藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

自律神経とは何ぞや 2


向精神薬の中長期的に渡る服薬で生じる可能性のある、常用量離脱や副作用及び減~断薬後に生じる多くの離脱症状の内容の多くは多岐多彩かもしれないが、その多くは日常的にも自然発症性の高い諸症状が極めて強く生じている状態であると捉える事もでき、自律神経系を由来とする諸症状であり、運動神経や知覚神経の体性神経系を由来とする諸症状であり、
糖尿病や甲状腺機能異常等の内分泌疾患の類似症状を呈する場合もありと(実際に糖代謝異常を高率で生じた結果、肥満や糖尿病へと事実上発展していく薬物もあるが)、その多くは様々な検査を用いても原因不明と言う不遇な経過を辿る事になる。
細かく考察していければ、中枢神経系に反応を及ぼす薬物を用いている患者とて、他の基礎疾患を抱えた上で向精神薬を中長期的に服薬している患者群も少なくない。必要以上に常用量離脱や離脱症状時の諸症状を憎悪させている状況が示唆される背景を持っている患者も意外と少なくないものである。
ベンゾ系の話にはなるが、有名なのはキノロン系の抗生物質(例 クラビット、タリビッド、シプロキサン、オゼックス、トスキサシン、バクシダール、バレオン、スオード、アベロックス、グレースビット等)を服薬する際に、現在の身体状態が離脱症状(常用量離脱)を既知していない患者及び投薬した医師の場合(ベンゾ受容体が外れる懸念がある)、急激な体調不良(離脱症状)を招く場合もある。
これは私自身も現場で数度経験したが、抗生物質は歯科治療でも処方される場合もあるし、風邪を引いても処方される場合もある。そのようなカジュアルな症状及び治療に対して処方される際にも、時として向精神薬を服薬している患者群自身が既知していなければならない事も多い。
全ての人間が、まさかベンゾ系で常用量離脱を起こしている(又は起こしていると思わしき)人間に別件で抗生物質を処方したら原因不明でぶっ倒れる(離脱症状が強まった結果なのだが)と言うのは恐らく知らないだろう。
まさかとは思うが(敢えてこう書くが)向精神薬とアルコールを組み合わせている人もいないだろうし、中長期的に向精神薬の減~断薬患者を見ていると見えてくる事だが、これも又別件、若しくは同件(同件で処方されている理由は分からない)にて、選択的に脳の血管の拡張剤を処方されている患者も少なくない。
次点としても末梢の血管を拡張させる薬物も(その多くは降圧薬がケースとしては多く、カルシウム拮抗薬、レニン阻害薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、α遮断薬等)少なからず関与しているようにも見受けられるが(参照 脳(末梢)血管拡張剤・脳(末梢)循環代謝改善剤)
此処まで書けばある程度のイメージは付くと思うが、常用量離脱及び離脱症状を呈している方々の多くは身体を暖める行為をする事で悪化する傾向がある、と言う事である。例えば、それがお風呂、運動、体操、そして特に選択的な脳血管の拡張剤で顕著な離脱症状を呈する傾向がある。勿論、離脱症状の軽重は個々により異なる為に、この限りではないのだが、比較的重度の薬物依存~薬物耐性を呈している患者の場合、傾向としては高いように見受けられる。
しかしながら又、その多くの患者は、具合が悪ければ、そして特に自律神経系の諸症状が発症した場合、「身体を暖めれば良化するのではないか」と言う感覚を根底的思考として持っている為、実際に試してはみたが(一時的かもしれないが)余計悪化したと言う道程を辿り、まさにセルフケアすらも閉ざされたかの如くの観念に襲われてしまうが、これも又、離脱症状及び常用量離脱の概念を既知していれば避けなければならない理由と言うのも分かると思う。
取り分け、今回は常用量離脱と言う部分よりも、向精神薬の有害性や危険性を既知し、減薬~断薬に励む離脱症状を呈する方々に対して向けて書きたいとは思う。常用量離脱と言う概念を知る群と言うのは、限りなく一部なのである。常用量離脱と言う概念を知る事になるのは、後に体調不良(離脱症状)を訴えてから、初めて、その存在を知る事になる場合が殆どである。
