藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

持続的高濃度コルチゾルが示唆される誘発症状群と治療反応性と臨床的応用

如何に優秀な物質も乱用の歴史が在る場合、レッテルを貼られるのはステロイド薬に限らず同様かもしれないが、ステロイド乱用の歴史が存在しなければNSAIDsも乱用されず、向精神薬の乱用も起きていないと思う。ステロイドを悪とすると、生理的に分泌されるホルモンを否定する事にもなり、体内環境での生存競争も焼け野原になるのを待つだけとなる。常に健全な状態で待機し、稼働しなければならない視床下部や下垂体、副腎皮質だが、様々なストレス(身体~精神~環境ストレス全て含む)に対応する機関でもある為、ストレスを回避する自助努力が機関を安定的に稼働させ続ける必須課題となる。

1つの歯車が狂えば全て狂う。トラブルが生じて動き出した場合、暴露時間と強さに比例し、非日常的に活動すればするほど、その弊害は(又は危険信号として)症状の内容も多岐に渡るだろう。それは、例えば外部からステロイドを接種した際に起きるネガティブな反応を見れば、自然のストレスで分泌増に至ったコルチゾルが、体内のどの範囲まで歯車を狂わせるかの参考にもなる。CRFやACTH、コルチゾルのみの問題ではない諸症状が、過剰なコルチゾルにより引き起こされる可能性は高い。感染や腫瘍、自己免疫疾患、代謝性障害、外傷性、非外傷性と、コルチゾルが多く分泌される事になる由来は多岐に渡るが、現行の症状の原因及び継続理由を最小限で表現すると、炎症と低酸素の何れかで天秤に掛けられるのかもしれない。

故に感染や腫瘍、自己免疫疾患、代謝性障害、外傷性、非外傷性もステロイドを投与される。それを批判的視点で見ている訳ではなく、外部からステロイドを投与し、消火を助けなければ細胞壊死の拡大を後押しするからである。さて、此処からが問題だが、何処からが炎症で何処からが炎症でないかとなり、それは、その時に生じたトラブルの度合いや、内分泌の分泌具合により異なると思われる。また、杓子定規な投与量で効かなかったからとして、それは炎症ではない、とも考えられない。その投与量では抑えられない程の炎症だったのかもしれない。また、炎症は既に生じていないとの判断も出来る。その為、あらゆる手段は見方を変えれば大変原始的で、やってみなければ分からない部分は多く存在する。

微細な炎症の場合はどうか。易損傷性の高い椎間孔部のDRG及び周囲を損傷し、末梢神経が顔を出す部位で炎症が生じた場合、日常生活も困難になる程の症状を出す事もある。しかし、数ミリ単位で生じた炎症は検査結果に反映されない。それは、中枢神経でも起こりうると推測され、炎症は極めて微細でも、仮に脳神経1本が罹患しただけでも忽ち日常生活を脅かす。しかし、どの人間が何処に罹患し、どのような症状を出し、その症状に対し、どのような表現方法をするかも異なる。そして検査も陰性となれば原因は不明とされる可能性も高い。

誘発起因は何であれ、細胞の炎症があり、継続理由が細胞の低酸素だとすると、治療手段も2つに絞られる。火を消すか火を焼べるかである。では、以下の例を見てみる。炎症による神経細胞の虚血で生じたニューロパチーか、それとも全身性の炎症の火消しの犠牲として神経虚血が生じたニューロパチーなのか。時系列的にはステロイドが投与されて暫く経過した上で発症した腓骨神経麻痺の為、因果関係は不明だが、血管炎で神経虚血が生じる大半は両側性であるものの、片側の腓骨神経麻痺も併発した珍しい例となる。

「ANCA関連血管炎に伴う末梢神経麻痺」

ANCA関連血管炎の基本概念は膠原病であり、血管炎症が主となる。発熱、体重減少、関節痛、筋肉痛、倦怠感、高血圧、難聴等々で、当該疾患の一番の問題は、罹患血管に支配される内臓を傷め、生命に危険を及ぼす事である。一般的にはステロイド免疫抑制剤の類を投与し乗り切る。この度は上記様症状を発症後、腓骨神経麻痺をメインとする体性神経症状を併発。腓骨神経麻痺は、外部から下腿外側を走行する腓骨神経の圧迫(主に腓骨頭部が好発)により始まり、足関節の背屈不能、受傷部位より遠位が皮膚知覚異常を起こすのが一般的な病態となる。

