藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

参考資料

※私が以前、とある所で発言した内容に関して、私個人の参考資料として保存しておきたいだけの内容なので、第三者の方がご覧になられても話の前後がありませんので分からないかもしれませんが、何かの参考になればと思いアップします。
 
○○様がTPBを受けられた期日は存じ上げませんが、
ご存知の通り、TPBは麻酔薬を体内に浸潤させる為に注射針が体内に刺さります。
そして、注射針による刺激だけでも筋肉の痛みに対して奏功致します。
その為、症状の程度にもよりますが、針が的を得ている場合は1週間程度の時間を掛けて快方に向かい続け、1回の治療で100%良くなる事はないにせよ、痛みもぶり返す事なく安定し、治療回数の
積み重ねにより良くなり続けていきます。


質問①に関しては、引き続き効果的なTPBを受けられる事並びに、強く押すと痛い場所の筋肉が拘縮されてしまった原因にもアプローチしない限りはその場凌ぎの結果で終わり続けてしまいます。
他、日常生活の見直しも大変重要となります。

質問②に関しては、通院時による疲労による筋緊張とも考えられます。実際に見た訳ではないので
広範囲という状況が分かりかねますが、いずれ落ち着くものと思います。
完治される事を祈っています。


トリガーのみでの治療を行う場合、軽症患者しか完治しない事は、治療を行う側の人間だったら直ぐに気付くはずです。トリガーはあくまで痛みの結果であり、原因ではありません。
トリガーが出来た理由を探り、治療を行わなければ治癒までは程遠いものになってしまいます。


麻酔薬の効果云々に関しては詳しく申し上げられないのですが、
針が体内に差し込まれれば、大なり小なり傷が付きます。
この刺傷を治す作用は炎症期~瘢痕期~治癒期と経過していくのですが、日数が掛かります。
その為に、治療直後に結果が自覚なされなくとも、しかと原因へアプローチが出来ていれば
後は日常生活を気をつけて送って頂くだけで楽になってきます。


評価法の為にも、私は関連痛の箇所は無視して治療を行っているのですが、○○さんが仰られる通り
原因の箇所(原発)さえ捉えた治療が出来ていれば、当初の関連痛の箇所は軽減されつつ、どんどん
関連痛が原発に近くなっていき、最後は原発の痛みを残すのみという段階を経る事になります。


いわゆるMPSに関しては、
仕事や生活環境に於ける悪化因子の積み重ねでの発症が大方で考えている為、
(挫傷や打撲、骨折等々も勿論ありますが…)
個人宅への往診も積極的に行い、治療と生活指導も行います。


では、何故患者さんがそのような症状にならざるを得なかったかを考えると
治療する側としてはアプローチする場所は見えてきます。


>>その治療とはどのようなものなのでしょうか?

原則的に全て鍼治療で行います。
例えば、○○先生が11月27日に取り上げていた症例では、

「Aさんは6時間のドライブの次の日より腰痛。
 腰をまっすぐに伸ばせない。寝がえりできない。腹ばいになれない。
 大腰筋のMPSです。
 長時間股関節を屈曲位にしておいたので大腰筋が伸びなくなってしまったのです。」

とあります。確かに大腰筋は腰椎を屈曲させる為に大きなウエイトを占めてくるものであり、
腰椎の伸展障害が見られた場合、私も大腰筋へのアプローチを行う事になるでしょう。
しかし、大腰筋の持続的な短縮は長時間のドライブによる結果、伸展障害を発生させた
だけであり、原因とは異なると捉えています。

筋肉の短縮やトリガーの発生は、血流不足によるものなので、
私はトリガーの処理以前に血流確保を重要視しています。

長時間のドライブでは、数箇所のポイントで大きな血流障害を起こす箇所があります。
これらの筋群にアプローチを行わなければ、ぶり返す可能性は非常に高いと思います。

余談ですが、大腰筋は体格にもよりますが7~10センチ奥と相当深い筋肉である事、
そして背中側から見た場合は背骨の奥にあるので、大腰筋のMPSを触知する場合、
お腹側から何とか触れたかなと感じられる程度のものです。
その為、比較的痩せている患者さんでなければ大腰筋の触知は出来ないと思います。

