藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

圧倒的な価値と効果と提案を


メールアドレスを公開している為、様々なご質問を頂きます。
鍼治療に抵抗のある方、興味はあるけど何をされるか分からない方、
自身の症状が鍼治療で良くなるか否か等、
依然、鍼灸治療を受療されるまでには様々な障壁がある事を、
ご質問内容からも垣間見る事が出来ます。
 
過去に大規模なアンケート調査を実施した団体がありました。
その結果、「鍼灸」という言葉を知っている方々は比較的多かったものの、
実際に鍼灸治療を受療された事がある方は約「5%」程度と、非常に低い数値を示しています。
 
鍼灸良いよ」と言われる方の多くは、ご自身に受療経験がある、
若しくはご家族や知人友人に受療経験がある事で発せられる言葉でしょう。
しかしそのような情報源が一切無い方も多くいるのも事実です。
そのような方々にも鍼灸を自ら受療しようと思い立つ動機を考えなければならないでしょう。
 
現状では、鍼灸治療を標榜している治療院は多く存在していますが、
鍼灸のみで治療を行っている所は数少なく、
且つ、鍼灸治療が手技の中のオマケ的要素にしか用いられない状態では、
一層鍼灸治療の評価が低下すると同時に、
鍼灸治療の圧倒的な価値や効果を術者自らの手で引き下げているとしか思われない状態です。
 
※参考⇒秋田から帰ってきて http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/10147877.html

前項でも記した通り、鍼灸治療は確立されたマニュアルが存在せず、
各々で行われている治療内容も、同一症状だとしても術者が代われば異なってきます。
暖簾分けしている所や分派によっては根本的思考が比較的一律化している為に
似通った治療内容で行えると思いますが、
重症度の高い患者に関しては、治療回数を重ね、
患者の症状の変化を把握しながら治療を進めていく為には、
「師匠がここに鍼を刺しているから私も刺す」という短絡的な思考では耐えられない状況にもなり、
治療内容の発展性と柔軟性が欠けてしまう一つの要因にもなってきます。
 
コピー可能な治療とは、
様々な症状を包括出来る程の大きな治療効果を生む内容とも言えますが、
バックグラウンドが乏しいコピー治療では限界があるのかもしれません。
やはり膨大な症例や理論構築により展開している治療内容であるが故、
患者の様態に応じて治療内容を変える事が出来たり、
治療スパンに対して柔軟に対応出来るようになってくると思われます。
となると、やはり1人1派と言われる所以も理解出来ますし、
コピーはコピー以上の結果を残す事は非常に難しいのかもしれません。
 
その為に、治療内容が頭打ちにならぬよう、
経験則を先走らせる臨床よりも、現症状から治癒までの理論や理屈を先に走らせ、
理論上の治療を行い続け、生活環境や労働環境、年齢や体力等々を加味しながら
治療を行う事で変化していく症状に対して変化を持たせるには、
その場凌ぎの治療内容だけでは即座に対応不能と成り得る結果となるのでしょう。

当院に関しては、ある程度の症状であれば治癒までの時期や回数を見積もります。
但し、当院も青森に越してきて丸2年が経ち、来院患者の症状が重度化してきています。
 
鍼灸治療は残念ながら未だ特殊な治療法であると捉えられがちであり、
口コミで拡大されていく要素も非常に高い為に、
年数を追う毎に症状の重い患者が集まり始めるのは、
他の治療院でも同様な事が言えるかもしれませんが、当院も例外ではありません。
 
「早期治療を」とは口酸っぱく言い続けても、
何だかんだで来院患者層を見ても実現化している状況も無く、
人生の半分を病で悩み続けているような患者層が占めてきています。
 
但し、そのような患者層であったとしても、
過去には健康に過ごしてきた過去もあるはずです。
生まれた時から湿布を貼っている訳でもないでしょうし、薬を飲んでいた訳でもないでしょう。
(※先天的疾患は除きます。あくまで鍼灸適応範囲での話です。)
 
自然治癒する可能性を大いに秘めていたにも関わらず、重症化したのには理由があります。
前項でも書きましたが、現行の整形領域の様々な対処療法的手段が治癒へと導いている
と勘違いしてしまうような喧伝もあるでしょうし、対処療法を治癒であると擦り込まされた現実もあるでしょう。
他にも、患者自身の環境にも理由はあるでしょう。
自然治癒する暇と隙を与えない職場、学校、家庭、誤認識が罷り通っている情報群。
 
