藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

針治療を受けられる皆様へ


引き続きアンケートと協力患者を募っています。宜しくお願いします。
ウチのロッテンマイヤーに、分かり易いようにまとめてと言われました。
※ちょこちょこ加筆や修正はしていきます。多分、来院した方々に紙でお渡しする事になるかもしれません。
分かるように書いてるつもりですが、分かるように言葉を選んで書くと、解釈に誤解が生じ、
余計分からなくなりそうですが、何とか誤解が生じないであろうギリギリのところで。
 
余談ながら、下記を書きながら症例を思い浮かべていたら、
改めて動物(人間含む)って冷やすか温めるかして寝てれば治れる生き物なんじゃないかしら。
これに薬を突っ込んでいくから患者自身が訳が分からない状態に陥るんですね。
勿論、救急救命時や感染症や観血的治療を絶対的に必要とするものは除いてですけど。
 
更に余談ですが、「炎症期に温めて治す」という術者もいます。
主に外傷性要素の高い受傷初期に血腫形成を超早期で阻害し、
炎症の故意的な拡散から疼痛除去を図る手法になると思います。
当院に関しての基本的考えとしては、炎症初期は炎症拡大を最大限防ぎ、炎症期が過ぎてから、
最大限抑制した血腫形成部(罹患部)の柔軟性を増大させる手法を取っています。
 
んま、術者によってそれぞれという事で、前者と後者、
どちらが安全性が高く早期回復が望めるかと言う事は、この場では述べませんが、
下記に記載しているB)脊髄付近の神経由来症状の患者群に関しては、
臨床を通して見ている限り、前者の方法は不安定感が高いと考えています。
更にB)+C)の混在型やB)+C)+D)の混在型も相当数います。
詳細に関しては今後書くかもしれませんが、
皆が皆、歩いて体操して温泉(風呂も)に浸かって安定的に治る訳がないって事ですね。
温泉の表記にある効能で「神経痛 関節痛」に危険性を感じるのは私だけでしょうか。
 
患部を温める⇒血管拡張⇒血流増加⇒患部の疼痛が和らぐ。この流れは分かります。
では、風呂や散歩や薬等の外的要素にて強制的に拡張させた血管は、ず~っと拡張したままでしょうか。
というのが問題なのです。その後を知らなければ後で痛い目に遭うという事ですね。
 
その為に、私が針治療を通して治効理論を述べる時は、
「患部血流量の増加及び、維持、確保を目的」と述べていますし、
その後の事を考えれば、生活指導や栄養摂取内容の指導も必然となってくるのです。

参考⇒【適応症・諸注意】 http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/folder/468805.html
下記画像も参考にして下さい。

~基本的要素を押さえ、早期回復を目指しましょう~
 
A) 発症してから時間が経っていない方へ
 
傷めた時の強さや、症状の強さにもよりますが、痛みの出ている場所では炎症が起き、
時間の経過で炎症が拡大していく可能性があります。この炎症を極力抑える為には、
極力身体を動かさず、温めず、揉んだりせず、ストレッチや体操をせず、炎症の拡大を抑えて下さい。
これらの行為を行うと、炎症が拡大する可能性が高まる為、症状も強く感じ、
炎症が拡大拡散された分、炎症が引くまでの時間が掛かり、結果的に回復までの時間が掛かります。
場合によってはアイシングを行い、患部の安静に最大限の努力を払って頂きます。
発症箇所によっては安静時の姿勢も重要になってきます。
 
B) 発症してから時間が経っている方へ (脊髄付近の神経由来症状の方)
 
神経由来の症状で、且つ時間が経っている方の場合。
背骨から出ている腕や足へ伸びている神経の根っこ部分で炎症が生じ、
当該箇所にて低酸素状態⇔炎症状態が繰り返されている悪循環の環境下にて、
腕や足へ特異的な症状が出ています。「例)腕や足への痛み・痺れ・触圧覚異常・熱様感・冷様感など」
このような状況が生じ続けていると推定される症状に関しては、A)と同様、温めず、揉まず、
ストレッチや体操を行わず、安静にして頂く事で、回復までの時間が早まります。
 
