藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

症状全般に関与寄与するHPA系と針治療と食餌


情報量の少なさからなのか、周囲の同調圧力によるものなのか、小児の場合は医療無償化による弊害なのか、ステロイドを拒否すると激怒する皮膚科医がいるのが問題なのか(苦笑)、それとも本当に良きものとして使用しているのか。
とは言え、ステロイドは強力に効きます。症状とマッチすれば極めて強い効果を発揮します。だから全ての症状に於いて全否定も出来ない薬です。ステロイドの適切量及び適切使用のタイミングを研究しては臨床に落とし込んでいる人に言わせれば、「用量を守らず安易に出し過ぎた結果、ステロイドと言うだけで過敏に拒否反応を示す患者も少なくない」と言う見解も示していますが、
ダラダラ使用し続ける(使用され続けるとも言う)層ってアトピー患者群が多い為に「後々大変な事になった」⇒「ステロイド悪」と言う状態になっているのでしょう。説明無しにいきなり子供の皮膚にステロイドを塗りまくり、10種類以上の薬を出してくれる皮膚科医院も散見されるのが現状でもある為、患者にとっては何が何だか分からないまま終わるかもしれませんが(タダほど恐いものはない)、其れでもなお、様々な状況を天秤に掛けても、やっぱり薬は長く飲み続けて得する事って少ないですね。
オピオイド系鎮痛薬や向精神薬の中長期的な服薬に伴う有害性も、ステロイドくらいメジャーな話になるには残念ながらもう少し時間が掛かりそうですね。


藤澤 重樹先生より(皮膚科医)from練馬
ステロイド厚生労働省の認可を受けて使用され始めたのは、1954年。それ以前は、大人のアトピーなどほとんどなく、子どものアトピーは小学校に上がるまでに治る疾患と定義されていた。もう、20年前になるが、老医の『昔はこんなひどいアトピーはなかった』という言葉を聞いたことがある。1940年にSulzbergerは、アトピーは20歳以降には自然に治ると、そして1946年にNorrlindは、35歳以降のアトピーの症例は稀であると記載している。
現に私の小、中、高校の同級生にアトピー性皮膚炎の人はただの一人もいなかった。最近、昔の卒業写真を見てそれを再確認した。同じことを同世代の人に訊いても異口同音にアトピーなんていなかったという意見ばかりだ。それがどうだろう、最近の厚労省の調査では、成人のアトピー性皮膚炎の有病率は10%に近い数字を示している。驚愕するばかりだ。もし標準治療が本当に素晴らしいもので、ステロイドアトピーが治るというものであったなら、決してあり得ない数字である。
ステロイドアトピーの自然治癒、完全寛解に全く寄与していないことは間違いなく確かなことである。むしろ、ステロイドが何らかの治癒を阻害する細胞毒性のような作用を発揮しており、成人型アトピー性皮膚炎は薬害によるものではないかという仮説が考えられる。この仮説を否定するような証拠は全くない。米国の脱ステ医のRapaportはステロイドの依存性は2週間以内の使用で生じ、毒性は累積するので十分注意して慎重に使用するべきであると明言している。もっともな話である。
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時系列に沿った情報が有れば適切な薬物を抜いて異なる手段を求める、と言う方法も取り入れ易いものかもしれないが、残念ながら多くの患者は、そのような幸運な境遇に立ち位置にいない。以下に挙げる薬剤性の精神状態の変動とて、何処でも誰でも気軽に手に入れる事が出来る薬である。中長期的な服薬や、場合によっては永続的に服薬する(させられる)。降圧薬、高脂血症治療薬、向精神薬等、年齢を増す毎に益々増えていく薬物の中から、どの症状がどの薬物の副作用である、
と判定するには如何せん難しい場合もあるかもしれないし、副作用である、と判定するには、その薬物を抜く必要がある。しかし、その薬物を抜く行為自体が反医療行為と声を挙げる人間も多い事から、最後は人間関係の煩わしさの為、ウヤムヤのまま飲み続けると言う人も少なくはないだろうし、向精神薬ステロイド等に関しては急激に抜く事が出来ない薬物の代表でもある。
