藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

診断を下した以上、「治す」までが仕事だ

検査結果に惑わされ、画像所見に惑わされ、診断名に惑わされ、病院を変えれば診断名が変わる。
 
日数の経過で症状は軽減されるどころか悪化の一歩を辿り、患者は不安に陥るばかりだ。
 
「仕事が出来なくなる」     「立ち上がれなくなる」     「このまま車椅子の生活を送る事になるのか」
 
苦しむ患者の周りには家族がいる、身内がいる、同僚や友人知人まで一人の患者の心配を背負う事にもなる。
結果的に原因不明で痛みに堪える日々が続き、自殺念慮で満たされる。
 
椎間板ヘルニアと診断を下された人間が、自分の腹をナイフで切り開き、ヘルニアを取り出そうとする始末だ。
それ位の激痛だ、私達の想像の域を絶する痛みを抱えている患者は世の中に山のようにいる。
 
過去に何度も書いてきたが、現在の画像診断に於ける器質的変異による医師からの見解は、
痛みの説明が出来ない状況であるにも関わらず、繰り返される愚行の日々にはため息が出るばかりだ。
 
 
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「開業医のボッタクリには頭に来るな
 ある症状で数ヶ月通院してもまったくよくならず、MRIを撮ることになり
 画像撮影専門のクリニックに紹介されたが
 その往復の紹介状だけで500点。MRIを撮るだけのクリニックの初診料270点。
 オペ適応になったらさらに病院への紹介状250点。そして病院で初診料。
 税金を食いつぶす開業医をなんとかしろ。」

「整形はね
 適応ない脊椎オペバンバン、ただの腰痛きたらMRI→コウマク外
 なんていう悪クリ以外は厳しいよ
 どこの田舎にも必ずあるよね。」

「ちょっとした打ち身もレントゲン、CT
 全ての頭痛にもちろんCTとMRIと、1泊の観察入院
 腹痛にはもれなくエコーレントゲン採血、やっぱり1泊入院
 これで医者の取り分が激増ウハウハ」

MRIって一日何人撮影すれば元とれる?」
MRI週6日稼働するなら1日5人で週30万、1年1500万でリース料トントン。」

「日本だけ突出して多いですね。
 お医者さん自身、それが必要だと確信して買ってるのか、「ヨソ様が持ってるからウチも持たなきゃ」という強迫 的横並びの理由なのか・・・?
 (逆に言えば、諸外国の低所持率の理由は、『お金が無い』からなのか、『必要な場合が少ない(稼働率が低そ う)』『万一必要なときは基幹病院に依頼すれば済むから』からなのか、それが知りたい)」

「レントゲンや最近ではMRIがないと患者が集まらない。
 CT・MRI完備ゆえに、必要ない場合でもじゃんじゃん撮影して(過剰サービス)、購入・リースの費用を回収する こともあり得る・・・
 七五三の記念撮影的に、ただ撮影するだけならまだ害は無いですが、写しだされたものが痛みの原因だと説  明されてしまっては・・・マイナス面もあるということを、患者は知っておいたほうがいいですね。」
 
「医者だけが悪いというわけではない。
 国民皆保険制度の結果でしょう。
 医者はこの問題に関して間違った教育を植え付けられている。
 開業医は零細企業のオヤジさん。
 設備投資、運転資金、従業員の給料、退職金など頭の痛いことが多い。
 どれだけ、高潔なことをいっていても、収入が少なければ潰れる。
 大病院にしても同じこと。売上が少なければ、事務長に注意される。出世しない。
 公立病院にしても同じこと。赤字がつづけば、税で賄ってもらえるかもしれないが・・・・・。」

「医者ももうけなくちゃいけないのでしょ?それでもいいから病気だけは治してください。最良の方法で。」
 
「3割負担分の金額に驚いてしまう私達ですが、7割は保険者が負担しています。
 保険財政が赤字になれば、保険料率は上がり、給付は切り下げになります。
 そういう仕組みになっているので、誰が悪いと言ってもせん無いことです。
 でも、医療費が膨らみ続けていくことは心配です。
 何がムダで何が必要不可欠か?を見極め論じることは難しいことですが、大事なことだと思います。」
 
患者は何の為に病院に行き、診察を受け、治療(手術)をすると思っていますか?
何度も書きますが痛みを取ってもらいたいから手術を受けるのです。
 
「ヘルニアは取りましたよ。狭窄部は広げて固定しておきましたよ。
                 痛いのは気のせいだから腹筋背筋でもしておいて。
                           あっ、リハビリ室でウォーターベッドと牽引と電気も掛けておいてね」
 
これが、患者の望むべき姿ではないし、望むべき位置ではない。
患者は痛みを取ってもらいたいから病院に行くのではないのか?
 
病院に来なくなった患者を医師は治ったと判断しているのか?
あちこちたらい回しにされ、最後に行き着くのが我々のような場所である事を医師は覚えておいたほうが良い。
 
その頃には患者の様態がどうなっているか知っているか?
一人では歩けやしない状況で、治療ベッドに横にもなれず、治療姿勢を取る事すら困難なのだ。
謂わば手さえ触れられない状況から治療が始まるのだ。
 
患者が望みを託した手に持つお金を絶対に我々は無駄には出来ない。
だから、ありとあらゆる手段や手法を考え出来る限りの改善をしなければならない。
 
医師であろうと鍼灸師であろうと、一度でも手を付けた患者は死ぬまで患者であり、
一生の責任を負っていく覚悟で治療をしなければならないのだ。
 
「保険治療内だから…」
「一度で3人の患者を診ているから…」
「後の患者がつかえているから…」
「その日は休みです…」
 
言い訳にしか聞こえないね。
 
絶対に現況を変えていかなければならない。
いつまでも誤った痛み医療を続ける訳にはいかないのだ。
 
 青森から鍼灸治療の意識改革を~