C) 発症してから時間が経っている方へ (筋肉由来症状の方)
 
主に、外傷を起因とした受傷箇所が明確な筋肉損傷により、症状が長期化している方。
当初はA)と同様、患部に炎症が生じていたものの、炎症期が過ぎ、低酸素状態が形成された事による
筋肉の萎縮に伴い、患部の血管収縮、及び神経絞扼を起因とした症状が出ている状態です
このような症状を持つ方に関しては、A)とは逆に、患部を温めたり、摩ったり
無理のないストレッチや体操を行う事で回復が望めます。
但し、症状の長期化したC)の諸症状は、B)との混在型が多く含まれてきます。
B)+C)の混在型の場合、日常生活時に於いてはB)の生活様式を優先させる事で症状は安定化します。
 
D) 自律神経症状が出ている方へ
 
自律神経症状とは、一般的には内蔵疾患が除外されている事を前提とした、
頭痛、原因不明の視力低下、異常発汗、めまい、耳鳴り、難聴、立ちくらみ、
胸の締めつけ、喘息のようなセキ、飲み込みづらい、喉の違和感、不整脈、息苦しさ、
季節に関係ない手足の冷え、下痢、便秘、生理痛、生理不順、勃起障害、慢性疲労睡眠障害
うつ症状他、各種精神疾患様症状を言います。この他にも、数限りなく症状はあり、
世間一般では「自律神経失調症」と言われる類に含まれる症状です。
これらの諸症状に関しては、B)の原因を由来とした諸症状であると捉えられ、治療実績も良好です。
上半身の自律神経症状の場合、主に脳内血流量の増加や維持、確保を目指す事での改善、
下半身の自律神経症状の場合、主に腹部や腰部、下半身の血流量の増加や維持、
確保を目指す事で改善が得られ、B)やC)の整形外科領域の症状よりも早期の回復が得られています。
 
E) 脳血管障害や、中枢性疾患を呈している方へ
 
栄養供給遮断による脳神経細胞の死滅により後遺症を呈している方、
神経伝達物質による不全状態により不具合を呈している方。
最近は発症から時間が経過した場合でも、
死滅した脳細胞も回復する事が最新の研究により示唆されている状況より、
過去から現場を通して針治療による脳血流量を増加、維持、確保し続ける事による、
所謂「脳卒中後後遺症の症状改善」に対しての治効理論の整合性が取れてきています。
症状も軽度~重度まで非常に幅広い為、一概にこの場では書けない部分もありますが、
受療前と受療後では、皮膚感覚や疼痛、可動域の改善により、
QOLの向上が望まれると同時に、日々のリハビリの効率性、円滑性が高まる事が期待されます。

~治療時の針の痛みと、症状改善時の一般的傾向、及び症状改善時のリバウンド現象の推移~
 
針治療に関しては、浅い箇所から深い箇所まで、
筋肉にアプローチを高効率で行い続ける事が出来る治療手段です。
当院に於いては、当該筋肉を緩めるという事を第一目標とはしておらず、
「何故、ここの発症箇所が長期持続し、症状を出し続けているか」を考察しながらアプローチを行い続けます。
症状発症箇所ではなく、原因発症箇所に対して行い続ける事で、
症状も安定的に段階を踏みながら改善の自覚を得られる事に成功しています。
 
主にB)とC)の症状が長期化している方々、
及び、症状が重度の方々に見受けられる現象として、針治療後のリバウンド現象が挙げられます。
 
針治療による症状改善の一般的経過観測として、
過去から現在迄の経時変化、経年変化による症状を急速に戻ります。
 
針治療直後から数十時間の間は、患部に動脈血が流入し続け、筋弛緩が得られ続けます。
当該箇所の血管拡張及び血流量増加に伴い、筋弛緩が得られる過程で当該筋肉の伸張率、
短縮率が大幅に変化し、経時変化にて正常域(症状としての痛みを生じない状態)に補正されていきます。
 