エネルギーの加わり方は受傷理由により損傷度合いも各々異なり、表現内容も異なるが、運動神経異常及び知覚神経異常は腓骨神経の走行エリアに依存する。神経麻痺を生じた由来は何であれ、病態が腓骨神経の麻痺であれば、当該病態に応じた治療をすれば改善する可能性はあるものの、何故、血管炎の類で生じるかを考える必要性が生まれ、神経細胞内を走行する持続的な血管炎症による虚血なのか、又は当該神経の栄養血管の破綻によるものかetc…。一般概念の腓骨神経麻痺から外れた症状も併発していた為、今後のあらゆる神経症状と対峙するにあたっての参考に。

sex f age 60 左腓骨頭より下腿外側~足甲~足底に掛けての知覚神経異常及び運動神経異常。左足関節背屈不能(※当該神経支配である脛骨筋の収縮は認めらず)。左下腿外側全般に強いチネル症候。左足底浮腫。両足底部の常時痺れ。両足趾痛覚過敏。主訴は左腓骨頭部を起因とした腓骨神経麻痺症状ではあるものの、両足底部の痺れも有していた事より、下位腰椎の脊髄後角の知覚神経部の損傷も示唆され、整形領域的視点で見ればダブルクラッシュシンドロームだが、起因が血管炎である為、整形疾患の受傷起因とは異なる特異性も見られた。

治療反応性は有し、当該高位の腰椎椎間孔近傍及び当該高位の交感神経節、及び左下腿外側の超音波照射より、4か月程の期間で当該主訴である下垂足は改善したものの、先述通り、血管炎で末梢神経麻痺が生じる理由を考えなければならなくなる。簡易的に考察すれば、当該神経の栄養血管が常時炎症を起こし続けた為、神経細胞の虚血、細胞萎縮により発症したと考えるのが自然。

只、今件の稀な病態から発症した場合のみならず、そして腓骨神経に限らず、様々な部位で発症する可能性もあり、炎症を主とする病態全てに関しても、直接~間接問わず、神経細胞の虚血から神経麻痺(仮に麻痺までいかずとも神経損傷全般)が起こる可能性は十分に考えられる。この度は全身炎症を起因とした病態の為、生命危機を脱する為、ステロイドの長期投与も背景にあった。もう一度、反応性から逆考察すると、血管透過低下、炎症性サイトカイン抑制作用を持つステロイドは、針治療とは逆を向いている。抗アポトーシス作用や血管新生作用を持つ針治療は、血管透過亢進、血管拡張により罹患部位の栄養を求め、回復を促す。

受傷理由によっては、且つ急性期に於いては、炎症部位の広範化を防止する為に抗炎症作用は重要であると考えているが、現実の用いられ方は如何だろうか。これは病態解釈の根本的な差異によるものと推測するが、炎症も起きていないのに抗炎症作用を求めた弊害も浮き彫りとなる。命と神経麻痺を天秤に掛けた場合、命が大切な為に仕方ない側面はあるが、もう少々カジュアルな症状でも、否、カジュアルな症状ほど、病態無視のタイミングが大幅に外れた抗炎症作用を持つ投与が漫然と行われている現状に改めて疑問を持つ症例となった。

「HPVV接種で中枢神経症状惹起後、治療過程中に突発性難聴を生じ、ステロイドパルス及び鼓室内ステロイド注入により、接種初期の中枢神経症状を再燃」

ステロイドホルモンは様々な環境に適応する為に必要な物質である。有事の際は生理的な分泌では間に合わず、必要以上の体調不良を訴える場合もある。大火事で消火活動もオーバーワークになれば、指令を出す視床下部や下垂体そのものに弊害が生まれる。ステロイドは炎症性サイトカイン産生の抑制、血管透過低下等々を見込み、血管収縮を促す。そして、炎症性サイトカイン産生、血管透過亢進等々が見込まれた環境と対峙する事となり、針治療の作用は後者に準じる。

当該事例も初発は強い炎症に伴う中枢神経機能の損傷、及びHPA経路の症状と示唆される。下記文中の通り、興味深い点は、途中、突発的に難聴(スケールアウト)が生じ、ステロイドパルス及び鼓室内へのステロイド注入後、初期症状が再発した点である。幸いにも数度の治療で難聴及び再発症状も回復した模様だが、外部からのステロイドで再燃する不安定性、脆弱性も伺えた1例。

また、内耳神経に炎症が生じて発症すると推測されている既存の突発性難聴の病態定義も改めて考える必要性があり、火が起きなければ組織損傷は起き難いと考えらるが、健全に働く内分泌が基礎としてあり、自然発症を基礎とした耐痛閾値を超える炎症が日常生活内で発症した場合、何処まで持続的な炎症が可能だろうか。燃える物を投下し続ければ別かもしれないが、大概2~3日以内で自然鎮圧すると考えている。

現状のあらゆる炎症起因による症状継続の病態定義と随伴する治療手段に対しても疑問を持たなければ、反対の作用を持つ治療手段で難聴が回復するプロセスに整合性が付かなくなる。内耳神経に限らず、他の脳神経系由来の症状継続理由も改めて考える必要性もあるのではないだろうか。

