藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

低周波治療に伴う神経障害

低周波治療(皮膚に粘着パットを貼ってスイッチを入れるとピクピクする機械の事)を行った後に、痺れ(しびれ)や皮膚感覚の鈍麻(皮膚を触った感覚がおかしい)をメインとした神経症状を発症したと言う症例が少なくありません。今年に入って既に10人弱になります。この10人弱と言う数字も、あくまで時系列に沿って教えて頂いた上での推測である事から、潜在的低周波治療を由来とした神経障害を伴った患者数と言うのはもう少し多いかもしれませんが、ある程度の傾向はあり、手関節(手根管部)、頚部(側頚部)、臀部(梨状筋部)、足関節(足根管部)等の、皮膚表在直下(皮膚から浅い場所)に太めな神経が走行している部位に於いて顕著に見られます。
※実際の事例)
手根部(手のひら側の手首辺り)に低周波治療を掛けた後、親指から薬指迄の橈骨神経と正中神経の支配領域と思しきエリアに痛みや痺れが出た。首の横(主に下の部分)に低周波治療を掛けた後、胸の前、肩甲骨と背骨の間、肩の上、腕、指先に痛みや痺れが出た。又は頭痛やめまい、吐き気等の自律神経症状が出た。お尻のタプタプに低周波治療を掛けた後、座骨神経の走行と一致した部位、又はお尻の上、又はお尻の下に痛みや痺れが出た。若しくはお尻に低周波治療を掛けたのに腰に痛みが出た。足首に低周波治療を掛けた後、足の裏に痛みや痺れが出た。など
電気刺激で強制的に筋肉等の軟部組織に連続運動を行わせる事により、治療を由来とした持続的な筋緊張に伴う神経圧迫、又は著しい連続運動に伴い、筋組織含む軟部組織の肥厚や癒着に伴う神経実質の炎症や損傷(一部、部分断裂かと思しきチネル様症状もあり)が発生しているケースを見掛けます。主に低周波治療は自宅、整骨院、整形のリハ室等で行われるカジュアルな治療手段かもしれませんが、強弱は患者の任意で行われている場合も多い事から、実際にどれくらいの強さで行っているかは分かり兼ねる部分がありますし、個々の神経組織の脆弱性や回数、時間によっても変動する場合はあるかもしれませんが、このような有害事象をお持ちの方がいらっしゃいましたら、業界関係者問わず教えて頂けませんでしょうか。
推測として、強く当該患部に当て続ければ比較的容易に起こると想像の付く有害事象かもしれませんが、如何せん何か症状を持った方が低周波治療を行う事になると思われる為、時系列に沿った因果関係は不明瞭のまま流されている事象かもしれませんし、仮にも症状の憎悪が起きた場合も低周波治療由来とされず、元々の症状が悪化しただけとされ流されている、場合によっては保存療法が効かない⇒手術と言うケースもあるかもしれません。これらのデータが集まれば事前に控えてもらう事で早期回復へと繋がると思います。
早期回復に向けては悪化要因を取り込まない事が最優先されるものと思います。以前も神経根ブロックに伴う神経損傷事例や、強揉みに伴う筋組織硬化及び随伴症状事例、いつも考察を続けている向精神薬の副作用や常用量離脱、離脱症状の問題、栄養摂取偏重の問題等、負の推論を考察する事、負の推論を認める事で限りなく患者の自然治癒の底上げ、早期回復に繋げられるものだと思っています。お気づきの方、アドレスまでご連絡下さい。fujiwaranohari@tbz.t-com.ne.jp
※臨床像としては極めて明確且つ日常的にも遭遇性の高い諸症状が低周波治療により惹起されたとイメージするのが早い。手根部であれば、手根管症候群、狭窄性腱鞘炎、頚部であれば椎間孔部に近接する損傷を起因とした頸肩腕症候群、胸郭出口症候群、頚椎神経根症(C8由来を見掛けないのは低周波を当てても第一肋骨が壁となり届かない、反面C6及びC7は容易に届く為、易損傷傾向となる)、
肩甲上(下)神経痛、肩甲背神経痛と思しき症状(要は肩凝り)、殿部であれば梨状筋症候群、その部位を起因とした上殿(下殿)神経痛、座骨神経痛、又は梨状筋部をボトルネックとした腰椎下位の椎間孔部損傷を起因とした腰痛及び腰椎症性神経根症(腰部に低周波を当てても下肢症状に至らないのは肋骨突起が壁となり届かない、しかし、梨状筋に持続的緊張が発生する事により腰部の栄養供給不全⇒腰部筋群緊張⇒椎間孔部近接組織易損傷傾向)、足根管部であれば足根管症候群等の症状と極めて類似性が高く(低周波で連続運動…過剰運動をさせる為、自然発症性そのものの病態となる)、
受診先等によっては低周波治療由来とは診られず、原発性の諸症状である(原因不明・又は画像所見で異常が認められた場合、画像所見に沿った説明)と話は進むと思う。恐らく治療内容も一般的な手段を再度取る事になる為(湿布・経口薬・低周波・患部への注射等)、これらの保存療法も病態とはマッチング(低周波治療で悪くなったとも相互に知らない…そればかりか「低周波治療を(良きものと)掛け続けても良くならない」と言う表現になる可能性のほうが高い)しない事から、最終的には除圧や切除等の観血的治療へ事態は進む事は容易に想像がつく事から、仮にも低周波治療由来の判定の有無関わらず、同様な治療で進行する事だと思う。

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