藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

別に針を刺されたいと思っている人間はいない(笑) 2


続編を希望された方がいた為に続けます。
最早、タイトルとは関係無い内容になりそうですが良いでしょうか。
こう言う内容って患者が見ても眉を潜める結果になるので積極的に書かないほうが良いと思うのですが、
若き鍼灸師の先生の為に私が率先して盾になり槍で刺されようと思います(苦笑)

似たような事例で時折、薬物問題や食養に関して一般人が一般人に強く勧める人がいますが、
打ち身に慣れていない一般人が一般人に強く勧めると自分が傷付くだけなので気をつけて下さい(笑)
知らない人にとっては全く知らない世界の話に聞こえるだけですから受容するには時間が掛かるものですし、
1人だけの口から聞いても納得は為難いものです。未だまだマジョリティが世を形成している証左でもあります。
先ずはこの辺りを示しながら話を詰めていくのも良いかもしれませんね↓

WHOが砂糖新指針…炭酸飲料1缶でも超える

鍼灸師を目指す方々の中には、薬剤師や看護師、歯科医師、PTOT等々の医療免許を保持されている方々も
多く、現行医療に対して何かしかの疑念を抱いてる結果、針をチョイスする事になったのかもしれません。
現に、私自身も大学時代は「うつ=心の風邪」的な講義を受けながらのSSRI全盛期でしたし、
鍼灸師を目指すキッカケが無かったら、精神科に橋渡しをするような業務に就いていたかもしれないのです。
 
と言う訳で、鍼灸師は何かしかの経緯を経由してからの、比較的正直な方々が多いと思います。
その正直っぷりを買ってもらえればそれで良いのではないでしょうか。
その正直っぷりに患者も共感してもらえれば、
今、何処かの針屋を受けようと思っている患者さん方にとっても行き易くなるでしょうか。
それとも行きにくくなるでしょうか(笑)
 
どうでしょうか
 
改めて文字に起こす事によって、何かが見えてくるかもしれません。
前項の内容から継がれる前提としては、鍼灸を既知されている方々向けではなくて、
鍼灸治療を未だ受けた事が無い方々に対しての話です。
 
鍼灸治療は圧倒的に効果を出し続ける事が出来るのは前項でも書きました。
しかし、その受療者というのは日本全体として見た場合、一桁位で推移しています。
様々な誤解や曲解も多い業界ではあります。
かと言って、業界全体が団結する事も今後ないでしょうし、マニュアルというマニュアルも存在しない世界です。
1人1派と言われる世界で、鍼という効果を大いに示す舞台というのは未だ遥か遠い話かもしれません。
それでも、一歩一歩の積み重ねが必ず身を結ぶ事になると思います。とにかく今は頑張るしかありません。

前項⇒http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/12252311.htmlの続きです。
 
7)世の中は「鎮痛」を望んでいる。では、我々も患者ニーズに乗ってはどうかというのはどうかと。
 
分かりづらい書き方ですが、要は患者は即時鎮痛を望んでいます。
それは、針治療を受療する際にも同様な要望を滲み出しています。
即時的な鎮痛は鍼でも可能かもしれませんし、指だけでも十分効果を出せるかもしれません。
しかし、即時的な鎮痛作用を患者に与えるという事は、デメリットしかありません。
(10分後に100mを全力疾走するような用事があれば、患者ニーズに応える必要はあると思います。)
 
あくまで、鍼灸治療を受療される陳旧例の群に関しては、鎮痛作用を求める治療は無駄です。
痛い箇所に強刺激(指でも鍼でもパルスでも)を加えれば10~20分程度は痛みを「感じにくく」なるでしょう。
但し、これは、このように文字で起こしてしまえば分かる通り、患者に対しては無益な結果しか及ぼしません。
且つ、指でグイグイ発症箇所に対して刺激を加え続ける事による行為は、一層の治癒遅延を招く恐れもあり、
手放しで放っておく訳にもいかなくなります。細かい話は以前に書いたかもしれません。
 
