藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

Q、鍼灸師です。更問いの内容に関して 3


3年前ぐらいから腰痛があり、調べてみたら反り腰だとわかりました
極度の反り腰で仰向けで寝ても 腰のあたりに拳ひとつ分は余裕で入るぐらいです。
長時間歩くと腰が痛くなることがよく あり見た目もかなりお尻が出っ張っています。
そのせいかわからないんですが、お尻と太ももに脂肪がつき垂れ下がっている感じです( ; _ ; )

反り腰をどうにかしてください。
もう二年くらい反り腰が原因で腰が痛いです。
見た目も出尻になってて悪いです。
数々の整体に行きましたがその場凌ぎのマッサージをするだけで
一時的に腰痛 が解消されても反り腰が治らないと意味ないです。

反り腰が辛いです。20代半ばです。猫背でお尻が出ています。
横に寝ても背中に握りこぶしが入ります。決して太ってはいません。
長時間立っているのも辛いです。整体、カイロ、マッサージへ投資 しましたが効果なし。
ジムなども試し、今はホットヨガへ通ってます。猫背と肩凝り、
以前まであった背部痛は解消れましたが反り腰が治らず、時々傷みもあります。もう治らないんでしょうか。

腰痛に悩まされています。
症状は
・立ってると無意識に反り腰になってしまう
・気をつけがずっとできない
・トイレ(大)の出が悪い
です。

最近、腰が痛みだしました。
立っている時、歩いている時は全く痛みはなく、ジャンプしても大丈夫でした。
座っている時、座ろうと身体を折り曲げた時が痛いです。
前屈が痛くて、エビ反りは痛くありません。
痛みは腰を曲げた時に発生して悲鳴を上げるほどではありませんが、座ろうとしたときや、
ちょっと身体を曲げる時に「いだだだだ」と顔を歪めるくらいです。
腰の中心というよりは、中央からほんのり左側が痛いです。
一ヶ月ほど前から思い出したように腰が痛み、二日連続で痛かった日があったと思えば、
また数日間痛みがなく、また急に痛み、また収まり…と繰り返しています。
特に重い荷物を腰を曲げて上げ降ろしする仕事ではありません。
自分でも調べてみましたが、腰痛の症例が沢山あり過ぎてはっきりしませんでした。
温めたらいいのか…冷やしたらいいのか…
安静にしようにも、ベッドにクッションを重ねて寄り掛かって座っているのが
痛いので逆に動き回ったほうがいいのかすらわかりません。

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Aの姿勢が立位時の理想ラインとされています。
但し、あくまで骨格や筋肉量の違いで個々人により大きく変動するでしょうから参考程度にまで。
 
問題なのは先天的要素の強い骨格ではなく、
何かしらの外傷や日常生活に於ける過負荷にて、
自身の当該筋肉の伸張位及び短縮位が正常域を逸脱し続けた状態に関しては、
謂わば負担の掛かりやすい状況に陥ります。
 
負担が掛かりやすいという事は
「疲れ易い」「傷め易い」「痛め易い」という事ですね。
今回の後天的要素の強い反り腰に関して、上記赤字患者は
「反り腰だから腰が痛い」
という表現を用いていますが、反り腰でも腰痛は無い患者も多くいますし、
臀下肢痛に苛まれている方も非常に多いように見受けられます。
 
その何故?を考察する必要性があります。

前項でも触れたギックリ腰患者及び、慢性腰痛と世間一般で呼ばれる患者に対して、
大半の方が仰向けになって寝てもらい腰部に手を滑り込ませると
必要以上に腰が反っているように見受けられます。
 
就寝姿勢を伺うも、始めは仰向けでも気付けば横向きだったり、
横向きでしか眠れなかったり、
仰向けは厳しくてもうつ伏せなら眠れるという人がいます。
 
布団の硬さにより左右されてくる問題かもしれませんが、
仰向けで眠れない理由は腰が反っており、
仰向けになる事で反り腰となり浮いている腰部が長時間の間、
重力に抗する事が出来ずにストレッチを強要され続ける為に
疲労物質の蓄積にて保持する事が難しいのでしょう。
 
横向きでなければ寝れない方に関しては、
仰向けとは異なり、反り腰及び腰部の疼痛より屈曲に防御反応を示している
腹腰部の筋群に対して重力に抗する必要が無くなるからでしょう。
 
うつ伏せでしか眠れない方に関しては、
反り腰になっている為に重心の中心(体重が重い箇所)となる腹腰部の沈み込みに対して
布団が受け止めて沈んでくれる為に楽に感じるのでしょう。
うつ伏せでしか眠れない患者に対し、畳みや床のような硬い箇所にうつ伏せで寝かせてみると、
布団の時のように長時間同一姿勢を取る事は難しいと思われます。

立位での反り腰は極端な反り腰で無い限り、
背筋がピンと伸びているような綺麗なフォームに見えます。
傍から見てもそうですし、患者自身も綺麗な姿勢である事を自覚されている方も多くいます。
 