※掲載及び内容に関しては、事前許可を得た上で掲載しています。

Sex f age14 全身の痛み 体全体がガクガクする 右上肢・右下腿のチクチク感 左鎖骨部痛 殴られるような頭痛 左腰部痛 視力低下 皮膚感覚鈍麻(右半身のみ) 就寝中の不随意運動 脱毛 便秘 お腹の張り お腹がビクビクする 足の冷感 右膝が崩れ落ちる感覚 右手で箸が持てない 服薬歴 リズミック メインテート ロキソニン(とん服) ※抗てんかん薬(薬剤名不明)も当初は処方されていたようだが、飲むと具合が悪くなると言う事で1ヶ月程度の服薬で終了している

2012/6 1回目の接種後、38.9~40℃の高熱が続き、8~9月に検査入院となる。血液検査やMRI等にて異常なし。検査機関で「心因性」と判定。2012/9 2回目の接種。38~39℃の高熱は継続。この頃より身体が動き難くなる。2013/13回目の接種後、同年3月より痛みが全身に走り動けなくなる。その後、冒頭の諸症状が惹起される。全身の痛み 体全体がガクガクする 右上肢・右下腿のチクチク感 左鎖骨部痛 殴られるような頭痛 左腰部痛 視力低下 皮膚感覚の鈍麻(右半身のみ) 就寝中の不随意運動 脱毛 便秘 お腹の張り お腹がビクビクする 足の冷感 右膝が崩れ落ちる感覚 利き手の右手で箸が持てなくなる。

2013/3 これらの症状により登校が出来なくなる。歩行が不可能となり同年11~12月まで車椅子使用。杖を外して外して歩こうと思えば歩けるが、右足が出し辛く、転倒を繰り返す為に杖を使用している。杖を外すと歩行状態は著しく悪い。

初診時のヒアリング 右上肢・右下腿の疼痛憎悪感や不随意運動が頻発するタイミングは、疲労時に強く起きるとの事。現在(2014/2)、毎日のように登校は出来ないが、所属している部活動(運動部)に見学で顔を出す時は階段昇降が多くなり、当該患者にとっては運動量が多くなる日に諸症状が強くなる。右半身の感覚は全体的に「遠い」と表現される事から、痛覚に異常が起きているか。温冷覚は正常。皮膚は全体的に硬く厚い。HPVV接種後に視力低下が著しく、当院の受診迄の期間に眼鏡を2回変えている。

2014/2 初診 針治療中、右上肢・右下腿の疼痛は消失。その他の症状は治療直後変化なし。歩行状態に関しては、針治療の痛みが残存する事から後日観察となる。左腰部痛は比較的外側の限局した疼痛の為、腎結石も疑う。発熱は持続している(朝低く、夜高い)。※左腰部痛に関しては、現段階では加療せず右半身のみの治療

2014/2 2診 初診後の経過を伺うところ、治療後から3~4日間は上肢・下腿の疼痛は皆無に感じられた模様。3~4日目以降に再燃傾向となるが、以前のに比べれば発症頻度は減少傾向。皮膚感覚の鈍麻に関しては、右下腿は若干改善されているものの、他部位は改善自覚なし。頭痛、左鎖骨部の痛みなし。以前出来なかった片足立ちが出来るようになる。歩行は徐々に安定し、やや早歩きも可能となる。膝崩れの不安が無くなる。2診目の治療直後の歩行状態に関しては、初診時と同様、針治療の痛みが残存する事から後日観察となる。※左腰部痛に関しては、現段階では加療せず右半身のみの治療

2014/2 3診 2診目以降、上肢・下腿の疼痛はなし。2~3診迄の期間、杖を外して歩行を試みるも平地で4回転倒する。2~3診迄の期間、左鎖骨部の痛みが1回出る。頭痛は時折出るが弱い。不随意運動は現在見られない(注 当該患者の不随意運動に関しては、就寝中のみに起きていた為、あくまでご家族の方がご覧になった限り)。皮膚の感覚鈍麻は改善。左腰部の限局した痛みはいつの間にか消えていた(当院ではこの時、左腰部の痛みには加療せず右半身しか治療していない)。

2014/3 4診 3診目以降、小走り以上の事は出来ないが、日増しに歩行に対しての自信が付く。この頃には杖を外して日常生活を送る事が出来るようになり、~3診目迄は杖歩行での来院が、4診目には杖を外して来院出来るようになる。3診目から4診目迄の期間に平地で2回転倒。一時的に右手首にズキンズキンとする痛みが走るが、この手首の痛みが転倒に伴うものかは不明。便秘、お腹の張り、足の冷えは改善傾向。頭痛は時折出る。視力低下は依然変わらず。             

2014/6 5診 4~5診目迄の期間、就寝中に右上肢と右下肢がピンと硬直したようになる。昼夜問わず、右上肢と右下肢(以前の下腿ではなく)の疼痛が出る。全体的に少々状態としては悪いように見受けられる。 2014/6 6診 発熱が改善されている。投与されている薬(リズミック)を飲むことで左胸が痛くなる事に気付く。 2014/7 7診 部活動(運動部)を再開。部活動では問題なく動けている模様。右上肢・右下腿の痛みはなし。両下腿裏に筋肉痛様症状があるが、恐らく、部活動を再開した事によるものと思われる。確かこの日の針治療は、部活動の終了後だったと記憶している。視力低下は依然変わらず。