余談で、体重や筋肉量の多少というのは痛みとは関係ないと言われていますが、
私の経験上では、体重は軽く、筋肉量も多い方程、回復は早い気がします。
自重が軽いという事は、治療後も負担を掛けにくいですからね。


あくまで私見である事を前提でお聞き頂けば幸いですが、

①軽度の打撲やムチ打ち含め、既往が無い場合は大概が行動様式に伴うものです。

鍼灸治療と、ご本人様の生活改善が肝になると考えています。仮に治療で改善されても、
 以前と変わらぬ生活を送り続けていれば、残念ながら元に戻るでしょう。

③先の長時間ドライブによる大腰筋のMPSを今後活発化させない為には、
 部分的ではなく、頭から足先まで見なければならないでしょう。

④自律神経を興奮させ続ける要因として、所謂ストレスも大きく関わってくると思います。
 (会社が嫌だ、上司が嫌だetc…)
 しかし、ストレスとなる誘引が患者さんに降り掛かった場合でも耐えられる身体を
 治療で作り上げる事は出来ます。私の経験では、痛みよりも各自律神経症状のほうが
 早期段階で改善されているように見受けれます。


>>私、患者個人の感想として、自立神経がかかわりを持つ血流改善について、
 外的な要因(TPB,鍼灸、マッサージ、その他)の治療で、継続的に効果を持続させることは
 非常に難しいと感じています。

所謂MPSを有する患者さんの場合、多少の自律神経症状も伴う場合が見られます。
一般的に自律神経症状と言うと、気分が落ち込むとか、うつ症状がイメージされますが、
腹部や頚部から派生する自律神経症状は、患者さんの原発箇所で変化してくると考えています。

そして、継続的に効果を持続させる為には、先ほども記述した内容ともなるのですが、
トリガーだけへの治療では元の木阿弥となる可能性が非常に高いと感じています。
痛みの箇所と原発箇所は異なるケースが非常に多い為、原発箇所への治療が的確に
行われていない限り、効果は数時間~数日しか持たないでしょう。


>>つまり、一時的な血流の確保、改善はその時点では効果があっても、継続できない。それは、単位行動様式を改善すれば、血流の問題が解決できるとは考えにくいからです。

治療に於いては、血流確保が出来た状態を維持されるように行います。例えば、腰が痛くて
横向きでしか眠れない患者さんへは、腰の痛みを取ると同時に、仰向けでもうつ伏せでも寝れるような処置を行います。そうしなければ、患者さんは今までと同じ生活態度を取る事になり、再発は免れません。あくまで、適切な行動様式が取れるような治療も併行していく必要性があります。
 
>>私の場合に限っていえば、痛みを感じるポイントへ外部から力(指圧)を加えると必ず該当部分にスパズムが発生します。このことが、行動様式だけが主な原因とは思えな根拠です。
ズパズムが何故発生し血流の問題が発生するのか、ズパズムは何故発生するのか?
これが一番気にかかっているところです。勿論、効痙攣薬も試しましたが全く改善しません。

スパズムとは、断続的に生じるある程度持続性の筋収縮状態の事を指すのでしょうか。それとも、
TPチャート図のような小臀筋を押すと大腿外側~下腿外側に掛けての痛みを発する事ですか?
もしくは神経の走行に沿った痛みが出るという事でしょうか。
各々全て処置の方法は変わりますし、受傷機序や受傷時期によっては、鍼灸治療で回復を約束出来ない可能性もあります。詳しく見ていないのでここの部分は何とも言えません。


>>最後ですが、「ストレスとなる誘引が患者さんに降り掛かった場合でも耐えられる身体を
治療で作り上げる事は出来ます」このような事が本当にできるのですが?