その多くは向精神薬を漫然と長きに渡って飲み続け、事実、内分泌も数値上異常はなく、かと言って、画像検査にても明確な占拠性病変も見当たらずも全身が硬直し、自己免疫疾患を疑うも、やはり数値上には異常なく、血清反応も陰性ながらも「取り敢えず」と言う理由でステロイドやレミケード、ヒュミラ等を用いるものの効果としては自覚なく、
やはり様々な他の薬物を用いるも結果としては出ない為に、回り回って結局は向精神薬に落ち着く患者と言うのは少なくない。冒頭でも書いた通り、向精神薬は中枢神経系に反応を及ぼす以上、基本的には多岐多彩な症状を検査数値では異常無しのまま症状を出す為に、向精神薬を服薬し続けた事による常用量離脱すらも検査結果としては出ない為、結局は向精神薬で対処すると言う悪循環しか生まれないのである。
故に現代現在では、その多くが血清反応陰性関節炎と称されたり、線維筋痛症と称されたり、慢性疲労症候群と称されたり、HANS症候群と称されたり、自律神経失調症と称されたり、早い話が年代別により思春期や更年期、老年期や精神異常者と称されるものの、常用量離脱及び向精神薬の反応を既知していない場合、数ある病態定義が不明瞭な傷病名に対して価値を示し始めるのも1つの傾向でもある。
その為、現段階で常用量離脱を他疾患に意義を求めている状態では、今後に避けられない道である減~断薬に伴う離脱症状と言う理解も、未だまだ先である事は現場を通してでも目に見えている。
では、話を戻して、これらの症状が向精神薬由来であると気付き、離脱症状と言うものを理解し、減~断薬へ道を進める際に、大なり小なり経験する可能性が極めて高い離脱症状に対しての進み方とはなるのだが、これは私自身も現場を通してみている事だが、凡ゆるサプリや運動、体操等のセルフケア及び断食等を用いている方々も少なくないが、これは無駄である。
毎日カップラーメンとアイスを食べているのが良いと言っている訳ではないのだが、基本的にデトックスと称し、運動や体操、そしてサウナで汗を流すと言う行為は限りなく意味のない行為である事が分かるし、離脱症状と言う周囲にも理解されない謎めいた諸症状で日々を過ごす人間にとっては、それだけで極めて易疲労性の高い日常を過ごす事にもなる。
そのような時に、外部から栄養摂取をせずに、仮にも現行の栄養や糖質を糖新生に頼り、体内貯蔵の脂質に頼るのは極めて悪い傾向を示す場合もある。それが元々肥満傾向のある患者であれば乗り越えられる場合もあるが、元々痩せ傾向の患者の場合、悪い傾向を示す。では、断食が良くないと言う事が分かれば、次に良くない手段も見えてくるだろう。それは極端な糖質制限食やケトン食である。
擬似的な断食状態を作る糖質制限食やケトン食は体内の恒常性を高めてくれる場合もあり、時として有用性は高い治療手段でもある。場合によっては本態性のパーキンソン病や、場合によっては糖質を栄養源とする「がん」の治療の1つに取り込まれる場合もあるし、冒頭に書いた2型(1型)糖尿病にも結果を出してくれる事もある。勿論、健康な人間がダイエットする為の手段としては最適であり、適応範囲は予想以上に広い。
しかし、今後の中長期的に渡る可能性のある離脱症状群からの脱却及び日常の易疲労性の状態を僅かにでもベースアップしながら進む為には、ある程度の糖質も摂取すると言う手段が良い傾向を示しているようだ。この段階で少し要点をまとめると、向精神薬を減~断薬する際に生じる離脱症状群と対峙する為のセルフケアの手段としては「特別、何をする必要もない」と言うのが答えである。
勿論、この答えには「他の嗜好品を極力摂取せず」「人工甘味料等の添加物、化学物質の類を極力摂取せず」「カップラーメンやアイスばかり食べずに、一般的な食事をする」と言うのが大前提となり、可能であれば外的ストレスを限りなく避ける環境を作るように工夫する事が良い経過を示すようである。
時に、向精神薬由来でやられた患者は、処方した医師を恨み、向精神薬を作った製薬会社を恨み、その恨み節をぶつけたい傾向もある。そのような恨み節を聞いてくれる理解のある人間も近くにいれば良いのかもしれない。今現在はネット上を見ても様々な向精神薬被害に遭った患者同士が様々な情報交換をしている場もあるようなので、そこを利用するのも良いかもしれないが、絶対にも鵜呑みする必要もない。