2014/12 8診 7診目の治療から約2週間経過した同年7月中旬に原因不明で片耳が全く聴こえなくなる。高度な突発性難聴と診断を受ける。難聴治療として、ステロイドパルス×5、高圧酸素治療、鼓室内へのステロイド注入×3を行うも、これらの治療で難聴は改善せず。又、この頃よりHPVV接種後と同様の疼痛や不随意運動等が再燃する。この時から併行して難聴改善を目的とする治療を行う。針治療直後の難聴の改善自覚なし。

2014/12 9診 右上肢及び右下腿に全般的な痺れが出ている。針治療直後の難聴の改善自覚なし。 2015/1 10診前回の針治療後より、ザワザワと音が聞こえ始める(正確には雑音が鳴り始める感覚となる)。※難聴の回復過程に関しては、過去症例の回復過程と照合し、回復時に雑音が鳴り始める事は事前に伝えていた 2015/2 11診 前回の針治療後より、難聴は6~7割程度の回復。左側の頭痛。右腰部痛。2015/7 12診 同年、高校へ進学。難聴は前回の針治療後、10割の改善となるも、同年5月より、今度は反対側の耳が3~4割程度聴こえなくなる。頭痛あり。上肢及び下腿の疼痛や不随意運動はなし。右下腿の皮膚感覚が若干「遠い」模様。視力低下は変わらず。 

※掲載のご承諾と内容のご確認を頂く為にご連絡を差し上げたところ(2016/11/10)、聴力は両耳とも回復しているとの事。視力低下は変わらず

向精神薬由来症例及びHPVV由来症例に共通する吹出物から、各々の基礎的身環境を読み解く」

ベンゾを中心とした向精神薬症例、HPVV症例、又はHPVV+向精神薬の混合症例、又は薬剤が絡まずとも高ストレスに暴露した結果生じた自律神経症例(病名、障害名、症候名問わず)の共通因子の多くに「吹出物」がある。由来は異なれど見た目は殆ど同じに見える。全身症状と比較的連動し、表出し消滅しを短期に繰り返す状況は単なる薬疹やニキビでもなく、発症部位は顔面や頸部に集中する。

あまりの共通性に、これは各々の薬物やワクチンの問題ではなく、受容体減少や自己分泌能低下に伴う大脳や小脳、脊髄等に於ける脱抑制状態、又はダメージを示唆したループの後の間脳の問題、脊髄視床路や皮質脊髄路の問題、又は当初の強い炎症等の火消し時に過活動した弊害、又は身体ストレス、精神ストレス、環境ストレスによる弊害など、色々と視床下部や下垂体に負荷を掛ける理由は考えられるが、共通する「吹出物」は「ステロイド挫創」ではないかと思う。

上記の幾つかの由来症例も、基礎的な患者の身体状態をシンプルに考えれば、コルチゾルの分泌濃度が極めて高い状態で維持されている(維持されていた)状態であり、表現を変えれば持続的に交感神経が亢進し続けていれば発生する症状群である。それは常に視床下部や下垂体が過活動し続け、体内の火消しに努めた結果、体内に高容量に累積されたステロイドホルモンが原因ではないかと思う時もある。

生理的にコルチゾル濃度が高い位置で持続した場合の良い例が見当たらなかった為、プレドニンで例を挙げ、一覧を見てみる(※。勿論発生症状や発生頻度は各々異なるかもしれないし、由来は異なれど基礎的身体状態が同一であれば、その基礎的状態を改善しなければ、幾ら末端の症状に対応しようとも枝を切るばかりとなる。

仮に上記推測が正しいとした場合、もう1つの推論が成り立つ。それは下記の症状群を見れば分かるが、向精神薬の離脱であれHPVVの副反応であれ、HPA軸やBDNF説で大概は説明出来ると同時に、離脱も副反応の症状群も、大半は生理的機構で生じたものであり、体内に入れた物質が直接的ではなく間接的に引き起こしたものと捉える事もでき、ホメオスタシスが効かない状況である為に長期化している症状群と捉えられる。

しかし、向精神薬由来症例もHPVV症例も、陳旧時のステロイド投与(補充療法含む)は意味を成さないばかりか害悪な経過を示す例が大半であり(吹出物へステロイド軟膏を塗る程度の場合はどうなるか迄は知らないが)、tnf-α阻害薬等の他の抗炎症薬等も意味を成す事はない事例も考えると、答えが見えてくるのではないかと思う。

「「慢性腰部神経根症に対する仙骨硬膜外ブロック、他施設盲検化無作為化比較試験による比較」に対しての疑念」

成績と内容を批判的に見るのではなく、折角まとめてくれた材料を読み解く事は新たな発見に繋がる。以下論文は脂溶性ステロイドの存在意義と現症に於ける受療タイミングがミスマッチである事を無視した、それは即ちDrug Delivery Systemの有用性を無視した内容。又、随伴的合併の刺傷で発生するcgrpやprostaglandin、bradykinin、histamine、serotonin等の血管拡張物質の存在も併行し無視され、当方も当時、局所的体性神経損傷に伴う症状発症の既存の病態理屈に嫌疑している。

