藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

再考をする 6 2021/2/2~2021/3/15

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3886350458122858

 

>>「いくら症状を訴えても“心療内科へ行ってください”と…」

 

この悪いクセはやはり今回も変わりません。だからといって現行の傷病名では、心療内科に限らず、リリカ、トラムセット、サインバルタリボトリールノイロトロピン辺りになると思うので、そんなに状況は変わらないのも現実かもしれません。この展開は今までもあり過ぎて、今後どのような先生がメディアに登場し、どのような発言をするかまで予想がつきます。歴史は繰り返すとはこういうことなので、歴史を学ぶことは大切です。

 

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抑制性神経伝達物質が何らかの契機で機能し難くなった体内状況をまとめると、「生理的な代謝要求の持続的な上昇」「閾値の低下」と捉えられる為、進行性を示唆する疾患への進行助長の契機作りとなるベンゾ等の投与は危険と考えています。薬をひとつ出すにあたってもその基盤は「制度」で左右され、近年の規制強化(長期処方による減点措置等)で突然の減薬や断薬、PMDAやメディアによる"ベンゾは危険"の「世論」、"こんな薬は飲みたくない"の「感情」は有害な側面も生まれます。この手の情報はまだ飲んでいないヒトにとってはリスク回避の情報になりますが、飲んでいるヒトには「制度」「世論」「感情」「飲んでいないヒト向けの情報」はリスクになります。

 

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NSAIDsとニューキノロン系やマクロライド系の組み合わせは、GABAの応答を抑制する懸念があり、ベンゾ等のGABAをエンハンスする薬物を服薬している状態では、その確率が上昇するのか散見され易い印象を持ちます。前項で >>抑制性神経伝達物質が何らかの契機で機能し難くなった体内状況をまとめると、「生理的な代謝要求の持続的な上昇」「閾値の低下」と捉えられる と記載しました。

 

表現を変えれば既存症状の増悪(又は既存症状の増悪自覚)と、寛解から経過が浅い症状の再燃可能性、新規症状出現の可能性が挙げられます。では、仮にその状況下で既存症状が増悪した場合、そもそも以て慢性的に症状を自覚させている患部の細胞レベルでの組織の状態は、どのような状況かも見えてきます。

 

age 70 sex f

 

ベンゾ 短時間作用型 服薬歴5年 

 

主訴 右頸肩背部痛 右上腕外側痛 右顔面部痛(三叉神経V3領域) 右眼底痛 両腰部痛 左下腿痛

 

半年ほど経て多少の再燃は過程で見られるも、全般的にVASは低下傾向を示し、右顔面部痛と右頸部痛が残存するも、日常生活には支障がないレベルで推移し始めた頃、中耳炎の疑いで耳鼻科でNSAIDsとニューキノロン系を処方される。服薬から間も無く、既存症状の増悪、寛解した症状群の再燃の他、両手指振戦 不眠 嗅覚/味覚障害 不安 下肢脱力 が惹起される。

 

補足 ※ニューキノロン系自体が次の不安はあり、>>2016年7月26日、米国食品医薬品局(FDA)は副作用の警告を強化した。腱炎や腱断裂(全ての年代で)、関節痛、筋痛、末梢神経障害(針で刺すような痛み)、中枢神経系への影響(幻覚、不安、うつ病、不眠、重度の頭痛、混乱)と関連が判明した。これらの副作用は、使用開始から数日以内、又は使用後数カ月以内に発現する。不可逆的な場合もある[1][2][3]。記載内容がGABAが関連してのものか、そのものの副作用かは定かではない。

 

[1] FDA updates warnings for fluoroquinolone antibiotics (July 26, 2016)

[2] FDA Drug Safety Communication: FDA advises restricting fluoroquinolone antibiotic use for certain uncomplicated infections; warns about disabling side effects that can occur together (July 26, 2016)

[3] Levaquin (Levofloxacin) Tablets, Oral Solution and Injection (July 2016)

 