この際、短縮及び萎縮した筋肉の伸張過程(弛緩過程)で一時的に痛みや痺れを感じたり、
脊髄付近の痛覚受容体の賦活化(活性化)により、一過性ながらも痛みを強く感じる時もあります。
このリバウンド現象は、針治療後、主に2~3日、長い方であれば1週間程度続きます。
このリバウンド現象が過ぎた後に、症状の改善の自覚を得られる時期に入ります。
治療回数を重ね、元々の症状が重度から軽度に移行してきますと、リバウンドも自覚しなくなります。
  
加療期間中、元々の症状としての痛みか、リバウンド現象としての痛みかを見分ける方法として、
元々の症状の場合の多くは、特定の動作をした時に症状を強く感じたり弱く感じたりすると思いますが、
リバウンド現象の痛みに関しては、どのような動作や姿勢をとっても、ほぼ同一の痛みを自覚し続けます。
 
※補足しますと、一般的には血管収縮、筋細胞の萎縮状態でも人は「痛み」を感じますが、
血管拡張期、筋細胞の萎縮状態の解放(弛緩による筋細胞の容積変化)でも人は「痛み」を感じます。
重症度が高い場合、針治療による急激な筋細胞の容積変化に伴う血管拡張作用にて、刺針箇所、
症状発症箇所、原因箇所に対して血液が流れ込み、一時的に痛みや痺れを強く自覚する時期が生じます※
 
これらの状況が起こりうるという事を理解した上で針治療を受けられる事により、
早期回復を目指しながら、安心した治療期間を過ごす事が出来るでしょう。
~針治療の痛みの感じ方は個人差が大きいものですが傾向はあります~
 
1)針治療に限らずですが、外的刺激に対しての痛みを感じる受け皿(侵害受容器)は若年層ほど多く、高齢層になるほど減少していきます。故に、若年層ほど痛みに対して敏感傾向であり、高齢層ほど鈍感傾向です。
 
2)他、痛めて間もない時期(急性憎悪期)ほど、痛みを強く感じ、慢性期(陳旧期)ほど鈍く感じます。損傷箇所の炎症拡大による末梢神経の過敏(感作)が一因として挙げられます。
 
3)重症度が高いほど、筋細胞の常時萎縮下に於ける神経や血管の絞扼が強く、外的刺激に対しても鈍感となっている為、結果的に針治療による外的刺激の痛みも余り感じません
 
4)針治療を継続され、各種軟部組織の柔軟性が伴うと同時に、刺針箇所、損傷箇所、原因箇所の当該神経や血管の絞扼が解かれ、外的刺激の痛みに対して敏感になってきます。誤解してはならないのが、鈍感から敏感に移行し、外的刺激に対して反応し始めたという事は、重症度から中症度~軽症度へ移行してきた証拠です
 
5)その後、症状無自覚、軽症期に移行するに従い、更に筋萎縮が解かれ、柔軟性が増した筋細胞は刺針時の抵抗も減少します。その事で針治療の痛みは減少し、患者によっては針治療時の痛みも、ほぼ無痛となります
 
簡単にまとめますと…
1)重症度が高いほど、針治療の痛みには鈍感です
2)中症度に移行するに従い、針治療の痛みに敏感になってきます
3)軽症度、若しくは症状が無自覚の場合、針治療の痛みは無痛、若しくは軽くなります
 
併せて…
1)重症度が高いほど、針治療後のリバウンドは強く、場合によっては2~3日、1週間程度続く場合もあります
2)重症度が高いほど、針治療の初期は症状が安定しない可能性もあります
3)軽症度に移行するに従い、リバウンドは軽くなり、短期間で済みます
4)治療継続により軽症度に移行するに従い、症状も安定的に改善していきます
 
       
 
※針治療時に於ける痛みの「質」に関しては、患者個々により「受けとめ方」は異なりますので、
術者側が特定的な表現を用いる事は出来ませんが、グッと指で指圧され続ける感覚と表現される方が多く、
細分化して聴取する限り、その感覚を「痛い」と表現する人もいますし、「気持ち良い」と表現する人もいます。

              

オマケ
リバウンド現象に対して病態生理の推定が付けば、このリバウンド現象を抑制する方法も実はあります。
しかし、これは当院としては推奨出来る方法ではないので書きません。どうしても知りたい方は個別にどうぞ。

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  ~針治療から病態定義の見直しを~