藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

別に針を刺されたいと思っている人間はいない(笑)


何か書けって言われたから書きますが、最近はコレと言って書きたいものがないので
ダラダラとしてしまいますが、特に誰かが得する内容でもないので読まなくても結構です(笑)

素霊の命日から翌々日、「はり師」と「きゅう師」の国家試験が行われました。
聞いた話では年々難しくなっているようです。
 
私なんか緊張し過ぎて、試験中に6回もトイレ行ってしまいました。
第23回と、パッと見た感じ歴史の浅い試験に見えますが、以前は各都道府県で免許が発行されていました。
だもんで、一昔前は東京都の試験で落ちても、神奈川県や埼玉県の試験を受ける事も可能でした。
 
「はり師」と「きゅう師」と冒頭で書いたとおり、「はり師」と「きゅう師」の免許は別々なのです。
その為、片方の試験に落ちてしまうと、片方の免許しか持っていない事になります。
「はり師」のみとか、「きゅう師」のみとかですね。
 
で、「きゅう師」のみでどないすんねんみたいな話もあるのですが、
世の中を見渡せば「山田太郎きゅう院」とか「佐藤花子きゅう院」と言う、
「きゅう」のみの治療院も実際に存在します。多分凄いと思うのですよ。
「きゅう」のみで闘う治療家の心意気には感服します。
 
因みに私の治療院は「藤原航太鍼灸院」と表記されている通り、
一応「はり師」と「きゅう師」の免許を持っているのでこのようにしています。
もっぱら灸を使う事はありませんので「はり師」の免許のみでも良かったと思ってますが。

では、これから活躍される鍼灸師の先生方に私から餞の言葉を幾つか。
 
1)別に針を刺されたいと思っている人間はいない(笑)
 
いきなりそんな事を言うなという話ですが、そもそも、怪我や病気を望んで患う人はいないのです。
誰だって健康が良いに決まっています。針治療の効果を既に知っている方々は別にして、
好んで薬を飲み、手術をしたい人間はいないように、好んで針を打たれに来るかと言ったらそう言う訳でもない。
 
鍼灸師を目指す事になった方々は、各々が鍼灸に対しての強い想いがあるが故、
「針が~」「針が~」となるかもしれませんが、ちょっと待ってちょっと。
 
医療の提供は「外傷」を起点とした作用が絶対となるのですから(だから国の免許が必要になる)、
一般人が「恐そう熱そう痛そうだ」という発想が生じてしまうのは、一般論として当たり前の事でしょう。
それでも針に来るという事は、とんでもなくハードルが高い患者群が占めてくるという事です。
かと言って、「刺さない針」にどんな作用が生じるのか私は分からない…。
 
2)だからと言って、いきなり美容やスポーツ分野に特化しようとするのもどうかと思う
 
そろそろ同業他者からの批判もきそうですが(笑)、これはホント。
確かに美容は経営という観点から見た場合、非常に遣り易いかもしれません。
どうしても外にさらけ出されている顔面を何とかしたいと思う方々はナンボでも大枚を払う傾向にあるのは、
鍼灸業界のみならず、化粧品業界やエステ業界を見てても分かります。
 
かと言って、いきなり手を出すのは危険。その事で他が出来なくなった人は多数。
スポーツ分野に於いては、多方が若年層で代謝が健全なケースも多く、治り方はとんでもなく早い。
こんな田舎にもたまに少年少女が来ますが、大体1~2回の治療で終わります。
 
スポーツが出来ている状態というのは、仮に傷めてしまったとしても、基礎身体状態は非常に高いのです。
それを「治した」と悦に浸っているのは非常に危険。その事で他が出来なくなった人は多数。
 
3)と言う事は、代謝も悪く、筋活動量も少なく、言う事も聞かない高齢者に治療照準を当てていく
 
これが滅茶苦茶ハードル高い。
基礎身体能力も相応に低く、多種多様な症状、数え切れない基礎疾患。
且つ情報も貰いにくい。お薬手帳は真っ黒でこっちが卒倒しそう。別格。
患者自身も飲んでる理由を知らない。患者家族も知らない。
 
それでもシッカリ通わせシッカリ治す。この価値は高いものです。
散々この方々は言われてきたのでしょう。既に人生諦めモード、痛いのは当たり前ムード。
「歳だから~」「膝が曲がって~」「治らないって言われたのよ~」「ヘルニアが~」「狭窄が~」「医者さまが~」。聞き飽きる程に聞きます。耳毛が増えて閉じてしまいそうな位。
 
こっちの理屈を提示しても「医者さまが~」のスパイラル。そんな脳ミソを摩り替えさせるのは至難の技。
その割に医師からの紹介が伴えば、ちゃんと話を聞いてくれる。そんなもん。
隣のオバハンが一言「ステロイドの長期使用って骨をスカスカにさせるのよ」程度の事でも
言ってくれれば事態は変わるかもしれませんが(笑)こういう事って私が言っても聞いてくれないし。
と言う訳で、そんな下らない数々の思い込み全てを一蹴させる程の技術を持ち合わせてこそ
素晴らしい針屋になれると思います。メゲたくなりますが何かしかの理由があって、
アナタの目の前にいるという事を忘れてはなりません。
 
4)「癒し」に逃げるな。「治療」であれ。
 
どんどん壁にブチ当たる日々です。治らない治らない治せない治せない。
そんな時、「癒し」に逃げる人が出てきます。癒しって何ぞや。
手前の妥協で「治療」から「癒し」にしてしまっただけなのでは。
 
前も書きましたが「楽になる」と「治る」は絶対に違いますし、「鎮痛=治癒」でもありません。
痛むには理由があり、痛まないのにも理由があります。
痛まないから健康という事もなければ、痛むから不健康という事でもありません。
そこを知らなければ痛みを通り越し、治癒までの閾値が上がりきった患者群と対峙出来なくなります。
 
元症状の痛みを患者自身に肯定してもらってこそ、
患者自身が得られる気づきも多く、再発予防にも繋がります。
それは回り回って患者にとって有益な結果を中長期的に齎す事になるのです。
 
5)針でしか出来ない事がある
 
ここ大切。先ほどの美容やスポーツ分野に於いては、ナンボでも代替は存在します。
針でなければいけない理由があるから、私も針屋をやっていられるのです。
それは、他の医療の追随を許さない侵襲性であり、治癒までの速度であり、
確実性と再現性が非常に高い為、一般的に客観的評価のし難い
「見えない世界での業」の中でも群を抜いてデータを構築し易い面があります。
 
その事で「治らない理由」が見えてきます。
私自身、「治した」「治った」事に対して喜ぶ事はないし、どうだって良いのです。
「治らない人がいる」。それをクリアせぬ限り喜ぶ事はないし、喜んではいけないと思います。
1人が治って喜んでいる影では、1人が治らずに泣いているかもしれません。
その事を忘れてはいけないのです。死ぬまで悩み続けても足りない位、患者の想いは切実なのです。
 
6)円安の煽りを受け、針の価格が上がっています。
 
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早めに買っといて下さい。

色々書きましたが、針って本当に素晴らしいものです。
現行医療に於ける診断名と諸症状の矛盾点を知るキッカケとなり、
無用な薬漬け、手術漬け、そんな医療から脱却する為の架橋として、針治療の存在は大きいものです。

参考
 
誤解を生む「西洋医学東洋医学」という考え方
 
痛みのある内に色々と考えてほしい
 
視線を狭めた末の終着駅とは
 
藤原航太鍼灸院研究所2

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  ~針治療から病態定義の見直しを~