ここで見たいポイントは、GABAの効きが悪い身体状態(振戦等の症状群)ではなく、既存症状の増悪や寛解した症状の再燃であり、受傷初期には緩慢又は微細ながらも発生すると思しきinflammationからhypoxiaの道程を踏まなくとも、「生理的な代謝要求の持続的な上昇」が全身に及んだ結果(正確にはGABAレセプタを置く中枢神経からの全身派生)、従来からhypoxiaを示唆する組織は更に助長されたものと推測出来ます。

 

俗にいう慢性症状にはNSAIDsは奏功し難く、その結果、興奮性神経伝達物質を増やして閾値を上昇させる薬物や、脳内麻薬を増やす薬物等が主流となり久しいものですが、それそのものが細胞レベルでのhypoxiaを解決するとは思えず、仮に中枢神経レベルで痛み自覚を取っ払い、結果として骨性の構造異常を進行させてしまう懸念や、これら薬物による神経適応後の離脱症状の懸念など様々な心配事が付いて回るものの、組織レベルで見ればシンプルな状況で症状は推移しているのが、患部に意図的にinflammationを加え続ける事で見えてきます。

 

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前項の通りベンゾ等のGABAをエンハンスする薬物等を服薬中、及び服薬中でなくても、当該物質の自己分泌能の低下と思しき症状群が残存している例、及び時期が浅い例では、GABAの応答能の抑制行為は病状の増悪を助長するリスクがあると考えられるものの、敢えて拮抗反応を惹起させ、離脱症状の治療にあたる施設が海外には存在する模様ですが、どの角度から見ても傷口に塩を塗る行為となる印象を持ちます。

 

どのようなアクシデントも急性期の重症度が高いほど、急性期は長期化し、以後の症状の残存自覚期間も長期化すると思います。それは離脱症状と称される中枢神経の傷害も例外ではないと捉えています。そのようななか、皮肉にも経過が良い例が「離脱症状を知らない/今飲んでいる薬を取り敢えずは飲み続けるし変える気もない/飲み忘れなく律儀に飲む」群で、不安定な経過を見せる例がその逆です。

 

このような状況を私は「知ったばかりにの弊害」としましたが、やはり前者の群も時に別件で何処かを傷め、NSAIDsや一部抗生剤など、GABAの応答能を抑制させる薬物を服薬する可能性もゼロではない為、知っていたほうが良いのか、知らないほうが良いのか、常に悩ましいところです。

 

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腰椎に限らず脊椎は、椎間孔と呼ばれる脊髄から四肢抹消や体幹に分枝する各種神経(知覚/運動/自律神経を指す)が存在しますが、いずれも椎間孔を起始とします。主に椎体や椎間板の摩耗や圧壊(微細骨折)、突出や硬化、過負荷による骨棘形成や各種主要靭帯(黄色/前縦/後縦を指す)の硬化等が絡み、俗にいう神経根症(及び神経根症様状態全般)に発展していくと推測されます。

 

その発展には当該脊椎高位から分枝する神経と骨との間柄、神経のトラクション変化等、幾つかの要因が推測され、主に背側側に位置する知覚神経から高頻度で受傷していく背景を鑑みれば、原因部位は神経根より更に脊髄寄りと捉える事も出来ます。腹側寄りの運動神経が受傷すれば脱力や痩せ、ファシクレーションの類が惹起され、自律神経が受傷すれば主に内臓器の障害が目立つと思います。

 

取り分け臨床となると頼るものが無い為、年掛かりで追試と治療効果の検討を経過と結果から練り上げていかざるを得ないのですが、今振り返ると当時の打ち方は病態を把握していないと反省しきりです。お尻はこんなに要らんよねと思います。写真の雰囲気だと腰回りもめちゃくちゃだと思います。使っていた針も今と比較すると2回り3回りほど太いはずです。が、これも今だからこそ思えることで、当時は必要だと思っていたのでしょう。という訳で、昨日という日は常に自分自身の黒歴史であると考え、日々の検討の必要性は大切だと思います。

 

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自身に密接に絡む事象は他人には分からないと思います。特に薬物のような常に患者の手中に存在する物質は自由度が高く、具合が悪い日は量を増やしたり、具合いが悪い時だけ飲んだり、飲み忘れがあったり、誰かからの横流しやネットで購入したりと、個々の服薬背景は異なる事を前提とすれば、一律の対峙方法を提言すること、ガイドラインやマニュアル、カレンダーに沿った行為はリスクと捉えます。

