藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

HPVV接種後に起きた有害反応に対しての症例 2


先日とは異なるHPVV接種後に起きた症状に対しての症例及び考察と今後の推移を幾つかまとめました。治療は常に不確定要素が伴う絶対論はなく、確率論で推移するものですが、悪化因子の限りない排除と、当該原因部位に対しての栄養を目的とし続けた加療を行い続ける事で、然と人間の身体と言うのは反応してくれると言う事をHPVV症例でも実感します。
今内容に関しては治療開始から未だ日が浅く、症状も不安定な部分もある為、今後も慎重な判断や定期的な精査が必要になりますが、治療過程に於ける経過や、悪化因子となる懸念材料、接種後に生じた内分泌異常、高プロラクチン血症が発生した事など、今現在も症状で苦しんでいる方々にも何かの参考になる部分もあると思います。先日の症例も含め、この度も患者さまのご協力により極めて貴重な症例内容の掲載をお許し頂きました。


Sex f  age 15
2012/7  1回目の接種後より、「疲れ易い」「口唇ヘルペス」が頻発するようになったが、当時はハードな部活動が原因によるものと考えていた
2012/10  2回目の接種直後より以下の症状が引き起こされる
【症状】起き上がれない程の両側頭部痛 頚部痛 肩部痛 背部痛 上肢・下肢痛(足関節辺りまで)腰部痛(硬い座面の場合5min程度で痛くなる) 悪心 腹痛 下痢 各関節痛 記憶力低下 易疲労性 倦怠感 足のふらつき 光過敏 音過敏 右手首の痛み レストレスレッグスシンドローム 睡眠障害入眠障害 中途覚醒) 顔面部や肩頚部に異常な量のニキビ※頭痛や易疲労、慢性疲労により、起床後も身体を横にしている時が多い※夕食後は若干症状が改善される為、身体を動かす事が出来るようになる
【病歴】喘息等々(左記疾患等々に対しての服薬歴)(現在は飲んでいない)
エバスチン ゾビラックス ケナログ アラセナ テオドール フルタイド キプレス アスモット ホクナリンテープ ポララミン アスベリン ムコダイン トーワタール
【現症状に対しての服薬歴】(現在は飲んでいない)
セディール(5mg H25.2~) ジアゼパム(2mg H25.3~) ジェイゾロフト(25mg H25.2~)某医療機関の診察時、〇〇ではない(異なる病名が入る)と言われた事からH25.10に漸減法を用いず断薬
【検査】(2015)血液検査とMRI撮影 高プロラクチン血症 ACTH・コルチゾール低値 血圧 朝105/62 夕方114/64 夕食後107/68 ※数日計測して頂いた結果、大凡この位の数値を示す (2012.10)頚部レントゲン撮影にて頚椎後弯
初診時は過去に検査した内分泌等の数値を私は把握しておらず、後々教えて頂きました。治療経過は後述する事になりますが、疲労度に比例し、その後の症状憎悪を呈する状態と言うのはHPVV接種後特有の症状かもしれませんが、風邪を引き易い印象と、それに伴う発熱や喉頭の炎症の引きの悪さ、
化学物質に対しての過敏な炎症反応(発疹)と炎症の引きの悪さ、糖質を好む、やや低血圧と言う事からコルチゾールの分泌能を伺ったところ、当時検査した医療機関では問題ないと言われていたACTH・コルチゾールの数値が低値である事が分かりました。今後も継続的に検査を行うよう打診しています。
以前のMRIで(下垂体)腺腫の疑いも掛けられた事から、今後の状況次第では観血的治療を優先させたほうが良いのか、負荷検査でどうなるか等は未だ先の話にはなりますが、当該患者さま(正確にはご家族さま)には様々な選択肢を提案しています。