しかし、周囲を見渡せば、強圧刺激を求む患者層が多い事も分かりますし、
強圧自慢の術者、強圧を受けるの大好き自慢の患者もいます。
主に腰臀や肩背部に集中しているかもしれませんが、
その後のこの患者層の動向と、症状発症箇所の変異を追跡する限り、
望ましい行為で無い事が結果として表れています。
これは最近に始まった話でもなく、数十年前から同様の事は起きていたと思います。
 
たまに「揉まないの?」と言う質問を患者から受けますが、私は揉む事はありません。
筋柔軟性を保持する程度の圧であれば、他者介入でなくとも、患者自身が執り行ってくれれば良いと思います。
十数年前は一日中ヒーコラ揉んでいた時期もありましたが、
揉まない理由は上記の件もありますし、揉む事で鍼を打てない指になります。
日々、数百から数千の片手挿管が繰り返されるデリケートな作業が、揉む事によって出来なくなるのです。

8)「鎮痛」を望む患者が指示する刺鍼箇所に対しての対応
 
多分、未だ私の年齢(33歳)からして舐められているだけなのかもしれませんが、
患者層は父母世代、ジジババ世代も含まれてきます。
受けもせずに「若い=下手っぴ」のレッテルも貼られて治療を拒否される場合もあるでしょう。
皆そんな時代もあるでしょう。皆、そうやって成長してきたのよ。
 
33歳も業界内ではクソガキみたいな年齢かもしれませんが。
鍼灸って60代や70代の新卒も存在する世界なのですが、見た目は大切なのです(苦笑)
新卒でも大名人ヅラ出来るのが、この業界の凄いところです。
 
まぁそんな話は置いといて、
患者が「ココが痛いからココに刺して」というケースは往々にあります。
外傷性の既往が絡んでいれば、「原因部位=発症部位」も頷けるかもしれませんが、
大体は非外傷性による諸症状による来院です。
そのような場合「原因部位≠発症部位」である可能性がある故、
痛い所に針を刺すという行為は無駄打ちで終わります。
大人な鍼灸師なら黙って「捨て針」という理由で打ってあげるかもしれませんが。
 
さてさて、では非外傷性の患者に対して、
このように言われたら、どのように説明しましょう。
「散々、過去の失敗を繰り返す気ですか!」否…、言い方がキツイか(笑)
納得してもらうまで解剖書を見せながら説明するか、
説明しても納得しないようであればもう一度「7)」に戻ってもらうしかないんじゃあるまいか。
 
このような説明に納得してもらうには、
どんなに重症例だとしても片手以内の治療回数で結果を見せ始めなければ「7)」に戻るでしょう。
初めから患者が治療回数を決めて来る場合もありますので、全患者対象でもないかもしれませんが。

9)「手術1回=鍼治療1回」と考えている患者
 
8)の考え方も絡んでくる事例かもしれませんが、
この考え方に関しては、主に整形領域の患者が手術を検討するように医師から提案され、
「手術が最終手段」「手術をすれば良くなる」という前提状況の「思い込み」下で
鍼治療を受療する患者に多く見受けられます。
そもそも「手術1回=鍼治療1回」という理屈以前の問題である事は既に分かるかと思います。
「手術1回=鍼治療10回」という訳でもないのです。骨折等々は別ですが。
 
大方の腰痛い膝痛い、首が痛いと写真を撮りに行って、異常所見が見られた場合の話です。
「診断名と、それに絡む諸症状≠手術」である事を患者側に強く認識してもらう必要性があるという事です。
手術自体が最終手段でも無く、良くなるという保証も無い事は過去の患者が沢山示してきました。
 
「○○と言われて手術する前に鍼で良くならないかと思って」。よくある場面かと思います。
勿論結果を出す事も大切ですが、事前に多くのデータを患者に提示し、納得してもらう必要があります。
1回2回の鍼治療では患者の望む改善ラインには及ばないので、ある程度の継続的治療を要する事、
他、当初の治療で、鍼という異物を体内に刺入する事により僅かでも改善傾向であるという事は、
そもそも医師の提示した理論が誤りである事を知ってもらわなければ治療が続きません。
 
