藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

再考をする 5 2021/1/19~2021/1/31

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3848788788545692

 

「シリコンフリーの針はinflammationを増強させるか」

 

​​​​​シリコーン好きとしては有害性も併せて知る必要があります。シリコーンそのものは飲んでも無害に等しく、代謝もされずにそのまま外に出ていきます(量次第では胃壁等がポリマーコーティングされ、下痢をする可能性はありますが)。ただ、「>>代謝もされず」がポイントで、それが口からであれば通り道と抜け道があるので外に出ていくものの、例えば筋細胞内、神経細胞内、血管内等に入り込むとどうなるかを知る必要があります。

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https://ameblo.jp/fujiwaranohari/entry-12545212807.html

http://www.medtecjapan.com/ja/news/2012/09/11/120

>>図5:MED-4159の摩擦に対する影響。穿刺繰り返しにより一定量の潤滑油が剥がれ、穿刺後の穿刺力が増加している。

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https://www.jstage.jst.go.jp/art.../jjphcs/42/10/42_678/_pdf

>>ディスポーザブル注射シリンジを用いて,無塵水 10 mL をとり,1 回,3 回,5 回の吸引と排出を行った結果,回数が多くなるにつれて微粒子数の増加がみられた

>>シリコーンオイルの不溶性微粒子は毛細血管にトラップされる可能性

>>シリコーンによる有害事象としては,網膜血管の閉塞 6)や肺塞栓,7, 8)肉芽腫性炎症,線維症,9)肺炎 10)などの報告

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シリコーンが塗られている針だとしても、複数回に渡って同じ針を抜き刺しした場合、その摩擦によって耐久性が失われて剥離したがるようなので、プスっと刺して抜く程度ではリスクそのものは相当低いのかなと思います。しかし針治療の場合は比較的頻繁に体内での操作量も多くなると思いますし、私も1本1本針尖で骨膜と接触させて位置確認をしている都合上、体内での操作量は多いです。このような懸念もあり、私は普段からシリコンフリーの針を使っているのですが、シリコーンが1枚膜となる針と比較すると、治療由来の痛みも多少強いと思います。

 

ではここからが本題となりますが、針治療はinflammationを罹患組織に意図的に加え、誘発された現象を以て直接的/間接的に組織回復、症状改善を見越す手段と捉えています。要は元々ヒトが備えている生理的な反応を利用させてもらう段階を踏みます。これを目的とした場合、シリコーンが塗られている針と塗られていない針では、inflammationの量に違いがあるのかが気になります。

 

前者であれば生体に刺入した場合、ステンレス⇔シリコーン⇔生体、後者はステンレス⇔生体の間柄となり、仮に前者よりも後者のほうがinflammationが増強されているのであれば、身体的な負担は多少大きくなりますが、結果的に効果は高くなると捉えることも出来ます。

 

昨今の治療後の経過と、以前シリコーンが塗られた針を使用していた時と比較して今にして初めて思うことですが、以前は今のようなinflammationを由来とするリバウンド現象が起きていたかなと思い返して今回は記録しました。如何なる結果でも上記を理由とする有害事象の懸念がある限り、引き続きシリコンフリーの針しか使いませんが、少し気になったところです。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3851191391638765

 

中枢神経はヒトそのものでもある為、当該部位が罹患した結果の身体/精神症状は自己コントロールが難しいと思いますし、自己の現状の異常さに気が付いていない場合も珍しくないと思います。多くは後になってから気が付く例が多い印象を持ちます。「不安」を抱えると「想像力が豊か」になるかもしれません。

 

1つの物事を100にも1000にも10000にも大きく出来たり、相手の表現を幾らでも曲解して解釈が出来たり、相手の言動を幾らでもネガティブに受け止めていくことが出来ますし、「不安」と「攻撃性」は表裏一体の印象もあり、利己的、監視的、武力的な傾向になります。実際のところこのような状況になれば周りも困るので、精神症状は非常に厄介と考えていますし、それが社会的立場として親的存在に立っているケースでは、困る子の実数も膨大になるのが現状です。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3853877058036865