これは向精神薬由来に限らずだが、患者が生じている症状には必ず個体差は生じ、回復迄の速度も異なるからである。更に、減~断薬に生じて発症する離脱症状群と言うのは、外的の環境変化等に極めて鋭敏に反応し、変動を示す場合もある為、毎日が同じような症状の度合いで進行する場合も少ない。時として大波小波と進みながらトータル的に安定していくのが一般的に見受けられる為、その度に一喜一憂していても疲れるし、誰かが早く脱却出来たからと、それを羨む必要も妬む必要もないし、誰かが自分よりも重症度が高く遅延傾向を示していたとしても、それを喜ぶ必要もない。
これは何事にも言える事かもしれないが、他人の不幸は蜜の味であると言う根底的なネガティブ思考がある場合、どの症状も治りは悪いものであり、常に自分自身と、自身に理解のある近しい人間と共に回復を目指すのが1番良いものである。
では、中途でも記載したが、選択的な脳血管の拡張剤でも離脱症状を強く呈する傾向があると書いたが、事実上、針治療で私が狙う部位と言うのも、脳内の血流量を増加させる部位に対してアプローチを行う事になる為、場合によっては治療を行う度に一時的にだが治療前より強い離脱症状を呈する事は数年前から書いている。
仮にもその薬物がベンゾ系であれ抗うつ薬であれ、仮にもSSRISNRI,NASSaや三環系も四環系も全てであるが、自己分泌の生成を促す、及び受容体の回復を求む治療を望めば原則的に血流量の増大を求めて経時経年に伴う回復を期待していくしか方法はない。その結果、治療初期(離脱症状の強く生じている時期と表記しても良いかもしれないが)は離脱症状が強く出る傾向であるのかもしれない。
仮にもそればSSRIの長期服薬患者の場合であれば、極めて簡単に書けばセロトニン↓のままGABA、ノルアドレナリンアセチルコリンドーパミンの類が↑となる傾向となる為、特に2~3日は強い離脱症状を自覚する事になるとも推測される。
仮にもベンゾ系であればどうだろうか。ベンゾ系はGABA受容体への作動ではあるが、種々脳神経系伝達物質も全て抑制されると考えられてはいるが、治療初期はGABA↓のまま他の物質が一時的に上がる為に、これも又、一過性ながらも離脱症状を強く呈する事になると推測される。
それが治療を重ねる毎(脳内血流量を上げ続ける事で)に自己分泌が不順に陥っていた状況も回復していければ、治療由来で生じる離脱症状も軽減していくのも、その為であると推測出来る。これを1つのリバウンドと称しても良いかもしれないが、この部分に於いても相互の理解が無ければ患者にとっては術者の治療によって「悪化した」と思われる事になる。
このように、今は向精神薬からの脱却をスポット的に書いてはいるが、術者によっては向精神薬の反応性を既知せずとしても、結果的に脳内血流の増量が生じる部位に治療を行っている場合もあるかもしれないし、患者が向精神薬の反応性を既知していない場合も勿論少なくないし、仮にも現行の自律神経系や体性神経系の諸症状が向精神薬由来であると分からない場合も少なくない。
しかしながら、如何なる理由でも、向精神薬を服薬している、若しくは最近まで服薬していた、と言う状況下に於いての患者群に対して脳内血流量を求む治療を仮にも別件だとして行ったとしても、これらの離脱症状が一過性ながらも強く発してしまう事もあり、場合によっては離脱症状と言うものを既知していない場合、急激に自律神経系の症状は悪化したと自覚する場合もあるし、体性神経系の諸症状とて悪化したと自覚する場合もあり、結果的にお互いが不遇な局面を迎える事にもなりかねない。
その為、仮にも今見ているアナタや私が精神医療推進派でも否定派でも向精神薬推進派でも否定派でもどちらでもそれは構わない事なのだが、服薬している事実がある以上、知っておかなければならない事は多いし、仮にも薬物治療や針治療としても、知っていなければならない事は多く、其れ程迄に、向精神薬が極めて悪質な性格を持つ薬物である事が現場に立っていれば表在化されるのである。改めて復習ながら挙げると、
