藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

鍼灸治療は風穴を開ける事が出来る


初めて鍼治療を受療される方々や、治療を希望されている方々は、
自身の症状に対して鍼治療が如何様に効くか、疑問を持っている事と思います。
当院は原則的に事前に電話で予約を頂く為、初診の方より電話を頂いた場合、
電話上で症状を伺い、鍼灸治療よりも他の治療が適している場合は振り分けを行う時もあります。
それでも「鍼灸で」と言う方は、直接お会いして説明して精査してもらうよう促す時もあります。
結果的に早期で治る選択を推奨しています。
但し、その治癒という意味を患者が履き違えなければ良いのですが。
 
私は鍼灸治療の効果に対して、治療行為(侵襲行為)から派生される機序にて
症状収束を現実的に考察しながら治療を行っています。
鍼灸治療は時に「魔法」や「手品」、「神秘」や「奇跡」のように捉える方々もいらっしゃるようですが、
私は一切そのような事は考えておりませんので悪しからず。
このような風に思われる所以も、鍼灸治療の認知度の低さからだと思いますし、
鍼治療に於ける治癒過程を知らない方にとっては、非日常の世界を見る事が出来るからなのかもしれません。
 
因みに、東洋医学的観点からも治療は行っておりませんので、「ツボ」を私に聞かれても全く分かりません。
女性雑誌のツボ特集を読まれている方々のほうがツボに詳しいんじゃないかと思う位。
国家試験の為にツボは当時覚えましたが、ツボってあるのかしら。
ツボを買わせる鍼灸院はあるそうですが、ツボを買って物事が解決するほど世の中は甘くありません。
 
電話を頂いた際に、患者から発せられる多くは
 
1) 「○○と診断されたのですが、鍼灸で治りますか?」
2) 「○○のような症状があるのですが、鍼灸で治りますか?」
3) 「○○と診断され、治療薬の副作用がきつくて飲み続けられません。鍼灸で治りますか?」
4) 「○○と診断され、通院している○○病院のリハでは埒が明かないので鍼灸で早く治せますか?」
5) 「○○治療院で、骨盤が歪んでいると言われたのですが鍼灸で治りますか?」
 
等などが多いものです。
細かい話は置いといて、レッドフラッグが立っていない診断名や症状は問題なく治療対象です。
重要なのは、患者側が鍼灸治療を行うに当たり、説明内容を理解しているかが大切になります。
鍼灸治療にも目的がある訳で、目的箇所に鍼を打ち込む理由があり、治癒過程を歩む理由が生じます。
 
現行医療に於ける対処療法の数々と、自然治癒を加速させる鍼灸治療では治癒過程の歩み方も異なります。
この部分に関して、患者側がどれだけ理解を示せるかが、早期治癒までの道程ともなるでしょう。
恐らく私の説明は、整形外科学的理論とは異なる理論で説明を行います。(勿論例外もあります)
患者側が病院で受けた説明や、ネットや本で仕入れた情報から得た知識と、私の説明は異なるでしょう。
 
治療に対してポジティブな思考を持っている方であれば、異なる診立てに興味を示しますが、
治療に対してネガティブな思考を持っている方の場合、医師と異なる理論に対して疑念を抱く方もいます。
まぁこの点に関してもどうだって良いのですけどね。
結果さえ出せば理解を示してくれるし、何だかんだで結果が付いてくるまでは誰だって疑心暗鬼なものでしょう。

鍼灸治療に来られる方々は、群雄割拠の医療機関及び代替治療機関を華麗に突破してきた方々が多い為、
語弊はあるかもしれませんが、面白い話も沢山あります。
この点に関しては患者の特定にも繋がりかねませんので、今回は極々一般的な話で続けたいと思います。
当ブログの【治療理念】に記載している鍼灸適応症を改めて見てみます。
 
・運動器不安定症 ・運動器症候群 ・関節リウマチ ・痛風 ・骨折後の後遺症
・捻挫後の後遺症 ・後天的側弯症 ・後縦靭帯骨化症 ・黄色靭帯骨化症
・変形性脊椎症  ・頚椎椎間板ヘルニア ・頚椎症性脊髄症 ・頚椎症性神経根症
胸郭出口症候群 ・胸椎椎間板ヘルニア ・腰椎椎間板ヘルニア ・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎変性すべり症 ・腰椎分離症・すべり症 ・五十肩 ・肩腱板断裂 ・石灰沈着性腱炎
 