患者の将来を見越せば、何処まで以下の薬物も必要なのかと思うが、薬物の価値や視方、疾病観に関しては患者個々で捉え方も異なる為、なるべく私個人の意見は出さないようにしてはいるが、一般的な日常生活を送り、それに起因する多くの諸症状に関しては然程必要ない気もする。
向精神薬ステロイドであれ、使い始めた為に止められなくなった人は多い。身体依存、精神依存等、表現方法や内容は異なれど、依存は依存である。依存故に抜く時が極めて大変なのかもしれないが、何を依存と見るかも個々の判断に委ねて遠巻きに見るのも又興味深い。折しもヒトは皆何かに依存しているのは否定出来ない。その依存性物質がたまたま薬物だっただけで、依存と言う大カテゴリで見た場合、如何なる依存も何れは身体症状や精神症状を惹起するリスクを背負っていくものである。
さて、薬剤性由来の精神状態の変動と言うのは特別珍しいものではない。添付文書にも明確に記載されている。製薬メーカーも把握している副作用である。薬を取り扱う人間であれば誰でも知っている。その為、別に私の妄想話を書いているつもりもない。この情報を患者が知らないだけであり、これらの詳細な情報を知る事によって服薬のアドヒアランスが急降下するのを恐れて知らされていないだけである。それを「いつ知るか」によって、早期脱却出来るかズルズルいくかだけである。
精神状態の変動に関しては十把一絡げにした症状は存在せず幾つもあると思うが、そのような中、恐らく自己で判断し易い精神状態の変化は「うつ症状」かもしれない。うつ症状の内容に関しては千差万別であるとは思うし、別にチェックシートに頼る必要もないと思うが、比較的有名な薬物を挙げれば、
アルコール、ステロイド、降圧薬、胃薬や抗アレルギー薬等に用いられる抗ヒスタミン薬、インターフェロン抗がん剤等になる。後は向精神薬になる。どの薬物が精神症状を変動させてしまうかに関しては古くから挙げられている事なので、1つ1つの薬物に対して説明する程のものでもないが、今回は自身の身体から分泌される身近な存在であるステロイド(ホルモン)、コルチゾールについて考える。ご存知の通り、コルチゾールは副腎から分泌される。
このステロイド(ホルモン)は自己分泌も伴う身近な存在であるが、時として分泌量が増大、又は枯渇する事によって凡ゆる症状で患者に異常事態である事を教えてくれるが、適宜適切な分泌が行われている場合、極めて優秀なホルモンである事も分かる。
ステロイド(ホルモン)を注射や点滴、経口等で外部から接種する事により、何かしかのキッカケで強い炎症反応が局所全身問わず生じていた場合に於いても急速消退させてくれる事から、日常生活の諸症状から瀕死状態の患者にまで幅広く用いられている万能薬とも言える。只単に、何故ステロイドが此処まで悪評高く、拒絶反応を示される薬物に押し上げられたかと言うと、使用量の問題や漫然な中長期的投与に伴う副作用、そして離脱時に極めて深刻なQOLの低下を招く懸念が生じた患者が溢れた為である。
改めて書くが、このようにステロイドに関しては古くから随分と是非の多い薬物でもあるが、自分の身体から分泌されているホルモンだと言う事は忘れてはならない事だと思うし、自身の分泌量では急速消退させられない炎症に関しても、外部から補充する事で急速消退させられ、適切量と適切な投与時期さえ合致していれば極めて有益性の高い薬物である事には変わりない。
勿論、糖代謝異常等の疾患を既往として抱えている場合に関しては判断も難しいかもしれないが、特段既往(基礎)疾患を抱えていない人が何かしかの症状を抱えた場合、洗練された使用法と投与時期でステロイドの歴史が積み上がっていた場合、NSAIDsや向精神薬等も此処まで拡大しなかったのではないかと思うし、それに伴う有害事象も溢れなかったと思う。