 

減薬テクのひとつとなる隔日法は高リスクで、コーティングの差異による吸収効率の変化のリスクとなる先発品⇔後発品へのスイッチや、短時間作用型から長時間作用型へのスイッチも高リスクな印象を持ちます。飲みながらにして始まる離脱症状(常用量離脱症状)は、服薬間も無く気が付く作用/副作用とは異なり、多少緩慢性を持つ遅発的な中枢神経症状(末梢性脳神経症状含む)の症状群が多数を占めてくると思いますが、大半は検査でも所見は見られない為、時系列を追跡していくしか手段はありません。

 

また、GABAのエンハンスはアルコール摂取等でも得られる為、アルコール摂取群は既に当該レセプタのレギュレーション変性や自己分泌能の問題も示唆され、ベンゾ系の服薬で奇異反応やアクティベーションシンドロームまで表現されなくとも、一般解釈の反応とは多少異なり、離脱症状惹起の確率が高い事も傾向として挙げられます。このように、当該レセプタの変性はベンゾ系でなくても生じると捉えることで、リスク回避の材料にもなります。

 

この手の薬物は飲んだとして何かが「治る」「治らない」の檀上ではそもそも議論は出来ない物質でもあり、追々傷めつけていただけと気がつく事になるのですが、ベンゾ系もアルコールも同一レセプタがターゲットとなる為、ベンゾ離脱をアルコールで緩和させているヒトもおられるでしょうし、その逆にアルコールや麻薬大麻等の離脱時はベンゾ系の処方が一般的となる為、ベンゾ系の離脱者が酒飲みになったり、酒飲みや麻薬大麻利用者がベンゾ系から脱却出来なくなる話は珍しくないものです。

 

上述で幾つか離脱症状の惹起を抑制させる為の既存の手段にも、相応のリスクが存在する旨を述べてきましたが、前項までの通り、傾向的には額面的な高力価・長期服薬・短時間作用型は離脱症状の軽重や長短に関係なく、「離脱症状を知らない/今飲んでいる薬を取り敢えずは飲み続けるし変える気もない/飲み忘れなく律儀に飲む」群がソフト・ハード面に於いてもストレスはない印象を持ちます。

 

その逆に、服薬と休薬が煩雑な状態のヒト、隔日法でも何ともないヒト、先発品⇔後発品への置換でも何ともないヒト、長時間作用型にスイッチする等の高負荷行為で何ともなかったヒトは、わざわざ上述手段を講じなくても何ともないヒトとも捉えられます。このように、服薬背景の詳細を掌握出来ていない回復事例を真似するのもリスクになります。

 

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離脱症状の惹起確率を上げる不利を知ることで有利が見える」

 

理想像は加療せずとも日数経過で自力回復が出来る状態を指すと思います。先日より好条件が揃っている例は、都度の減薬で一定の離脱症状が惹起されても、経過観察のみで改善自覚を得られている例を挙げてきました。このように、今まで離脱症状を長期化し重篤化させる不利な条件を考察してきたことで、有利な条件も見えてきます。

 

離脱症状との対峙には、病態解釈となる根底の部分から様々な考察と対応手段は無数に存在し、私自身もそれらの情報を頼りにしていた時期もありましたが、現場感覚とのギャップに戸惑う事も多く、それであれば右から左に流れてくる情報は取り入れないほうがバイアスも掛からず、より純粋な経過を観察することが可能と知りました。

 

このように、術者側も何とかしようと何処かでいつも困っていると思うので、何らかの情報を取り続けているとは思うのですが、それ以前の問題も先ずは大きく存在します。例えば何らかの契機で薬物を摂取する際には、前以て病名や障害名が存在していると思います。それはどのような病名や障害名でも構わないのですが、その上で常用量離脱症状や、減薬や断薬で離脱症状が出ても、大概は離脱症状ではなく原疾患の増悪、新疾患の惹起とされるケースが目立ちます。