 

「ある程度の加療を重ね、ある程度の残存症状まで持ち上がった例に、「私)あとは放っておいても治るよ」と伝えて「患)放っておいたけど治らなかったよ」から見えてくること」

 

末梢/中枢神経症状問わず、加療を以て初めてVAS変動が前向きに生じる例と、加療せずともVAS変動が前向きに生じる2種類を経験します。こちらの2種類の存在は重症度に依存していると思うのですが、加療せずともVAS変動が前向きに生じる例は、軽症ゆえに自力回復が可能な程度の受傷と見て取れます。視方を変えれば「寝てれば治る系」のそもそも加療が必要のない例です。軽症ゆえに感受性も低く、再燃リスクも低く、ネガティブな環境にも受傷間も無くからある程度は耐えられ、そのまま回復していく例です。

 

反面後者は自力回復が不可能な例と見て取れます。受傷後、ある程度の期間に渡りVASが不変、又は増悪傾向を辿る例(辿った例)で、加療でVASの変動が初めて見られる例。受傷当初は感受性も高く、再燃リスクも高く、ネガティブな要因に曝露すると大きく増悪自覚を示し、日内日差でも波を打ち易い例。では、後者も加療を重ねて重症から軽症に移行すれば、前者のように加療せずとも自然に自力回復を得られるかと言えばそうではない例も多く見掛けます。

 

軽度に移行し感受性は低くなった為、日内日差の短期的なVAS変動は弱くなったものの、症状自覚は弱いなりにも加療をしなければその状態で症状が残存し続ける例です。軽度に移行し、且つ前者と類似した残存症状だとしても「寝てれば治る系」には移行せず、加療で治しきらない限り症状が残存し続ける例です。

 

恐らく受傷レベルの軽重に依存した罹患組織の細胞レベルの差異としか現状では考えられませんが、改めて自力回復が不可能なレベルだった例では、加療を累積させて段階的に前向きな変動が生じたとし、その残存症状度合いが自力回復が可能なレベルと推測される状態まで持ち上がったとし、

 

仮にその時期は以前と比較すると様々なネガティブにも耐えられ、日内日差のVAS変動が減弱したとしても、自力回復が引き続き難しい組織であるということは、そもそもの組織が受傷レベルに依ると捉えることも出来ます。このように軽度に移行したからとそれが自力回復が出来る理由にはならない例もある為、より経過を追う重要性が生まれます。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3854115854679652

 

血管新生や神経新生等の側副路形成や組織再編成の多くは、受傷から間もない時期で頻繁に発生するとされています。例えば事故等で高いエネルギーにより受傷した部位では、どのような反応が発生しているでしょうか。その反応を意図的に罹患組織に誘発させ続けるとどうなるかが治療の基礎になるのかもしれません。

 

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>>その個で落ち着いた量が直近にある場合、その個にはその量がベストとなり、傷病名や症状群、他者比較やガイドラインがどうこうの話で展開したり、数値的に安全/危険の話は棚に上げる必要性

 

基礎学問的な情報の脆弱性は、時間軸や個体差を鑑みた内容ではない為、それをそのまま現場に反映させると、確実にイレギュラーが現在進行形で一定層は生まれていくことかもしれません。また、これらの情報に関心を持つ多くは、既に服薬しており、既に具合いが悪い可能性が高い為、その背景に歪な服薬歴を持っていたり、今の具合いの悪さが離脱症状等の場合、たちまちリスキーな情報に切り替わる事です。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3862404110517493

 