根底から覆すのは、個人の力では無理です。
その為に、様々な現場で指導権を持つ方々が治癒に対しての理解を得る事が肝要なのですが、
現代の医療が目指し浸透させている医療化は、治療と治癒の意味を履き違えています。
医療化が現場を壊している事に気付く指導者がどれだけ現われるかで、
個から集団へと健康までの段階の踏み方が大いに変革していく事でしょう。
 
参考⇒元気すぎるあなたが心配です http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/10247720.html
   ⇒コーヒーブレイク3        http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/10024977.html

どんな事柄にでも言える事かもしれませんが、傷は浅いほうがリカバリーまでの時期も早期で済みます。
 
精神薬を10種類飲んでいる患者よりも、5種類飲んでいる患者のほうが断薬に漕ぎ着ける時期も早いでしょう。
腰痛を10年抱えている患者よりも5年抱えている患者のほうが治癒までの時期も早いでしょう。
 
気づくなら早いほうが良いのでしょうが、気づいて情報を集めた先の情報が全て誤っている可能性もあり、
推し進めてきた医療化の弊害が様々な現場で多く感じられます。
 
更にブログを通して来院された患者は、既に何らかしらの症状を抱えています。
以前、腰痛を未然に防ぐためにと幾つかピックアップした内容も、
既に症状を抱える人にとっては無力だと後になって分かりました。
 
 
痛い人は既に痛い訳で、
情報を聞いたところで、加療せぬ限り自然治癒する可能性は極々低い状態の方々ばかりです。
 
且つ、人間は痛めてから初めて気づく生き物です。
痛める前に、若しくは僅かな治療回数で完治まで引き上げる為にはどうすれば良いか。
私達の今後の大きな課題となってくるでしょう。
 
重い症状は時間が掛かります。
モチベーションの維持、治療に発生するコストの問題、
治癒過程に於ける各部位への疼痛箇所の変動等、症状は重いほど、
治療を受ける側は辛くなってきます。

鍼灸治療は単純な「重度疲労」状態である身体に対して著明な効果を出し続けられる事が出来ます。
 
この重度疲労状態の積み重ねにて様々な症状を発症する事になります。
栄養状態の偏りがある場合、更に症状を深刻化させる事になります。
この段階で取り入れた治療法が何であるかで、
患者の将来は大きく変わっていくと考えています。
 
肩が凝ったから湿布を貼る。
肩甲骨の間が痛いから湿布を貼る。
腰が痛いから湿布を貼る。
湿布だけでは足りないから鎮痛剤を飲む。
鎮痛剤を服用するだけでは足りないから注射を打ちに行く。
甘い物を食べれば元気になるから甘い物を中心に食べる。栄養ドリンクを飲む。
コルセットをギュウギュウに巻く。ワンサイズ小さいサポーターを巻くetc…。
 
全て誤りです。
 
対処療法は繰り返せば繰り返すほどに自然治癒の可能性は低くなり拗れていきます。
鍼灸治療の話を行う以前に、患者自身が治癒の意味と治療の意味を再度理解しなければ
前に進めなくなる時が必ず来ます。
 
身体に薬物を取り込んで身体能力を引き上げる事は出来ません。
身体にコルセットを巻き続けて身体能力を上げる事は出来ません。
誤魔化された身体は一時的に身体能力の賦活化を感じる事が出来るかもしれませんが、
それは誤魔化されているだけである事を認識した上で、極短期で済ませる必要があります。
 
あの大会に出なければならない。あの試合だけは勝たなければならない。
皆がそのような状況下ではないでしょう。
手軽に行える対処療法は自身の身体を中長期的に拗らせていく可能性があります。

「5%」
 
対処療法的手段は気軽に行えます。病院まで足を運ばずとも、
近所のドラッグストアやスーパーからも入手出来る物も多く、多くの方が手を伸ばす気持ちも分かります。
 
それに比べれば鍼灸治療は気軽ではありません。「5%」という数字も分かる気がします。
しかし、鍼灸には「対処療法」という考えを一切持たぬ、「治癒」だけを追い求めた時間が流れます。
鍼灸治療程に圧倒的な侵襲性を持ち、患部にアプローチを行い続ける事が出来る治療法は他にありません。
圧倒的な価値と効果と提案を患者に提示すべく、2014年も治療内容の発展を行い続け、
より多くの方へ鍼灸治療の素晴らしさを広められるよう努めて参りたいと思います。
 
イメージ 1

【電話】 0173-74-9045 又は 050-1088-2488
                             (携帯 090-3983-1921 Cメール可)
【診療時間】 7:00~21:00 時間外対応可
【休診日】 なし 土・日・祝祭日も診療しています
【PCメール  
fujiwaranohari@tbz.t-com.ne.jp お返事には数日要する場合も御座います

イメージ 2  ~針治療から病態定義の見直しを~