 

ヒトはそれが離脱症状と仮に頭を過ったとしても、医原病的なネガティブは否認、無視をしたがる生き物です。まして多少のタイムラグが一般的な常用量離脱症状であれば、否認、無視以前に判断不能なケースもあるでしょう。また、薬物は減らすより増やすほうが楽ですし、何とか病や何とか障害としておくことで、相互の感情的な摩擦は軽減されることも知っています。

 

また、離脱症状だとした上でも、この手の薬物は相当シビアで、減薬や断薬から多少の時間が経過していれば、レセプタのレギュレーションも変化しているのか、直近の服薬量で再服薬しても、無効又は効果自覚が異なる確率も高く、その結果として異なる種類の薬物が追加され、より混沌としてくるでしょう。

 

そしてそれが悪循環と気が付く頃には、より一層の時間が経過してからになると思います。この手の問題の厄介な部分は、多くは善意の上で成り立った症状の増悪であるということです。そこに気が付けるか否かも大切かもしれません。様々な状況や事情で有利不利が発生していきますが、ひとつでも不利な条件が少なければ、離脱症状も短期且つ軽度で収束する事例も見ています。その為、不利の数を少しでも増やさないに越した事はありませんし、ひとつでも有利に近づける手段の大切さも見えてきます。


https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3938244962933407

 

>>威信を掛けて研究し

 

犬の神経根に電極で脱分極を発生させた論文を仕上げて博士号を貰うことが出来たものの、周辺には犬の泣き声が響き渡り、犬殺しのレッテルも併せて生まれた時代ですね。

 

神経症状は発症範囲や発症部位の多彩さ、表現の自由度の高さと、根部と末梢部では輪切りにした際の知覚と運動の比率の差異、またその個の根からの遊走具合いと攻撃角度等の問題、画像依存の問題(写真ではギタギタにL5が悪く見えていたとしても、実はキレイに見えているL4が発症要因だったとか)等が多く絡み合って混沌としているものの、その逆に神経症状は多彩で自由度が高く、どの角度からもダメージを受ける可能性があり、責任高位が1つと限らず見た目にも依存しないと考えれば良いだけで別に難しい話ではないと落ち着きました。

 

たまたま同年同日に挙げていた三叉神経の話題を一部切り取ると、https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/1477154912375770 >>特発性三叉神経痛ガイドライン的なものを見ると、「瞬間的な痛み」とか「長くても数分の持続的な痛み」

 

最近がどうかは知りませんが、腕神経や腰神経であれば「持続的な痛み」も当たり前で、三叉神経は「持続的な痛み」が当たり前でないとする、同じ知覚神経の受傷でもこれだけ幅広い理由は研究者が異なる為と仮定し、参考にしなくなり久しいですが、よくよく考えれば私が見ているものは「全てヒトが書いているものを見ているだけ」に辿り着き、それはヒト特有の威信という政治的な力が加わった窮屈な情報を見ているだけと気付きます。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3939102472847656

 

一時は酒税回避を目的とした程度のイソプロ入りエタノールでさえ、相場の約10倍となる500ml/5,000円で取り引きされていた時期もありました。ニトリルのグローブは、未だ相場の約3倍程度で推移している印象を持ちます。マスクは十分に値崩れして、今ではネットでも手軽に購入出来るようになりました。これから約1週間後の1年前、トイレットペーパーがないよ騒ぎが起きます。

 

絶対に陰性になるPCR検査キットや、37度以上は表示されないように細工された非接触型体温計や、記載性能を果たさないニセモノマスクや、N95共同購入したら代表者が騙されたのかサージカルが届くなど色々ありましたので、手元のマスクが最早どうかも分かりませんが、横のくちばし型の在庫も薄くなった為、この度は縦型を買いました。

 

横型の時はその見慣れぬ形の関係で遊ばれてましたが(参考例 「口ばしを掴まれる」「気持ち悪い」「怖い」「カモノハシみたい」「あげると言っても要らない」等と散々)、縦型であれば見慣れた形状なのか問題はなさそうです。厚みのあるマスクほど、縦にラインが入っていたほうが見た目にもスッキリする印象を持ちます。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3946888262069077