性神経は神経根部で運動神経及び知覚神経が1つの束となり走行し、その内部は構造的に遠位になる程、運動神経が周径的に太くなり、遠位での非外傷性の体性神経損傷は、運動神経障害が優位になる印象を受け、知覚神経障害が発症している場合は、運動神経障害も高率で併発している事も意味する。

元来、治療効果…改善自覚の獲得には、原因部位への栄養が大前提となり、作用時間の持続性と確保の度合いが必須課題となるが、当該内容は急性期と慢性期の疼痛発症自覚の機序がそもそも異なる可能性も高く、機序が異なると、その治療は症状とマッチングせず、効果自覚に乏しい、又は無いとなり >>亜急性期や、長期の効果は不明 の結果に繋がる。

日常生活で発生するカジュアルな整形領域症状は内分泌のシステムが健全であれば、炎症部位の拡大を阻止する為には臥床に徹するのが1番だが、受療者は大半が慢性期と称される群に属され、其処には局所的な低酸素であり、軟部組織の柔軟性欠如に伴う持続的体性神経の牽引に発痛、細胞萎縮に伴う痺れ、それらの信号すら送れなくなった場合の麻痺への発展に繋がると推測される。しかし、其処には微細な炎症は存在すると推測されるものの、持続的発痛起因のメインとはならない事も意味する。

硬膜外のステロイドや、生食は、急性期の腰椎神経根症に、短期間効果があるかも知れないと言われている。しかし、亜急性期や、長期の効果は不明である。今回のRCTの結果、仙骨硬膜外の生食注射とステロイド注射は、慢性的な腰部神経根症に効果がなく、12週以上疼痛が持続する患者には勧められない。目的:生涯の腰部神経根症の有病率は男性5.3%、女性3.7%。椎間板突出が原因のいわゆるヘルニア場合、23-48%は自然と軽快するが、30%は、1年以上症状が残存し、20%が仕事ができなくなり、5-15%に手術を要する。

★(後述)機械的刺激により神経根局所の炎症性サイトカインが上昇し、異所性の神経発火が生じる。1953年以降、硬膜外にステロイド注射が行われるようになり、ステロイドがこのような炎症を抑えると考えられてきた。しかし、その効果は、相反する報告がなされてきた。短期間の効果を認める報告もあれば、プラセボと変わらないとする報告もある。最近の報告は、硬膜外のステロイドもしくは生食は有効とする物が多い。

硬膜外注射の一年後フォローでは、36-43%程度有効とされるが、自然経過と大差がない。それでも、たくさんの仙骨硬膜外ブロックが世界的に行われている。今回は慢性腰椎神経根症に対する仙骨硬膜外ブロックによる、ステロイドもしくは生食注射の効果を6週、12週、52週で評価する。デザイン:マルチセンター、盲検化、ランダム化比較試験。北ノルウェイ地区(114万人)の様々な専門分野(一般開業医、脳神経外科、整形外科、カイロプラクティック理学療法士、)の外来患者を5箇所のノルウェーの病院に集め、行った。

慢性腰部痛の定義: [神経根の範囲に一致した感覚、反射、運動障害を伴う、腰下肢痛。12週以上持続。偏側の症状のある患者を募集。対象:2005年から2009年の間の、12週以上の461名が参加を検討し、神経内科医が診察を行い、その内328名が除外された。除外基準は、馬尾症候群、麻痺、重度の痛み、脊椎の注射、手術の既往、変形、妊娠、授乳、ワーファリン治療、NSAID治療中、BDM>30、コントロール不良の精神疾患、重度の合併症。MRIで巨大なヘルニア、脊柱管の狭窄、腫瘍等も除外された。さらに、Studyが始まるまでに症状が改善したヒトも除外され、結局は109名を検討した。 

インターベンション:コンピューターによるランダム化を行い、プラセボとして、生食2ml皮下注。30mlの生食仙骨硬膜外注射もしくは、40mgトリアムシノロン・アセトニド(ケナコルト懸濁液と同成分だが、懸濁液は、国内硬膜外適応なし。)。2週空けて、2回注射。麻酔科医が、手技を行った。患者、評価者にはブラインド化して行った。理学療法士、医師が6週、12週、52週に評価した。メインアウトカム評価:プライマリアウトカム:ODI、セカンダリアウトカム:EQ5D(QOL)、 VAS、腰痛、下肢痛解析方法:ITT解析。二乗検定の他、線形混合モデルを用いて、時間的要素を補正。背部痛、下肢痛の期間、スタディ参加前の休業期間を補正して評価。

