藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

整形領域の陳旧性患者群、及び、再燃確率の向上が懸念される患者群に対して


引き続きアンケートと協力患者を募っています。宜しくお願いします。

       

針治療の基礎的作用機序に、刺傷を起点とした、筋弛緩の最大要因となる酸素を含む動脈血の
強制流入を目的とし、外傷・非外傷問わず、患者が抱える筋損傷~筋硬結~完全断裂を除く神経損傷、
及び、観血的治療手段を否定された神経損傷、及び、付随する自律神経症状に対峙していくにあたり、
患者自身が抱える自身の症状に対しての見解、分析、患者自身なりのケアが、
目的達成手段とは逆方向に歩んでいる場合、術者側が是正する重要性は高いと考えらえる。
 
漫然と中長期的に渡り保険診療にて通わせ続ける事を第一目的とした整骨院鍼灸整骨院とは異なり、
保険外診療を基軸に治療を行う側としては、限りなく早期治癒を患者に施してこそ、保険外診療としての
価値と意義が生まれる中、自費院が発症箇所と原因箇所を取り違え、漫然と発症箇所に対してのみ
アプローチを行い続ける事で患者の回復は得られる事なく、
 
且つ、その理由を術者サイドが患者に対して『「○○」という診断名だから』『歳だから』と発言する事は、
自身の負けを認めると同時に、その患者が漫然と通い続ける事が経済的負担のみならず、
中長期的な視野で見た場合、肉体的にも精神的にも負の要素が蓄積されていく事を
術者サイドは再認識する必要が高く、その果には自身の首を絞める行為である事を再認識する必要がある。
 
針治療の適応症であると、術者側が判断した場合、早期回復に向けて術者が行わなければならないのは、
患者に対しての生活指導である。幾ら原因箇所にクリティカルなアプローチを続けても、
患者側が原因箇所に対して負荷を掛け続ける限り、治癒遅延は招かれる恐れもあると同時に
治療の長期化は様々な患者の負担が増していく一方である。
その為には、初診時から可能な限り、術者と患者のベクトルを同一方向に向ける重要性がある。
 
それでも、患者は仕事も家事もしなければならないであろう。
仕事や家事労働が原因となるのならば、可能な限り、労働や家事内容にて過ごす時間に対して
工夫をしてもらう必要性が出てくると思われる。
原因箇所が認識されているのなら、術者側が提示出来る内容もある。
後は、それを患者が実践するかしないかである。
時には患者側にとって、積極的な休養や行動制限は辛い時もあるかもしれないが、
実践したか実践しないかで、どれだけ回復速度が違うかは、データではっきりと出ている。
 
問診する以前に、針を打つ以前に、「針治療⇔患者」という小さなカテゴリの問題ではなく、
患者の体内で、いま、生じている現象を患者側がどのように認識しているかというのを知らなければ、
患者は針治療時間外での時間に於いて、過ちを繰り返し続ける可能性がある。

発症初期は、大なり小なり患部に炎症は生じ、炎症期を過ぎても尚、
症状が漫然と続く患者群に対しての聴取事項として、患者自身が行うセルフケア、及び、
鎮痛手段を目的として招いた慢性的な患部の低酸素状態からの脱却を目的とし、
早期回復を望む為には、幾つか情報の擦り合せをしなければならない。
今回は簡単な内容から幾点か挙げていこうと思う。
 
1)炎症兆候を示していないにも関わらず、漫然と抗炎症鎮痛作用のある薬物(湿布含む)を使用し続けていないか。漫然と中長期的に渡り使用し続ける事によるリスクと治癒遅延を招く理由を患者は知っているか。
 
2)炎症期に患者自身が行った処置内容に、強圧による指圧、強いストレッチ、風呂に入り温まる、散歩すれば治ると思い込み、痛みを引きずりながら運動療法を取り入れ、炎症拡大が示唆される行為を行っていないか。若しくは行っていたか。及び、これらの行為を炎症期に行う事によるリスクを患者は知っているか。
 
3)症状固定期~回復期に際しても尚、予防目的のためにと、鎮痛作用を持つ薬物使用はないか。鎮痛目的の薬物使用を予防目的とする患者の理由を聴取する必要がある。それらの理由が「気休め」を始め、症状と薬物の作用がマッチングせずとも漫然と使用し続ける事によるリスクを患者は知っているか。
 
4)症状固定期~回復期に際しても尚、低酸素形成が示唆される、及び低酸素状態を惹起する事を示唆される
手段を用いていないか。もしも、用いている場合、「何故、そのように思っているのか」を聴取する必要がある。
 