毒性は低いほうが拡大して長生きでき、毒性が高ければ拡大できずに早死にすることを、優秀なウイルス君から学ぶ日々です。既存のコロナファミリーよりもずいぶんと毒性を弱めたのが意図的だとしたら、それはウイルス君自身が歴史を学んだ証拠です。その点、ヒトは歴史を学んでの今かといえば、そうでもなさそうです。その為、同じことを繰り返しているのかもしれません。そんなヒトからは「伝統」という言葉が浮かびました。意味を調べたところ、

 

>>信仰、風習、制度、思想、学問、芸術などの様々な分野において、古くからのしきたり・様式・傾向、血筋、などの有形無形の系統を受け伝えること

 

なるほど。変わらないこと、変えないことに重きを置くと、他所の変わろうとする力、変えようとする力が鬱陶しく感じるかもしれません。しかし、少なくとも今の健康問題は諸々の「伝統」で解決し難いことだけは確かです。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3864880530269851

 

「服薬背景が離脱症状を惹起し難い好環境の例から見る、都度の減薬と自然回復の時期」

 

明確な理由は分からないものの、中枢神経症状と都度の治療反応性の経過を追跡する場合、概ね14day(±4day)としているのは、その程度の時間が経過して初めて変化自覚を得る例が多い為です。中枢神経症状と取り上げても様々な背景があるので1つピックアップすると、「中枢神経に反応を及ぼす薬物(向精神薬や鎮痛薬等々)を末梢神経症状の改善目的の為に服薬しており、針治療は末梢神経症状のみの改善目的とし、且つ当該患者が離脱症状を惹起し難い好環境の服薬背景を持ち、元症状の改善度合いに応じて適宜減薬していく例」です。

 

仮にこのような例で離脱症状のリスクを鑑み、薬物を10→ゼロとは大胆に進めず、例えば10程度の刻みとステイを繰り返し、都度の減薬で離脱症状が惹起されたとしても(惹起タイミングは半減期に依存している印象はあります)、回復までの時間も概ね14day(±4day)の傾向があります。

 

上記は文字通り、離脱症状と呼ばれる中枢神経症状には全く加療しておらず、単に経過を追うだけの例ですが、服薬背景が離脱症状を惹起し難い好環境の例では、離脱症状が仮に惹起されたとしても、それとは別に針治療により何らかの中枢神経症状に加療した例と、その変化自覚を来す時期が一致している印象があり、非常に興味深いものです。

 

大雑把に考えられることとしては、中枢神経症状の場合、軽度であれば概ね当該期間で自力回復も可能、この時期を過ぎても変化自覚が乏しいものは自力回復が厳しい受傷レベル、また、加療により初めて変化自覚を来す例も同じく類似した期間であれば、中枢神経の回復サイクルは14day(±4day)と読むことも出来ます。

 

神経障害の類は今件の早発性のみならず、遅発性の問題も含めて考える必要がある為、より様々な因子を含めてリスクを見ていく必要はありますが、あくまで表題通り、その個に良い環境が整っていればこのくらいの期間になるのかもしれず、これをベースに個々のリスク因子を肉付けして経過を追うのが適当な印象を持ちます。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3867455483345689

 

「中枢神経症状の寛解期間の中央値が14day(±4day)となる背景にはinflammationの存在がない理由を考える」

 

標的部位は広範囲になるほどネガティブも膨大になる為、大脳や小脳、脊髄のGABAの動態変化を外的要因で求めた結果、以後の離脱症状も相応の症状群が惹起される可能性もあります。GABAの濃度を意図的且つ非自律的に増加させる事で筋弛緩、抗不安、抗不眠、抗痙攣、健忘が大カテゴリ的には惹起されますが、離脱症状が始まると、当該神経伝達物質の自律的な機能が抑制されている為、筋硬直、不安、不眠、痙攣を大カテゴリ的に自覚し易くなります。左記は極めて大雑把な現象しか記載しておりませんが、参考までに患者表現は以下のようになります(極力読み解き易いようベンゾ単剤の症状群です)。

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case1

 