ACTHの分泌能低下の場合、中長期的なステロイドの経口投与が示唆される為、これらの既往を抱える身体状態に対しては負担が大き過ぎるのではないかと不安もあり、極力中長期的に渡るホルモン剤の連用を避ける為、
針治療による頚部交感神経節への処置に伴う脳血流量の増進や、頚椎後弯に伴う過剰テンションの緩和から脳血流量の安定化より、上記の中枢神経系症状の改善含め、下垂体前葉からのホルモン分泌能の機能回復も併せて視野に入れています。他、内分泌に精通している医師らの判断を仰ぎ、ホルモン剤の投与以外に何かないか模索しています。

・今件の症状に対する検討材料として幾つか挙げられます
1) HPVV接種後に惹起された諸症状に伴う懸念
2) 向精神薬3剤の漸減を用いぬ断薬に伴う懸念(遅発性離脱症状の懸念)
3) 上記由来の単独性又は混合性が示唆される内分泌異常の懸念
4) 頚椎後弯による神経叢~頚神経叢の椎間孔部の易骨性インピンジ及び縦軸の脊髄テンション過剰による脳幹(延髄・橋・中脳・間脳(視床視床下部))部の血流障害の懸念

・所感 1
冒頭で記載した諸症状【起き上がれない程の両側頭部痛 頚部痛 肩部痛 背部痛 上肢・下肢痛(足関節辺りまで)腰部痛(硬い座面の場合5min程度で痛くなる) 悪心 腹痛 下痢 各関節痛 記憶力低下 易疲労性 倦怠感 足のふらつき 光過敏 音過敏 右手首の痛み レストレスレッグスシンドローム 睡眠障害入眠障害 中途覚醒) 顔面部や肩頚部に異常な量のニキビ※頭痛や易疲労、慢性疲労により、起床後も身体を横にしている時が多い※夕食後は若干症状が改善される為、身体を動かす事が出来るようになる】の内、
今現在、疲労度に比例し日常生活で困る程の症状が「両側頭部の頭痛」・「悪心」・「易疲労性(倦怠感含む)」の模様です。他、腰部痛等に関しても一時的に惹起されているようですが、座面を柔らかいものを選択的に選ぶ、持ち込む等の工夫をしてもらい、外出時の工夫もして頂いています。先程掲げた通り、頚椎後弯に伴い過剰なテンションが発生した脊髄は、頚髄だけでなく、胸髄や腰髄のテンションも高まる事から、このような現象は自然な成り立ちだと推測されます。他諸症状に関しては一過性ながらも症状は出る時はありますが、段階的に改善されている模様ですし、新たな症状が出るような気配もありません。
治療累積と時間経過で、今後は恐らく「両側頭部の頭痛」・「悪心」・「易疲労性(倦怠感含む)」の3つに絞られてくると考えられます。日常を脅かす程の頭痛に関しては、早期からセルフで対策が出来るように模索しているのですが、残念ながら、今現在良い結果が生まれるものは見つかりません。頭痛に関しては低血圧や低血糖由来も、検討材料とし、幾つかの判定は行いましたが改善は得られませんでした。その為、現在の両側頭部痛は、脳幹由来の三叉神経によるものと治療反応上から推測されますが、腺腫の疑いもある事から(状況を見る限り可能性は低いですが)、この段階では断言出来かねます。時に小後頭神経~大後頭神経辺りの浅層の痛みも訴えられる事から、側頭部だけでなく頭部全般に渡り頭痛を抱えている印象を受けますが、頚髄のテンションによるC2付近の由来と思われます。
幸いにも治療の反応性は悪くなく、約10日に1回のスパンで治療を行っていた時期は睡眠障害の改善や、早朝から起床でき、通学が可能となる他、頭痛の減少、連日の登校やイベント参加、長距離移動、数日間の旅行にも耐えられる模様でしたが、治療スパンが空くと状態は悪化するように見受けられます。その他、疲労度の高まりは症状憎悪のみならず、回復迄の時間も比例する為、大きなイベントの後は暫く(数日)の休養が無ければ回復出来ない状態にも見受けられます。
