藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

画像所見は無駄?

レントゲン等の写真を撮るのは無駄ではありません。重篤な病が隠れている可能性もあるからです。
 
問題視しなければならないのは、下記のTHE BACK LETTERにもあるように、尾馬症候群も起きていない腰痛の症状に対して、「ヘルニアだから手術しましょう」と安易に手術を勧める医師がまだまだ多く存在するのが危険なのです。
 
フワフワの物質が神経を圧迫したところで、痛みや痺れの症状は一切出ません。
神経が本当に圧迫されたら、「痛み」や「痺れ」ではなく「麻痺」が起こります。
 
・手術をしても症状が変わらない人も多くいます。
全身麻酔をしただけで、「ヘルニアは切り取ったよ」と嘘を付いても症状が消える人がいます。
・手術では治らないのに、鍼灸治療で筋肉に鍼を刺してあげるだけで治ります。
 
それは、ヘルニアが痛みや痺れの原因ではない確固たる証拠です。
 
このような間違えた医療が古くから行われた医師に対して、
疑問を持った医師も増えており、どんどん「ヘルニア=手術」の図式は消え去っています。

データは沢山持っておりますので、機会があれば又お見せします。
 
※このような事は脊柱間狭窄症や、坐骨神経痛と言われるような症状、疾患名に対しても同様な事が言う事が出来ます。痛み止めとして麻酔薬を入れた注射を打っても、薬を入れない空っぽの注射を打っても、効果は変わらず有用である事から、鍼灸治療に対しての見直しがどんどん行われています。
 
そして、注射針で深部筋に刺す針の長さは大抵6cm~9cmまでです。
当院では15cmの鍼まで用意しております。これだけの長さがあれば、どれだけ大きな身体の患者に対してでも罹患筋まで届かせられます。
 
更に、このような注射や、空の注射を打つ医師にも大きな見落としがあります。
それは、罹患筋しか見ておらず患者を見ていないという点です。
何故、その筋が罹患したのか。その原因を探れないと治らないのです。
 
その為、何回も何十回も、人によっては100回とか注射を打つ羽目になるのです。
幾ら保険が効いて安い注射とは言え、何十回も通院したら時間も金額も膨大になります。
 
この点は、足繁く病院に通う患者に早く気付いてほしいと思っています。
病院に行く為に時間を作り、着替えをし、化粧をし、車や電車で移動をし、数十分~数時間と待たされ
る。これを数十回繰り返すとと考えると、私だったら気が遠くなりそうです。
 
トータルで掛かるコストで見たら、絶対に鍼灸治療のほうが安くあがります。
と、最後は当院の宣伝で締めくくります
 
 
 
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THE BACK LETTER第67号

過剰な脊椎画像検査に対する批判が、おそらくこれまでで最も強まっている中で、米国内科学会(American College of Physicians:ACP)は、新しい方針の声明と解説を発表した。ACPは、
ルーチンの脊椎画像検査はまったく価値のないもので、現代の脊椎医療から排除されるべきだと主張している。

米国の大規模な学会であるACPは、医療提供者に対し、ルーチンの画像検査には医学的利点がないのみならず、これが脊椎医療のコストとアウトカムに長期的な悪影響を及ぼすことについても考慮するよう求めている。

Roger Chou博士らの新規臨床ガイドライン(Chou et al.,2011を参照) によれば、「米国内科学会は、腰痛患者のx線写真あるいは最新の画像法を用いたルーチンの画像検査が、臨床的に意味のある患者のアウトカムの改善に結び付かないという強力なエビデンスを得ている。不必要な画像検査によって、患者は本来避けられたはずの害を受け、更なる不必要な治療を受けることになり、結果的に余計な費用がかかることになる」。

脊椎分野における大きな問題の多くは過剰な画像検査からくるものである。普通の腰痛患者が、無症候性の脊椎の異常を必要もないのに指摘されたことによって、必要のない医師への紹介、保存療法、疼痛治療、および手術といった時間と費用のかかる一連の過程へとつながることが多い。脊椎研究の先駆者、故Alf L.Nachemson博士がかつて述べたように「脊権医療における最大の問題は、医師が全体としての人間ではなくX線所見やMRI所見を治そうすることである」。

ACP臨床ガイドライン委員会のChou博士らは「診断検査の非効率性という問題を解決すれば、患者に及ぼす潜在的な害が最小限に抑えられ、直接的および派生的にかかるコストが減ることにより、医療資源の有用化に大きな効果が出る可能性がある」としている。

価値の向上

この画像検査のガイドラインとそれに付随する解説は、へルスケアの価値の向上(すなわち実質的に医学的利点がある診療法の特定に留まらず、社会的に許容できる費用でそうした診療を実施できる方法の同定)を目指すACPの新しい一連の施策の第一弾となった(0wenseta1.,2011を参照)。

コスト高購の時代において、今後、医療費の価値はより大きくなっていく。医療費は米国経済の健全性をむしばみ続けており、2009年には国内総生産の17.3%程度を消費している。2020年までに米国の年間経済生産高の20%以上を食い潰すと予測される。もし、米国が企業であったら、このままの状態を維持できないであろう。

