藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

もや師 その後

 

 
 
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魔の手はヒタヒタと近寄ってきました。
 
時は遡る事10月30日、21時過ぎ頃。「ドクターX」を見ている最中の事。
「あ、テレビを見ながら筋トレしたら一石二鳥では」と、20キロのダンベルを持ち出し、
ワンハンドローイング(20キロ)、サイドレイズ(10キロ)、ダンベルカール(10キロ)を繰り返していた矢先、
 
右腰に違和感を覚えた為、筋トレを止めようと思ったのですが、
男の中の男を目指す筋トレ野郎に自制心なんてある訳もなく、
取り敢えず腕がプルプルするまで行い布団に入りました。

翌朝…ん?腰が痛い。腰が動かない、アラアラ腰が強張る、大変だこりゃ。
いやいや、今までも突発的に痛くなった時もあったけど、数時間で解消される痛みであろうと
予測していたのですが、良くなるどころか時間が経つにつれて悪くなっていく感覚が分かる。
 
立ち上がる、腰がカクカクする。抜けそうだ。
患者が置き忘れていったステッキを持ち、取り敢えず歩いてみる。
歩けるけれど、腰が痛い。どないしましょ。
置き忘れの松葉杖を使う。楽だけど荷物持てないし何かイヤ。
 
椅子に座れば3分で腰が強烈に固まってくる感覚が分かる。
立ち上がろうにも立ち上がれなくなる。
無理して立ち上がろうとしても、腰はまさに超不安定なヤジロベーみたいだ。
数分後、安定してきたから曲げてみよう。あら。痛みで曲げられない。
 
あ、僕鍼屋じゃん。
 
鍼を打とう。
 
治し方は知っている。
 
こんな話は患者から散々聞いてきたじゃないか。
 
でも、手が届かない…。
届かない訳ではないのだが、アプローチしたい箇所には些かキツイ。
横向きで打とうと思うも、腰が痛くて捻れない…。
なんだか首や肩まで痛くなってきた。
 
そうだ、超音波治療器を使おう。
グリグリグリグリ、ん~今一つ効果を実感出来ない。
取り敢えず、手の届く範囲でチョコチョコと鍼を刺してみる。
ブラックジャックも自分の腹を割いた時はこんな気分だったのかどうなのか。
一つだけ言える事は、見えないから何処にどのように刺さっているのかなんて分からず。
 
負け戦である事は承知の上、少しでも良くなれば。
…予想通り変化なし。なんて効かない鍼なんだ(苦笑)
 
ちょうど一年前にこんな事を書いておきながら何やってんだ。
 

 
時間も時間だし、あ~どうしようと嘆いていると、
目についたのは薬箱に入っていたバファリン
ん、これ飲んでみようかな。「飲んでみれば?」の声。「湿布もあるよ」。
まさに悪魔の囁き。いやいや、ここまで書いといて、ここでバファリンとは。
 
秘蔵の薬箱をついでに見てみる。
ん?デカドロン?なんでデカドロンなんかあるんだ?
思い出した。この時に貰ったのを飲まずに保管しておいたのだ。
多分、飲めば強烈に効きそう。でも、具合も悪くなりそう。
 
そもそも、世の中を見渡せば、とんでもない痛みに毎日苛まれている患者は沢山いるのに、
私如きがデカドロンを腰痛に用いようなんて甚だしくもあり、取り敢えず保管箱へ…。
 
さてさて、どうするか。自分自身の身体が痛んだ時、それは大きな成長のチャンス。
せっかく痛めたのだから、例の鍼灸整骨院にでも行こうかな。
…いや、止めとこう…。
 
こんなに痛くなったのは10年振り位かも。
 

 
と言う訳で、痛いなりにも一日を過ごしたのです。
明日には良くなってますようにと。
 

 
翌朝…、全然良くなっとらん。ウダウダしながら時間を過ごす。
痛いって本当に辛い。なんか身体中が敏感になった気がする。
 
とは言っても、鍼を打ちに行かなければならん。
「腰を痛めたから行けません」なんて言えない。鍼灸師が。
なんとか立ち上がって動いてしまえば比較的動ける。
でも、ちょっとした段差が気になって仕方ない。
何で今日に限って動線上にカメムシがいるんだ。(ちょっとイライラしてる)
 
問題は、同一姿勢の継続である。
念の為、今週の往診に掛かる総距離をざっと計算する。
1000キロ以上…?う~ん、今週に限って少し多いような。
具合が悪いと全てがネガティブに思えてくる。
 
これは、恐らく神様が私に与えてくれた試練であると心に誓う。
でも、腰痛患者に腰痛鍼灸師が行くのは明らかに説得力に欠ける…。
「鍼屋なのに腰痛なの?ふふふ」なんてイメージは情けない。
腰痛患者宅に腰痛鍼灸師がお邪魔しても、それこそ邪魔になるだけ。
 
そそそとお邪魔して鍼を打って帰ってくるだけなら、バレないかもしれない。
と言う訳で気合を入れて出発。運転中も振動が腰に響くが何とかなる。
 

 
いよいよ患者宅へ到着、いつも通り車のドアを開け、
足を下ろし立ち上がろうとした瞬間、第一歩が腰の痛みで出せない…、
5分位、腰が伸びず、痛く、足も出せない…、
患者宅の手前でウォーミングアップすれば良かったと後悔。
しかも雨が降っている中、傘も使えず雨に当たりながら動けずに数分…、
雨がいつもより冷たく感じる…。
只々何か切ない…、そこに
 
「先生、どうしたんですか!?
「あ、バレた…
 

 
という訳で、斯く斯く然然と正直に説明をして治療を行ってきました。
正直に話すってとっても良い事だと学びました(笑)
 
更に、再診メインの週であった事が幸いで、
これがメタメタに痛い時、ヨロヨロしながら新患だったらと思うと色々恐い。
 
と言う訳で、腰だけに限らずですが、
痛みと言うのは期間が長ければ長くなるほど、どんどん不安になってきます。
多分、自分自身が過去にブログで散々書いてきた内容かもしれませんが。
二日痛みが続いただけで絶望感に苛まれましたから(自慢する事でもありませんが)。
寝る前なんて「明日は良くなってますように」と、神頼みレベルになります(笑)
とは言え、神頼みで治るなら世話ないありません。
 
結局は翌朝も対して変化なく絶望感に苛まれるという繰り返しのもと、
徐々に良くなり、今ではお陰様で全快出来ました。
 

 
痛いって本当に嫌なものですね。腰が崩れ落ちた瞬間、
多くの方もギックリ腰的な痛みを経験した事があるかと思います。そんな時、どんな曲が頭に流れましたか?
Mr. Olympiaへの道は未だ遠く、もや師からの脱却すらも遥か彼方だと痛烈に感じたスポーツの秋でした。

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