機能的症状として対称性の疼痛が高率であり、発症時期も同時であるケースが高い。整形外科的疾患からイメージした場合、頚椎症性脊髄症に近い。症状発症部位が両手指、両足趾、両前腕、両下腿、両上肢、両下肢、両肩頚等が左右差なく呈している場合、他、整形領域様症状である神経根症状や頚椎症性脊髄症が疑われる症状、日内変動や日差変動の著しい(固定している場合もある)各種自律神経症状、且つ、如何なる理由でも向精神薬の服薬がある(あった)場合。
一見、多発性筋炎、多発性神経炎、多発性硬化症、関節リウマチ、シェーグレン、ギランバレー等の自己免疫疾患と類似してくる諸症状を呈する場合や認知症様症状、ALS様症状、パーキンソン様症状、他、多くの脳疾患由来と推定とされる症状を呈する場合も見られる為、各種検査が陰性であり、異常がない故に、線維筋痛症慢性疲労症候群むずむず脚症候群、複合性局所疼痛症候群等と診断されている場合、アイザックス症候群様症状、スティッフパーソン症候群様症状との類似性の高度。他、明確な所見を示すパーキソニズムやアカシジア、ジスキネジア、ジストニア、過鎮静、ファシクレーション、極度な不安感、極度な焦燥感、アクティべーションシンドローム等々。
向精神薬の作用上、脳神経系伝達物質に反応を来す為、自然発症性の自律神経系症状と極めて類似性も高く、日常生活に多大な影響を及ぼし、後述するが、初期から高力価、多剤で処方されるケースは少なく、耐性獲得に伴い増量されていく事で緩徐に症状を呈し始めるケースも少なくない。外的刺激に対して疼痛閾値の極端な低下や上昇状態は明確に見られる。頭痛、原因不明の視力低下、異常発汗、ホットフラッシュ、めまい、耳鳴り、難聴、立ちくらみ、
胸の締めつけ、喘息のようなセキ、飲み込みづらい、喉の違和感、不整脈、息苦しさ、季節に関係ない手足の冷え、下痢、便秘、生理痛、生理不順、頻尿、閉尿、夜尿症、勃起障害、慢性疲労睡眠障害、うつ症状等々は薬物由来でなくても発症する。脳神経系機能の異常や自律神経系機能の異常、
自律神経系異常が伴う内臓機能異常、運動器疾患を彷彿とさせる末梢神経系異常の類に関しては、患者自身が薬物由来であると自覚出来る状態というのは、服薬後間もなく生じた異常により、自己判断出来るレベルである為、長期服薬で発生した種々の副作用や常用量離脱は判定し難いし、判定してもらえないケースが圧倒的に多い。
自然発症性の症状に対して向精神薬が処方されるケースが最も高いと思われるが、これらの自然発症、要は服薬せずとも自身の恒常性で治癒へ向かう可能性のある病態に対し、強制的に分泌物質の変動が及ぶ為、服薬し続ける為に病態が混沌としてくる。
敢えて既存病名を使用すれば「薬物治療に極度の抵抗性を示す血清反応陰性関節炎」が類似性が高い。が、薬物由来の場合は極めて患者自身の理解が必要となり、且つ術者は常にリスキーな立ち位置に置かれ続ける事だけは知っていて損はない。
理解のない患者には初めから対応しないという選択が最善である。理解のないまま進めると、向精神薬を嗜好品扱いしている患者に悪評を振りまかれるだけである。但し、重篤化してからの場合、理解とか納得とか話を聞く等の能力も急激に低下している場合もあるというジレンマも生じる。
一般的にはこのような症状を呈する事になり、一見、誰にでも自然発症する症状群に見受けられるが故、様々な医療機関を巡り、そしてたらい回しされ、最後は結局精神科に行かざるを得ない状態に追い込まれる。
~主な精神症状及び身体症状~
易興奮性(イライラ・落ち着かない)、不眠、悪夢、睡眠障害、不安の増大、パニック発作、広場恐怖、社会恐怖、知覚変容(痛覚過敏等)、離人感、非現実感、幻覚、錯覚、抑うつ、脅迫観念、妄想的思考、激怒、攻撃性、易刺激性、記憶力、集中力の低下、侵入的記憶、渇望、痛み・筋肉の凝り(四肢、背中、頸、歯、顎)、ピリピリする感覚、痺れ、感覚の変容(四肢、顔、胴体)、
脱力(下肢に力が入らない等)、疲労感、インフルエンザ様症状、筋肉がピクピクする、ミオクローヌス、チック、電気ショック様感覚、震え、めまい、朦朧感、バランス失調、霧視(ぼやけて見える、目がかすむ)、複視(二重に見える)、眼痛、ドライアイ、耳鳴り、過敏性(光、音、触覚、味覚、嗅覚)、消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、腹部膨満感、嚥下)、体重の変化、口渇、金属様味覚、嗅覚異常、潮紅、発汗、動悸、過呼吸、排尿障害、月経異常、皮膚発疹、かゆみ、ひきつけ
