藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

リハビリのお仕事Magazine



>>素直すぎる鍼灸師

とご紹介頂いた者で御座います。
執筆者として依頼され約1年経ち、この度が7本目となります。
サイト特性上、分かり易く誰でも読めるように書いているつもりです。

下記サイト様も当初は「治療家のお仕事Magazine 」という名称で運営されていましたが、
平成28年4月より「リハビリのお仕事Magazine」と名称を変更されています。

現在、下記サイト様は執筆者を募集されているようなので、
興味がある方は応募されてみるのも良いかもしれません。

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「再発するよ」って言うのは術者にとって覚悟のいる言葉です。
患者の為の発言だとしても、術者の株を暴落させる可能性もあるからです。
しかしながら、「再発」という言葉は極めて慎重を要する発言かもしれませんが、
「再発」の意味さえ分かれば「再発」し難くなるものです。

「良化」を知るから「悪化」を知る事が出来ます。
「悪化」を知るから「良化」を知る事が出来ます。
突発的な事故や外傷性、薬剤性は抜きにして、日常生活動作内で生じる多くの諸症状に関しては、
突然、急激に悪化に転じたり、良化に転じたりする事はないかもしれません。

もしかしたら、患者当人は受傷起点を知らぬまま気づいたら寝たきりになっていた。
立てなくなっていた。様々な症状を惹起していた。というケースは聴取する限り少なくありません。
但し、理由があるから発症する訳で、理由を除去すれば良化に転じます。
理由を省みなければ悪化に転じます。「良化だけ」を求めても人は良くならないものです。

~再発の定義考~

薬剤性や外傷性を抜きにした純粋な整形領域や自律神経領域は日常生活で起きます。
だから、日常生活を省みる事も患者には持ってもらいたいと思っていますが、
日常生活を省みる事が一番の面倒。

でも、鍼灸適応領域外の疾患で考えてもらえれば、以外にも話はすんなりいく。
肺がん治療に煙草を推奨している人は誰ひとりいないか勝新太郎位か。
だから、早期回復を求めるなら整形領域や自律神経領域等の
命の危機には至らない程度の疾患とて、そこは軽視せずにさっさと治してもらう事が
症状の拡大や重篤化を未然に防ぎ、且つ、早期QOLの向上に繋がる。

死にもしない疾患に対して日常生活を省みるって一番面倒臭い事。
死にもしないからと、安易に薬物治療を開始した事によって本当に死ぬ人が出てくる。
それは整形領域とて精神科領域とて。

腰痛だけなら人は死にませんし、うつ症状だけでも人は死にません。
「腰痛プラス薬物」で死亡確率が上がる。
「うつ症状プラス薬物」で死亡確率が上がる。

例えば以下のような段階を踏む患者。
結構一般的に散見されます。OTC含むNSAIDs長期乱用による受傷患部如何問わぬ
(捻挫、突き指、頭痛、筋肉痛、腰痛、肩こりでも何でも)耐性獲得に伴う離脱で
全身に波及した関節痛、筋肉痛、筋痙攣、筋硬直、高血圧、
日常に於ける高頻度使用~高負担部位の脆弱性
これらをベースとした交感神経過剰亢進に伴う頭痛、目眩、吐き気、
蠕動運動限弱、膀胱直腸障害、極端な冷・温感等々の継続的惹起。

更にこれらをベースとした悪循環による長期乱用。
更にOTCでは足らず病院に行き検査をするも異常を示さないながもステロイド投与、
向精神薬投与、TNFα阻害薬等の投与、更に反応を示さない為に減薬(ステロイド等)時に於ける
離脱に対して更に向精神薬投与。且つ、これらも長期に及べば耐性獲得による常用量離脱の
出現や副作用の出現。常用量離脱を離脱と見ない為に更なる増量。
途中に低周波をガン当てしてたり強圧で揉まれてたらもうちょっと憎悪速度の加速。

さて、アナタならこれらの全身に波及した痛み、
且つ多くの自律神経系症状が惹起した身体状態に対して何という病名を下しますか?という問題です。
実は既存の病名を宛行う事は可能ですが、病名を宛行う事が大切な事なのではなく、
過去から現在に至る迄のマイナス要素の取り込みを省みる事が1番大切な要素になってきます。
薬剤性で惹起された症状に対して存の病名を宛行う事が「治る」に直結する事なんてないのです。

長くなりましたが、必ず症状憎悪にはキッカケがあるって事です。
その憎悪のキッカケさえ患者が知識として持っていれば止められる。
此処まで薬物治療が蔓延しなかった時代。それは昭和初期か明治時代かそれ以前か。

その時代の針灸適応疾患患者は相当治りやすかったのではないかと思います。
ぶっちゃけ再発の定義を考えるなんて、どうでも良いと言えばどうでも良いのですが、
本人がどうでも良いとは思えないので色々考えて残していますが、
何か参考にでもなればと思ってワードソフトから以下をコピペしてみました。

再発ってなんでしょうか。薬効時間が過ぎても尚、
症状の軽減が得られている事を「治療効果あり」と見るのが一般的かもしれませんが、
さて、薬効時間が過ぎても症状が軽減している理由には、薬効作用のみでなく、
経時変化に伴う自然治癒(自然治癒に伴う症状軽減)というのも考えられます。

