ソラジンが発売されてから8ヶ月のうちに、
米国では精神科医によっておよそ200万人の患者にソラジンが投与されました。
その4分の3が施設に収容されていない患者でした。
精神科医と製薬業界は一生薬を消費し続けてくれる顧客を作り出すために、
世間に彼らの「医薬品」を押し付けようと躍起になっていました。
 
こうした薬物の使用は精神医学の領域を超えて一般の医療にまで浸透し続け、
ごく日常的な身体の不調に対しても投与されるようになっていきました。
1960年代半ばまでに、アメリカでは向精神薬を摂取したことがある
成人の割合は48%にまで上昇し、精神医学と性錫業界は何十億ドルもの金を得たのです。
 
1967年、プエルトリコ精神科医と医師が集まり
「2000年には、向精神薬を正常な人間にも使えるようにする」という彼らの計画を推し進めました。
この会議の報告書はこう述べられています。 
 
「この分野で働く我々は、
人間の感情や心の機能、意思をほぼ完全にコントロールできる可能性が発展しているのを
目の当たりにしている。こうした人間的な現象は、様々な化学物質を使用することで引き起こしたり、
止めたり、排除することが可能である。」

精神科医にさえ行っていなければ自殺はしなかった…。
 
米国ではこんな声が沸き起こり、
既に、自殺促進剤である向精神薬を製造している製薬会社に対して、
数千億円規模の損害賠償訴訟が起きています。そして、既にその一部は結審し、
製薬会社は和解金の支払いに応じています。 そんな先行事例があるにも関わらず、
わが国では精神科医が、製薬会社の営業マンとして躍起になって向精神薬の売込みを行っています。

以前にもご紹介しましたので覚えている方もいらしゃるかと思いますが、
絵本を書いた横浜カメリア病院の精神科医・宮田雄吾氏が全国行脚し、
教育の現場から子どもたちを精神科に連れて行くためのインフラを急ピッチで構築しているようです。
彼の講演会の資料を拝見しますと、
実に巧妙に 「精神科へ行くことに同意させるか…」 ということが述べられています。

では、その精神科医が書籍でどのようなことを述べているのかがヒントになると思います。
新潮社『子どもの心の処方箋 精神科児童思春期外来の現場から』(著者:宮田雄吾)から一部引用します。

【・・・その治療においてもっとも重視されるものは薬物療法だ。
「精神療法は上手いが薬物療法は下手な精神科医」と「精神療法は下手だが薬物療法は上手い精神科医」の
どちらを信頼すべきかと問われれば、答えは後者だ。
薬物療法を軽視する精神科医は、それこそ使い物にならない。
精神科で使う薬は「向精神薬」と呼ばれる。向精神薬は様々な種類がある。
 
抗精神病薬」「抗うつ薬」「抗不安薬」「抗てんかん薬」「睡眠導入剤」などが代表的だ。

薬への偏見は根強い。
怖がって、必要以上に使用が手控えられてしまうことも多い。
しかし、これらの薬が人格を変えることはない。脳内における神経伝達の機能不全を改善するだけである。
専門家の指導下で使用すれば安全性も高い。麻薬のような依存性を有するものは、ほとんどない。
メチルフェニデート(商品名リタリン)の依存性が一時、盛んに報じられたが、
この薬は極めて特殊な例に過ぎない。通常の向精神薬より、アルコールのほうがはるかに依存性は高い。
睡眠導入剤抗精神病薬の多量服薬など、恐れるに足らず。 病院に受診させる必要はあるが、
よほど多量でなければ、通常は死なない。睡眠薬=自殺と結びつけるサスペンスドラマの罪は重い。】

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これだけ患者を殺して縛って隔離して何言ってんだか。(自殺数は含まれていません)


 
彼が社会人になって、就職したのが製薬会社。

その製薬会社の社員寮で遭遇した現実…

それは「製薬会社の社員は薬を飲まないという現実」であった。

その製薬会社の重役の言葉…

「薬なんて効きやしないよ」

重役の部屋に入っていくのは、その重役に呼ばれた鍼灸師や、漢方医

彼らに治療を受けながら重役は言う。

「薬なんて効きやしないよ」

希望に燃えて入社した○○さんの希望は、音を立てて崩れ去った。

怒りに感情を爆発させた○○青年は、結局会社を去ることになる。

【電話】 0173-74-9045 又は 050-1088-2488
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