~主に臨床現場で高頻度で見受けられる症状~
「顔面や背部が重い」「頸部や背部に雑巾を絞るような痛み、抓られるような痛み」 「背部が引き下げられる感覚になる」「顔面が詰まる感覚になる」「微熱の持続」「涙が出る(もしくは涙が出そうになる感覚が持続する)」「頭痛(側頭部~頭頂部~後頭部)」「耳鳴り(耳閉感も含む)」「飛蚊症」「ドライアイ様症状」「強い不安感」「強い孤独感」「両鼻共、空気は通るのに鼻が詰まった感覚がする(副鼻腔炎様症状)」「粘膜出血」「体内(もしくは頭部)に熱がこもる感覚」
「目を常に押し付けられている感覚がする」「顔面や背部が硬直するような感覚になる」「異常発汗」「口が苦くなる(金属臭や味覚障害的症状も含む)」「血圧の異常上昇」「下肢が重い」「下肢が落ち着かない」「背中を押される、若しくは引っ張られる感覚」「手指・足趾の強張り」「アロディ二ア」「動悸」「睡眠障害」 「生理痛」「胃腸障害(腹痛・便秘・下痢・便秘と下痢を繰り返す)」「過食」「食欲不振」「集中力低下」「思考低下」
それでも尚、向精神薬由来の中でも結果として出易いのは筋硬直の類ではないかと現場を通してでも知る。冒頭でも述べた線維筋痛症慢性疲労症候群、血清反応陰性関節炎の類に関しては今件では言及しないが、治療反応も異質性の高い向精神薬由来の反跳性筋硬直に関しても、治療中及び治療直後、患者によっては数日間のVAS値の著しい減少が伴い日常復帰出来るケースは多いのだが、
症状惹起の傾向としては類似性が高いのは先述の通り頚椎症性脊髄症や脳血管障害後の視床痛が挙げられ、治療反応も同様な反応を示すものの、向精神薬由来の場合、症状改善に伸びがない事が最も治療現場では敏感に感じる部分である。病態として多発性硬化症を例に挙げる人も多いが、多発性硬化症のように改善と寛解のサイクルが向精神薬由来の症状の場合、あまり見かけない。よくよく経過を観察すると異なる事が分かる。
しかし、離脱症状の急性期にも関わらず、治療中や治療直後には著しい改善自覚を得られているという事実と、その刺針箇所から鑑み考察した場合、症状惹起の原因部位はあくまで脳神経機能や脳幹部の機能破綻と言う、中枢の異常に伴う症状である事には変わらず、未だ解決に至っていないのが本音である。多くの患者は手指や足指等のあくまで末梢部の症状を日常生活では不便であると自覚する為、視点は末梢部位(遠位)に行きがちではあるが、
体幹部位も硬直している事には変わらず、治療から判断する逆視点から見た場合でも、脊髄に極めて近位な部位への刺針箇所の選定にて手指や足指等の症状の改善も得られる事から考察すると、やはり甚大な筋硬直が体幹にも及んでおり、それに伴い脊椎近辺部の軟部組織の硬直から派生する椎間孔部位での狭窄、
整形外科的に言えば椎間孔狭窄や神経根症、後根神経節由来の症状が全脊椎高位で生じていると推定してもおかしくはない現象である。純粋な整形外科領域とて単根での損傷にも関わらず厳しい症状を抱えていると言うのに、これらが多根性に渡って損傷を受けているとイメージすれば、何れ程の疼痛に曝されているかが分かると思う。
末梢部位の諸症状と(この場合、上肢や下肢、体幹部での疼痛や痺れ、皮膚知覚異常、知覚鈍麻、温冷感異常、脱力、硬直等々)、中枢部位の諸症状(この場合、脳神経系機能異常や脳幹部異常)を一旦分別して考えた場合、刺針部位の選定も容易につくものではあるかもしれない。問題なのは、この手の中枢神経系の機能異常を生じた諸症状を呈している患者群、特に向精神薬由来の諸症状の場合、治療継続に伴う累積結果が乏しいという点が挙げらるが、
幸いな事に、これらの発症起因、受傷起因と言うのは、見方を変えれば明確なのである。向精神薬の服薬を起因としたものであれば、向精神薬を止め、恒常性をバックアップし続ければ、仮にも減薬中及び断薬後の厳しい離脱症状群も乗り越えられるかもしれないし、早期回復も期待出来ると言う事である。但し残念ながら、全ての患者を追跡出来ないでいるのも事実である。