本来の立位姿勢は大腿外側、下腿外側、下腿後面の僅か筋緊張で保つ事が出来るものです。
しかし何故腰を反らせて立位姿勢を保持してしまうのか。
 
「楽だから」なんですね
 
一種の逃避的姿勢とも言うべきか、
疼痛抑制姿勢とも言うべきか、上半身の体重を支持する為に使われる
下半身の筋肉を極力使わずに支持出来る為に、楽に立位姿勢を長時間保持出来るようになるのです。
筋力で体重を保持するのではなく、L5/S近辺の腰椎下部で上半身をロック出来るようになります。

今現在反り腰になってなければ擬似的に反り腰を作って立位を取ってみても良いでしょうし、
そのまま歩いてみるのも良いでしょう。
恐らく、どんどん大腿前面や下腿前面が(若しくは後面)
伸張位を強要される為に引き攣れるような痛みを自覚出来ると思います。
高いヒールのある靴を履いて歩いてみると、より一層自覚し易いのではないでしょうか。
 
過去に何かの拍子で腰を痛めた経験がある方は、
無意識の内に痛みの出ない身体バランスを良くも悪くも会得します。
 
その一つに反り腰があるのでしょうね。
 
そして、大腿前面や下腿前面に過剰な負担が掛かり続けた場合、
疲労の蓄積により短縮傾向を示す事になります。
 
下腿~大腿前面が短縮傾向を示した場合どうなりますでしょうか。
細かい事は省略しますが、拮抗する下腿~大腿後面が伸張位となります。
足の前面の短縮により腹腰部も屈曲傾向を示します。
 
この事により、腰部背面の筋群が常に伸張状態となり、
低酸素代謝に至った腰部背面に疼痛や重ダルさ、
人によっては冷えや表面のジリジリ感等々を自覚し始めます。
 
「あれ、普段現場で話している内容と違うんじゃない?」と気付いた方。
大切な事は申し訳ないですが伏せながら書いています。
あくまで一般的な運動連鎖より推測される状況を書いているだけですので、治療理論とは異なります。

この事で腰部へ各愁訴を感じた場合、通常立位姿勢でいるのが苦しくなります。
その為に、意識的か無意識的かは関係無く、様々な姿勢を模索し始めます。
 
「どんな姿勢が楽なんやろ~」とですね。
 
やや前屈になると、筋緊張を高めなければならず腰がエライ痛い。
でも腰を曲げきってしまうと(この書き方で分かるかしら)楽になる。
でも、腰を曲げきったままでは前が見えない…伸ばすしかない…。
 
伸ばしきったら楽になった。
身体が軽く感じるわ。(筋肉ではなく骨で支持されているだけ)
中腰になる時は辛いけど、立っている分であれば痛みは然程感じないし。
 
と言う訳で、
患者本人にとっては辛くはない状態を会得したように見受けられますが、
痛みの悪循環が完成しているのです。
反り腰の状態は単に荷重のベクトルを逃がしているだけですからね。
 
疲れ易い、足のどっかに痛みが出易い、痺れる、
ムクミ易い、ダルイ、重い、冷える等の環境が成立してしまう事になります。
 
この辺りの理論的解釈はここでは触れませんが、
何故このようになるかは、上記に記載した解釈とは異なる部位で発生する理由があります。
ここに対して加療せねば、患者は長期間に渡り様々な愁訴を抱える結果となるのです。

このような方に対して鎮痛効果を狙うような治療手段を施したとして、
仮に腰の痛みはなくなったとしても、下肢痛へ発展してしまう恐れがあるのはその為です。
 
鎮痛と治癒はイコールでは絶対に結ばれないと思います。
患者ニーズとしては治療直後より全く痛くない症状の鎮痛を求めている方も多いでしょうし、
痛くなくなればそれで良いと思われている方も多いでしょう。
 
しかし、その患者ニーズに対して術者がホイホイと乗っかってしまうと、
中長期的に患者を診た場合、どこかで躓く可能性が出てきます。
一時的な鎮痛作用は中長期的に見た場合、患者に対して悪影響を示す傾向が高いのです。
一つのケースで例えれば、反り腰でない患者を反り腰にさせてしまえば腰痛は比較的軽減されるでしょう。
しかし、原発の処置も併行して行われていない場合、その後は下肢痛に苛まれる可能性もあります。
 
患者が痛いと指で示すポイントに鍼や指圧を施す事で
幾らかの改善は得られます。只、その作用は治癒へ向けての作用でなく
鎮痛目的にしか働かないケースというのは山ほどあるのですね。
こないだ話したエンドルフィンもそうですね。
あくまで一時的な開放感の為に脳内麻薬を噴出させる治療手段は
得てして効果が長続きするものでも無く、治療とは言い難いものです。
 
痛みを起きない身体にする事が最重要課題であり、
痛み止めとしての治療法や治療手段として鍼灸治療を用いるのであれば、
そこらの対処療法と何ら変わらなくなってしまいます。

では今日はこんなところで
 
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