藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

東京往診雑記2


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※スタッフの皆様、治療に際しご協力頂き、お陰様でスムーズに事が運べました。本当に有難う御座います。

無駄な物は何かを知る為には、無駄な物も含め、情報を集めなければなりません。
無駄か必要かは情報を集めて初めて判断出来る為に、取り敢えずは集めない事には始まりません。
前項でも述べた通り、情報と知識を集めただけでは何の価値も生まれません。
その集めた情報や知識を何処まで取捨選択するか、
その集めた情報と知識をどのようにして現場でフィードバックしていくかで初めて価値は生まれます。

松菊堂、東洋鍼灸治療院等、他箇所での治療を行うにあたり、
既存の自身が有している治効理論等々の変革を求める為でも無く、
過去から現在に掛けて構築してきた理論の追試的意味合いが強い内容である為に、
突飛な事はせず、淡々と済ませてきた訳ではありますが、
 
1つの一因として、術者側の思考が以前も書いた通り、
放置する事により死ぬ疾患を除き、診断名は最早どうでも良く、
発せられる症状から原発を追い求める姿勢にて対応をして参りました。
 
結果的に間違いで無い事は、理論を先行させても、現場を通して見ても明らかであった以上、
今後は受療回数の削減、要は治癒までのスピードを極限まで早めていく為に
研ぎ澄ましていかなければならない部分を考えていかなければならない点が今後の課題となってきます。
 
且つ、重症度の高い患者層に於いても、様々な事情にて治療スパンを定期的に持てない場合にも、
1回1回の治療後の改善度合い、症状の度合いをキープし続けられる対策が早急に求められると思います。

インターネットを通じての情報交換等々に関しては、時間と場所の距離をゼロに出来ます。
しかし、治療というものに関しては、時間と場所が重要になってきます。
幾らネットを通じて情報を仕入れたところで、若しくは情報を発信していたところで、
術者と患者が居合わせて、初めて結果を求める事になる治療現場に於いては、
青森~東京間という距離は、私自身、非常に歯痒く感じた点もありました。
 
この点に関しては、今後、代理を立てる必要性も出てくるのではないかとフト考えたのですが、
如何せん、術者側の病態把握が異なれば、説明から何から全て異なってしまう為に、
仮に「鍼を打つ」という部分だけを見ればコピー治療は容易かもしれませんが、
経過の予測等々や、治療前後の説明が異なる為に、重症度が高ければ高いほど、
術者が変われば大きなギャップが生じてしまう事も考えてしまいました。

少し話しは反れますが、鍼灸治療のマニュアル化を目指している為に、
業界で昔から言われているような「オーダーメイド治療」という理屈は全て排除して治効理論は構築しています。
誰が鍼を打っても全く同じ結果を目指さなければ、鍼灸業界は廃れる一方でしょう。
その為に、私の治療内容は、免許取立ての人間でも、
一度見れば直ぐにでも行える為に、即座に対応が出来るでしょう。
 
しかしながら、
>>仮に「鍼を打つ」という部分だけを見ればコピー治療は容易かもしれませんが、
経過の予測等々や、治療前後の説明が異なる為に、重症度が高ければ高いほど、
術者が変われば大きなギャップが生じてしまう事も考えてしまいました。
 
にも関連する内容ですが、重症度が高ければ治療後に変化していく患者の症状を予測及び、
追跡していく事が出来なくなる懸念があります。
鍼灸治療というのは、知らない人にとっては特殊な治療手段であるかのような見方をされてしまう為に、
最後の砦的な扱いをされるケースも多くあります。最後の砦とされる頃には、既に患者は様々な
機関を巡り、治らなかったから来る訳で、心身共に様々なマイナス判定を食らっているのが現状です。
医療機関代替医療機関、療術業等にては、大なり小なり何かしかの侵襲行為が施されていきます。
それは、機械を使うかもしれないし、指を使うかもしれない。薬を使うかもしれませんし、
身体にメスを入れるかもしれません。
 
私達も含め、免許を有している為に、法的に針を刺す行為が許されておりますが、
免許を持っていなければ傷害罪になります。
広義の目で見れば、医療行為は外傷を患者に加える事で成立します。
 
一度、外傷の定義を見てみましょう。
http://kotobank.jp/word/%E5%A4%96%E5%82%B7 でも書かれている通り、
機械的刺激の他、熱や電気、薬物、放射線等々も含まれます。
このように、外力にて生じた症状群に対して、私達は外傷を加えて症状の改善を目指します。
この外傷のさせ方が間違えれば、症状は変わらない、悪化するという理屈が分かると思います。