向精神薬は先ほど書いた通り、筋硬直等の体性神経由来の諸症状のみならず、精神にも極めて変調を来す薬物であり、日常生活を脅かし続けるのが自律神経症状である事も伺い知る事も出来る事態にも発展し、追跡不能になった患者も少なくない。それすらも乗り越える気概が無ければ向精神薬から抜けられないのである。
其れ程迄に極めて強い拘束性を持つ向精神薬からの脱却に関しては、以前も書いたが、仮にも減薬し始めても、その多くは再服薬の道を辿る。その位、依存性が高い(禁断症状が強い)薬物であり、前々から書いている通り、人生を引っ繰り返す位の覚悟と、強い動機が伴わければ到底無理な話なのだ。

冒頭の内容とも重複するが、少しまとめてみる。ベンゾ系で話は進めるが、副作用発現率や離脱症状の内容を見てワイワイ騒ぐのは取り敢えず置いといて、現に止めるに止められず、減~断薬後の離脱症状に悩み苦しむ方々が多くいる為、先ずは離脱症状と言うものを既知した場合に於いての回復策と言うのを考えなければならないのだが、真摯に考察すればする程、言葉を失うのが本音でもあり、多くの方々が早期脱出を模索しているのと同じように、常にこちら側も手探りである事には変わらない。
手探りであるのには変わらないが、減~断薬期に置ける憎悪自覚因子だけは、ある程度データとしてまとまっている為、先ずは、日常生活を驚異的に脅かさないラインに持ち上げる為には、憎悪因子を取り込まないと言う事を念頭として考えていく事が多くの患者の為にもなり、あくまで1対1で治療を行う必要性も無い、情報としての取り込み手段である為、拡散性は高いものと思う。
これは凡ゆる書籍や臨床現場でのヒアリングでの合致内容しか取り上げていない為に、足りない部分もあるとは思うし、これが全てでもないし、今後も追記され続ける事になると思う。更に言えば、この悪化因子を意図的に取り込む事で、現状の謎めいた症状が「向精神薬や中枢神経系に至る薬物の離脱症状である」と判定し易い側面もあり、意義は高いのではないかとも思う。
※但し、離脱症状にも軽重はあり、患者の身体状態によってはリフレッシュ作用も生まれるものも含まれている為、あくまで重度の離脱症状に苦しむ方に向けて書かれているものである。
1)温める(暖める)と症状が悪化する
向精神薬由来の常用量離脱や離脱症状の多くは自律神経系由来の諸症状を呈する事になり、それは非常に幅広く、脳幹由来、視床下部由来、小脳由来、大脳皮質由来等と、どの中枢部位がダメージを受けたかと正確な判定は出来ない。
何故なら、ベンゾ受容体は脳内の広範囲に渡り分布し、明確な損傷部位の判定が困難であると同時に、その多くは複合的部位がダメージを受けている場合が大半である。脳内のGABAの濃度を上げる薬物を中長期服薬に伴いベンゾ受容体が下方修正を受け、減少している、若しくは変化している状況である、と言う事を前提として話を進めれば、
身体を温める(暖める)行為を求めた場合、抹消部位の血流量のみならず、脳内の血流量も変化する事になるかもしれない。その多くは、お風呂や、心拍数の極端に上がらない簡易な運動等であり、あくまで副交感神経の亢進を求める手段となるものであり、
それに伴い脳内の種々血管に配置されている副交感神経も優位になるとした場合、血管拡張が伴い、「悪いなりにもバランスを取って過ごしていた脳内損傷部位に血流が流れ込み、一時的な憎悪自覚を得る」と言う事が推測される。
その為、外的に温めて(暖めて)血管拡張が結果的に求む行為が結果的に憎悪自覚を生むと言う事であれば、他の血管拡張作用を求む手段も同様な状態を呈する事になり、それが、カルシウム拮抗薬、レニン阻害薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、α遮断薬等の降圧薬であったり、凡ゆる脳循環・代謝改善薬であったり、もっと身近なものであればアセトアミノフェンであったりと、非常に幅広いものかもしれないが、
見方を変えれば、仮にも上記の薬物と向精神薬を併せて服薬していた場合、向精神薬に関しては時間を掛けて減薬しなければならない都合上、上記の降圧薬や脳循環・代謝改善薬やアセトアミノフェンの類を止める事で、離脱症状が軽減しているケースも多く見掛ける為、先にこれらの薬物から止めてみる事で日常生活を僅かにでも良好に過ごす事は可能となるのかもしれない。
