藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

医学が語れなければ、患者が語るしかない 2


   

健康か不健康か、健康か病気かの違いというものは、
往々にして自身の考え方や感じ方、医療機関の検査数値等々により
線引きされる事になるのでしょうから、自身が幾ら具合が悪くても健康だと思えば健康ですし、
検査数値に踊らされなければ健康です。早い話が周囲の意見や医療機関
製薬会社の喧伝に右往左往しなければ、平然と保っていられるものです。
 
それでも、何かしかの症状が出ると辛いものです。
自身が幾ら平然を保とうとしても現実問題として無理な時もあります。
周囲に誰かがいれば、訴えたくなるものですし、明らかに顔色が悪ければ、周囲から心配されるものです。
そのような段階を経て、家族や学校や会社が心配したりする事もあるでしょうけれど、
どのような心配のされ方をされるかで、健康で居られるか、本当の病人になるかが分かれてきます。
 
手足が冷える…、疲れがたまる…、寝起きが悪い…、
このような症状が出た時、皆さんはどんな考え方を持ちますでしょうか。
そして、どのような処置をするでしょうか。何を原因と考えるでしょうか。
 
養命酒を飲んでみようか、カラオケで発散しようか、精神科の門を叩いてみようか、
特定ビタミンの欠乏と捉えるか、副腎疲労と捉えるか、ニンニク注射を打つか、取り敢えず寝るかetc…、
様々な想いで何とかしようと思う事だと思います。これらは全てが正解だと思います。上手くいくかは別として。
そして、考えなければならないのは、これらは何故、このような上記の発想に至ったかというのが大切です。
何故、上記の処置をしようと思うに至ったか。
 
1)自分で情報を集めた
2)周囲の意見に賛同して
 
多くはこの2つに分かれてくると思います。
どのような物事の決断に関しても、自ら能動的に探索した場合と、他者に促された場合では
何が違うかと言えば、責任の差が生まれてきます。自ら調べ上げた場合であれば、
何事も物事は続けられます。しかし、他者に促された場合、続かないのが人間です。
 
簡単に責任転嫁の出来る状況下と、様々な喧伝により四方八方から情報が振り撒かれてくる状況下では、
迷走し易く、且つ、どん詰まりに陥り易いものです。その為に、原動力となる目標が必要になってくるのですが、
症状改善の先の目標が1つの指標となり、自身が不安に思いながらも取り込んでいる処置の内容を信じる事も
先々を見据えた上で重要になってくるとは思うのですが、視点が非常に狭くなってくるのも否めなくなります。
 
例えれば、宗教、政治、スポーツ、全ての事柄に対して同様な事が言えますが、
視点は狭くなればなるほど、初期の目標は既にそっちのけで、何をしているのか分からなくなる時があります。
その為に、常にフラットな状態で、自分の行動を雲の上から観察しておける余裕は必要かと思います。
という訳で、前置きが長くなりましたが、先日、松菊堂へお邪魔した際、院長が私の事をブログに
取り上げて頂いたので、転載させて頂きます。


 
去る4月3日、4日に畏友・藤原航太氏が鍼灸 松菊堂にて治療を行いました。
藤原氏は、(鍼灸師に有りがちな)既存の理論を盲信することを良しとせず、自分の頭と臨床で考える
(現代において異端な)鍼灸師です。青森県を主戦場として臨床を行い、解剖・生理学で組み上げられた
自身の理論をベースに西洋医学から切り捨てられた患者を数多く診ています。
ワクチンの副反応や薬害、脊柱管狭窄症など現代医学の矛盾を考える上で…
 
…運動器疾患~器質的異常を生じる疾患群に関しては、人間は労働し、生活し、家庭を築いて生きていく以上、
何がしかの負担は致し方ない面もあると思いますし、場合によっては避けて通れない点もあるでしょう。
そのような折、画像所見と症状発症との関連性が非常に乏しいにも関わらず、
画像所見依存故に不遇な処置をされた多くの患者や、早期発見早期治療のもっともらしい名の下に、
学校、会社、至る所に蔓延った精神医療にて、健常者まで本当の病人にされて苦しんでいる患者。
底知れぬ怒りは冷め遣らず、墓場までこの想いは持っていく事になるでしょう。
 