ACPが腰痛に注目して高価値の医療方針の導入を選択したことは意味深い。価値向上の対象となる魅力的な標的は医療全体に多数存在する。 しかし、腰痛分野には価値の疑わしい支出と診療がはびこっている。

核心を突いている

ACPの新しい方針は、著名な研究者らから強い支持を得た。

University of WashingtonのComparative Effectiveness,Cost and Outcomes Research Centerの所長である放射線科医のJeffrey G. Jarvik博士は「この新しい勧告は適切であり、科学的エビデンスに合致する」 としている。

Jarvik博士は、最近の電子メールで次のように述べている。「Chou博士らは核心を突いていると思う。最新の画像法は適切に使用すれば診断のための重要な情報を提供してくれるが、 広範囲に見境なく検査を行っても役に立たないだけでなく、患者に害を及ぼし費用がかさむ恐れもある」。

ACPの新しい方針の声明では、 医師は画像検査の実施を決定する際にその検査の価値の有無を検討するよう勧告しているが、医療提供者が複雑な費用と効果の方程式を個々の患者別に細かく計算する必要はない。既存のエビデンスに基づくガイドラインに、 画像検査に関するエビデンスが使いやすくまとめられている (表Iを参照)。

Jarvik博士によると 「Chou博士らの勧告は、 基本的に既存のエビデンスに基づくガイドラインに従ったものであり、画像検査の実施は神経脱落症状がある
患者または重常な基礎疾患が疑われる患者にとどめるべ
きだとしている」。

価値に注目することは驚きか?

Jarvik博士は、勧告が医学的観点だけでなく経済的観点からも検討されたものであることは驚きではないとしている。「法外な金額になりうる社会的コストを無視して医学的利点にのみ注目する余裕はもはや我々にない。しかし、腰痛患者の画像検査の場合には、単純にアウトカムに基づいて説得力のある主張をすることができると考える」。

言い換えると、これはどちらの観点から見ても好都合な状況である。ルーチンの脊椎画像検査を排除してコストを削減しても、医学的利点は減少しない。むしろ、利点が增すのである。

変化のための処方箋とは?

もし、医師がこの新規勧全面的に採用するなら、さまざまな専門診科において臨床診療を大きく変化させる必要が生じるであろう。過剰な脊椎画像検査は現在も日常的に行われている。

しかし、Jarvik博士は、強力な科学的エビデンスに裏付けられた変化を医師は恐れるべきではないと述べている。

「これらの画像検査に関する勧告を受け入れれば、臨床診療を変化させる必要が生じる。しかし、臨床診療は常に変化し続けるものである」とJarvik博士は指摘する。 そして「医療は動的な分野であり、変化についていけない医師はすぐに時代遅れになる。しかし、変化はしばしば医療活動に価値をもたらさない力、すなわち経済的な圧力、市場からの圧力、不確かな経験などによって引き起こされる。ACPが提唱する変化は、少なくともエビデンスに基づいたものであり、患者のアウトカムを改善し費用を削減するはずである」と付け加えた。

Jarvik博士が述べているように、過剰な画像検査は科学的エビデンス以外のさまざ まな種類の圧力によって促進されている。 主要な促進因子は、腰痛に対する従来の医師の姿勢;画像検査を実施する財政上の誘因(特に画像検査装置を所有する医師の場合);防衛医療(defensive medicine);そして非常に重要なことに、患者の要求などである。

腰痛の原因について、妥当性が証明されていない複数の説、すなわち、腰痛の原因は椎間板、椎間関節、仙腸関節、あるいはその他の特定の脊椎構造にあるという説も、過剰な画像検査の実施に一役買っている。これらの推定される疼痛発生原因を治療するには、画像検査によって解剖学的対象部位を明らかにすることが必要である。

画像検査が減れば本当にコストは削減されるか?

脊椎画像検査の実施率が低下すれば専門医への照会が減り、専門医による診断および治療の費用も減少することは直観的に理解できるが、こうした問題は今後注意深く検討していくことが重要である。

Jarvik博士は「不適切な画像検査の制限は腰痛の侵襲的治療を減らすための万能の方策にはなりそうにないが、プラスの効果はあるはずである」と述べている。「Chou 博士らが指摘しているように、画像検査と治療の間に認められる強い関連、おそらくは因果関係は真実であることを示す合理的エビデンスがある。 患者と医師がひとたび画像所見を知れば、 それを無視するのは難しくなる」。


Chou R et at.,Diagnostic imaging for low back pain:Advice for highvalue health care from the American College of Physicians,Annals of internal Medicine,2011;154:181-9.

Owens DK et al.,High-value,costconscious health care: Concepts for clinicians to
evaluate the benefits,harms,and costs of medical interventions,Annals of Internat
Medicine,2011;154:l74-80.

TheBackLetler26(4):37,42-43,2011

「脊椎分野における大きな問題の多くは、過剰な画像検査からくるものである」

「変化についていけない医師はすぐ'に時代遅れになる」


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