口内炎、鼻炎、動悸、不整脈、異常発汗、体のこわばり、ホクロ増加、リンパこり、手足のしびれや痛み、胸のつかえ、肋間痛、痒み、ニキビ、皮膚炎、胃痛、味覚異常、声枯れ、血痰、坐骨痛、頻脈、嚥下障害、動作感覚異常、記憶障害、反射神経低下、夜尿、中途覚醒早朝覚醒、怒り異常興奮、希死念慮離人感、光過敏、聴覚過敏、耳鳴り、歯痛、首コリ、皮膚炎、喉の違和感、便秘、高血糖、平衡感覚異常、呂律が回らない、頻尿、味覚異常、口渇、体の痛み、目の霞、むくみ、頭痛、体重減少、不安

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case2

 

気分の落ち込み、過去の嫌な記憶を度々思い出す、首肩の痛み、動悸、対人恐怖、呼吸抑制、知覚過敏、霞目、複視、倦怠感、首肩の痛み、中性脂肪値上昇、胃腸不調(胃の不快感、便意増加)、陰部感染症

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case3

 

不眠、希死念慮抑うつ、吐き気、息苦しさ、動悸、発汗、めまい、手の震え、手に力が入りにくい、離人感、頭がおかしい、全身ぴりぴり、音が痛い、イライラ、耳鳴り、異常に喉が渇く、対人恐怖、閉所恐怖

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case4

 

食欲不振、嘔吐、下痢、耳の閉塞感、目の痛みと乾き、肩凝りと頭痛、頭が回らず目の前が1枚膜が張ったような感じ(ブレインフォグ?)、顔面と背中の皮膚感覚が無い様なピリピリした感じ(触られると過剰反応、触られると不快)、不眠、胃痛、体感温度の落差、足の裏のコリ、耳鳴り

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case5

 

頭にビリビリ電気が走るような痛さ、後頭部がぐわんぐわんする、頭重、ひどい肩こり、眩暈、突然地面が陥没したかのようにガクンとしたり、後ろにバーんと転倒するかのような症状、音に敏感、眠りが浅い、みぞおちから喉にかけてのつかえ感、幻聴、気力が出ない、ボーとする、手の震え、吐き気、食欲不振、下痢、激やせ、光が眩しい、だるい、焦燥感、呼吸が浅い、筋肉の硬直、起床時口が開かない、手足が動かない、動悸、焦燥感、過呼吸、目の乾燥

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このように多少症状数の異なりは見られます。離脱症状に限らず、重症度は高いほど諸症状も重度化し、症状の数も多い印象があり、軽症ほど諸症状は軽度で、症状の数は少ないと思います。では、重度から軽度へ移行する過程に目を向けると、諸症状は軽度化し症状数は絞られてきます。結果論として残存する症状がその個にとっては最重度症状となる見方は出来ますが、その過程でも、中枢神経症状の新規惹起や、既存症状の増悪など多少の波を見せながら平均値としてVASが下方修正を示したケースから、更に局所的に切り抜いて考えていきます。

 

左記の通り「中枢神経症状の新規惹起や、既存症状の増悪など多少の波を見せながら平均値としてVASが下方修正」 の 「中枢神経症状の新規惹起」も、14day(±4day)で自然寛解(※正確には加療しているケースも多いので不明瞭ですが)しているケースも多く見掛けます。改めてまとめると、「離脱症状が月日又は年月にて改善傾向を示したなかでも、時折新規症状が惹起された場合、その症状に関しては軽度傾向であり、自然寛解の可能性が高いレベル」な印象を持っています。

 

また、この手の症状群の受傷背景にはinflammationの存在は乏しく、ステロイドやNSAIDs、tnf-α阻害薬等では改善自覚が得られないのは古くからの事ですが、中央値として14day(±4day)の寛解例が多数の場合、inflammationの曲線の描き方とも異なる為、その裏付けにもなると推測しています。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3870080059749898

 