但し、其処に至るまでは正しかろうが間違いだろうが様々な病態定義も年々変動したり、その定義構築に沿った経緯で作られる薬物が用いられてきた背景も多い事も挙げられるし、先程も記載した通り、ステロイドを悪評高き薬物に押し上げた要因に、アトピー患者への漫然で安易な長期投与に伴う種々副作用や、離脱時に関しても極めて厳しい状態に曝されてしまうと言う黒い歴史が大きく関与していると言っても過言ではない。その為、医師も患者も総じて「ステロイドは恐い」と言う認識が蔓延する事になった。

さて、今回はそのような薬物として用いるステロイドの話ではなく、自己分泌されるステロイドホルモンであるコルチゾール単体が、何処まで精神状態へ変動を及ぼすかを考えていきたいところである。
先ほども書いた通り、局所、全身、大、小問わず、炎症反応が生じた場合は、その炎症の火を消す為に副腎からコルチゾールが分泌される。その過程や経緯は下垂体前葉~視床下部~副腎とラインを組んで分泌される事になるのだが、詳細に関しては後述する。先ず知るべき事は、原則的(そのような病気に罹っていない場合)に人間は炎症反応が生じた場合でも、自身の力で抗炎症作用を働かせる事が出来る。
お浚いがてら炎症兆候と言うのを紐解いてみると、発赤、発熱、腫脹、疼痛、機能障害が現在の5大兆候と言われている。基本的に身体内部(深層部)で発生しているものや極めて微細な炎症に関しては、外から見ても発赤も発熱も腫脹も分からない。勿論、押圧しても分からない(届かない)位置で炎症が起きている場合もある。例えば此れが打撲や挫傷等の表層部で起きた炎症であれば目で見て直ぐに判断が付く。
炎症が発生した部位が深部且つ、身体症状を危機的に陥れる部位で発生した場合、極めて強い疼痛を患者に自覚させてくれる。極めて強い疼痛を患者に自覚させなければ、患者は動いてしまい壊してしまうから痛みを引かせてはいけない。
しかし、そのような極めて強い疼痛も、極微細であれば(症状の強さが微細と言う意味ではない)血液検査でも陽性反応は出ないし、日常を送る上でも危機的状況に曝される部位が優位に負担の掛かる場所だった場合、尚更症状の軽減も得られ難い。では此処で先ほどの5大兆候の1つに「疼痛※以下、痛みと表現」とあった。
先ほどの5大兆候を下に炎症と言う単語をお浚いすると、炎症が起きている部位では「痛み」として疼痛自覚をすると推測する人もいると思うが、「痛み」として自覚する為には、もう一段階踏まえる必要性がある。それが自身の現状置かれている疼痛閾値や耐痛閾値の問題となる。閾値を越えない程度の炎症や部位であれば「痛み」として感じる事はない。そのように考察すると、僅かな運動でも人間は炎症を起こしては抗炎症作用が働いている、と言うイメージも出来る。
常に自己の身体を燃やし続けて火を消している。それは24時間続いていると考えても不思議な事ではない。キーボードを叩いても炎症は起きているし、寝返りを打っても炎症は起きる。但し、炎症が微細又は疼痛閾値を越えない、若しくは適切HPA系の機能により抗炎症作用が働いている為に「痛くない」に過ぎない。改めて書けば、「痛い」と感じるのは「閾値」を越えない限り「痛くない」が、炎症は休みなく起きていると考えても不思議な事ではない。
余談ながら、その閾値を強制的に上げてくれるのが抗うつ薬等のアッパー系の薬物になってくるのだが、薬物で閾値を上げる行為が「その痛みの原因」を治す事はないと過去から書き続けたつもりだが、残念ながら肩凝り腰痛とて抗うつ薬やベンゾ系が抵抗なく処方される時代である為、時代は「治る」から掛け離れつつある事も書き続けたつもりである。
分かり易い例を挙げれば、脊椎の狭窄に伴う神経根部の易インピンジメント性で生じる物理的な骨性症状が抗うつ薬やベンゾ系を飲み続けて治る事は絶対に無い。が、疼痛閾値は上げてくれるから痛みとして感じ難くなっただけであり、何れは破綻する道しか見えてこない事は素人でも容易に予想がつく。
日常的にランニングハイ状態にしていると書けば分かり易いだろうか。スポーツ等で興奮状態の時は、少し位のコンタクトなぞ痛みとして感じないのと同じ状態を、薬物によって形成する事が出来る。それが24時間365日続いた場合どうなるだろうか。