話を戻しますが、治療を行う上ではマイナス判定を含めた上で、
症状の変化を予測していかなければなりません。細かく書くとキリが無くなるので簡単に書くと、
「腰が痛い⇒真っ直ぐ鍼灸治療を受ける」という人と、
「腰が痛い⇒整形外科で各種保存療法を受ける⇒治らない⇒
各種療術業や代替医療を行う院を周る⇒治らない⇒うう…最後の砦だ…鍼灸治療を受けようか」
では、どちらが早期段階で奏功するかは直ぐに分かるかと思います。
勿論、各種療術業で治ってしまえば、それに越した事はありません。
 
しかしながら、原発を見落とした発症箇所に対してだけの各種保存療法、
発症箇所に対してのセルフケアの誤認(発痛箇所に湿布を貼るとかコルセットを巻く等)
各種療術、及び、各種代替医療と称した院による、発痛箇所に対しての強圧による
可動性~柔軟性の不全化は、全てマイナス判定になります。
原発の誤認治療に関しては、過去に取り上げてきたのでご覧になって頂ければと思います。
 
通えば通う程に朝方の痛みは増し、椅子からの歩き始めは痛み、布団の中では仰向けにもうつ伏せにも
なれないという、症状の悪化が時間の経過と共に増しているのであれば、それは悪化であり、
足を運ばれた先で、悪い意味での外傷を生じたと考えても良いのではないでしょうか。
勿論、ケースバイケースもあるので、全てに対して同様な事が言えませんが。
時間的にも経済的にも疲弊し、心身の疲労度合いも相関的に比例していく事になるでしょう。
このように、マイナス判定が少なければ少ない程、鍼灸治療での治り方は非常に早いものです。

人間は生きていれば、筋骨格系の症状は呈する生き物です。
しかしながら、このようなマイナス判定が増えていかぬように、
そして、自らマイナス判定を増産するような事態に陥らぬように
注意してもらいたいのが当ブログの主旨でもあります。
 
筋骨格系疾患を持つ患者が内臓疾患や精神疾患を患う患者に変革するのは、
現代の医療機関ではいとも簡単に、容易く移行させられます。
高齢層であれば、ADLの低下は高齢を原因にされます。
若年層であれば、ADLの低下は○○障害と原因にされます。
 
そんな医原病に満ちたマッチポンプの医療を私達は見直さなければなりません。

という訳で、書き散らした内容でもありますが、現場に立てば立つほどに課題は増えていきます。
しかし、患者群に気付いてもらいたい点は、とてもシンプルな事です。
医療行為を受けるか否かは、自分の判断で回避出来ます。
薬を飲まなければ飲まないで良いし、要らぬ栄養も取らなければ取らないで良いのです。
揉まなければ揉む必要もありませんし、湿布も貼る必要もありません。
本当に必要な人間というのは、極々僅かなものです。
 
今一度、医師の言葉を鵜呑みせず、自分で考えてみる事が大切です。
何で飲み薬を出されたんだろう。出された薬の作用は?自身の症状は薬の適応症状か?
何で砂糖を食べると直ぐに身体が元気になるんだろう。
砂糖の化学式は?精製された糖を取り込む事で起きうる機序は?
何で揉むのでしょう。揉む事によって発生する身体の組織変性の理屈は?
何で揉まれている時は気持ち良く感じるの?何で揉まれれば揉まれる程に、又揉まれたくなるの?
何で湿布を貼るのか。湿布の作用は?自身の症状は湿布の作用とリンクするのか?
 
等など、言われたまま取り入れる事無く、一度は自身で考えていく必要性があります。
言ってしまえば、医者が出す薬も、製薬会社からの売り込みによる擦り込みかもしれません。
その為に、医者が言った言葉は製薬会社の言葉かもしれません。
砂糖を取り入れる理由も製菓会社のPRによる擦り込みかもしれないし、
昔の人間の思考からの擦り込みかもしれません。
「甘い物を食べれば元気になるよ」なんて言葉が良い例です。
「腰痛・肩こりに効きます」と掲げた看板の擦り込みかもしれません。
 
様々な現象は、良くも悪くもマジョリティによる支配なのかもしれません。
こんな事は医療に限らず、多くの場面で散見される事です。
整形領域や精神科領域の多くの諸問題、拗らすか拗らせないかは患者の考え方1つです。
せめて、1つでもマイナス判定を増やさぬよう、そして自然治癒の可能性を閉ざさぬよう切に願います。

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  ~針治療から病態定義の見直しを~