ニキビらしいものに関しては、体調が良好な時は減り、憎悪傾向の時に増えます。HPVV接種後の患者の特有症状として「ニキビの異常分泌」と言う表現で訴えられる方も散見されますが、顔面部や肩頚部の発症部位を見る限り、個人的には非疼痛性の帯状疱疹ではないかと疑っています。
肩甲上神経、肩甲下神経、肩甲背神経、腋窩神経、長胸神経、肋間神経etc等の神経走行と一致しているか否かも含め観察を行っても良いかもしれません。ただ、こればかりは自然寛解していますので現段階では然程気に留めていません。この症例ではありませんが、稀に発赤や発疹を伴わない疼痛性の帯状疱疹もある為、筋骨格系様症状を訴える中に、帯状疱疹が混合している可能性も視野に入れておくのも良いかもしれません。
今件に関しては、未だ治療を初めて数ヶ月と時期が浅く、今後どのような経過を示すかは分かりませんが、現在も「両側頭部の頭痛」・「悪心」・「易疲労性(倦怠感含む)」の3つの症状は不安定且つ器質的な異常も示唆されている事から、今後も慎重な判断をしていく必要性を感じます。

・所感 2 
遅発性離脱症状の懸念
以下の6ケースはHPVVを(恐らく)接種していない向精神薬「のみ」によって現れた症状群です。多剤投与の場合、何が何だか分からなくなる為、なるべくベンゾ系を中心とし、且つ服薬の種類が少ない方をピックアップしました。
ソラナックスメイラックス
緊張性頭痛、片頭痛、耳の下の凝り、耳鳴り、思考停止(頭が働かなくてフリーズする感じ)、後頭部から背中にかけての異常な凝り、指のしびれ、脳がむき出しになったような痛み、胸に刺すような痛み、原因が何もないのに鬱気分、イライラ、耳の下から首にかけての凝り、頭が働かない、呼吸が浅い、白髪が部分的に50本ほど生えてきた。うつ。
セルシン
気分の落ち込み、過去の嫌な記憶を度々思い出す、目の霞み、首肩の痛み、動悸、対人恐怖、呼吸抑制、知覚過敏(音声)、(デゾラム減薬時)霞目、複視、倦怠感(特に休日)、首肩の痛み、中性脂肪値上昇、胃腸不調(胃の不快感、便意増加)、陰部感染症(いんきん)、(デゾラム→ジアゼパム切替後の現在)
ソラナックス デパス メイラックス
動悸、めまい、パニック障害、目がチカチカ、ビジョンが鮮明、視力低下、全身のしびれ,吐き気、食欲不振、頭痛、睡眠障害、パーキンソン症状、手足の働きが服薬前より鈍い、倦怠感、アカシジアのような症状。
リボトリールレキソタンリフレックスセロクエル
頭鳴り(シャンビリ) 頭の痺れ 頭の締め付け 筋肉硬直、疲労 膨張 つっぱり 激しい頭痛嘔吐 体重減少、増加 (満腹 空腹という感覚がない) ドライアイ 眼圧上昇 視覚過敏 聴覚過敏 耳閉塞感 耳鳴り めまい ふらつき 頻尿 ドライマウス 口の中の違和感 歯の食い縛り 味覚異常 鼻づまり 顔、身体の浮腫 吹き出物 顔面麻痺の感覚 息苦しい 喉の違和感 不眠 記憶力低下 思考力低下 認知力低下 どもり 言葉が出ない 会話が続かない 対人恐怖 鬱 自己否定孤独感 希死念慮 
デパス
頭痛(頭にビリビリ電気が走るような痛さ、後頭部がぐわんぐわんする)、頭重、ひどい肩こり、眩暈、ふらつき(突然地面が陥没したかのようにガクンとしたり、後ろにバーんと転倒するかのような症状)音に敏感、眠りが浅い、みぞおちから喉にかけてのつかえ感(ヒステリー球)、幻聴、気力が出ない、ボーとする、手の震え、吐き気、食欲不振、下痢、激やせ(6㌔減)、光が眩しい、だるい、焦燥感、呼吸が浅い、筋肉の硬直・顔面硬直(起床時口が開かない、手足が動かない等) 症状が悪くなると動悸、焦燥感から過呼吸へ、目の乾燥。
セルシンソラナックスドグマチールメイラックストリプタノールサインバルタパキシル
減薬開始の2年前から、左半身の筋肉の硬直、それに伴う激しい痛み。筋肉硬直は、マッサージを毎日しても、マッサージが終わるとすぐに、もとの硬直状態に戻ってしまいました。首の筋肉の硬直に伴う頭痛など。筋肉のシビレ、痙攣、数カ月つづく、こむら返り。これらすべての筋肉の症状いよる極度の疲労。耳鳴り、鉄の味覚、しびれにより左手の爪がはえなくなった。
