藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

「治癒」という概念


下記参考↓
 
痺れの患者に処方するNSAIDsの理由って?⇒http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/8955396.html
外傷性筋損傷から考察する治療期間⇒http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/8971854.html
Q,理論の原点を知りたい⇒http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/9009693.html
続Q,理論の原点を知りたい⇒http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/9018119.html
【治療理念】を書き直しております。⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/10304267.html
 
※他、どの投稿内容に関しても繋がりがあります。

 
だから腰痛は整形外科でなく、かかりつけ医のあなたがサインバルタを処方すれば治るのである。
○○のある整形外科には1日270人の患者が訪れると言う。尋常ではない。
このままでは整形外科医が死んでしまう。慢性疼痛の患者はクリニックに永遠に通う。
           
                サインバルタで1か月で治してしまえばよい。
 

前々から感じている事ですが、「治癒」という概念が医師と鍼灸師では大きく異なります。
医師が標榜する「治癒」という考え方が日本では大きな力を持って歴史を刻んできた為に、
多くの患者の「治癒」という思考も、医師が標榜した「治癒」に擦り込まれているのは仕方ありませんが、
「対処療法=治療」「鎮痛=治癒」でない事だけは、強く言い続けたい部分ではあります。
 
サインバルタでもデパスでもリリカでもバファリンでも何でも良いですが、飲めば痛みは軽減されます。
作用機序は異なる薬達ですが(デパスとリリカの作用は若干被るか)、効果は出ます。そういう薬ですから。
全く効果を感じないって人も沢山見てきましたが(鍼灸院に来る人の大半は効果なしの方々ですが…)、
軽減される人はされます。
 
但し、飲み続ける事によるリスクが大き過ぎる事と、飲む事によって得られるメリットというのは
単なる鎮痛作用、対処療法でしかないのです。この部分を履き違えている為に、
原因部位へのアプローチが行われぬまま痛みがぼやかされた結果、
中長期的に見た場合、確実に身体は重症化する可能性が高まります。
 
口うるさく書きますが、人間には恒常性機能が備わっています。
運が良ければ、もしくは発症後間もなければ、薬を飲んでごまかされている最中に
自然治癒する可能性も大いにありますが、これらの薬は「治す」という概念からは外れているものです。
 
このような「治癒」までの道程に関しては、鍼灸師のみならず、
薬物に頼らない医師や治療家、各種学者、家庭、個人も沢山いますので、
分かる人は既に分かっていると思います。
精神薬、解熱鎮痛剤、抗癌剤、ワクチンを初め、
様々な化学物質が蝕む害というのは本やネットで幾らでも手に入る情報です。
せっかくですから色々調べてみるのも良いと思います。
但し、世の中には嘘も多いし怪しいビジネスとして論じている情報も多い為、
取捨選択が出来る能力は常に身に着けておく必要性はあるでしょう。
 
そんなこんなで医師と鍼灸師では治癒という議論を行っても平行線になりそうでしょうから、
医師と鍼灸師の理論をクロスオーバーさせる必要性も無いと思っています。 
例えば「神経痛」という言葉一つ捉えても話は平行線になるでしょうし、
「麻痺」という言葉一つ捉えても既に概念は異なります。
 
私自身としては、常に患者視点で症状の改善を目指していく事が
一番の有益な行動であると考えております。でなきゃフリーで鍼灸師やっとらんし、
どんな本を読むよりも、患者の話を聞いているのが一番の勉強になりますから。
 
と言う訳で、ここ最近は精神薬の暗い話を多く書いてきていますので、
今日は軽めに身近な悪化因子や回復の阻害因子についても書きたいと思います。

先ずは労働環境です。
 
同一姿勢の維持や同一方向へのルーチンワーク的な身体動作は確実に負荷を掛け続けます。
例えば、肩関節から派生する腕の動きが常に同じ動作を繰り返していれば、疲労物質は溜まり続けます。
例えば股関節から派生する足の動きが常に同じ動作を繰り返していても、疲労物質は溜まり続けます。
業務に集中し続けていると、所謂ランナーズハイと同様に、業務中は症状を自覚しにくいものですが、
一息付いた時に脳内麻薬であるエンドルフィンが途絶え、痛みとして感じるようになります。
小休止を挟み、ストレッチ等々を行ってもらうのは、患者自身の疲労箇所の再確認の為でもあります。
疲労箇所を小まめに自身でチェック出来れば、身体動作に於ける何がしかの工夫も閃くと思います。
 
それでも労働環境は仕方ないものかもしれません。
タクシーの運転手に腰に悪いからと仕事を辞めさせる訳にも行かないし、
レジ打ちの人に立ちっ放しはいけないからと座らせる事も出来ません。
仕事しなきゃ生きていけないものですから、この点に関しては細かい事はあまり言いません。
 
拇指の荷重位置や角度についてアドバイスしたところで、
現実的に実行出来るものでもありませんし、何より仕事に夢中になっているのは良い事だと思います。
年齢や体重
 
年齢や体重は仕方ありません。年齢は嫌でも進むものです。
細胞の老化もありゃ回復能力の低下もあるでしょう。
但し、整形外科で「歳だから」って言う意味合いとは異なります。
若年層に比べたら、年配の方は回復速度は遅いかもしれません。
それでも、「歳だから」治らないという訳ではありませんので誤解無きように。
 