胸郭出口症候群 ・反復性肩関節脱臼 ・橈骨神経麻痺 ・尺骨神経麻痺 ・正中神経麻痺
・肘部管症候群 ・テニス肘 ・野球肘 ・変形性股関節症 ・変形性膝関節症
・オスグッド病 ・各部位の筋断裂後の後遺症 ・各種手術後の後遺症
線維筋痛症 ・CRPS type1~2 ・むずむず足症候群 ・慢性疲労症候群 
・頭痛や眩暈、腹痛、便秘、下痢、不眠等々の各種自律神経症状や精神疾患様症状
・薬物による各種副作用 ・薬物を減薬、断薬時の離脱症状の緩和
・腰痛 ・肩凝り ・膝痛他、各関節の痛み
 
上記に羅列した以外にも大きな効果を齎す事が出来ますので、一例と言えば一例に過ぎません。
大切な事は、上記の診断が下されたとしても、大半は「成す術なし」である事を知る事が大切なのです。
対処療法の枠を超えられない治療手段しか患者側に提示の出来ない症状群に関しては、
それ以上の症状改善を期待する事は出来ませんし、自然治癒を妨害している可能性すらもある訳です。
 
適応症として挙げている数々の多くの原因は、外傷、負荷の持続、負荷の蓄積、医原病の数々で、
患者本人に回避能力や知識が備わっていた場合、第三者の介入が無い以上(もらい事故等)
予防可能なものが大半です。
 
そして、これらの数々は自然治癒する可能性も大いにある症状群です。
但し、何故此れほど迄に多くの方々が様々な症状に悩み、
改善を得ぬまま数年~数十年と過ごしてくる事になるのか、
そして、様々な治療法や治療手段が出ては消えを繰り返しているのか。
何で患者数は増え続けるのか。ここに現行医療の大きな問題点が潜んでいるのでしょう。
 
要は「臭い物に蓋をする」的な医療行為が当たり前となり、蔓延した結果、自然治癒を妨害し、
原因部位を残存させたまま症状に対して蓋をし続けてきたからでしょう。
勿論、医療という小さな枠だけに問題がある訳ではないと思います。
様々な社会的要素が相成り、治癒遅延を招いている環境下に患者方は曝されています。
 
本来、人間には自然治癒を働かせる機構が備わっています。
一般的には恒常性という言葉を用いるケースが多いでしょうか。
簡単に言えば、この恒常性を高める速度を急激に加速させる事が鍼灸治療です。
となると、多くの症状群は鍼灸治療で収束させる事が可能になります。
 
それを妨害する現行医療の裏にあるものとは一体何でしょうか。
何とかしなければならない状況下に於いて、綺麗事は要りません。
 
「治る」とはどういうことか。「治す」とはどういうことか。
改めて考えていかなければならないのではないでしょうか。


私が練馬の旭町に住んでいた時に東日本大震災は起きました。
近所の幾つかの体育館に、数千名の被災者が避難場所として半年程度に渡り生活を送っていました。
様々な想いで皆さんは過ごされていました。
 
私の場合、電車は止まっても新宿から練馬までは歩いて帰れました。
私には帰る家が存在していました。
体育館に避難されてきた方々は、帰る家すら失った人もいました。
家だけでなく、家族も友達も失った方々もいました。
そのような想いは、私みたいなチッポケな人間には計り知る事の出来ないものです。
 
そんな状況下に於いて、綺麗事なんて糞喰らえなのです。
人が活き活きと生きる環境を作る為には、気持ちをぶつける事でしか成立しませんでした。
明日どうなっているか分からない方々に対して、ヘラヘラしていられる訳がありませんでした。
とにかく1回の治療で大きな結果を出さなければと、一期一会の治療の日々は続いていきました。
 
「どうすれば良いか分からない」
 
このような気持ちを持たれている方々は、避難箇所で思い悩む方々だけでもなく、
現行医療に掛かり続け、一向に展望が見えない方々だって同じ事かと思います。
そのような方々へ、鍼灸治療は一気に風穴を開ける事が出来るでしょう。
 
                                      2012年1月25日号 No.266
 
その後は、依頼があればできることは精一杯行った。
自分がどれだけ無力な人間かというのを噛み締めながら精一杯の気持ちで治療をするしかなかった。
面識のないドクターが私を怪訝そうな目で見ていようが気にしていられなかった。

まだまだ知識も技術もヒヨッコのヒヨッコができることと言ったら、
精一杯気持ちをぶつけて治療するしかできないのだ。
理論や理屈なんて後回しであった。

8月頃であったか、避難所の人たちが撤退し、体育館も閉鎖となった時に電話で連絡があった。
仕事中であったため、留守番電話に吹き込まれていた内容は、被災者の感謝の声であった。
正直、名前も顔も記憶がない。カルテなんて取らなかったし、まともに私は顔を見られなかったからだ。

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  ~針治療から病態定義の見直しを~