この話を書く事になったのも、先日同業者とのこのような対話があったからである。
録音内容を書き起こしてほしいと言われた為、労働の対価として
冒頭の部分だけを私のブログに掲載する事を許諾してもらった。
この内容で、何かを掴める人もいるかもしれない。
※個人名や業者名、関連団体名、ブログに書く事も危険な内容は伏せています。一応は公になるのでね。
予備知識が無い方の為に⇒
・無資格マッサージ師問題
・整骨院
・鍼灸
僕「このような場を開く時間があったらツボの一つでも覚えたほうが良いと思うのですが…」
A「お前の始まりはいつも同じだな。お前もツボ知らんくせに。いいからいいから、魔王(焼酎)を買ってきたからさ」
A「今日もWINWINの関係で働いてきたからな」
僕「今日は捻挫の患者は何人来たんですか?」
A「70人弱かな」
僕「そんな一日に70人も3部位も4部位も捻挫した患者が来る訳ないでしょ。
3~4部位も捻挫してたら患者さん立ってられないですよ」
A「まあそう言うなって」
僕「今日はどんな話なんですか?」
A「そろそろウチ(整骨院)も自費メニューを導入しようと思ってね。
自費オンリーでやっているお前の話を聞きたかったんだよ」
僕「教える代わりにそのロレックス下さい。僕が何時ぞや納めた保険料も少しは含まれているでしょう?」
A「だめだよ」
僕「不正請求が黙認され続けた時代は終わりましたよ。現状は厳しくなってるじゃないですか。
今後ますます取り締まりが厳しくなって、受領委任払いが廃止されたら患者さんは来なくなりますよ。
整骨院の命綱は受領委任払いなんですから。
こないだも大阪の整骨院で不正請求がばれて逮捕されたってデカデカやってたし」
A「そうそう。だから今後の為にも自費メニューを増やして何とかしようと思ってるんだよ」
僕「ウチは、保険治療と自費の2本立てで当初はやっていましたけど、保険治療を止めて
自費一本にしたら患者さんはガラッと入れ替えになりましたよ。まるで1から始めてる気分」
A「入れ替えは致し方ないな。今の保険が効いた料金(500円~1500円前後)で来ていた人が、自費(5000 円前後)で来るとは思えない」
僕「でしょ?現状Aさんのところに来ている患者さんで本当の保険適用疾患で来院されている患者さんって何パ ーセントになるんですか?」
A「○○%位」
僕「その人達を差し引いた人達が、どれ位、保険外の治療を求めてくると思います?思い切り未知数ですよ ね。恐らく、変わらず保険証持参で保険治療してもらう事になると思います。だって、保険の効いた料金で 肩や腰を揉んでもらったら、他に行きたくないもんね。
毎月の○○だってAさんが○○してるんでしょ?そりゃ患者さんも楽だわ」
A「それはマズイから言うなって」
僕「こないだも100均で、「あ行」から○○をゴッソリ買って行く同業者らしき人がいましたよ」
A「患者さんの負担を減らそうと思っての事だから仕方ないだろ」
僕「僕も前に近場の整骨院は何件か回ったんですけどね、白紙の○○に○○だけで済みましたし。
酷い所は○○すらない。誰が僕の○○と○○をしてるんですか?」
A「知ってるクセに。まあまあこれ以上は言うな」
僕「もし自費オンリーで経営したら、そんな後ろめたい行為をしなくても良くなりますよ。書類関係の雑務も
無くなりますし。只、患者さんの結果に対しての目は相当シビアになりますけどね。
だから僕も本気になる。なんたって、1回500円で済んでいる治療が5000円になる訳ですからね。」
A「そうそう、だからどうすれば良いかと悩んでるんだよ」
僕「とは言ってもそのコブラみたいな親指を見ると、今やっている内容も分かりますよ。
僕も○○市の整骨院に勤めていた時はそうなりましたもん」