治療に伴う価値ってなんざんしょ。
針治療とて、筋由来、末梢神経系由来、中枢神経系由来、自律神経系由来で治療後の
症状改善自覚は、各カテゴリで全てタイムラグが生じているのが大半です。
薬の効き方に慣れた人には、針灸の効き方は感覚的に慣れないのかもしれないですね。

針灸治療の主な適応症状(痛み・痺れ・脱力等々)は全般的に数値化し難いブラインドの世界です。
高血圧等々であれば数値を確認する事で治療効果というのは確認出来るものですが、
高血圧を主とした来院動機患者というのは皆無の為、
刺針部位によって副産物的に改善が見込まれるものに関しては、
治療側が事前に伝達しておく必要性もあり、この伝達の有無により、
逆に不信感を持たれてしまう時すらあるものです。

伝達の有無により、本来であれば作用として働いている事象も、
患者にとっては副作用と捉えられてしまいます。
その為にも、針灸の作用は然と術者側も掌握しておかなければならないのですが、
如何せん、まだまだのように感じられるのは私だけでしょうか。

簡単に書けば、患者は基礎疾患として高血圧の為に降圧薬を服薬している。
しかし、別件で針治療を受けている内に血圧は低下し続ける。
その状態で更に降圧薬を同量で服薬し続けていれば、必要以上に血圧が落ち、
低血圧症状を引き起こしてしまう。という図式は中高年患者であれば頻繁に起きるケースですので、
患者全体の状況は掌握しておく必要もあるでしょう。

ではここで、再発の定義とは何ぞや、という問題に向き合わなければなりません。
では、それ以前に「再発の定義」の意味を基礎の基礎から改めて考える必要があります。
例えば、冒頭の高血圧患者が降圧薬を服薬する。薬物にも作用時間が存在しますので、
作用時間中、血圧が適正値に落ち着いているが、薬物の作用時間が過ぎたら血圧が上がる。

これは、再発という言葉の意義自体存在しないものです。
もう一つ、鎮痛剤にも作用時間が存在します。鎮痛剤の作用時間中は痛くないけれど、
作用時間が過ぎたら痛くなった。これも、再発という言葉の定義自体存在しないものです。

では一体、治癒に向けての再発という意味は何なのかを考える必要性があります。
先ほどの話から引き続き書くと、降圧薬の作用時間を過ぎても血圧が落ち着いている。
鎮痛剤の作用時間を過ぎても除痛されている。という事になります。

現実問題、そのような都合の良い事はありませんので、
多くの方は一生降圧薬を飲み続けるように言われたり、
痛みが作用時間のみでも消えるのであれば、
常に薬物が血中に存在するように服薬し続けるという状況であり、
それを個人的には治療とは捉えておりませんが、世間一般では「薬物治療」と呼称しています。

このように捉えると、「再発」と呼称して良い治療手段は
「作用時間を過ぎてでも、尚、症状軽減がある、
もしくは作用時間を過ぎても症状の消失があったにも関わらず、再度、症状が出てきた」という
状況に限られてくるでしょう。そのように考えると、治療とは何ぞやというのも見えてきます。

場合によっては、薬物や手術に頼る事が早期治癒、
早期QOLの向上に寄与出来る可能性もあるでしょう。
この辺りの観点も含めて書けば但し書きが莫大になる為に書きませんが、
一般的に針灸適応疾患に関して書けば、元々の症状自体、自然治癒する可能性があるものです。

その自然治癒に向けての速度を向上させるものが、治療と呼称されるものであり、
且つ、そのカテゴリ枠で「治療」や「治癒」、「再発」という言葉が用いられ、
更に、言葉の意味が価値を生んでくる事になります。

非常にまどろっこしい書き方をしましたが、
ここで初めて「再発とは?」と考える段階に入る事が出来ると思います。
改めて、「作用時間を過ぎても症状が改善している」事が「治療」としての意義を持ち、
「作用時間を過ぎて一旦は症状が消失したが、時間の経過で症状が再度出てきた」が「再発」であり、
「作用時間を過ぎても中長期的に症状が消失している」が「治癒」という言葉を用いるのが
適切な用い方であり、「薬効時間のみ症状が改善している」というのは「治療」や「治癒」でもない為に、
薬効時間を過ぎて症状が現れた事に対しては「再発」と言う表現は不適切となります。

例えばガイドライン上、もしくは保険上での限界の力価を持つ作用しか許せなくとも、
針治療の場合、基本的にその限界はありませんし、制度上の制限も存在しません。

故に、やればやるほど術者は疲弊するかもしれませんが、患者にとっての最大幸福を願うのであれば、やりきる事が大切であり、それが結果的に術者にとっての幸福に繋がる事を後々知る事になります。

「再発しますよ、人間だもの」素直すぎる鍼灸師の発言に隠された意図とは。患者との関係をよりよくしていくための、5つのメソッドをご紹介します。
著者:藤原 航太[鍼灸師] 「誰かを治す」。 そんな強い意識で物事を捉えた場合、視点は狭く、そして押し付けがましくなるかもしれません。 どのような症状であれ、患者自身が自己診断をしている場合もあるでし
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  ~針治療から病態定義の見直しを~