 

「神経に傷害を及ぼすボトルネック部位」

 

軟らかいものと軟らかいものが接触しても傷がつく可能性は低いと思います。そうなると、傷がつく時は軟らかいものと硬いものが接触した時となります。このような硬度差の存在による傷害は、一般的にイメージされる怪我や事故などの外的エネルギーでなくても、自身で発生するエネルギーでも起こると捉えています。軽重の度合いは摩擦量や摩擦時間、牽引力の力価の高低、熱膨張の大小やそれに伴う酸素濃度の高低等で左右されると推測します。

 

これが基礎となり生理的に代謝要求の高い部位や、可動域の高い部位、既往的な構造異常等が絡み合い、傷害を負い易い部位の確率が変動すると捉えられます。血管の走行する組織は例外なく炎症が起きる可能性はあり、神経も外部から栄養血管により栄養供給され、内部に血管が走行する以上は例外ではありません。その末梢神経にトラクションや摩擦を発生させるボトルネックが椎間孔の上部に存在すると考えており、この部位は下椎切痕と呼ばれ、イコールとして加療部位になると推測しています。

 

※関連 https://www.facebook.com/photo?fbid=3760814974009741&set=a.197683556989585

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3950338665057370

 

例えば、腰を回したらお尻が痛くなる現象を以て、お尻に原因があるとは思わないと思います。そのお尻を自分で揉んでもダメなものは他人が揉んでもダメですし、そこに注射針で薬液を放っても鍼灸針を刺し込んでもダメという何故を知る必要があります。​​​​​前項では椎間孔を構成する上側の下椎切痕がボトルネックとなり、一般的にはファンクショナルな動態変化でトラクションの変化等にて受傷していく理由を挙げました。

 

この観点に異所性発火説の否定を付加すると、四肢体幹の様々な部位で、筋細胞の硬度化や靭帯の肥厚等による脈管の圧迫で発症するとされる、既存の病態説明に大きな矛盾が存在する事に気が付けます。実際に多少の柔軟性が失われたり肥厚によって押されても、十分なスペースは存在しますし、硬度差の兼ね合いでそれが神経細胞を傷め続ける事も考え難いものです。

 

また、3層膜でカバーが施されている為、押された程度で何かが起きるとも思えないものですが、巷のチラシではそれがカジュアルに発生するかの如く、実質が剥き出しとなり痛みを発しているイラストが珍しくありません。では、椎間孔部がボトルネックだとしても、指標となるデルマトーム等も数種の解剖書を読めば皆異なりますし、杓子定規な神経走行の存在もなく、一定の割合いで奇形走行もあるでしょう。

 

そして原因部位はある程度一定でも、発症部位は多種多様です。それを後ろ向きに見るのではなく、それは神経走行を鑑みれば自然な成り行きだと、これらの存在を前向きに包括した内容で考察すれば良いだけです。

 

https://www.facebook.com/groups/445953252774442/permalink/749858812383883/

 

ファーストの窓口になり難い弊害は、何処かで誰かが名付けた傷病名を携え術者に告げた結果、その傷病名と既存病態概念とアプローチ部位に終始するネガティブかと思います。ここは発症部位や病状の成り立ちが傷病名となりがちの障害全般に対し、既存傷病名に左右/依存されずに強化していきたいところです。

 

鎮痛行為とは異なり、細胞レベルでの組織回復を目的とする場合、体内で流れる血液は有限で、何処かに持っていこうとすれば、何処かが必ず奪われる可能性も前提に捉える必要があります。その為、アプローチ部位は発症部位ではないのは勿論、散らすような手段でもなく、原因部位(又は誘導したい部位)に集中させる必要性と重要性を感じます。

 

そして、そもそも以て神経のタンパク合成や代謝は以下の通り、前角細胞や後根神経節=DRGで執り行われている可能性が示唆されています。

 

>>ニューロンのタンパク質合成や代謝の大部分は細胞体(運動神経では前角細胞,感覚神経では DRG ニューロン)で行われ,細胞維持に必要な物質は軸索輸送により末梢部へ運ばれているために,部位的に不利な神経末端から変性が起こる