A「患者さんが治療中に漫画本読んでいるんだよな」
僕「そうそう。やるせないですよ。別に施術者に敬意を払ってほしいという訳じゃないですけど、なんだかね。
400~500円払ってでも人間に揉んでもらいたいですもん。仕事の愚痴も吐けるしね」
A「そうそう、ストレス解消の場でもある」
僕「ある意味、使おうと思えば保険が使える僕達より、無資格マッサの人達のほうが経営能力は相当上だと
思うんですよ。完全に実費でしか請求出来ないですからね。
その中でどのようにして価値を高めていくか考えているんでしょうから」
A「でも俺達は広告の規制があるじゃない?だから無資格マッサのようにデカデカと掲げられないじゃない」
A「なんかこないだ厚労省に聞いたんだって?整体やカイロを看板に掲げるとうんちゃらって」
僕「そうそう。あはき法や柔整師法の広告の規制を解除する方法があって、例えば
法の規制が効かない整体とかカイロを付けると何でもありの広告が出せるそうだよ」
A「うちもやろうかな。○○カイロプラクティック整骨院って」
僕「カッコ悪いからよしなさいよ」
A「そう?」
僕「だって、そんな店は山ほどあるじゃない。何でも屋ほど早く潰れるもんですよ」
A「まーね」
僕「でも交通事故専門とか止めてね。意図がバレバレだから(笑)」
A「あいつらが一番タチ悪いからな」
僕「んま、自分らで巻いてしまった種だから、自分らで摘むしかないっすよ」
A「そそ、だからどうしようかと考えているところなんだよ」
僕「取り合えずは、保険で来ている患者さんを無理に自費に誘導する事なく保険治療は続けて、
新たに自費での患者層を掴むしか方法はないですよね」
A「全然アイデアが浮かばない。いや、あるにはあるんだけどさ」
僕「僕が保険治療を撤廃した理由は、保険外治療と保険治療の内容が曖昧になり過ぎたのが大きな原因」
A「ふむふむ」
僕「って事は、今後も保険と保険外の患者さんを取り込んでいくのだったら、完全に区別を付けるしかないよ ね。じゃないと、保険外の患者さんに失礼。枕をテンピュールにするとかさ。冗談だけど」
A「保険外と言っても治療内容の差って付けにくいのが本当のところだよな」
僕「そもそも、保険適用外の患者さんが大半だからね。今行っている治療内容からは変えにくいやね」
A「だったら、このまま保険治療を続けるか、完全に実費にするしか選択肢はないってことかね」
僕「うーん、僕がそうっだったからね…」
A「例えば揉む時間を長くするとか、超音波や低周波、酸素ボックスも全てセットにして自費料金を取るとか…」
僕「そもそも、振り替え請求云々の話は置いておいて、ターゲットを変えていかないと道はないっすよ。
○○に行く理由は、若い女の子に揉んでもらいたいから。○○に行く理由は、イケメンに揉んでもらいたい
からという風に、無資格業者はそれでターゲットを絞っているじゃない?」
A「だったら、俺達の出来る事っていったら何かいな」
僕「コブラの親指にならない治療をする事だと思うよ。強揉みに強揉みを重ねて筋肉を繊維化させて患者さん を掴むのは治療とは言えない。患者さんの身体をぶっ壊しているだけなのはAさんも自覚してるでしょ?」
A「うんそう」
僕「僕らは法的に「治療」と言える。無資格マッサの連中は法的に「治療」と言えない。
だったら、僕らは来た患者さんを治すしか道はないんですよ。具体的には…」
~というようなやり取りから始まったのですが、改めて文章に起こしてみると考えさせられる事がある。
この後、1時間程のやり取りが続きましたとさ 魔王ごちそうさん。
大切なのは柔整の不正請求問題ではなく(こんな事は同業者なら皆知っているから)、
来院される方への姿勢であると思う。治療なのか癒しなのかハッキリしないと、困るのは患者さんです。