藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

可愛らしい名前とは裏腹に 4

横紋筋骨格筋随意筋
(体性運動神経)
心筋
(心臓壁の筋肉)
不随意筋
(自律神経)
平滑筋内臓筋
(消化管、血管壁、内臓の筋肉)

 
 
横紋筋融解症(頻度不明)
 
横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、
筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、
血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
 
横紋筋融解症が発生した場合、骨格筋が壊死を起こし筋細胞中の成分が血液中に浸出し、
筋肉が障害されて筋肉痛や脱力感等の症状があらわれ、
次第に疼痛や麻痺・筋力減退・赤褐色尿などの症状が発現する。
重症の場合は、多量のミオグロビンによって腎臓の尿細管細胞を傷害されて
急性腎不全症状(乏尿、浮腫、呼吸困難、高K血症、アシドーシス等)を伴う。
 
ニューロンシナプスにおけるカルシウム拮抗作用だけでなく、
末梢平滑筋、免疫細胞、血球系、心筋などほぼあらゆる細胞の
カルシウムチャネルに影響があると考えられ、
それに伴う害とGABA作用に伴う害が重なり、多種・多様である。

両剤の害作用の種類は非常に類似し、
精神神経障害、胃腸不良、体重増加、浮腫、肝臓の損傷などである。
プレガバリンは発疹、過敏反応、心不全も引き起こしうる。
日本の添付文書に記載のある、重要な基本的注意の
 
①めまい、傾眠、意識消失等(自動車事故に至った例、高齢者の転倒・骨折なども含む)や、
重大な副作用の①めまい(20%以上)、傾眠(20%以上)、意識消失(0.3%未満)などは
GABA作動剤の害に一致する。
 
②「急激な投与中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症等の症状」が生じうるため、
「少なくとも1週間以上かけて徐々に減量すること」と記載されているのは、
離脱症状と、その回避方法の指示である。乱用の危険は書かれていないが、十分にあり得る。
また、横紋筋融解症(脱力感、CK上昇、ミオグロビン上昇等)も離脱による筋固縮・強剛、
カタトニア-悪性症候群の結果と考えられる。
 
③体重増加・肥満はともに、浮腫による体重増加があり、心不全(0.3%未満)、
肺水腫などが高頻度に発症する。これはカルシウム拮抗剤の害に一致する。
 
弱視や視覚異常、霧視、複視等の眼障害も重大だ。
そのほか、腎不全、血管浮腫、低血糖間質性肺炎アナフィラキシー
Stevens-Johnson症候群が記載されている。
添付文書に記載されていないが重大なのは、感染症や心筋虚血、幻覚、攻撃性などの害反応である。


Gabapentin and pregabalin: abuse and addiction.
Prescrire Int. 2012 Jun;21(128):152-4.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22822593
 
Beware of abuse and dependence with gabapentin and pregabalin
http://english.prescrire.org/en/81/168/47879/0/NewsDetails.aspx
 
Abuse and Misuse Potential of Pregabalin: A Review of the Clinical Evidence
(CADTH Rapid Response Report: 24 April 2012)
http://dpic.org/sites/default/files/PregabalinAbuse_CADTH_24Apr2012.pdf
 
A signal for an abuse liability for pregabalin–results from the Swedish spontaneous adverse drug reaction reporting system
Eur J Clin Pharmacol. 2010 Sep;66(9):947-53. Epub 2010 Jun 19.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20563568
http://peer.ccsd.cnrs.fr/docs/00/60/15/60/PDF/PEER_stage2_10.1007%252Fs00228-010-0853-y.pdf
 

総務省は22日、医薬品等の承認審査の実施状況、治験実施体制の整備状況、
後発医薬品の普及施策の実施状況、医薬品等の副作用等報告の実施状況等を調査した
行政評価書を公表し、関係機関に改善を求めています。
 
医薬品等の普及・安全に関する行政評価・監視
<調査結果に基づく勧告>
総務省 2013.03.22)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/000071649.html
 
 今回の行政評価は、
「医薬品等の供給の迅速化の推進」「後発医薬品の普及の促進」「医薬品等の安全対策の推進」
「製造販売後の医薬品等製造所への実地調査の的確な実施」の4項目について行われています。
 このうち注目されるのは、3番目の「医薬品等の安全性対策の推進」のうち
「適切な副作用等報告の徹底」で、 各紙は副作用報告を怠っている病院があるとした部分を取り上げ、
医薬品の副作用が疑われる事例の報告を医療機関に徹底させるよう
厚生労働省に勧告していることを伝えています。
 
適切な副作用等報告の徹底
http://www.soumu.go.jp/main_content/000213395.pdf
 
前述の46 成分のうち1成分において、
使用上の注意に自動車運転等の禁止等を記載した添付文書に改訂されたものの、
改訂後も10 件の自動車事故が発生しており、うち1件の発生例の場合について、
PMDAでは、医師又は薬剤師から患者に対し、
医薬品の服用に際し自動車運転等の禁止等の説明がなされていないと考えられる。
(具体的な成分名を示してもいいのに。チャンピックスかなあ、それともリリカ?)


・日本の添付文書には「乱用」「依存」の文言は無し。
 
・インタビューフォーム(2012年7月 第6版)では、「プレガバリンは、乱用又は身体的依存を生じにくい」と記載。
 
実際、リリカカプセルの申請資料概要(→PMDA)を見ると、米国(p52-53)では添付文書で
「医師は薬物乱用歴を評価し、本剤の誤用や乱用の兆候がないかどうか患者を観察する」と注意喚起
(中止時、1週間かけて漸減ということ自体、身体依存=離脱症状とみることができるらしい)、
また欧州(p85)でも製品特性概要で「乱用の症例が報告されている。
薬物乱用の既往がある患者には注意し、プレガバリン乱用の兆候について観察すべきである」としています。
 
HIGHLIGHTS OF PRESCRIBING INFORMATION(Revised: June 2011)
http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/
2011/021446s026,022488s005lbl.pdf

(Medication Guide でも、過去に処方薬やストリートドラッグの乱用、アルコール乱用(依存)
していた人は服用前に相談するようにとなっている)
Product information(EMA 2012.01.30 Update)
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/
EPAR_-_Product_Information/human/000546/WC500046602.pdf

末梢性神経障害性疼痛治療剤「リリカカプセル」(一般名=プレガバリン)が、猛烈に売上げを伸ばしている。
複数の関係者が証言した。適応追加と2週間以上の長期処方解禁を契機に、
 
整形外科領域を中心として一挙に市場浸透速度が加速。直近「月商30億円」を超え、
発売2年目で年商ベース400億円に到達する計算だ。
 
売上げがこれ程一気に伸びていく新薬は近年では珍しい。

 
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 青森から鍼灸治療の意識改革を~