 

当該部位は横突起や肋骨突起が原則的に邪魔をし、更に椎間孔の多少奥となる為にツールは限られますが、ここさえ押さえれば、予想以上に考え事が少なく済みます。

 

http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2217.pdf

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3972642792826957

 

標的レセプタが中枢神経の広範囲に存在する為、自己分泌能の低下やレセプタ変性を基礎病態に持つと、それを契機に多種多彩な症状が惹起される可能性があり、https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3888071201284117 や 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3892080747549829 と関連し、生理的な代謝要求の持続的な上昇が、服薬契機となる症状群の増悪や、新規症状の惹起契機になると推測される経過を辿る例が目立ちます。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3984723881618848

 

この手の症例を取り扱うこと、及び問題提起するにあたって、同様にGABAをエンハンスするお酒を自分が飲んでいたら流石に説得力がないと私は4~5年前に止めましたが、その割に治療上で頻繁に浴びる消毒液(エチルアルコール/イソプロピルアルコール)が身近に存在する事に今更気が付き、では、エチルアルコールは既知なものの、イソプロピルアルコールはGABAをエンハンスするかを調べたという話です。当時は4社に質問して2社からご回答を頂き、共に「機序のデータが存在しない」とのことではありましたが、『「データがない」=「そのような機序ではない」訳でもない』と判断して今に至ります。

 

何らかの物質でGABAの自己分泌能の低下やレセプタ変性を基礎病態に持つと、その時の服薬背景(断薬済みも含む)やタイミングによっては、GABAをエンハンスする別物質で過鎮静や奇異反応、アクティベーションシンドローム、キンドリング的な予期せぬ事態も想定される為、ベンゾジアゼピンバルビツール酸、プレガバリン、バクロフェン等を代表とする薬物に限らず、より身近なエチルアルコール(お酒)も含め、血液脳関門や血液脳脊髄液関門を通過すると想定される物質に対しては慎重に考えざるを得なくなります。

 

改めてとはなりますが、GABAの自己分泌能の低下とは、表現を変えれば「その時々、その瞬間瞬間での内因外因問わずの身体/精神/環境ストレスに抵抗出来ない状態」と捉えられます。「抑制性神経伝達物質が機能しない為、興奮性神経伝達物質を抑制出来ない状態」でも良いのかもしれません。簡単に書くと、自分で自分を攻撃し続ける、やられっぱなしになる、という状態ですね。この状態は仮に物質由来で自己分泌能が低下した状態に限らず、その個が対応出来る機能/能力を超える曝露量と曝露時間によっては類似した状態を呈する事にはなると思いますが、物質由来の場合はより驚異的な力になる印象を持ちます。

 

GABAレセプタは大脳や小脳、脊髄に高密度広範囲に存在する為、当該部位の神経細胞が受傷することによってどのような症状が出るか、及びそれに付随する内分泌や外分泌の異常を羅列するのは食傷気味の為に割愛しますが、ステロイド離脱やレボドパ離脱(ドパミン離脱)のように、病態とその解決に対する考察の背景が何故ここまで薄っぺらいのかという社会的な部分も気になるところです。少なくとも一定の段階を踏まなければ、止めれば(減らせば)治るものではなく、止めれば(減らせば)進行増悪する恐れを持つ病態の為、デリケートであるには変わらないものの、それも踏まえて常々どうしたものかと考えるところです。

 

https://www.facebook.com/groups/445953252774442/permalink/736856743684090/

 

意図的に当該患部に炎症を起こして血管の透過性が高まれば、その周囲には血管から漏れ出た血液のなかの様々な成分が周辺に散らされ、それを以て患部の細胞ベースの回復と、結果論としての症状の改善自覚へと段階を辿ると思います。その為、治療であれば極力患部に針尖針体含め寄せたほうが良いと考えています。

 

また、この現象は炎症性疾患の傷めたての時から開始するメカニズムでもある為、先日も用語として挙がった「前向きな痛み」「positive pain」の合成をNSAIDs等で防ぐと、炎症メディエーター内の疼痛物質(血管拡張物質)の合成減少によって疼痛自覚は減少しても、細胞ベースでの回復遅延、結果として症状改善自覚の遅延が招かれるリスクは知られています。