そうなると、
「1回鍼を打ったがダメだったから手術をした」とか
「3回鍼を打って改善傾向だったが手術をした」
という話も出てくるかもしれません。
 
結果的に患者が再度気づく事になるのは、手術直後は良好でも、その後、症状の再発であったり、
別箇所への症状発症であったりした時です。仮にその頃トンボ帰りして来られた場合、
鎮痛薬だけでなく、向精神薬も携えてくるケースも多く、別問題で手を焼く事になります。
「手術は成功したんだから、今痛いのは気持ちの問題だよ」的な事を医師に言われてるかもしれません。
その為、治療のスタートは本当に大事だと思います。

10)針治療による作用機序を鑑みれば直後効果を望む必要性はない
 
私自身による考え方かもしれませんが、私は直後効果を見越していません。確認はしますが。
明日明後日、明々後日の患者の症状変化を観察して頂き、次回治療へ繋げて行くのがスタンダードです。
これも、患者個々人で抱えている背景は違うので全対象とは言えないかもしれませんが、
A)発症時期が遅ければ遅いほど、治療効果を実感されるにはタイムラグが生じます。
B)発症時期が早ければ、比較的治療直後から効果を実感されます。
 
大体の患者群はいつ傷めたかも分からない位のようなのでA)群に該当すると思います。
その為に、比較的治療間隔も空けて、日々の症状を観察してもらう場合が多いでしょう。
症状の度合いも軽度に移行してくれば、日常に於ける悪化姿勢、改善姿勢も患者自身で出来るように
なってくるでしょうから、患者自身が回避してもらう為の時間も必要になってきますし、
筋細胞の入れ替わりは今日明日で済む話でもありません。
 
B)群に関しては、治癒までの環境も好条件が揃っていますので、
次回治療日時は具体的に提示せず、2~3日様子を見て痛かったら来てね程度です。
もしかしたら、その2~3日の間も痛みがゼロにはならないかもしれないし、
場合によっては痛みが移動しながらゼロになるかもしれません。
 
それでも、患者自身には事前に回復手段を説明して納得しといてもらえれば、
自身の力で悪化要因を回避しながら回復要因を取り込む行動を取るはずです。
(そうであってほしいという願望もある

11)「痛い」には先がある。「痛い」内が花。
 
今日一番書きたかった事です。鍼の独壇場になるのは痛みの先を呈し始めた患者群です。
短絡的な表現で誤解を生むかもしれませんが、この手の話をすると超長くなるので端折りながら書きます。
鍼治療という極々シンプルな治療のみを行う事で見えてきた各種諸症状の世界があると以前も書きましたが、
何処かの誰かも言っていたかもしれませんが、多くの根源的要因は同一理由に帰着するという事であり、
針という作用機序で症状が改善する理由から紐解ける発症要因というのは数多いものです。
ここで、多くの現行医療が示す診断名と諸症状の矛盾点を垣間見る事が出来ます。
 
薬物やワクチンの副作用、他、
外傷性(手術、強圧刺激による筋柔軟性欠如による栄養供給の不全状態、熱傷等々)の問題は別です。
 
では、これらの非外傷性要因が孕む根源的要因に対して「7)でも触れた
鎮痛作用を求めて患者が動き続けた場合はどうなるかと言う問題が生じてきます。
 
前項にて、痛みには先があるという話をチラと触れました。
確かに痛みは辛いものです。痛みを自覚したら1秒でも早く取り払ってもらいたい事を患者は望んでいます。
痛みの軽重や発症機序にもよるかもしれませんが、
「痛みさえ抑えられれば」という観念が先行した結果の行動というのは、
経口~非経口問わず、一般的には薬物使用が主になってくるでしょう。
 