5)患部に対して栄養を供給する箇所に対して、低酸素形成手段を用いていないか。もしも、用いている場合、「何故、そのように思っているのか」を聴取する必要がある。
 
6)強圧による指圧や強いストレッチ、無理な運動療法を行っていなくとも、日常生活動作時に於いて、患部及び症状発症となる原因箇所に対して負荷を掛け続けていないか。
 
7)患者の優先事項は何か。
  A)治癒遅延を招いても尚、行わなければならない事があるのか(仕事・スポーツ・趣味等々)
  B)若しくは、早期治癒を目的として、積極的な休養や行動制限が可能か不可能か
 
8)整形領域にてオピオイド含む向精神薬の類を処方されている場合、患者は服用し続ける事に対してのリスクとベネフィットを知っているか。処方された医師から説明を受けたか。受けた場合、どのような説明を受けたか。受けなかった場合、患者は医師に対して薬の内容を確認したか。確認しなかったか。減~断薬時や長期服用による離脱症状発症の可能性を知っているか。離脱症状の内容を知っているか。
 
9)患者の身内、患者の周囲の人間が、現在の患者が陳旧化に至った諸症状に対して、どのような見解を示し、どのような意見を提示しているか。それとも医療機関に丸投げしているか。仮に、何かしかの診断名が告げられている場合、診断名に固執した内容か否か(椎間板ヘルニアだから…、脊柱管狭窄症だから…)。若しくは、
このような器質的異常を生じている人間であったとしても、全くの無症候患者がいる事を提示出来る人間が周りにいるか、観血的治療後の術式による再発率の違いを言える人間が周りにいるか、観血的治療後、画像所見上、異常が見られなくなったとしても、同様の症状を再燃する患者はどれくらいの割合でいるかとデータを提示出来る人間が周りにいるか。若しくは、無理な運動療法や無効な薬物投与を推奨していないか。及び、高齢層患者の場合、「歳だから」を理由に、医療機関及び患者家族、周囲の人間に治癒意識を阻害されていないか。
 
先ずは、この9項目を術者と患者が同一方向にベクトルを向けなければ、確実に治癒遅延を招く。
 
これらは業界向けの内容であり、患者側が上記内容を見てどのように思うのかは全く構わない。
患者の都合に即した内容は一切書いているつもりもないし、都合に合わせるつもりもない。
早期治癒を目指す為に必要な事項を羅列しているだけである。
 
もう一度書くが、実践したか実践しないかにより、治癒速度がハッキリと異なるのはデータ上出ている。
針治療院に訪れる重症患者程、半端な意識を持つ軽症患者より早期に治るのには理由がある。
既に過去に他所の医療機関で痛い目に遭い、後が無いからである。必死な患者程、早期に治る。
軽症であり、興味本位であり、生半可な意識である程、治らない。常にフラフラしている。
 
では逆の視方をしてみよう。いま、アナタが軽症であり、興味本位であり、
生半可な意識でありフラフラしているのだとしたら、自身が今行っているケアの内容に対して
調べ上げられる知力も体力も余力はあるはずだ。余力があるという事は、まだまだ軽症である証拠でもある。
重症化した患者の惨状はアナタ方は見る事も知る事も出来ないだろうが、
生き地獄であるという状態だという事だけは伝えておく。
 
全てに見放され、点滴を受けながら痛みだけで死ぬ事も出来ず布団の上で泣いている患者を診た事があるか。
向精神薬の副作用に遭い、家庭は崩壊し、壁は壊され、自身の身体とカーテンは包丁で切り刻まれ、
術者に対しても暴力行為を振るい続ける患者を診た事があるか。
ワクチン被害に遭い、四六時中、不随意運動を呈し続け、叫び続ける患者を診た事があるか。
私は一切、手を引く事はなかった。
ここで手を引いたら、患者は刑務所か精神科病棟しか行く場所がなくなるからであり、将来を閉ざされるからだ。
誰しも、重症化する可能性はある。それならば、軽症時に治しきる覚悟を決めておいたほうが得策ではないか。
 
術者が患者の都合に合わせた途端、医療ではなくサービス業になる事を多くの患者は知らない。
医療がサービス業に陥ると何が起きるか多くの患者は知らない。それは医療という皮を被っているからだ。
 
何故、この業界は妥協策とポジショントークを通じ合わせなければならないのか私には分からない。
何故、この業界は患者に「治る」という意味を教えず、薬漬けにするだけなのか私には分からない。
何故、今の「痛み」を止める事だけに専念し、その後の中長期的な患者の将来の身体を無視するのか。
何故、今日明日の痛み止めの為に、患者の将来を破壊し続けるのか。
 
患者の人生と命を私達は商業化していないか?
患者の人生と命を商業化する事に対して何も思わないのか?
患者の人生と命を潰しても尚、自身の生活を潤わせる事に対して恥だと思わないのか?
医療者としてではなく、人間として失格だと思わないか?
 
「楽になる」と「治る」を履き違えた過去の思考を、術者と患者は相互に猛省しなければならない。

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  ~針治療から病態定義の見直しを~