 

イメージ的には貼布薬より経口薬がより高い遅延を生むと思うとこではありますが、この話題は80~90代の高齢者と呼ばれる方々も時々知っておられ、その流れは当時のピリンショックの歴史まで振り返ることになります。

 

では、これを前提として話は飛びますが、最近は現場ベースでもよく耳にすることになったMUSE細胞

 

https://www.lsii.co.jp/muse_cells/

 

画面中段にある動画。恐らく分かり易さを優先させた動画かと思うのですが、この動画を見る限り、傷んだ細胞の部位の血管が、あたかも既に穴が空いて待ち受けているように見えるのですが、今件で知りたいこととしては「傷んだ細胞の周辺を走行する血管は、透過性が高い状態を維持し続けているのか」です。

 

いやいや、炎症性疾患且つ傷めたてなら未だしも、再生医療を必要とするような、俗にいう慢性症状となる罹患部位の血管透過が前以て待ち受けているように亢進しているのなら、そもそも慢性化もせず、症状固定もなく、いわゆる多くの後遺障害の存在もないと考えてしまうところです。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/3997872776970625

 

>>(針治療による)生理的派生の流れを無視(及び未伝達)して行った場合、治療を受けると具合が悪くなるとの評価しか得られず、治療は中断される

 

>>針治療後、何故かアルコールの多量摂取や過量服薬をしたい観念が続くと訴えがあった

 

治療後に発生する一定期間に渡るリバウンド現象の可能性の理解が得られるよう努めているつもりですが、リバウンドとは表現を変えれば「既存症状の悪化」と、時に「新規症状の出現」の為、簡単に書くと「治療後に(一旦)悪化する(可能性がある)よ」であり、特に具合いの悪いヒトにとっては「悪化するよ」の「理解が得られない」よりも「理解したくない」に近い感情になるのかもしれません。

 

この手の話は蚊に刺されたら「かゆく」なるのと似たようなもので、針刺し行為で当たり前に発生する生理的な現象を話しているつもりなのですが、「理解したくない」ヒトを覆す努力は徒労に終わる印象も年越しで経験している為、「理解できる」ヒトのみが対象になるのかと思います。

 

リバウンドによる既存症状の増悪や新規症状の惹起とは、針刺し行為で臓器や神経を損傷させ、数週間又は数か月に渡って全く異なる状態を発生させた現象を指すのではなく(これは医療過誤や医療事故と言います)、または全く見当違いの部位にアプローチして、その部位に疼痛を発生させる行為でもなく、針刺し行為で惹起が想定される炎症期となる2~3日、又は1週間内程度で既存症状をメインに増悪と寛解の波が表現されるものを指します。

 

これを大前提とし、針刺し後の既存症状の増悪や新規症状の惹起に関しての視点を変えると、元来の症状の惹起理由が如何なる契機と経緯で継続しているかも見えてきます。刺傷部位には一定の炎症が発生している事を逆説的に読み解けるケースを散見します。リバウンド発生後、例えばNSAIDs等を静注や経口で身体に入れるとある程度の落ち着きが見られます。これは針刺し行為の相殺、及び針刺し問わず症状継続の理由となる細胞ベースでの治癒遅延を招く可能性もありますが、針刺し行為で想定される現象は発生している根拠になり得ます。

 

では、何故既存症状や新規症状が針刺し行為で増悪するのか(前向きな表現をすれば、増悪してくれるのか)、そしてNSAIDs等による相殺行為はさて置き、何故当該患部に意図的に針刺し行為を続けることで、症状の前向きな変化自覚を得られるのかの段階を踏まえれば、様々な分泌物の合成や生成、凝集、遊走等で当該部位の代謝促進が得られた結果と取れると同時に、罹患理由はさて置き、症状自覚後の細胞がどのような状態で着地している為、症状を継続させているかも見えてきます。

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f:id:fujiwarakota:20200710112556p:plain イメージ 1 ~針治療から病態定義の見直しを~

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