スタッティクパワーを80%としたパワーアナライシスで、各グループ41名以上の参加者が必要だった。結果:Fig1。最終的に116名が参加した。初回注射までに改善した5名は注射を受けなかった。初回の注射の痛みのため、2回目の注射を希望しなかったものが6名いた。患者背景をTable3に示す。L4/5、L5/Sの椎間板ヘルニアを認める症例が多かった。アキレス腱反射のみ、生食硬膜外注射グループに多かったが、その他は差が無かった。

全例侵襲後に改善を認めたが、ODI, VAS, EQ5Dは群間に差が無かった。病院間の差も無かった。分析は、下肢痛腰痛の罹病期間、病気の休業期間で補正しても、同様に差がなかった。FABスコアは、52週時点で有意に改善していたが、群間に差が無かった。15名が、期間中に手術を受けたが、群間に差が無かった。ITTなので、手術患者も含めて評価した。最終時、27名に神経根症状が残存していた。考察: 仙骨硬膜外ブロックには充分なエビデンスがなく、どのくらいの用量が良いかもわかっていない。

これまで5つのRCTがあり、一つを除き、効果が無いとするものであり、そのひとつも、ODIに充分な改善(8点のみ)があったとは言えなかった。たくさんの量の注射をすれば、炎症物質を洗い流せると考えられてきたが、今回の研究では、皮下注と硬膜外に差が無かった。おそらくは、自然経過と変わらないのであろう。リミテーション:椎間孔注射(神経根ブロック)を検討していない。結語:仙骨硬膜外の生食注射とステロイド注射は、慢性的な腰部神経根症には勧められない。

イントロダクション 慢性腰部痛の定義: [神経根の範囲に一致した感覚、反射、運動障害を伴う、腰下肢痛。12週以上持続。] Oswestry Disability Index:世界で最も広く使用されてきた患者立脚型の腰痛疾患に対する疾患特異的評価法のひとつ。FABQ:fear avoidance beliefs questionnaire:恐怖回避信念の質問用紙。ISPA。心理的因子、とくに痛みに関する非機能的信念や痛みへの恐れが、慢性の運動器痛(筋・骨格系の痛み)の進展に鍵となる役割を果たしている。

神経根ブロックはどうか? 神経ブロックは最も一般的な侵襲的診断方法である。理論は単純であり、ある解剖学的な構造が痛みの発生源である場合、その部位を支配している感覚神経を麻酔する事で少なくとも一時的な除痛を得させる事が出来るというものである。頚椎と腰椎の椎間関節を支配する感覚神経のブロックについてその理論と構造学的な妥当性が証明されてきた。選択的な神経根ブロックは、神経根由来の痛みの確認において感度が良く、特異性が高いとのエデンスがある椎間孔への選択的神経根ブロックは相反する結果であるが、様々な報告によると、腰椎神経根性疼痛に対しては短期間の効果はあるようだ。ステロイドについては、局所投与でも、全身的投与でも肩関節の痛みに同等の効果をもたらしているため、現在広く使用されている運動器痛に対する局所的なステロイド注射が有効であるかは懐疑的である。

Effect of caudal epidural steroid or saline injection inchronic lumbar radiculopathy: multicentre, blinded,randomised controlled trial
BMJ 2011;343:d5278 doi: 10.1136/bmj.d5278 IF:13.4
Iversen T, Solberg TK, Romner B, Wilsgaard T, Twisk J, Anke A, Nygaard O, Hasvold T, Ingebrigtsen T.Source Department of Rehabilitation, University Hospital of North Norway, 9038 Tromsø, Norway

2010 International Association for the Study of PainISAP
Dooley JF, McBroom RJ, Taguchi T, Macnab I. Nerve root infiltration in the diagnosis of radicular pain. Spine 1988;13:79–83.Lord SM, Barnsley L, Bogduk N. The utility of comparative local anesthetic blocks versus placebo-controlled blocks for the diagnosis of cervical zygapophysial joint pain. Clin J Pain 1995;11:208–13.


★>>機械的刺激により神経根局所の炎症性サイトカインが上昇し、異所性の神経発火が生じる。1953年以降、硬膜外にステロイド注射が行われるようになり、ステロイドがこのような炎症を抑えると考えられてきた。
 
★の部分について 神経根局所(椎間孔部)のインピンジメントも高度になれば局所炎症が生じ炎症メデュエーターも発動するかもしれないが、仮にも局所炎症が生じ、且つ炎症部位に神経根が存在したとして、罹患部位が「異所性発火」と言う状態を呈していくと言う概念自体を疑う必要がある。神経支配領域(作成者によってバラツキがあるのでココの議論は割愛、且つ臨床に於ける症状自覚領域に関しても割愛)に即した症状が生じたとしても、それは神経根由来ではなく、同脊椎高位に存在する神経根より更に中枢部の感覚神経に存在するDRG由来であると推測される。この部位に関しては僅かな温度や気圧、PH変異、張力、牽引力等を過敏に察知する侵害受容器が存在し、支配領域に即した症状を呈する事になると推測される。

