FB投稿分 6月22日
横紋筋融解症に関しての余談。
近年、食品が薬に及ぼす影響が注目されています。
食品そのものには毒性がなくても、薬との併用で重篤な有害反応を起こすことがあります。
近年、食品が薬に及ぼす影響が注目されています。
食品そのものには毒性がなくても、薬との併用で重篤な有害反応を起こすことがあります。
これまでに判明している食品の中でも、特に注目されているグレープフルーツ・ジュースについて述べます。
薬といえども生体にとっては異物であり、
薬といえども生体にとっては異物であり、
経口投与された薬は小腸で吸収され肝を経て全身循環に入ります。
CYP3A4を阻害すると血中薬物濃度が上昇し過ぎて有害反応が出現します。
グレープフルーツに含まれるフラノクマリンは、このCYP3A4活性を強力に阻害するため、
グレープフルーツ・ジュースを飲用すると血中薬物濃度が上昇し、
日本では2005年より販売されています。メーカーの説明では、
この薬による横紋筋融解症などの重篤な副作用の発生率は低いとされています。
ところが、この薬にグレープフルーツ・ジュースを飲み合わせると重大な副作用を起こす可能性があります。
リピトール(アトルバスタチン)は生体内でのコレステロール合成を抑えるとともに、
リピトール(アトルバスタチン)は生体内でのコレステロール合成を抑えるとともに、
血液中からのLDLコレステロールの取り込みを促進する作用があるため、
高脂血症の治療薬として使用されています。
このアトルバスタチンによる有害反応には横紋筋融解症があります。
この中の1例は、発症前の2ヶ月間に、1日2~3杯のグレープフルーツ・ジュースを飲み、
アトルバスタチンを、1日10~60mg(2ヶ月間に増量)を経口投与していました。
併用注意とされています。
この他でCYP3A4によって代謝され、グレープフルーツ・ジュースの影響を受けやすい薬は、
この他でCYP3A4によって代謝され、グレープフルーツ・ジュースの影響を受けやすい薬は、
・マクロライド系抗菌薬
・カルシウム拮抗薬
・HMG-CoA還元酵素阻害薬
・ベンゾジアゼピン系睡眠誘導薬
・抗アレルギー薬
などが知られています。
いずれも日常の診療でよく使用されている薬ですので注意が必要です。
グレープフルーツ・ジュースを飲用すると、
グレープフルーツ・ジュースを飲用すると、
酵素活性が50%回復するためには23時間必要とされています。
飲用した後は、その日はこれらの薬は飲まないことが賢明です。
グレープフルーツはスイート・オレンジとマンダリンの交配によって作られましたが、
グレープフルーツはスイート・オレンジとマンダリンの交配によって作られましたが、
スイート・オレンジはさらに、プメロとマンダリンの交配によるものです。
これらの中でフラノクマリンが含まれているのは、プメロ、スイート・オレンジ、グレープフルーツです。
商品名のLyrica は、lyric(叙情的)に ca (カルシウム)をくっ付けた言葉です。
この薬は一種のカルシウム拮抗薬で、神経細胞にあるカルシウムの出入り口である、
カルシウムチャネルの開閉をコントロールしている、α2δ という蛋白質にくっついて、
その門からカルシウムが入らないようにしてしまう働きを持っています。
この薬は一種のカルシウム拮抗薬で、神経細胞にあるカルシウムの出入り口である、
カルシウムチャネルの開閉をコントロールしている、α2δ という蛋白質にくっついて、
その門からカルシウムが入らないようにしてしまう働きを持っています。
リリカ添付文書には上記危険性の記載はありません。
~青森から鍼灸治療の意識改革を~