どのような原因を持つ病態だとしてもその共通因子として、「症状を抱えている時点のヒト」が最も元気になるタイミングは、「今の病態を理解するヒトと会話している時」かもしれません。私もその対象の例外にはならないのか、同一人物から1日100回も着信があり、電話に出なければメールになり、返信もしなければ違う電話や公衆電話から掛けてくる等、

 

具合いが悪いのは理解するものの、ヒトの身体を考えるにあたって、世論や感情で左右される性質を持ってしまうと危ないのと、会話で良くならない事も十分に知っていますので程ほどにしています。「会話で良くなる神経障害」があるのなら、むしろ知りたいくらいです。

 

さて、このように「着地点」はどこかと考えると、「何もしていない時でも無症候で居続けられる状態」と考えています。この状態を100点満点とした場合、常にこの状態を目標としなければ薬剤絡みのシビアでデリケートな症例は、常に赤点続きになるくらい難しいと考えています。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3870360246388546

 

優先接種順位の検討がされている事を目にしますが、先日の通り、日々心身共に追い込んでいるオリンピック選手が果たしてワクチンに耐えられるのかとも関連しますが、今から約10年弱前を振り返ると、「こんなに元気で活発な子だったのに何で…」が多発したと思います。むしろ「元気」「活発」の運動量の多さから、大小問わず継続的な全身炎症による免疫抑制や血液脳関門の選択的な脆弱性、未成熟な年齢による血液脳関門の選択的な脆弱性を考慮していたかが相当不明瞭ではありました。

 

それとは別に今件は高齢者からですとか、https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000721004.pdf の56頁から抜粋した、「接種順位の上位に位置づける基礎疾患を有する者について(検討)」も既に何処か具合いの悪いヒトからとなっています。いつものことなのでいつものことしか言えませんが、資料的には「感染により重篤化又は死亡リスクの高いヒトから」で目指しているのかもしれませんが、「接種によるリスク」は接種順位が上位ほど高い視点が抜けているのが怖く、積極的にリスクに曝露しにいくのはどうかと思うところです。

 

1. 慢性の呼吸器の病気

2. 慢性の心臓病(高血圧を含む。)

3. 慢性の腎臓病

4. 慢性の肝臓病(ただし、脂肪肝や慢性肝炎を除く。)

5. インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病

6. 血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)

7. 免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む。)

8. ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている

9. 免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患

10. 神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)

11. 染色体異常

12. 重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)

13. 睡眠時無呼吸症候群

参考(基礎疾患の範囲を限定せず、単に慢性の病気や疾患とした場合)

※ 関節症、骨粗鬆症前立腺肥大症、眼科・耳鼻科の疾患などが含まれてくる。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3872912042800033

 

「皮膚を伸張しなければ切皮痛は軽減出来ないのかという話題」

 

当該部位の占拠性病変の話は一旦除外して、筋筋膜の受傷エピソードは明確です。大概は月日の経過で自然寛解するのが一般的で、視方を変えれば経時で自然寛解しない症状は筋筋膜に原因はないと捉えられます。この点は末梢性であれば脊椎高位に選択的な加療が可能な為、横突起間や肋骨突起間をすり抜けて、例えば各々の椎間孔や交感神経(最近は交感神経節でも交感神経幹でも変わらないのではという印象)等まで到達出来るツールで見えてくると思います。

 

そうなると、表題のような既存解釈を見直す必要があるのですが、上記の病態解釈的な話は抜きにしても、「押手で皮膚を伸張すれば切皮痛が軽減される」自体が個人的には多少疑問があり、緩いよりは張っているほうが刺し易いものの、切皮痛とはあまり関係ないのではと感じています。では上記の病態解釈を含めて進めていくと、筋筋膜にアプローチする必要がなければ、一層でも筋筋膜の貫通は少ないほうが侵襲性含め疼痛リスクも低減でき、針管と押手の両方を患者の皮膚に接触させるよりも、可能な限り針管のみで筋溝等に沈め込んだほうが距離を稼ぐこともでき、押手が存在しないぶん、ポイントも絞り易く時短に繋げられる印象を持ちます。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3876462762444961