今論文に関しては、あくまで「急性期であれば奏功する場合もあれば、慢性期であれば奏功しない」を主とした内容であり、急性期の炎症憎悪期等であれば、仮にも腰椎硬膜外ブロックや仙骨硬膜外ブロックのような比較的広範に薬剤の浸潤が可能である手段の場合、選択的な神経根ブロックとは異なり、脊椎高位が仮にも僅かに異なれど、有効治療となる事が考えられる。「異所性発火」且つ「炎症が常に持続的に神経根部で生じ続けている」、と言う概念で話を展開していけば、慢性期には抗炎症作用を持つステロイドが効果が無いのは「不思議だね」となるのだが、慢性期に関してのそもそもの疼痛機序が「炎症」でなければ、この話は最もな話になる。

回りくどくなるが、「異所性発火」、「慢性期でも患部では炎症が持続している」と言う既存の概念の場合、慢性期に於ける各種硬膜外ブロックは無効治療となるのは「不思議だね」「効かないね」となるのだが、「慢性期の疼痛機序は炎症ではない」と言う概念で見た場合、それは当たり前の事になる。今回は「ステロイド」であり、「キシロカイン」や「リドカイン」等の麻酔薬ではない。

【故・横田敏勝教授(滋賀医科大学)は、『痛みのメカニズム』で次のように解説している。「痛覚受容器を介さずに神経線維からインパルスが発生することを異所性興奮という。異所性興奮が生じる可能性が高いのは、脱髄部および傷害された末梢神経の側芽と神経腫である(p211)」。】が異所性発火の根源的概念になるのかもしれないが、日常生活を営む程度の力で末梢神経が脱髄や傷害を受け、それが「痛み」や「痺れ」に展開するのかと言う事に関しても疑問を持たねばならず、この観点を容認したまま凡ゆる傷病に対し、この理論を肯定してしまうと、早い話が日内変動、姿勢に伴う寛解憎悪の整合性が無くなる他、全ての症状が、先のステロイド等の抗炎症剤で全ての症状が改善しなければならない事になる。

侵害受容器が存在しない箇所が損傷し異所に症状を発生させる為、「異所性発火」と呼ぶ。侵害受容器の存在する場所を損傷して症状が発生するのは「異所」とは言わない。故に、神経根部で生じた症状は「異所性発火」と名付けられている。今件は脊椎変性疾患の慢性期に於ける抗炎症作用を持つ薬物の無効性が記述された論文ではあるが、世には〇〇炎と呼ばれるものは多い。腱鞘「炎」、肩関節周囲「炎」、鶩足「炎」等々である。

さて、これらも既存の概念では炎症を軸に考察された症状説明ではあるが、仮にもこれらも炎症を起因とした症状であれば、極端な話、抗炎症剤で「治る」だろう。しかし、その多くは治ってはいない。仮にも、痛いなりにキャパの低下した状態で無理に動けば微細な炎症は局所に生じ、局所に生じた炎症に対しては有効かもしれないが、本態とは異なる。今更「そもそも炎症とは…」と野暮な話はしないが、何年も何十年も同一箇所にシップを貼って治っていない状況を見ていれば、それも十分なエビデンスになる。

これらの症状群に対して神経因性ではなく血管因性説を唱える人間もいるが、血管因性であるならば、絞扼~圧迫箇所「から」遠位部全般に対して症状が出なければならない。これを仮にも基礎医学者的には、神経根に対して麻酔でブロックを行えば、末梢遠位部の様々な症状とて消えるだろうと言う意見を提示している。確かに、その意見は最もな事だと思うが、仮にも針(薬剤を入れない注射針、ドライニードリング)で同様な処置をした場合でも症状が改善している事に対して、まして、神経根に直接刺入せず、近傍への刺入による神経への栄養を望むだけでも症状が改善している事実に対し、どのように反論してくるだろうか。

末梢神経は運動神経と感覚神経が1本の神経群として走行しているが、何故、手根管症候群胸郭出口症候群や斜角筋症候群、梨状筋症候群等々は圧迫及び絞扼等を由来として「痛み」や「痺れ」と表示され、橈骨神経麻痺や正中神経麻痺等々は、その名の遠り運動及び知覚を脱失した「麻痺」となるのだろうか。

これは、手根管症候群胸郭出口症候群、斜角筋症候群等々の定義自体を見直す必要性もある事を示唆する。何故なら、これらの症候群は先に書いた「異所性発火説」と根源的な理屈、解釈は同様であり、「異所性発火説」が否定された場合、これらの症候群も全て病態定義が誤りであり、且つ、各症状(症候群)に於ける神経学的検査も誤りである事を認めざるを得なくなる。