2)凡ゆるセルフケアも意味をなさない(可能性がある)。
これは1)の項とも関連する部分もあるかもしれないが、セルフケアのその多くは、風呂に入り、運動や体操をする等のリフレッシュ作用がメインになるかもしれないが、これは1)の理屈から鑑みれば、場合によっては意味をなさないどころか、離脱症状の憎悪を助長する可能性もある。他、離脱症状も重度であれば、読書やテレビ、他、向精神薬に対しての勉強どころではない。
薬物を介さない凡ゆるセルフケアや静的知的労働等は、健康な人間か、若しくは軽度の離脱症状患者でしか成し遂げられない事のように見受けられる。その観点から見れば、ナルコノンのシステムと幾分逆行しているかのようにも見受けられるし、他のアディクションからの脱却システムとも異なるように見受けられるが、激しい離脱症状で苦しむケースと言うのは、そのような集団的行為も知的労働も受け入れられない。
只ひたすら布団で時間を過ごす事しか出来ない状況に追い込まれた人間に対しては難しい話でもある。※ここで「減~断薬速度が早過ぎたせいで、激しい症状が引き起こされているのでは?」と言う想定も付くかもしれないが、一度、激しい離脱症状が生じた場合、同一量を再服薬しても症状に変化がない事も多く、且つ、従来の離脱症状のラインに戻す量も不明確である事は、多くの患者が経験している
無論、凡ゆるサプリや健康食品の類も同類であり、明確な当該栄養素の欠乏状態が向精神薬によって起きる根拠もない為に、これらの摂取に無駄金を落とす必要はない。
GABA受容体から外す懸念がある為、離脱症状が助長される可能性があり、積極的に服薬するべきではないが、そもそも、今現在の自分自身が「向精神薬離脱症状群と対峙している」と自覚している人は極限られた人間でしかないと思う。その多くは、漫然とベンゾ系を長年飲み続けており、歯科治療や風邪症候群の治療に用いられる。
4)回復に向けて、離脱症状の概念を2つに分ける
早期回復を求む為には、脳内神経伝達物質の自己生成分泌を促し、受容体の回復を求めると言う行為が現在での策としか考えられず、その際には1)の手段を自己で取り込むか他者に委ねるかとなるのだが、ここで離脱症状と言う忌々しい存在を「良」と見るか「悪」と見るかである。人によっては離脱症状は回復過程である為、良き存在であるかのように表現されている人もいるが、
患者当人にとっては日常生活に多大に支障を来す厄介な存在でしかない為に、先ずは1)の薬物は可能な限り避ける事が1つである事と、ピンポイントで脳内に選択的に血流確保が出来る治療手段を取り入れ、且つ、「離脱症状が起きる」と言う前提と自覚の下であれば、予想以上に離脱症状に対しても前向きに受け止められるものである。
そのように考えれば、凡ゆる事象にも言える事かもしれないが、離脱症状とは如何なる状況で発症し、如何なる環境で憎悪寛解し、如何なる理由で生じているかを知る必要性もあるのだろう。実は、この部分が既に悩み苦しんでいる当人にとっては1番困難な部分でもあるのだが。
5)向精神薬を飲むキッカケになった原因を振り返る
先ほど、向精神薬の長期服薬に伴う栄養素欠乏の根拠は無いと言う旨を書いたが、向精神薬を服薬する事になったキッカケは如何なる理由だったかを探る必要がある。もしかしたら、その多くは自己では解決出来ない死別等であるかもしれないし、自己では解決出来なかったイジメや暴力があったかもしれない。そして、最も服薬の起因として挙げられるのは、仕事や学業等でのストレスを起因とした凡ゆる自律神経症状であるとも見受けられる。
確かにストレス耐性を付けるのは容易ではないかもしれないし、他者との競争の中で生きていく以上、大なり小なりストレスは常に抱え続けているものであるのだが、このような外的環境との対峙にも、内的な栄養因子を疎かにしてしまった節もある事は見逃せない点でもあり、これらの栄養欠乏が引き起こされた結果、身体や精神に日常的に変調を生じ、そして外的ストレスからの耐性に脆弱性を生んでいると言う見方も出来なくはない。
多くの人間は欠乏した分を補う方向に視点を向ける為、サプリや健康食品で手っ取り早く補充する節があるが、何故、欠乏したかを鑑みる事も大切な事であると思い、「取り込む事によって消費される体内貯蔵の栄養素」の観点から物事を見る事も重要であると思われる。その1番のネガティブな要因が糖質の過剰摂取であるとも捉えられ、何度も記載するが、