とは言え、そのような理念をぶつけても、実被害に遭われた方々が、鍼灸に振り向いてくれなければ
話が始まらないのは院長とも話しをしていたのですが、患者側が知りたいのは、
治療内容と症状との関連性よりも、治療目的と症状の関連性、謂わば情報を求めているのではないかと
言うのが中途経過ではありますが、1つの答えでもあります。
 
1)鍼灸では何が出来るのか
2)鍼灸では何を治せるのか
3)鍼灸と、他の代替医療と比較しての優位性は
4)鍼灸と一般的な医療機関で行う治療手段との違いは
5)何をされるか分からない
 
先ずはこの5つが挙げられます。
このような内容に関しては、散々私達は向き合い、発信してきたつもりですが、知らない人には知らないですし、
鍼灸という治療手段1つ取り上げても、良くも悪くもマニュアルが存在しないのも不安要素の1つでしょう。
他、一番大切な要素として「診断名」と「症状」との関係を患者に納得してもらう事も大切です。
過去から椎間板ヘルニアを例に挙げてきましたが、別に椎間板ヘルニアに限った話ではなく、
様々なケースに対して言える事です。この点に関して相互で理解が異なれば、なし崩れになるでしょう。
 
これらの点に関しては1年生になったつもりで私達も改めて考え、どう説明すれば分かり易いか、
どう説明すれば納得してもらえるかを、改めて院長とは話を詰めていこうと思います。
前回行った時は、懐かしさばかりが先行して詰めきれませんでしたので、来週こそはと思っているのですが…。
 
更に、先日の話ではありませんが、鍼灸だから効くとか、マッサージだから効くとかの話ではなく、
病態に対しての把握が異なれば、鍼灸もマッサージも全く効きません。ここ大事ですよね。
患者の様態は百人百様ですし、発症期間や度合い、年齢等々によって治療回数は左右されど、
確固たる再現性と確実性を持つ治療理論を構築する事がやはり大切であり、
良い意味でのマニュアル化を私達は目指していかなければなりません。


話を戻しますが、臨床の現場に於いては、大方が現行医療機関の処置後の尻拭いです。
初発で鍼を受療される方々は、既に鍼灸治療を知っている方であり、
多くの患者は既に何処かの医療機関で心身共に狂わされた状態から始まります。
ワクチンの副反応や薬害なんて、避けようと思えば幾らでも避けられます。
 
何処ぞの情報でアスピリンは危険だからとNSAIDsを服用しておかしくなったとか、
数値上全く問題無いのにも関わらず、且つ、必要の無い数々の薬を飲んでおかしくなったとか、
脳卒中の予防と言われて飲み続けた薬で認知症になったとか、
手術すれば良くなるよと言われ、手術しても何も変わらなかったとか、
最終的に「因果関係不明です」と医療機関で言われ、迷走し続ける等と枚挙に暇はありませんが、
当院に限らず大なり小なり何処でも散見される事象です。
 
ステロイドを引き合いに出す訳ではありませんが、他の薬に置き換えて読んでみても良いかもしれません。
社会に良心が残っている事を望むばかりです。精神薬の場合、具合が悪くなって全身に痛みが走って
言う事が効かなくなるだけの可能性も十分に秘めているので、比較対象とはなり難いかもしれませんが。
医療機関が薬の副作用を因果関係不明と言ってしまおうものなら、難病とやらも腐る程出来上がりますわ。

飲み薬の抗アレルギー剤くらいしか、手持ちの駒が無い、ね、その中でその、患者をずーっとね、
長年にわたって診て行き切れる・・局面だけならね、一週間とかね、二週間だけとかならね、これはねえ、
付き合いが出来るんだけど、5年、10年と付き合うだけの、そのー、武器を持ってないと言ったら悪いですけど、そういうところではね、だから、ステロイドを塗るしかないと。あっち行ってもこっち行ってもそれが出される。」
 
http://blog.m3.com/steroidwithdrawal/files/News_Station_%EF%BD%9E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E5%89%A4%E3%81%AE%E8%90%BD%E3%81%A8%E3%81%97%E7%A9%B4%EF%BD%9E.wmv_000546146.jpg 
(ナレーション)薬の売り方にも問題があるようだ。厚生省が6月に発表したこのレポートは、
製薬会社が、新薬の効能についてな熱心に売り込むが、副作用についてはあまり説明しない
実情を浮き彫りにしている。では、医者は、いったい副作用についてどう考えているのだろうか?
 