勿論、発症理由と薬物の作用がマッチしていれば痛みというのは抑えられます。正確には「感じなくなる」です。
ここで従来通りの生活に戻った場合、根源的要素は残存したまま「痛み」だけを感じなくなった状態で
薬物の耐性が付く(同量では効かなくなる)⇒その結果増量する(しかし何れ同量では効かなくなる)の
悪循環が招かれ始める事も患者自身も頭の片隅にはあるはずです。それでも痛いのは辛いから飲み続ける。
市販薬だけで効かなくなれば、病院に足を運ぶ事になるかもしれません。
 
写真を撮れば「」の要因も絡んでくるかもしれません。
写真で原因が無ければ鎮痛剤や向精神薬が出されるかもしれません。
そんなこんなで、身体状態はドンドン狂わされていく事は以前から書いているので省略します。
 
中長期に渡り、良くも悪くも鎮痛剤等々により「痛み」を消してしまってきた場合、その後に生じる症状というのは、「痺れ」「感覚鈍麻(皮膚知覚含む)」「脱力」「極端な冷感や熱感(触れてみても冷たくも熱くもない)」「感覚過敏」「fasciculation」等々かもしれません。RSD(CRPS type1)やアロディニアって書いても分かり易いかもですね。
最近で言えばFMSと言われるのが流行っているでしょうか。
※知覚鈍麻や脱力を麻痺と表現する人もいます。
 
それが局所性か全身性かによって違う病名が告げられるかもしれませんが、ここまで読み取ってもらえれば、
既に局所性であろうと全身性であろうと、針治療を行う上では全く関係無い事が分かると思います。
 
無論、症状の軽重や発症範囲によって、患者の訴え方も変わってくるでしょう。
誰だって小指一本が痛いより、全身が痛いほうが恐いし辛いに決まっています。
但し、理屈上は至極単純な事で物事が動いているのが分かります。
 
針治療と併行して行って頂く食餌により、改善への速度も変わってくるでしょうけど、
その取り込む改善要因の内容を考えれば、非常に単純な理由だと言う事も分かると思いますし、
針治療で改善していくという状況を実感してもらえば、患者自身、全然恐いものでもなくなります。
 
医療機関で薬物だけで対処しようと思った場合、
ドツボに嵌っていくケースが圧倒的に多いのはご存知の事と思います。
 
向精神薬等の薬物治療も比較的中長期化してくれば、副作用や常用量離脱も出てくるでしょう。
(医師はそれらの症状を副作用や常用量離脱とは言わないかもしれませんし、認めないかもしれません)
薬を変えたり増減したりと、常に不安定なヤジロベー状態に患者が乗せられます。
「昨日は良かったけど今日は最悪」とか、簡単に書けばこんな状態に陥ります。
そうなると、ますます薬物から脱却出来なくなります。
 
針治療というのは、「痛み」という諸症状は勿論ですが、
そのような「痛み」の先の諸症状に対して圧倒的な効果を出せる治療手段です。
100の力価を深部まで100でアプローチ出来るという理由も含め、
先程から触れている根源的要因という状態を崩すには非常に適した治療手段である事が分かります。
 
痛い内が花です。だから、「痛い」内に治しきってしまう事が本当に大切です。
その「痛い」に対する介入手段、内容によっては、
より悪化してしまう可能性が孕んでいる事を知るのも必要です。
 
良くも悪くも脳ミソで抑えてしまうような強烈な薬物治療が当たり前になった現在の状況下に於いては、
このような事態に対して、早期段階で気づいてくれる患者がどれ位いるかが今後の課題かもしれません。

参考

 

「病気」こそ、人を不安に陥れ、主体性を奪う

http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/10405720.html

 

手術と鍼灸

http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/11102093.html

 

「心と体の両方からアプローチ」された水面下で巻き起こっている事

http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/11944668.html

 

「心と体の両方からアプローチ」された水面下で巻き起こっている事 2

http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/11951383.html

 

治癒遅延を招く要因と根源的要素改善の重要性

 
某恩人が嘆いてますが嘆く必要はないと思うのです

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  ~針治療から病態定義の見直しを~