藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

Q,鍼灸師です。更問いの内容に関して。


3日の夜に中途半端な体勢でくしゃみをしたら、右の腰に激痛が走り動けなくなりました。
その後寝返りをうつにも難儀しました。 翌日の4日は仕事が休みで安静にしてました。
5日は仕事に行き、動き回っていたらまた激痛が走り、歩くのにも時間がかかりました。
そのうち、右足が痛くなり、足首も痛くなり、ついには両脚の膝が痛み出しました。
今は腰にしか痛みはありません。次の日の6日は朝なかなかベッドから出れず、
這って歩いてトイレに行き、顔を洗うにもかがむことができず苦労しました。
起きてすぐは両脚が熱をもっていた様で熱かったです。

病院でギックリ腰と診断されました。原因は、咳です。
今は痛み止めを飲み、安静にしているのですが、まだ歩行がおぼつかない状態です。
朝起きると、熱が37.5度あり、ロ
ソニンを飲んでも熱が下がりません。
突然、左膝が痛み、右足首内側と甲に打ち身の様な痛みが発症しました。
友人は、弛緩材(ミオナール錠)のせいで庇っていた膝や足首に痛みが出たんだよ、と言います。
でも熱は2日たっても下がりません。足首の腫れも酷くなっていきます。

ぎっくり腰になり、1ヶ月経ちましたが右脚のしびれが消えず、毎朝疼きます。
病院に行きましたがなんら改善がありません。
脚に感覚がないので足首は捻挫するし歩き方はおかしいし、膝や股関節も痛くなってきました。
医者には「それぐらいでは、障害とは言えないし、若いから大丈夫」と、言われました。

60代男性です。腰痛からくると思われるおしりとひざから下の痛みに悩まされています。
一ヶ月ほど前に無理な体勢で車に飛び乗った事からぎっくり腰を起こしました。その後遺症なのか...?
右のおしりと右足のひざから下、ふくらはぎあたりの痛みが2週間ほど続いています。
どんな時も痛みがあり、重い筋肉痛のような痛みです。
座っているときも立っている時も(立っているほうがいくらか痛みが和らぐ)、
時には痛みで眠れない事もあります。
今は痛みに対して普通の痛み止めだと効き目がなくなり
一日一回程度座薬を使用し痛みを何とかしのいでいます。

1.左腰に違和感が生じて、左足膝の裏も痛くなってます。
2.柔らかい所(普通のベッド)で寝ると左腰が主に(腰全体)痛くなる、何故。

長年腰痛に悩まされてきましたが、昨日ついに我慢出来なくなり受診しました。
筋肉からくるぎっくり腰と言われ、施術を受けて腰の痛みは和らぎ、
本日仕事に行ったところ、午前中は何ともなかったのに午後に急に右足に激痛を感じました。
仕事は早退したのですが、病院は予約で一杯で明日まで受診出来ないので、
とにかく自宅で横になってる状況です。右足の痛みは取れず足の筋肉がビクビクしてる気がします。
ひきつるような痛みが続き、たまに激しい痛みになります。

一度大きなダメージを受けた筋に関しては、非処置、誤処置のまま時間を過ごした場合、
上記の赤字患者群の如く、症状が各部位へ拡大していく可能性があります。
2次的発症箇所に関しては、患者の体重や筋肉量、仕事内容、休養時の姿勢、
既往症等々により変動し、発痛度合いも異なってきます。
 
これらの症状に関しては、未加療でも自然治癒の可能性はあります。
但し、その期間が1~2週間程度経過しても良化へ転じない場合もあります。
 
勿論、発症から治療までの期間が早期であればあるほど、
治癒までの期間は短縮されますので、早いに越した事はありません。
しかしながら、人間は受傷後も骨折等の歩行不能状態に陥るような状況にならない限りは、
なかなか受診されずに時間の経過に身を委ねるものです。
 
周囲の意見、自身が過去に痛めた際に受診した際の対応や治癒度合い等々を鑑み、
放っておくという手段を取る方も少なくないのが現状かと思います。
それは、整形外科であっても鍼灸院でも整骨院でも同じでしょう。
「だって行ったって湿布貰って電気かけるんでしょ?」的な。
 
上記患者群は全て、所謂ギックリ腰からの派生です。
赤字患者の声を改めて抜粋していきますと、
 
>>右足が痛くなり、足首も痛くなり、ついには両脚の膝が痛み出しました
>>両脚が熱をもっていた様で熱かったです
>>左膝が痛み、右足首内側と甲に打ち身の様な痛みが発症しました
>>足首の腫れも酷くなっていきます。
>>1ヶ月経ちましたが右脚のしびれが消えず、毎朝疼きます
>>脚に感覚がないので足首は捻挫するし歩き方はおかしいし、膝や股関節も痛くなってきました
>>右のおしりと右足のひざから下、ふくらはぎあたりの痛みが2週間ほど続いています
>>左足膝の裏も痛くなってます
>>右足に激痛を感じました
>>右足の痛みは取れず足の筋肉がビクビクしてる気がします
>>ひきつるような痛みが続き、たまに激しい痛みになります
 
このように、痛みの箇所が腰部だけではなく、下肢へと拡がっています。
今回は全て下肢痛患者を対象としましたが、中には上半身へ発痛が拡がり、
腕や首への痛みまで拡がる方もいます。
 