http://blog.m3.com/steroidwithdrawal/files/News_Station_%EF%BD%9E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E5%89%A4%E3%81%AE%E8%90%BD%E3%81%A8%E3%81%97%E7%A9%B4%EF%BD%9E.wmv_000569402.jpg 
日本大学研究所、田村豊幸教授)「副作用はね、起こった場合に、それ厚生省のほうに通知しなければいけないことになってますけどね。そうすると、その、それはミスじゃないぞ、っていう批判をされる恐れがあるわけですね、使い方が悪かったんじゃないかと。で、実際副作用の事故の中にはそういうのありますからね。
で、どうしても隠してしまう。それからもう一つは、あの、非常に薬の数が多いでしょ、今。
もう、何千ってありますからね。覚えきれないんですよ。だから、説明も出来ないんです、本当は。」
 
(ナレーション)では、私たちは、今後ステロイド剤をどのように使っていけばいいのだろうか?
 
日本大学研究所、田村豊幸教授)「もう、最後の最後に使う薬なんですね。だから、その、簡単には使って欲しくないですね。だから、簡単に使わないっていうことがもう、大前提じゃないでしょうか?」
 
~中略~
 
http://blog.m3.com/steroidwithdrawal/files/News_Station_%EF%BD%9E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E5%89%A4%E3%81%AE%E8%90%BD%E3%81%A8%E3%81%97%E7%A9%B4%EF%BD%9E.wmv_000718618.jpg 
えー、ま、短期的に見て、ステロイドほど効く薬は無い、というくらいなものですから、このステロイド剤を出さないと、あの医者の薬は効かないなんてことを言われるものですから、医者がすぐ出しちゃうんですね。で、今の保険制度では、お医者さんは一日にたくさんの患者さんを診なければならないんで、一人ひとり説明する時間が無かったりして、副作用の説明をしないまま出しちゃう、で、えー、それほど必要じゃないのに、長期間にわたって、この薬を塗っていれば安心という、ま、薬漬けの文化っていいますかね、VTRにも出てきましたけど、なんかクリームと同じようにして、安心材料のために塗っちゃってるみたいなところもあったりするんですね。で、患者のほうからあの薬をくれと言われる、もうたっぷり出してるから出せないって言ったりすると、あの医者はけちだ、って言われたりなんかもしちゃうんです。で、これは一番厄介というべき問題なんですが、アトピー自体が治りにくくなってきたんですね、だんだん。」

アトピーを治す薬ではなく、抑えているだけである
○長期に使うのは避けるべき薬であるが、そもそもアトピーの定義は長期疾患である事を含む
アトピーを余計に難治化させている(ステロイド皮膚症)
○長期使用で効果が薄れてくる
○効かなくても、やめると悪化するのでやめられない(ステロイド依存症)
○やめると、元の状態より悪くなる
○長期使用の後やめると、リバウンドを引き起こす
○問題点があるにも関わらずインフォームド・コンセントが無い例が多い
○薬の添付書に上記の問題点について、何も記載が無い
 
と、まとめればこんなとこで。
それでも尚、何故このような選択をしたか。それも患者当事者にとってはその時が正解だと思ったからであり、
生じてしまった異常からドミノ倒しの如く、更に異常を生じてしまった時に、何時、反省出来るかがポイントであり、
良くも悪くも更に広がる異常に更に広がる治療手段の選択肢と、益々悪循環に陥るのは明白です。
直に「治る事」を諦めると、違う手立てに走るでしょう。
それが何なのかは未だ言えませんが、可能性を自ら閉ざす事は絶対に良くないものです。