このように、HPVV症例は向精神薬服薬による副作用や常用量離脱、離脱症状と酷似しており、HPVV接種後の症状を伴うケースで医療機関を受診し、「原因不明」「心因性」「気のせい」「精神的なもの」「てんかん的なもの」「思春期」「成長過程に伴う成長痛」と判断された場合(大概がそうかもしれませんが)、向精神薬の投与が散見されます。疼痛性症状を抱えている場合は、この他に鎮痛剤等の投与、他、一部かもしれませんが抗認知症薬や分子標的治療薬等の処方も見受けられますが、理由は分かりません。又は、「HPVV接種由来」とした場合に於いても投与されているケースもあると思います。
様々な中枢神経系疾患様症状を抱える事になるHPVV接種後の症状に対し、中枢神経系に反応を及ぼす向精神薬を投与した場合、極めて害反応が酷似している事から、原因の特定が困難になると同時に、先日も記載した通り、薬の減らし方を既知されていない場合や、柔軟性を持った減薬が行われなかった場合、急性的、又は遅発性的に離脱症状が発症する懸念も踏まえ考察すれば、今件に限らず、現段階ではどの症状がどの由来か、と言う判定は殆ど不可能に近いと思われます。
HPVV由来、向精神薬由来、どちらも中枢神経系を起因とした症状には変わらない為、治療内容に変化がある訳ではありませんが、今現在もHPVV接種後の症状に伴い向精神薬を服薬し続けている方は、減らす時は極めて慎重に柔軟性を持った対応をしてくれる機関に掛かる事が大切かもしれません。リリカやトラムセット等の鎮痛剤も減薬期は注意が要りますし、他鎮痛剤名目で疼痛性の症状にはサインバルタリボトリールが整形領域的疾患から処方される傾向が多いかもしれませんが、後者2剤は向精神薬です。

・所感 3
過去症例との照合からも、その多くが現在は陳旧性的な時期であり、この時期に免疫を抑制させる薬物使用等は症状の憎悪や再燃が懸念されます。ステロイドやtnf-α阻害薬等が代表的かもしれません。HPVV症例ではありませんが、以下の状態で症状が憎悪又は再燃する場合は向精神薬絡みの可能性も濃厚かもしれません。場合によってはHPVV接種後、血管浮腫性の疼痛を抱えている人もいる事からHPVV単独でも同様な事が起きるかもしれません。
※tnf-α阻害薬と言う名称はご存知でない方も多いと思いますので薬剤名を挙げますと、レミケード・エンブレル・ヒュミラ・シンポニー・シムジアです。
他、ベンゾ系で、且つ重症度の高い場合に関してという事で参考までに以下に述べます。先ずは離脱症状と言うものを既知した場合に於いての回復策と言うのを考えなければならないのですが、真摯に考察すればする程、言葉を失ってしまうのが本音ではありますが、幾つかの傾向と言うのはあります。
減~断薬期に置ける憎悪自覚因子だけは、ある程度データとしてまとまっている為、先ずは日常生活を驚異的に脅かさないラインに持ち上げる為に、憎悪因子を取り込まないと言う事を念頭として考えていく事が重要だと思います。
足りない部分もあると思いますし、これが全てでもありませんし、今後も追記され続ける事になると思います。更に言えば、この悪化因子を意図的に取り込む事で、現状の謎めいた症状が「向精神薬や中枢神経系に至る薬物の離脱症状である」と判定し易い側面もあり、意義は高いのではないかと思います。
※但し、離脱症状にも軽重はあり、身体状態によってはリフレッシュ作用も生まれるものも含まれている為、あくまで重度の離脱症状に苦しむ方に向けて以前書いたものです。
開始
1) 温める(暖める)と症状が悪化する