睡眠薬や安定剤を長期服薬している群は閾値が低くなり、抗うつ薬等を服薬している群は閾値が高くなる事も以前書いた。これらに関しては依存形成の前後によって反応は異なるかもしれないし、厳密に考察すれば更に枝分かれしていくものであるが、今は此れくらいの認識で構わないと思う。

では、そのような前置きを踏まえた上で、もう少し根源的な炎症と抗炎症が日常的に行われている身体状態が、時にバランスを崩した場合はどうなるかも考えなければならない。外傷系や内傷系(このような言葉の使い方が適切な表現かは知らないが)による整形領域疾患であればイメージは早いと思う。ぶつけた⇒炎症。捻挫⇒炎症。腰傷めた⇒炎症。である。まぁこの話は良いとして、
コルチゾールの分泌は、このような怪我等の時に発生するだけではなく、外部からの情報をネガティブだと患者自身が捉えた場合でも分泌される。大脳辺縁から入力された情報が視床下部下垂体前葉~副腎となる。先日書いた精神症状の変動仮説であるHPA系が此れにあたる。ネガティブ⇒緊張であると思うし、緊張⇒交感神経優位であると思う。人間は緊張が走れば闘うか逃げるかの選択に迫られ、闘い易いように、そして逃げ易いように構えるように出来ている。
この辺りに関しては適当に自律神経系の働きを調べてもらえば良いと思うが、このようなネガティブな環境だと自身が捉えた場合、先ほどのHPA系は必要以上に働き続けなければならない。働き続けなければ死んでしまうからである。それが短時間、短期であれば然程の影響もないかもしれないが、長時間、長期に及べば様々な身体症状や精神症状を出し始める。
その1つが自律神経症状であるかもしれないが、その身体内部である裏側では何が起きているかも知る事で、もう少し症状の改善速度に寄与出来るかもしれない、と言う事である。先ほどのHPA系も中長期的に働き続ければ何れ破綻する(可能性もある)。視床下部から分泌されるCRH、下垂体前葉から分泌されるACTH、副腎から分泌されるコルチゾールが仮に枯渇してしまったら、と言う事であり、これらから派生する諸症状、若しくは病態と言うのはある程度明確になっているから調べてみるのも良いかもしれない。
仮にも、それをアジソンや副腎疲労と言わずとも、仮にも病態起因が副腎から分泌されるホルモンと言わずとも、その起因を作るのは大脳辺縁から入力された情報を鋭敏に感知してしまい、鋭敏に過剰に分泌されるホルモンの問題であって、働き過ぎた下垂体前葉や視床下部の機能異常を回復させない限り、仮にも、その症状が副腎を起因だとした諸症状だとし、副腎回復に求む何かをしても、やはりそれは枝葉に過ぎないとも思う。
身体症状・精神症状問わず、全ての症状は「症状として」患者が自覚した場合に於いてHPA系には大きな変動が伴うと示唆される為、どの患者に関しても脳内で巻き起こっている機能異常に関しての回復も併行して求めていくのが良いのかもしれないが、之ばかりは患者理解も伴う必要もある為、腰が痛いと訴える患者に対して頸にアプローチする事が理解を得られるまでは時間が掛かる、と言う事を考えれば、理解が得られない場合は(其処まで過剰な治療は)行わなくても良いのかもしれないが、無駄ではない事は現場感覚としても十二分に得られている。

さて、非常に前置きが長くなったが、改めてHPA系は大小問わず身体症状や精神症状を抱えた場合は非日常的な働きを(良い意味)でし、恒常性を保とうとしてくれる。しかし、その非日常的な働きも長期に及べば、いずれは疲弊し機能破綻する。そして様々な症状を出す、と言う事であるが、このACTHやCRHが鋭敏に、そして過剰に働かないようにする事で必要以上に副腎にも負荷は掛からないと思うし、ネガティブなフィードバックも掛かり難くなる。
それが先日も書いた通り、過去から現在に掛け栄養摂取内容の偏重に伴い発症した事が濃厚と示唆される疾患を既往として持ち、何かのキッカケでとある薬物治療を受けた場合、フィードバック機構に大きな変動が生まれ、その薬物を起因として世間一般で言う明確な内分泌疾患へ発展するかもしれない。又は認められてはいない迄も、相応の身体症状や精神症状を出す事になるかもしれない。