医学を憂い、患者を憂い、重症化だけは避けるよう、そして治る事を放棄せぬよう願ってはいるのですが、
残念ながら嵌る人は嵌っていくのが現状であり、抜け出せない方々は多数います。
 
何かの物事を成し遂げる為には、自身の心身をすり減らし、
健康すら犠牲にして前に進まなければならない時はあります。
その結果、健康被害が生じる事はあるでしょう。
結果として、写真を撮ったら椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と言われる身体になる場合もあるでしょう。
それは、その人の人生を現してきた結果であり、発痛も、画像所見とは関係ないものの、
原因があるから痛みを出しているのです。そして、痛みが無い身体は、何故痛みが無いのか考えましょう。
 
砂糖を入れすぎて甘くなったからと、塩を足そうとするのが今の医療なのかもしれません。
それでは、原因は混沌としてくるのは当たり前の事であり、一向に抜け出せなくなります。
皆が皆ではありませんが、医療は引く事をせず、足す一方です。足して改善兆候を示し、
仮に改善したとしてもそれは誤魔化されている状況である事も知らなければなりません。
 
               

看護付有料老人ホームに入っている父に、家族に知らせることなくずっと精神安定剤を服用させ
精神活動をコントロールされていたのですが、こういうケースは一般的な事でしょうか?
うちの父は現在○○市にある有料老人ホームに入所しています。

2011/2月に心筋梗塞を発症する迄は自分で外出、買い物、料理なども自分こなしておりましたが
心臓の手術後、やはり一人での生活に不安がありという事で老人ホームの入所を決めました。
現在の老人ホームは、看護師も常駐しており、月に2度位のペースでかかりつけの医師が検診に来て、
体調をチェックしてくれるということで、家族としては安心して任せることができると思っておりました。

しかし入所してすぐに、誤嚥性肺炎で2ヶ月別の病院に入院しました。
退院後はまたそこの老人ホームで過ごしていたのですが、どんどん歩かないようになり、
会話もどんどん少なくなり、最近では私達家族が父を訪ねても、ほとんど会話もなく、
返事もしたりしなかったり、目もどんよりとして一点を見つめているような様子。

あまりの変わりように、不思議に思い、その老人ホームのヘルパーさんに
処方されている薬の内容を確認した所、心臓の薬以外に、リスパダールOD錠という、
統合失調症の患者さんに処方されるような薬が出されている事が判明。
早速老人ホームにその薬を止めてもらうように
頼んだ所、先生から説明をすると言って翌日も処方されました。

先生とようやく話が出来た所、入所してすぐに誤嚥性肺炎で入院した病院で、
不穏行動があったとのことで精神安定剤を処方していたので、そのままずっと飲ませることにした。
今は不穏行動もなく、ちゃんとコントロール出来ている状態であり、服用するほうが良いと言われました。

私と妹は、先生にははっきり処方を止めてほしいと言ってもなかなかうんと言ってもらえず、
最後に’じゃあ、おたくは利用者を薬づけにするつもりですか?”と言うと、
”じゃあ、いいです。やめましょう!!”と気分を害した様子。
老人ホームの施設長やヘルパーさんにもわだかまりが出来ました。
 
施設長は、”この薬はおたくのおとうさんだけが服用しているわけではないので、
そんなに気にしなくても”とも言われました。

しかし、服用を止めて2日してからデイサービスに行くと、
そこの担当の方も前回までは何も反応もなく、大丈夫か?と心配していたが、
今回は全く反応が違い、手応えがあったとの報告もありました。
家族としては知らなかったとは言え、父にも申し訳ないし、そのホームが許せません。
これは一般的なことなのでしょうか?

以前も書きましたが、高齢者に向精神薬を飲ませるのは上手い医者だと、
周囲の評判は高まります。はてはて、それは何故でしょう。
親と子の関係ってのは、血の繋がった親と子だけではありません。
施設が親となれば、入居者が子にもなります。医者が親になれば、患者が子にもなります。
任せた先の親がとんでもない事を行わないよう、子の周囲の方々も気を抜かぬように。

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  ~針治療から病態定義の見直しを~