体重に関しては重いのが気になるのであれば痩せれば良いし、
痩せているのが気になるようであれば太れば良いのですが、
栄養面を重要視して体重をコントロールしていきましょう。
 
取り合えず、太っている人も痩せている人も
甘い物(人工甘味料含む)を食べなければ良いんですよ。塩分はちゃんと摂ってね。
このブログを見ているって事はネット環境も有しているでしょうから
甘い物が危険である情報は山のようにあります。
砂糖止めますか、それとも人間止めますか的な情報は沢山あります。
 
そんな中、砂糖摂取反対論者に対しての反対論も多く見受けられます。
「脳はブトウ糖が必要だから甘い物は必要です」という意見が散見されるのですが、
血液脳関門を通過する際のブドウ糖は砂糖じゃなきゃ駄目なんですかね。そんな訳はないですよね。
食物摂取にて分解されるまでの道程を知れば、積極的に砂糖を摂る必要性はありません。
積極的に摂ろうと思わなくとも、今は砂糖漬けの社会です。
嫌でも口にする機会はあるでしょうから、自分から買い物カゴに入れる必要はありません。
 
何だかんだで目の前の食卓に並ぶ白米や玄米も吸収分解されて糖になります。
その他にもオカズからでも糖分は得られます。
要は血糖値の急上昇を防ぐ事、及び精製された食物を摂取する事による
各種ビタミンやCaの欠乏が心配なのです。
各種欠乏により派生される症状は万病へと繋がります。
 
クリスマス位ならケーキを食べても良いでしょうけど、
朝からTVで放送されているスイーツ男子やスイーツ女子に感化されないよう頑張りましょう。
何で美味しい美味しい言っているのでしょうか。「甘い」からです。
以前もどっかで書きましたが、精製された砂糖は単純で明解な化学式を持っており、
即座に脳の報酬回路に働きかけ、ドーパミンを放出させます。その結果、多幸感が得られるのです。
ドーパミンを即座に出すなんて何かの薬みたいですね。

では次。
 
そのような中、一番危険視しなければならないのが薬です。
最近は精神科系の薬ばかり書いていますが、
湿布や痛み止めの注射だって回復過程を阻害します。
 
湿布の作用は何でしょうか。
改めて考えてみましょう。抗炎症作用と鎮痛作用ですね。
例えば、筋断裂や捻挫による靭帯損傷等々により、
炎症の拡大を抑える為、そして血腫形成を最小限に抑える為には時として有効な手段とも言えますが、
そのような急性期を過ぎても抗炎症作用と鎮痛作用を持つ薬を使用し続けていればどうなるでしょうか。
アイシングのような古典的手段が一番安全だとは思っていますがね。 
 
「筋肉」という細胞は「血液」によって栄養を送られています。
新鮮期を過ぎ、血流を回復させなければならない時に血流を阻害させる作用を持つ
薬剤を使用していれば回復出来にくくなるのは当たり前です。
 
要は自分から治癒遅延を招いているようなものです。
たまに「気休めで貼っている」という人もいますが、
気休めどころか血管収縮作用を持つ湿布は悪化の要因ですので、
使い方は間違えないようにしていく必要があります。
世の中で湿布を貼る必要性のある症例って、極々僅かだったりするものです。
 
同様に、強力なサポーターやコルセットもです。
血流を途絶えさえ患部のみならず、巻きつけた周辺上下の血流低下を招きます。
身体が軽く動かせるように感じるのも、筋肉の収縮を強制的に形成するです。
その結果、筋力をサポーターやコルセットに依存する結果となり、短期間使用ならまだしも、
長期間に渡り使用していれば、サポーターやコルセットが無いと動けない身体になってしまいます。
 
依存という言葉は精神科の薬だけに限った事ではありませんね。
何事にも言えますが、寄り掛かった壁から得られるものはベネフィットだけではないのです。
寄り掛かっている以上、自立出来なくなる可能性もあります。それが3ヵ月後か3年後かは分かりませんが。
そのような、どんなリスクが降りかかるか分からないロシアンルーレットに乗る位なら
要らないものは外し、自分の足で立てる力と知識を身に付けたほうが、確実に結果は良いものです。

そして湿布やコルセット、サポーターの装着をする事による効果は、鍼灸治療の効果と相反します。
鍼を刺せば、刺した箇所に炎症が起きます。鍼灸治療は炎症反応を以って身体を治癒まで運びます。
そこに薬で炎症を止めたら何にもなりません。相乗効果とはならずに相殺されてしまいます。
 
回復を加速させる為には、食べ物で血の質も良くしなければなりません。
血の質が良くなれば、筋肉の質も良くなります。
鍼灸治療の効果も飛躍的に上がります。
筋肉の質も良くなれば、心身ともに柔軟性も増し、
穏やかな生活を送れる事になるのではないでしょうか。

 
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12月23日 AM1:00 往診帰りに某箇所にて撮影 空いている冬道は綺麗ですね。

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