向精神薬由来の常用量離脱や離脱症状の多くは自律神経系由来の諸症状を呈する事になり、それは非常に幅広く、脳幹由来、視床下部由来、小脳由来、大脳皮質由来等と、どの中枢部位がダメージを受けたかと正確な判定は出来ない。
何故なら、ベンゾ受容体は脳内の広範囲に渡り分布し、明確な損傷部位の判定が困難であると同時に、その多くは複合的部位がダメージを受けている場合が大半である。脳内のGABAの濃度を上げる薬物を中長期服薬に伴いベンゾ受容体が下方修正を受け、減少している、若しくは変化している状況である、と言う事を前提として話を進めれば、
身体を温める(暖める)行為を求めた場合、抹消部位の血流量のみならず、脳内の血流量も変化する事になるかもしれない。その多くは、お風呂や、心拍数の極端に上がらない簡易な運動等であり、あくまで副交感神経の亢進を求める手段となるものであり、
それに伴い脳内の種々血管に配置されている副交感神経も優位になるとした場合、血管拡張が伴い、「悪いなりにもバランスを取って過ごしていた脳内損傷部位に血流が流れ込み、一時的な憎悪自覚を得る」と言う事が推測される。
その為、外的に温めて(暖めて)血管拡張が結果的に求む行為が結果的に憎悪自覚を生むと言う事であれば、他の血管拡張作用を求む手段も同様な状態を呈する事になり、それが、カルシウム拮抗薬、レニン阻害薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、α遮断薬等の降圧薬であったり、凡ゆる脳循環・代謝改善薬であったり、もっと身近なものであればアセトアミノフェンであったりと、非常に幅広いものかもしれないが、
見方を変えれば、仮にも上記の薬物と向精神薬を併せて服薬していた場合、向精神薬に関しては時間を掛けて減薬しなければならない都合上、上記の降圧薬や脳循環・代謝改善薬やアセトアミノフェンの類を止める事で、離脱症状が軽減しているケースも多く見掛ける為、先にこれらの薬物から止めてみる事で日常生活を僅かにでも良好に過ごす事は可能となるのかもしれない。
2)凡ゆるセルフケアも意味をなさない(可能性がある)
これは1)の項とも関連する部分もあるかもしれないが、セルフケアのその多くは、風呂に入り、運動や体操をする等のリフレッシュ作用がメインになるかもしれないが、これは1)の理屈から鑑みれば、場合によっては意味をなさないどころか、離脱症状の憎悪を助長する可能性もある。他、離脱症状も重度であれば、読書やテレビ、他、向精神薬に対しての勉強どころではない。
薬物を介さない凡ゆるセルフケアや静的知的労働等は、健康な人間か、若しくは軽度の離脱症状患者でしか成し遂げられない事のように見受けられる。その観点から見れば、ナルコノンのシステムと幾分逆行しているかのようにも見受けられるし、他のアディクションからの脱却システムとも異なるように見受けられるが、激しい離脱症状で苦しむケースと言うのは、そのような集団的行為も知的労働も受け入れられない。
只ひたすら布団で時間を過ごす事しか出来ない状況に追い込まれた人間に対しては難しい話でもある。※ここで「減~断薬速度が早過ぎたせいで、激しい症状が引き起こされているのでは?」と言う想定も付くかもしれないが、一度、激しい離脱症状が生じた場合、同一量を再服薬しても症状に変化がない事も多く、且つ、従来の離脱症状のラインに戻す量も不明確である事は、多くの患者が経験している。
GABA受容体から外す懸念がある為、離脱症状が助長される可能性があり、積極的に服薬するべきではないが、そもそも、今現在の自分自身が「向精神薬離脱症状群と対峙している」と自覚している人は極限られた人間でしかないと思う。その多くは、漫然とベンゾ系を長年飲み続けており、歯科治療や風邪症候群の治療に用いられる。