 

「GABAの増強物質は代替えが存在するものの、GABAレセプタには代替えが存在しないことを知ったうえで離脱症状との対峙を考える」

 

機能/器質的な問題及び、自己分泌能の低下を含めた傷害及び障害をひとまとめで一旦は「傷む」と表現しますが、GABAの増強物質は幾つか存在するものの、傷んだGABAレセプタやその関連は代替えが存在しない為、例えばベンゾ離脱と呼ばれる病態で具合いが悪い場合、

 

離脱の既知未知問わず、ベンゾ等のGABAを増強する物質で有効自覚が無ければ、その症状群から今度は抗うつ薬やメジャー、鎮痛剤等々で抑え込む手段が一般的とはなるものの、その行為が傷めたGABAのレセプタを細胞レベルで回復させる理由にもならず、各々の当該物質が関わるレセプタ及びその周辺の問題が継ぎ足されていきます。

 

逆説的に考察すれば、自律的な自己分泌能とレセプタの細胞レベルでの回復があり、連鎖的に傷んだ結果論となる症状群の改善自覚を得る段階を踏むと思いますし、薬物で非自律的に分泌を増強させ続ければ、レセプタもレギュレーションを経時で変化させ続ける要因となりますが、今現在服薬中且つ離脱症状を抱えている場合は、その薬物が生存の綱を握る神経適応の結果も意味することが1つのジレンマになります。

 

離脱症状は原因物質がある程度は確立した生体反応で惹起される病態の為、成立までのフローは単純だと思うのですが、単純だから直ぐ治るという意味ではなく、大脳や小脳、脊髄に広範囲に渡るネガティブから発生する多種多彩な症状群が混乱を呼んでいる印象を持ちます。※以下は参考までに、シェア内からコピペしたものです。

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age 35 sex f 

 

四肢抹消を中心とした全身性の振戦 眼瞼痙攣 肩頸部及び腰部に激痛と硬直感 背部に違和感 下肢脱力により歩行不能 膝関節及び足関節に強い違和感 頸部後面及び胸部前面に熱感 急激な体重減少 味覚及び嗅覚障害 副鼻腔炎様症状 眼痛 羞明 眉間痛 一睡も出来なくなる 唾液分泌過多 毛髪、髭、爪が伸びない 頻尿 皮膚のたるみ及びくすみ 不安感 焦燥感 うつ状態 現実喪失感 上記症状が惹起された為、再受診するも身体表現性障害、うつ病等と診断

 

age 40 sex m  

 

動悸 身体の揺れ 吐気 一歩も歩けない 身体に力が入らない(ほぼ寝たきり/移動は車椅子) 手足の浮腫み 肌や白目の部分が黄色くなる 足の皮膚感覚異常 足の冷え 足の指が時折動かなくなる お尻が勝手に動く 右半身を中心とする身体の揺れ 胃腸が常にバクバク動いている 37℃台の持続的な微熱 食事量は変わらず2年前は175㎝95㎏の体重が昨年夏に70㎏、現在48㎏ 流涙症 呂律が回らなくなる 歩行時のふらつき 誤字脱字やひらがなが極端に目立つようになる 暴力的になる キレる 過食

 

age 50 sex f

 

人間関係から 不眠 うつ症状 を発症。ベンゾ、SNRI、NaSSA、オレキシン受容体拮抗薬を順次処方され、継続的な服薬で約4か月後に改善自覚。その後ベンゾの有害性を知り、他薬剤を残し2週間の漸減を以て断薬。以後、両前腕と両下腿に熱感(CK値異常なし) 頭部、顔面部、胸部、背部に皮膚感覚鈍麻 両手指、両足趾に激痛 頻脈 踵部の角質の菲薄化 split hand syndrome 全身の痩せ 脱力 客観的評価不能の身体全体の揺れ ファシクレーション が惹起(神経内科で運動ニューロン障害は否定)

