藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

参考資料2

器質的変異や血流障害系を除外した上で、
免荷時では痛まないのに荷重すると痛む場合って
筋肉の伸張痛や短縮痛、回転トルク、モーメントだけでは
説明し難いケースって沢山あると思うのです。

横臥位では疼痛が無く、仰臥位や腹臥位難。
歩行の際に患側に荷重を掛けると、大腿外側~下腿外側に掛けて
鋭い痺れと痛みを感じるそうです。

神経周膜や上膜には痛覚線維が無いと仮定した場合、(有るという人もいる)
鍼とかでの機械的刺激が加わらぬ以上、圧迫や絞扼は疼痛の原因として
考えがたく、私自身も今現在、所謂ヘルニア云々に関しては筋筋膜性疼痛症候群
として治療を行い、一応は結果が出てはいます。
恐らく、
⇒外傷なり疲労の蓄積なりで血流量の低下が起こる
⇒筋肉の短縮が起こる
⇒筋肉は短縮するも、筋膜は自動性を持たない(反対意見もある)為に引き攣られる
⇒結果、痛みとして自覚されるのかしらん
的な程度にしか考えられません。

只、これだけではヘルニアと診断された患者の痛みを単なる筋痛症とも
言えないし、ヘルニアが神経を圧迫しているから痛いという説も納得し難い点もあります。

毎回全く同じ箇所(腰臀部)しか鍼にて刺激していない患者が、
治療回数を重ねる毎に下肢への放散する痛みのラインが変化しつつ、改善されていく場合が非常に多い。
例えばお尻と足首だけが痛い患者の場合、足首の痛みの改善と共に、下腿に痛みを覚える、
下腿が楽になれば大腿が痛くなる、大腿が楽になれば、お尻だけが痛くなる。
そして、お尻の痛みも無くなって楽なったって。

就寝時は横臥位程度しか出来ないワケってのも
腹部や腰部の屈曲筋群の持続的な短縮が伴う結果ではあると思います。
で、トーマステストなりを行ったとしても(ラセーグだっけ。名前忘れた)
荷重時と同様の放散痛は得られにくい。放散痛は出るにせよ、
痛みのラインは歩行時の痛みとは異なる。そして、患側は遊脚期~接地期~爪先離れ期
に掛けて微妙なりに痛む箇所が微妙に変わってくるケースも多々としてある。
足を挙げる関節は股関節になる訳ですね。
股関節の関連筋群に一つ目星を着けていくのですが、
腰椎や骨盤から大腿骨に伸びる筋群で、
歩行の荷重時に大きく床へのベクトルが変動するのは股関節。 
立脚期では、主に中臀筋と小臀筋の股関節外転筋によって賄われます。
ここに何やら荷重時の痛みの原因があると思うのです。
痛みで腰椎が捻れている場合も多いと思います。捻れているという事は、荷重でベクトルが
変化する以前に既にベクトルが変化している。変化している状態から更に歩行で変化するから痛む。
これが治療毎に改善されていけば、放散痛のラインも変わるし、
歩行時によっても放散痛のラインが変化するという風に
今しがた思い浮かんだのですが、どないなもんでげしょうか。


>>中臀筋の治療をすると坐骨神経に当たっていないのに
下肢への放散痛や痺れが再現されるので仰る通りだと思います。
刺鍼により再現痛が発生する理由も分からないですよね。
ジャンプサインだよトリガーだよで片付けられればそれで終わりですが、
中臀筋以外でも、腹部への刺鍼でも下肢への放散痛は幾らでも得られます。
これらの認知痛等々があったとしても100%改善するかと言ったらそうでもない面もあります。
原因の箇所が重力にも抗していられる身体を併行して作らねばならない理由も
そこにはあるのでしょうけど。


痛みに関しては仰る通り複合的な要素が多く絡んでくるので…。
ソースは今出せませんが(多分○○や○○のHPを漁ればあるかしら)、
無症候の椎間板ヘルニアの割合も非常に多い事、
デルマトームや神経に沿った痛みが無い患者が多い事、日内変動を伴う事、
姿勢で放散痛の箇所が微妙なりとも変化する事、そしてヘルニアと診断された
腰下肢痛患者が鍼で治る事、臀部だけの刺鍼で治る事等々を考えれば
「ヘルニア=痛い」が納得出来なく、本当は良くないでしょうけど、
最近はヘルニアや圧迫骨折含め、筋筋膜性疼痛症候群で片付けてしまってます。
完全な麻痺となれば話は別ですが…。