仮に、この段階で整形外科に行った場合の対応というのはどうでしょう。
通院する患者自身もオチが読める展開になるでしょうから敢えて書きませんが、
基本的に画像診断に頼る限り、上記赤字の連鎖的愁訴を追求する事は出来ません。
 
仮に発症前に器質的異常(椎間板ヘルニアや狭窄)が無かった場合でも
数ヶ月~数年単位で痛みを堪えていた場合、
急激に短縮及び伸張、短縮若しくは伸張している筋群により、器質的異常は生じるでしょう。
そんな折、写真を見て異常があった場合は、
下肢痛の原因をヘルニアや狭窄だとされる可能性も高まります。
 
但し、これは結果として器質的異常が生じただけであり、原因ではありません。
そして、この結果に対しての処置(除去、固定、下肢への電気やマッサージ・鍼等の各種アプローチ)
をしただけでは、症状の変化はほぼ無いものと捉えられます。
 
これらの患者群に対しての観血的治療の非に関しては過去にも沢山書いてきたので省略しますが、
下肢への電気やマッサージ・鍼等を用いた場合に関しても、
一時的な循環機能の改善は得られるかもしれませんが、
あくまで一時的なのは患者自身もよく分かっているのではないかと思います。
 
そして、器質的異常が無かった場合、どのような流れになるかも過去に述べた通り、
原因不明、ストレス、歳じゃないの?の決まり文句の他、今は都合の良い病名もありますね。

発症からの時系列を追う事で、原因は見えてきます。
 
前項にも記載しましたが、
患者が一度病院に掛かられた場合、告げられた診断名をぶら下げて来院されます。
我々がその診断名に振り回されると、患者への対応や立ち回りも整形と同一となり、
結果的に症状改善~治癒へと引き上げる事が出来なくなります。
 
一つの見立て方としてギックリ腰に至った誘因からとはなるのですが、
ギックリ腰一つとっても単なる筋肉の引き攣れから軟部組織の損傷まで幅広いかもしれませんが、
来院する頃には既に発痛箇所の自覚的疼痛は既に拡大しつつあるのが現状かと思います。
 
例えば受傷箇所がL5近辺だったとしても、
既に強い筋緊張より腰部全体の姿勢制御筋の引き攣れや痛みであったり、
椅子に腰を掛ける時、車に座る時、治療院のベッドに横になる時にグキッと出るような痛みだったり、
かと思えば、腸骨上方の「ここ骨じゃないの?」みたいな場所にも痛みを感じたり、
足が重だるかったり、腰部にガチガチにコルセットを巻いてきたりとか様々ですね。
 
既にこの段階では疼痛箇所は患者自身も訳が分からなくなっていると同時に、
受傷初期の強い痛みと焦りと不安で問診もままならなくなります。
では、何故L5近辺を受傷したのでしょうか。
受傷原因は患者が一番把握されていると思います。
 
以前も書いた通り、椎間関節間の可動域なんてたかが知れていますね。
その為にL5に受傷時に痛みを感じていたとしても、L5の筋群には原因はない。
原因が無いと言う事は、揉んでも鍼を刺しても効果は乏しい事が分かります。
L5を制御している筋群は何処でしょうか。脊柱を制御している箇所は何処かと考察していきます。
脊柱を制御(支持)している箇所となると、答えは見えてきますね。
 
且つ、下肢痛の発症要因も見えてくるのではないでしょうか。
これは、MPSとしての考察だけでは幾分足りない部分であり、
所謂トリガーの発症箇所を探るのではなく、発症要因となる箇所を探ることになります。
そうなると、答えは一つになりますね。
 
上記赤字患者群の原因は全て同一箇所に絞る事が出来ます。
たまに患者さんより、「色々な症状を持つ方がいるから大変でしょ?(運動器疾患の患者に対して)」
と聞かれる事がありますが、実はそんな事もなかったりするのが本音だったりもしたり
例外は時にあるかもしれませんが、原則的に患者は違えど症状は違えど
似たような刺鍼箇所に帰結するのもココに理由があるんですね。
 
この状態で治療回数を追う事により、患者に対して生まれるメリットとして
 
・症状の変化が一切見られない場合、改めて精査依頼を上げられ易くなる
・良化、悪化の日常生活姿勢が明確に把握出来るようになる
 
となります。
 
筋肉由来の各症状というものは、日常生活に於いて必要不可欠な活動材料であり、
良化させるも悪化させるも日常動作で左右される事が患者自身に納得してもらえれば、
幾らでも回避してもらえるようになるものです。

患者は基本的に治癒機構が備わっているものです。
その為に未加療であったとしても治癒へ向かう可能性は大いにあります。
筋肉由来の痛みであれば、寝てれば治るという話も時としてアリなのです。
しかし、大方の患者は何日も寝ていられるような時間的余裕はありません。
 
仕事や家事により、痛みを堪えながら動かなければならないでしょう。
痛みのあまり、就寝姿勢すらも分からなくなる時があるでしょう。
このような状況であれば、痛みが拡大していくのも無理のない話しです。

我々は鍼灸師なのですから、鍼灸師としての視点で患者と対峙するのが一番です。
他の医療従事者の意見を鵜呑みにし、ドツボにはまった経験をされたのは一度や二度ではないと思います。
 
そこには中枢感作だのワインドアップだのなんてどうでも良い世界が見えてくるはずです。

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こんなデータもどうでもよいのです。我々は腫瘍・その他の1%以外の腰痛と闘えます。

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