(※以下一覧
ざ瘡がある、多毛になる、脱毛する、色素沈着がある、皮下溢血になる、紫斑がある、線条がある、そう痒がある、発汗が異常になる、顔面に紅斑ができる、脂肪織炎がでる、発疹がでる、多幸症がある、不眠になる、頭痛がする、めまいがする、下痢する、悪心がある、嘔吐する、胃が痛む、胸やけがする、腹部に膨満感がある、口が渇く、食欲がない、食欲がある、腸管嚢胞様気腫症がある、網膜に障害がでる、眼球が突出する等、月経に異常がある、クッシング症候群の様な症状がある、満月様顔貌(ムーンフェイス)になる、野牛肩になる、窒素負平衡になる、脂肪肝がある、筋肉痛がある、関節痛がある、浮腫がある、血圧が上昇する、低カリウム性アルカローシスがある、白血球が増多する、発熱する、疲労感がある、ステロイド腎症になる、体重が増加する、精子数やその運動性が増減する、尿路結石ができる、創傷治癒障害になる、皮膚や結合組織が菲薄化・脆弱化する、左前胸部に突然圧迫感がある、狭心痛がある、嘔吐する、吐き気がする、ショック状態になる、イライラする、精神的に不安定である、躁鬱になる、幻覚が見える、骨折しやすい、手足が痛む、胸・背中・腰・足の付け根等が痛む、腰が曲がった、背丈が縮んだ、急に片側の手足や顔が麻痺する、しびれがある、意識障害がある、言語障害がある、頭痛がする、視力障害がある、食後に腹痛が長く継続する、腹部が張る、吐き気がする、嘔吐する、下痢する、頻尿になる、多尿になる、喉の渇きがある、口が渇く、食欲が旺盛になる、倦怠感がある、目が霞む、血管障害がある、神経障害がある、感染症等の重大な合併症がある、腹部に拍動感がある、身体の深部や主に背中に突き刺すような痛みがある、(破裂に伴い)下腹部と腰に非常に激しい痛みがある、圧痛がある、ショック状態になる、血を吐く(吐血)、黒いタール便がでる(メレナ)、貧血になる、疲れやすい、顔が青白い、脈が速くなる、低血圧になる、尿量が減少する、手足が汗ばむ、手足が冷たい、意識が混濁する、見当識障害がある、眠気がある、風邪・インフルエンザになり易い、細菌やウィルスの感染症を誘発する、風邪にかかると症状が重くなる、B型肝炎ウイルスが増殖する、発熱する、喉の痛みがある、口内炎ができる、咳・痰が出る、水脹れができる、発疹ができる、頻尿になる、目が霞む、眩しく感じる、視力が低下する、水晶体が白濁する、光が輪になって見える、目がかすむ、にじんで見える、眼が充血する、眼が乾く、眼が痛む、37~38℃台の発熱がある、食欲がない、吐き気がする、嘔吐する、頭痛がある、全身がだるい、眠気がする、腹痛がある、関節が痛む、不機嫌である(小児)、急激な腹痛がある、ショック症状になる、遊離ガスが横隔膜直下に溜まる、腹膜炎になる、大量に出血する、敗血症になる、胃の周辺が急に激しく痛む、吐き気がする、背中が痛む、嘔吐(おうと)する、気力がなくなる、イライラする、気分が塞ぎこむ、何もする気が起きない、興奮状態が継続する、怒りっぽくなる、ぼんやりする、よろめく、吐き気がする、めまいがする、下肢のコントロールができない、筋肉の付随現象がある等、歩行時や起立時に股関節付近が痛む、腰痛がある、膝痛がある、臀部が痛む、大腿の前面部分が痛む、肩関節が痛む、大腿骨・上腕骨が骨折する、手足にしびれ感や痛みがある、足がだるい、立てない、転びやすくなる、腕を上げ辛い、視力が低下する、中心暗点がある、変視症がある、小視症がある、色覚異常がある、遠視がある、手足がマヒする、しびれる、しゃべりにくい、胸の痛みがある、呼吸が困難になる、片方の足が急激に痛む・腫れる、腱の疼痛がある、腱周辺に炎症がでる、浮腫等の症状がでる、ふくらはぎが痛い等

改めて上記に羅列した症状はステロイド薬(プレドニン)としての副作用一覧で、外用、内服、局所的な注射も含む羅列だが、自己生成、自己分泌が可能なステロイド(コルチゾル)濃度が何かの理由で高くなり、高くなり続けた場合、極めて類似する症状群を引き起こすとも考えられる。しかし、コルチゾルを下げる薬は諸事情により現存しないようで、GABAやセロトニン、カテコルアミンの類で代用せざるを得ないのが現実だが、これらはご存知の通り向精神薬の分野となり、その弊害は多く書いてきた。

個人的にはコルチゾル濃度が高いと思しき諸症状が惹起されている状態は、生体が機能出来ている未だ未だ健全な状態と思っている。問題はネガティブフィードバックによる副腎機能低下や下垂体機能低下、海馬萎縮等へ発展する懸念である。その前段階となる今件のタイミングで食い止める事が何より肝要だろう。そうでなければ、皮肉な事にステロイド投与が検討される。

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イメージ 1  ~針治療から病態定義の見直しを~