只、幸いにも原因に気付く事が出来れば、修正する事で治る可能性も極めて高いと思うのだが、恐らく現行医療の視点で見た場合、ホルモンの補充療法に終始する事になり、場合によっては永続的に飲み続けなければならなくなるかもしれない。
が、かと言って恐らく昨今の「オレ知ってますよ、健康になるには糖質制限ですよね」として異なる栄養素を積極的に摂取し続けた場合、その食事内容が仇になるかもしれないし、その人の常日頃暴露している環境下によっては一層の憎悪を示す事になるかもしれない。
と考えると、何処か具合が悪い人にとっては栄養摂取内容の吟味をする大切さに気付く事になるかもしれないが、ケースによっては少しおかしくなるかもしれない。多分、しかもこれは全年代で引き起こされる可能性もある。
この状況が起きうる患者背景を抱える群と言うのは予想以上に少なくない。自己免疫疾患やアレルギー性の疾患を抱える患者群は全員が対象となるし、世間一般が認める病気に罹患しておらずとも、中長期的に漫然と向精神薬を使用し、間接的にも内分泌系に異常を生じていると示唆される群、そして中長期的に漫然と(薬物としての)ステロイド等のような直接的に内分泌を弄る場合も示唆される。
恐らくそこまで可能性を考えた場合、「身体に良い」と言われている食生活が症状憎悪や治癒遅延を引き起こす可能性もあり、患者の抱える個々の背景と言うのを鑑みない限り、身体に良いとされる食事療法と言うのも極めて有害性を秘めるかもしれない。
しかしながら、実は其れ程難しいものでもないし、患者にとってもストレスになるものではないと思う。但し、1度は世間で「良い」と言われて是正したつもりの食餌を、再度是正しなければならない手間と思考の変換は伴うものである為、僅かずつでも納得された人には勧めてみても良いのかもしれないが、先ほども書いた通り、患者には個々の背景があっての今である事を考えれば、詳細な内容に迄は現状では触れないでおこうと思う。
患者の抱える症状が整形領域由来であれ、自律神経症状由来であれ、このHPA系を噛ませ、且つ患者個々の既往疾患及び既往疾患に伴う薬物使用の背景に関連した食事内容の是正により、より一層のベースアップは期待出来るかもしれないし、
異なる視方をすれば、仮にも現状では難病奇病と言われている疾患や、其処までいかなくても世間一般で言われている線維筋痛症慢性疲労症候群等(この2つに関しては単なる薬害の隠れ蓑の疾患名だと当初から思っているが…)に関してのストレートな見解も見いだせると思う。先ずその為には、今飲んでいる薬物を抜かなければならないと言う手間が患者にとっての一番の厄介事になるのだが、その薬物は治しているものではない、と言う理解が患者自身で納得出来れば、然程難しいものでもないだろう。

参考⇒http://www.atopy-endo.com/docs/papkeicortACTH.html
一部転載
1. 264名中106名(40.1%)でコーチゾルが正常以下に低下していた。
2. 32.9%でACTHが低下していた。
3. 子供では低下の割合が多く、46.2%でコーチゾルが低下し、38.9%でACTHが低下していた。
4. コーチゾルとACTHの低下している患者の割合は、ステロイド外用量が多くなるにつれて増加していた。
5. ステロイド外用剤を全く使っていない第1群でも、コーチゾルで54.2%、ACTHで50.0%の患者が低下していた。
6. ACTHとコーチゾルともに低下している下垂体機能不全と考えられる患者が34.2%おり、ACTHが高値でコーチゾルが低値の副腎機能不全を疑う患者は1名いた。
7. 皮膚が重症の患者ほど、ACTHとコーチゾルの低い患者の割合が多くなっていた。
8. 入院後、第1群はコーチゾルが正常以下に低下していた19名のうち、入院2週間後18名は正常域以上に増加していた。