4)回復に向けて、離脱症状の概念を2つに分ける
早期回復を求む為には、脳内神経伝達物質の自己生成分泌を促し、受容体の回復を求めると言う行為が現在での策としか考えられず、その際には1)の手段を自己で取り込むか他者に委ねるかとなるのだが、ここで離脱症状と言う忌々しい存在を「良」と見るか「悪」と見るかである。人によっては離脱症状は回復過程である為、良き存在であるかのように表現されている人もいるが、
患者当人にとっては日常生活に多大に支障を来す厄介な存在でしかない為に、先ずは1)の薬物は可能な限り避ける事が1つである事と、ピンポイントで脳内に選択的に血流確保が出来る治療手段を取り入れ、且つ、「離脱症状が起きる」と言う前提と自覚の下であれば、予想以上に離脱症状に対しても前向きに受け止められるものである。
そのように考えれば、凡ゆる事象にも言える事かもしれないが、離脱症状とは如何なる状況で発症し、如何なる環境で憎悪寛解し、如何なる理由で生じているかを知る必要性もあるのだろう。実は、この部分が既に悩み苦しんでいる当人にとっては1番困難な部分でもあるのだが。
5)向精神薬を飲むキッカケになった原因を振り返る
先ほど、向精神薬の長期服薬に伴う栄養素欠乏の根拠は無いと言う旨を書いたが、向精神薬を服薬する事になったキッカケは如何なる理由だったかを探る必要がある。もしかしたら、その多くは自己では解決出来ない死別等であるかもしれないし、自己では解決出来なかったイジメや暴力があったかもしれない。そして、最も服薬の起因として挙げられるのは、仕事や学業等でのストレスを起因とした凡ゆる自律神経症状であるとも見受けられる。
確かにストレス耐性を付けるのは容易ではないかもしれないし、他者との競争の中で生きていく以上、大なり小なりストレスは常に抱え続けているものであるのだが、このような外的環境との対峙にも、内的な栄養因子を疎かにしてしまった節もある事は見逃せない点でもあり、これらの栄養欠乏が引き起こされた結果、身体や精神に日常的に変調を生じ、そして外的ストレスからの耐性に脆弱性を生んでいると言う見方も出来なくはない。
終了
このように、重症度の高い場合、ダウンレギュレーションの示唆及び自己分泌能の低下も懸念される事から、治療初期及び重症度が高い場合は治療後のリバウンドも強く起きるのが向精神薬由来の特徴かもしれません。これも1つの判断材料としても良いかもしれません。

・所感 4
これらの事情や背景を踏まえたとしても、時間の掛かる場合もあるかもしれませんが、治療反応性は悪くないのは事実です。今現在も症状に苦しんでいる方々がいるのは私も既知としてはおりますが、簡単に書けば、あくまで陳旧性のこの時期にステロイドや抗アレルギー薬、tnf-α阻害薬、向精神薬オピオイド鎮痛剤等の使用は症状憎悪や再燃傾向を示していますし、状況は混沌としていく事実は見ています。
個人的には極端な食事制限もいらないように思いますが(世間一般で身体に悪いと言われているカップラーメンやスナック菓子は控えたほうが良いと思いますが)、HPVV由来関係なく、身体状態が悪い時は凡ゆるキャパも相当狭くなるとは思いますので、添加物等がフンダンに使用されている食べ物や化学物質全般にも過敏に反応してしまうのかもしれません。今件に関してはACTH低下も伴う事が数値上でも確認出来ている為、食事内容に関しての提案は差し上げていますが、ここから先は完全に個別となる為、公表は避けます。
このように極端なリスク因子を取り込まず、当該部位の栄養を求め続ければ(勿論、現段階で全ての症状が絶対治るとは言えませんが)症状の改善と言うのは十分見込めるものと思います。


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