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治療性質とヒトの生理解剖上、中枢神経症状(末梢性脳神経症状含む)は罹患部位のみへ選択的な加療は不可能な為、全般的に及ぶ反応の経過で、症状の軽重を判定するしか方法はないと捉えています。GABAレセプタは中枢神経の広範囲に構える為、以後の離脱症状と呼称される中枢神経障害も、罹患部位を広範囲に持つ症状群が並ぶケースは多く、且つ生理的に代謝要求が高い部位や、その個単位で抱える脆弱部位(既往とイメージ)の増悪が目立ちます。

 

GABAを外的因子で非自律的に増強させると、非日常的に自覚する反応は、抗不眠、抗不安、筋弛緩、抗痙攣、健忘を来し、逆転現象となる離脱症状は、不眠、不安、筋硬直、痙攣を大カテゴリに惹起される他、羅列した症状群の共通点に、視神経や内耳神経(聴神経/前庭神経)由来や、脊椎のROMが高度な部位と思しき神経障害が比較的頻発するのが分かります。

 

以上が大雑把ながら復習とはなりますが、中枢神経の広範囲にレセプタが存在する為、ネガティブも比例して膨大になる結果、症状の数も1つや2つで留まるケースは少なく、例えば筋硬直にて、筋痛や筋腱断裂、(亜)脱臼、各関節の内圧上昇による関節痛、脈管系のトラクションの変化から、肩手症候群様状態等、2次的な障害も惹起するものの、これら結果論に対処しても根となる中枢神経が改善しない限りは、一時的にポジティブを自覚する可能性はあるものの、極めて再燃性は高く意味のない行為と捉えています。

 

このように2次的な障害も多数抱える事で、ひとつひとつの症状を数えると膨大になりますが、冒頭の通り治療性質はさて置き、中枢神経にアプローチを掛ける場合、選択的な加療はヒトの生理解剖上不可能なものの、それを前向きに捉えれば、中枢神経の何処が傷んでいてこのような症状が惹起されているかは不明確且つ罹患部位と罹患度合いは不透明でも、何れ個々の傷の深浅が見えてきます。

 

「精神症状の有無で分かれる経過と結果」

 

こちらの https://drive.google.com/file/d/1G9_Hk0CmtNzlqHCCdXDZbzBqmB7xowYv/view 冒頭から述べている通り、

 

>>向精神薬が濃厚に絡む中枢神経症状を抱える症例が最もデリケートで困難を極める理由に、向精神薬由来と思しき精神症状の併発が全てを無にするほど強大な力を持つ事が 1 つの理由に挙げられます。

 

>>脱抑制による精神症状は自己制御が出来ず、尋常ではない苦しみを患者に与え続け、周囲を大きく巻き込む懸念と、周囲に理解が無い場合、患者は更に悪循環に巻き込まれる状況は避けられなくなります。極力そのような事態は避け、安全に回復する方法は何度も検討する必要があります。

 

精神症状の有無は経過と結果を大きく変えていきます。結論から述べると、精神症状が無ければ(少なければ)経過も結果も良く、精神症状が有れば(多ければ)、結果どころか経過も分からず終いになる例が多いのは今も昔も変わりません。その為、離脱症状も極力なら不安や焦燥を代表とする精神症状が出なければ良いのですが、こればかりは分かりません。先のことは分からず、そして身体/精神症状の出方はヒトそれぞれですが、仮に惹起されたとしても、僅かでもその症状が軽度であれば持ち直し易く、目の前の日々は勿論、その先の結果も良い方向に向き易い事には変わりありませんので、地味に進む大切さをこの度は振り返ります。

 