ストレスが降り掛かると、人間は防御反応を示します。姿見で様々な角度からご自身の姿を眺めて
頂ければ、各箇所で負担が掛かっていたり、緊張している部分はありませんか?頸、肩、腰、お尻、膝、足先、便秘、下痢、もしくは便秘と下痢、冷汗、瞳孔の具合、これらが全てストレスによる原因であるとしたら、治療により原因を無くす事で、症状改善と同時に、ストレス因子が降り掛かってきた場合でも耐えうる~振り払える身体になっていると思います。勿論、症状の度合いや患者さんの背景もありますので、絶対という言い方は出来ませんが、大なり小なり改善されています。


①交感、副交感神経の優位や否に伴う症状を私は自律神経症状と解釈しています。ご存知かと思いますが、優位か否かで血管の収縮~拡大等々がありますので、それに伴い血流量の変化は見られます。この過ぎたる結果、世間では自律神経失調症と言われていると思います。私も全ては分かりませんし、今書いている事が正しいとも言い切れませんが、防御反応や逃避行動による筋収縮により各筋肉の血管を締め付け、血行不良等々が発生し、これに伴い各当該関節の不等が持続的に続けば、硬結やTPも発生するでしょうし、勿論、内臓機能の低下も起きると考えられます。

②私のとこには医療用モルヒネを投与されても効果が出ない
(もしくは僅かしか効いた感じがしない)という、ヘルニアや坐骨神経痛と診断された患者さんも
何人も来院されています。
鍼灸院って色んな病院を回りに回って最後に来る方が多いんです。その為、様々な話を聞けます。
脳と交信するはずのモルヒネで効果が出ず、鍼治療で筋肉にしかアプローチしていないのに
効果が出ているのは、やはり理屈は不明瞭ですが重要な部分かと思います。

③に関しては、すみません原因は分からないです。

>>こりを治しても、使いすぎればまたこります。

現状では対処療法の段階でしか出来ていない部分もあると思います。
確かに人間という超高性能な機械も、定期的に鍼やマッサージでメンテしてあげる事で
高いパフォーマンスは維持出来るものかと思います。只、基本的に過負荷を掛け続ける事が
強いられる環境下に置かれている場合は、完治という言葉は使いにくいですね…。
永続的にコリが発生しないとは、仰る通り断言出来かねます。


>>外部ストレッサーにより発生したストレスが血流を悪化させこりとなるような場合もあると思います。外部ストレッサーに完全に立ち向かえる強靭な肉体など存在しないと考えまし、外部ストレッサーをすべて特定することなどできないと考えます。

朝起きてから夜眠るまで(寝てる最中もでしょうか)、様々なストレスを人間は感じます。
治療をする人間は、ストレスを感じて現われた結果の状態で患者さんと会う事になります。
その為、この状態を治す事で持続的で且つ大きな効果を患者さんは感じられていると思います。
上手くは言えませんが、「仕事がストレスになっている」この状態から「仕事でストレスを感じない」という感覚でしょうか。こればかりは患者談を一つ一つ拾い集めて集積した結果でしかないので
詳しい理屈は私も考察しなければならないと思っています。
…が、TPBや鍼灸にせよ、治療する人間の理屈や理論一つで治療内容も大きく変化するでしょうからどこでも同じ結果が出るとは言えないです。

経験から練り上げられた治療法も多い中、全てを理論先行で行えるようになれば
様々なマニュアル化が進められ、多くの患者さんが救われると思いますがまだ先の話かも
しれないですね…。


○○県の先生とはお会いした事がないので分からないですね。

 まぁそんな話は置いておいて、TPBでも鍼灸でもどんな治療法でも良いですが、
痛みに苦しむ方々がMPSという概念も知り、切った張ったの手術が繰り返される
日常だけは打開していかなければならないですね。


痛いとこだけ揉んだり鍼したり注射したりで治るんだったら、
こんなに苦しんでいる人はいませんって。

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 青森から鍼灸治療の意識改革を~