9. 入院後第3群は、大量のステロイド外用剤をつけた結果、コーチゾルが4名で正常以下に低下していたが、正常以下であった19名のうち18名は正常域になっていた。ACTHについても、低値であった11名のうち10名は正常域になっていた。1名は2週間後ACTHが高値から正常域以下になっていた。
10. Rapid ACTH試験を施行した9名はすべて正常であった。
11. ステロイド外用剤は明らかに下垂体系・副腎皮質系に影響を及ぼしていた。
結果をまとめますと、
①.ステロイド外用量が多い患者ほど、コーチゾルやACTH低い患者の割合が多くなっていたこと
②.ステロイド外用剤を大量に使っている重症患者ほど、コーチゾルやACTHが低下した患者が多くなっていたこと。
③.入院後、ステロイド外用剤を大量に使用すると、コーチゾルやACTHが低下した患者がいたこと。
④.もともとステロイド外用剤をほとんど使っていない患者は、入院中ステロイド外用剤を使ってもコーチゾルやACTH低下した患者はほとんどいなかったこと。
⑤.ステロイドを中止したリバウンド状態においても、コーチゾルやACTHが低下した患者が多数いたこと。
転載終了

今件では外用薬のみのデータではあるが、内服薬、注射や点滴問わず可能性があるデータも別件で存在する。このように中長期的なステロイド使用は、ACTHやCRH(だけでは済まないのだが)低下等の視床下部機能不全、下垂体機能不全を起こす事が示唆されている。下記データ内では、その後ステロイド使用を止め、数値が正常値に戻る迄の追跡は厳密にされていないかもしれないが、異なるデータでは、取り敢えず1~3ヶ月位で正常値に戻るケースが多い。
此処で挙げられる問題点としては、このような患者の身体環境下に於いて、コルチゾールの分泌が不全状態の時に、別件で炎症反応が生じるアクシデントに遭遇した時である。それは打撲や風邪に伴う発熱、捻挫やギックリ腰等の急性炎症、そして注射に伴う薬液を起因とした急性炎症、免疫反応等である。そしてもう1点が、仮にこのような機能不全が生じていた場合、とある栄養素を積極的に摂取していた場合は治癒遅延を招く可能性があるデータも存在する。
このように、アトピー問わず一般的にステロイドを連用投与するような疾患に罹患した場合(仮にもそれがステロイドが有効でなくとも、使用した事実がある以上含め)、ACTHやCRH、コルチゾールの分泌不全(転載内容ではコーチゾルと表現)に伴い数値上、継続的に低値を示すのは比較的把握されている事かと思うが、
これが「把握がされていない」場合と言うのが、その後厄介なケースを生んでしまう懸念も生じると考えるのは自然な事である。HPA系の機能破綻を鑑みず発症した身体症状や精神症状に対し、更なるステロイド投与は勿論、向精神薬の中長期的投与に伴い、それらの反応(副作用や常用量離脱、離脱も含む)投与に伴い、間接的にも直接的にも内分泌異常は生じる懸念もある為、一層の憎悪を示す場合もあるかもしれないし、通常、その頃その時期には改めてACTHなんて検査しないと思う。うつ病ですね」で終わり、抗うつ薬を出され続けている場合もある。
何でこのような事を改めて書いているかと言えば、このような事象は小児から始まり、それが成人まで尾を引く可能性もある。このような薬物を過去に用いていた場合に関しては警戒しなければならない事象かもしれない。
先程の通り、これらの機能低下は経時経年で自然軽快する可能性もあり、その自然軽快の速度を上げる事、逆行作用を取り込ませない事が早期回復への一助にもなる。実はこの部分で、世間一般的には「健康に良い」と言われている栄養素を積極的に摂取する事で逆行作用(治癒遅延)(鋭敏なHPA系の反応)を起こしてしまう可能性が示唆される。
そしてもっと大切な事は、先程も記述した通り、このような下垂体や視床下部の機能異常が生じている時に「何か」別件で炎症反応が体内で生じる事象が患者に起きた時は、極めて甚大な被害が出るかもしれないと言う事である。

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