離脱症状は薬剤を起因とするも副作用とは異なり、薬剤成分が背景に存在しない自己体内の独立した異常による中枢神経障害と捉えています。離脱症状と既知した上でのステイは、現在の病勢に対する増悪抑制の最大限の行為であり、良くて停止、悪くて緩慢な増悪で、ステイし続ければ治るでもなく、離脱症状ですから減らせば(止めれば)治る、でもありません。順当に進行する例は参考点が少ないのですが、都度の状態緩和と共に減薬とステイを繰り返したケースではどのような推移を辿るか、また、その過程でのStumblingは何処かを概要程度ですがこの度は見ていきます。

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age 40 sex m

 

ベンゾ 長時間作用型 服薬歴10年 (※当該期間内に当該薬物の休薬と再服薬は4~5度あり その他SSRIや下剤、整腸剤等の服薬は過去にあるも、現在は服薬していない)

 

両手関節から全手指、両足関節から全足趾に痛みと痺れ 両上肢の外転90度まで 両肩背部が常に重く感じる 呼吸抑制 動機 頻脈 高血圧 微熱 全身が重く硬く感じるが特に表情筋の硬直が目立つ(歯軋りが酷く歯が欠ける) 下痢気味 嘔吐 体重減少 全身的な浮腫 不眠 アレキシサイミア 羞明 飛蚊症 光視症 副鼻腔炎様症状

 

現症発展のエピソード 

 

服薬契機は疲労改善。服薬により物事を考えなくても時間が過ぎる感覚が心地良くなる。何度かの休薬理由は、薬そのものは体に良くないと考えていた為。しかし休薬すると得も言われぬ体調となり、再服薬により改善していた。この度は休薬後に再服薬するも改善自覚は得られず上記症状が惹起される。1~2回だけ普段の2倍の量を服薬するも変化が見られない為、周囲の勧めもあり過去と同一量で現在は様子を見ている。

 

加療により残存症状が両肩背部の重さ 手関節から遠位、足関節から遠位の浮腫、飛蚊症程度まで収束した頃、現在の服薬量から2/10ほど減らす。定量維持の血中濃度が低下すると思しき数日後より、残存症状の増悪と下痢の再燃、手指の振戦(新規)が見られるものの、約14day前後を経て下痢と振戦は経時的に改善し、当初の残存症状が現在も残る。

 

更に加療を重ね、浮腫関係も目立たなくなってきた頃、調子の良さも相まって5/10ほど減らしたところ、再度の残存症状の増悪自覚の他、副鼻腔炎様症状と下痢、多少の呼吸のし難さが再燃。約30day程を経て経時的に改善。このような過程を幾度か繰り返し、約1500dayで断薬、残存症状は両肩背部の重さ。以後も過去の症状が短期的に再燃した時もあったが、約1800day以降からは継続的に状態が安定する。

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都度の減薬で一定の離脱症状が惹起されるリスクを踏まえると、その減薬量は微細であるほど症状も軽度で済む可能性も高く、病勢も軽度なほど弱い為、急性~亜急性~慢性~回復までの道程も短期間になり易く、日々のQOLも維持し易い印象はどのケースでも共通点で挙げられます。何より、この代わり映えの少ない地味なルーチンを気持ちを折らずに繰り返し続けられるかも肝ではありますが、当初のアレキシサイミアも早期に影を潜め、その後は不安や焦燥等のネガティブな精神症状が目立たなかった経過が1つの勝因と推測します。

 

中枢神経障害は身体/精神症状の2大カテゴリが存在し、罹患部位等で無数に症状は枝分かれすると思いますが、過程で精神状態に不和を来さなければ、結果的に何とかなり易く、反面、精神状態の悪さは経過も追えずに分からず終いになるケースが多発するのも現実な為、仮に惹起されたとしても、何れも前以て軽度で経過を辿る先々を見据えたリスク管理は大切と思われます。

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f:id:fujiwarakota:20200710112556p:plain イメージ 1 ~針治療から病態定義の見直しを~

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