>>免荷・荷重と言っても無意識に筋トーヌスがあってミクロには常に動いてるわけだから、免荷時でも神経受容器への刺激が0ではないはず。

その通りだと思います。どんな体勢で床に横になっていようが、
大なり小なり筋肉には何らかしらの力は掛かっていると思います。
置鍼中、患者の痛みだ痺れだが軽減されていき、そのまま眠る事はザラにあると
思います。で、治療直後にベッドから立ち上がると、又痛みが暴走を始める。

これは私の治療にも問題があるのかもしれませんが、ここは百歩譲って頂いて、
まだまだ立位に持ち堪えられる筋肉に至っていないとも考えられます。
治療回数を重ねる毎に痛みが軽減されてくるのは、この事なのかしら。
床になっても耐えられる筋肉になり、立位でも耐えられるようになり、
歩行でも耐えられ、直に走っても問題が無くなるような流れですか。
治療回数を追う毎に、足まで伸びていた痛みも少しずつ原発となる
お尻に向かっていくのかなと。


中臀筋患者&ヘルニア患者に関しては、
治療回数8回程度にてVAS10⇒1~0の状態を保つ事が出来ました。
2~3回の治療でVAS10⇒5程度まで持っていく事が出来るのですが、
その後がもたついてしまうんですよね。どの患者にも言えるのですが…。
なので、最近では1~2回で終わる患者か、10回弱~強を要する患者かの
両極端な人が多く占めている状態です。 (受傷時期や症状の度合いにより)
開院間もない頃は高齢者が占めていたのですが、
最近は10代~40代の層が増えてきたので、いかに早期段階で社会復帰させる
かが私にとっての課題となっております。
ほんで、前に荷重痛は散々中臀筋と考えていたのですが、勿論
小臀筋、中臀筋、大腿筋膜張筋等の股関節外転筋の弱化も関連している
のでしょうけど、股関節外転OR外旋筋を制御しているであろう
太ももの内転筋群や大殿筋、外閉鎖筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、
大腿方形筋、梨状筋等の外旋筋群に問題があるのではないのかと思っているんですよ。
上の股関節外転筋を制御出来ない筋群にアプローチするだけで良くなってったり
しているのも事実でしたし。
>L5S1手術して左足痺れとかある人

よく聞きますよね。んで話を聞くと朝から晩まで痺れがある訳でもなく、
日内変動のある患者しか私は見たことがないのですが、(あくまで今の流れに該当する患者での話)
これってこれですよね。要は前にどなたかが言ってた正座して痺れるのと同じ理屈ですよね。
ほぼ100パー鍼治療で取れますし。
無駄骨を相互に折らせる結果にだけはしたくないですからね。
 
椎間板ヘルニアと診断された強い腰下肢痛を訴える患者46名と、 年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をM RIで比較した結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85% に椎間板変性が確認された。http://1.usa.gov/iN3oKG
 
・‎20~80歳までの腰痛未経験者98名を対象にMRIで腰部椎 間板を分析した結果、少なくとも1ヵ所以上の椎間板膨隆が52% 、椎間板突出が27%、椎間板脱出が1%確認されたことから、腰 痛下肢痛患者の異常所見は偶然の可能性。http://1.usa.gov/l2kc0U
 
・‎20~80歳までの腰痛未経験者67名を対象にMRIで腰部椎 間板を分析した結果、21~36%に椎間板ヘルニアが、50~7 9%に椎間板膨隆が、34~93%に椎間板変性が確認されたこと から、腰痛等が無くてもヘルニアは存在するため、手術の選択は慎重にすべきと結論。http://1.usa.gov/knGWuH
 
・‎21~80歳までの腰痛未経験者52名を対象にCATスキャン で腰部椎間板を分析した結果、年齢に関わらず35.4%に何らか の異常が検出され、40歳未満の19.5%に、40歳以上の26 .9%に無症候性(症状のない)椎間板ヘルニアが確認。http://1.usa.gov/mBTclS
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