砂糖の過剰摂取が長期間に渡ると…↓
めまい、冷や汗、震え、緊張するようなところではないのに脈が速くなる、血圧が激しく上下する、立ち眩み、耳鳴り、吐き気、頭痛、微熱、過呼吸、倦怠感、不眠症、生理不順、味覚障害、人間不信、情緒不安定、不安感、イライラ、被害妄想、鬱状態 等
砂糖の過剰摂取によるビタミン等の欠乏やホルモン異常により…↓
顔面周囲の剥脱性皮膚炎、アトピー性皮膚炎 、カンジダ性皮膚炎(歯周病も含む) 、脂漏性皮膚炎 易感染性、神経炎などの神経障害、指の爪の強度不足、糖尿病、腎症(IgA腎症、非IgA腎症)、慢性関節リウマチ、尋常性乾癬、狭窄型狭心症、攣縮性狭心症掌蹠膿疱症掌蹠膿疱症性骨関節炎、気管支喘息、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、クローン病ベーチェット病、多発性骨髄腫、強皮症、代謝障害、免疫異常、慢性甲状腺炎(慢性甲状腺機能亢進症)、肝硬変、脂漏性湿疹、
落屑性紅皮症、食欲不振、不眠症、痙攣、習慣性流産、不足した状態で妊娠すると催奇性があるため障害児が産まれる確率があがる、乳児や幼児の発達遅延、乳幼児の突然死、小児の全身脱毛、自閉症状、倦怠、低血圧、ケト乳酸アシドーシス 、有機酸尿、四肢の感覚異常、痙攣、運動失調、結膜炎、髪の脱色、筋肉痛、嘔吐、結膜炎、精神症状(うつ病、嗜眠、落ち込み、無気力、幻覚、麻痺 )、緊張低下、髪の損失、関節と全身のこわばり、疲労感、全身のひどいだるさと倦怠感、四肢の脱力、
不眠と睡眠障害、頻尿、下痢、月経困難、生理不順、過敏性腸症候群、微熱、頤神経麻痺、筋力と運動能力の低下、筋肉の激しい疲労、嚥下困難、起立困難、歩行困難、悪夢、焦燥感、不安感、判断力や思考力の著しい低下、記憶を失うほどの痛みにより認知症のように記憶がなくなる、足、手の先の冷感や灼熱感、ドライアイ、リンパ節の腫れと痛み、四肢こわばりとだるさ、関節痛、レイノー現象、光線過敏、脱毛、
自覚的な関節の腫れなどの膠原病様症状、首から肩にかけての痛みやしびれ、上肢の痛みやしびれ、腰背部の疼痛やこわばり感、臀部から太ももの痛みと張り感、膝から下腿の痛みやしびれ、眼の奥の痛み、口腔の痛み、頭痛などの様々な疼痛症状、重度の場合はガンの末期患者と同レベルの疼痛、髪やつめに触っただけで痛みが走る、意識がもうろうとなり寝たきりになる、通常の日常生活(食事・買い物・入浴・着替え・歩行・寝返り等)が困難、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感が著しく過敏になる。
化学物質やアルコール不耐性、アレルギー症状は悪化、灼熱感や冷感、悪寒、穿痛感、乱切痛、アロディニア、思考と理解力の低下、短期と長期記憶力の低下、集中力の欠如と混乱の注意障害、失語症遂行機能障害などの不安、焦燥、錯乱等
の、例えば内臓器等に器質的異常が生じた場合であれば、それに準じた治療も行う事になるかもしれないが、それすらも根底的な栄養素の是正を行わなければ再燃率は常に高度であるのかもしれないし、他の自律神経系症状や、自己免疫疾患様症状、身体の機能異常と見受けられる諸症状に関しては、一般的な検査をしても多方が異常無しとなる。
この視点で見れば、また別な観点から対峙出来るのかもしれないが、その多くは原因不明故に向精神薬の投与が始まる傾向が高い。その為、先ずは振り返るのは今現在の離脱症状との対峙云々のみならず、根底的な理由が何処にあるのかを模索する事が再燃率も低くなり、中長期的な回復が得られ続けるものである事を現場を通してでも分かる。
それが結果的に脚気でもビオチン欠乏でも低血糖と名称が付こうがそれ自体は構わないが、根底的な疾患の起因と言うのは日常生活にある。それは過労や多大な外的ストレス及び内的ストレスもあるかもしれないが、これらの耐性を付ける為、そして自身の基礎的身体状態を持ち上げる手段としても、食事の重要性と言うのは伺い知る事が出来る。

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