藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

向精神薬由来と推定される諸症状に対して 2


向精神薬由来と推定される諸症状に対して の続きです。

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いよいよです。上記URLのストップリストの抗うつ薬欄は三環系抗うつ薬SSRIのみの表記だけですが、抗うつ薬全般(SNRI、NaSSA、四環抗うつ薬、及びSNRI作用を有する鎮痛剤等)、ベンゾ系睡眠薬抗不安薬や非ベンゾだけでなく、バルビツール酸系チエノジアゼピンエタノール他、GABA受容体に作用する鎮痛剤(プレガバリン/リリカ)も盛り込んでもらいたかったものですが、新聞紙面に掲載されるようになった事自体、大きく時代が変革し始めている証拠です(この新聞記事は少し古いものですが現在の支柱も変わりはない)。どんな治療手段でもリスクとベネフィットは存在しますが、高齢者に対しての薬物治療は代謝過程の問題でリスクが上回る確率も高く、服薬管理等の問題(薬の飲みたがり)、効果を目的とするよりも服薬を目的とする事に対しての安心感の獲得など、様々な問題は付き纏いますが、このような大変喜ばしい記事が掲載されたものの、諸手を上げて喜ぶ事も出来ないのが、向精神薬による離脱症状に対しての患者知識と周囲の理解です。
 
時は東日本大震災。薬が津波で流され、薬が手に入らない環境に強いられた方々は沢山いました。服薬人口が多いからか降圧薬や高脂血症治療薬、インスリン不足の問題がメディアでは多く取り上げられていましたが、被災に遭った方々の中には向精神薬を服薬している方々も多く存在し、一部メディアではパキシルSSRI)による離脱症状の話題が挙げられていました(余談ながら東日本大震災以降、パキシルPTSDに対しての承認も受けた)。強制的に断薬状態に陥った方々は、離脱症状による精神状態や身体状態の異常化(攻撃性、抑うつ等々)に伴い、それは災害を起因としたものも含まれていたかもしれませんが、向精神薬の一気断薬が招いた弊害も多く含まれたケースもあったのではないかと思います。これらの件でもそうですが、向精神薬を減~断薬する過程で生じうる離脱症状(退薬症状・禁断症状)を、どれだけの人間が既知した上で服薬していたかというのが問題にもなります。そして、向精神薬を服薬している患者が突然断薬した場合、どのような状態に陥るかを既知していた人が周囲にどれだけいたかというのも問題です。

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                   効果はプラセボと大差ない割に色々とリスキー

今は様々な書籍やネット、新聞やメディアを通じ、向精神薬の危険性の情報は簡単に手に入るようになりました。その事で、服薬している患者が危険性を感じ、自己判断で一気断薬し、恐ろしい程の離脱症状を経験するケースは意外と少なくありません。一気断薬の是非についてはここで論議の対象とはしませんが、向精神薬に対しての知識を有しているか否かという問題は、服薬者が一番知っていなければならない事です。主に高齢患者であれば「眠剤」「眠り薬」「睡眠剤」と称している程度で、それ以上の情報を知らない人もいるでしょう。若しくは処方されたのを飲んでいるというだけで、向精神薬が含まれている事を知らない人も多くいます。まして、作用・副作用として如実に自律神経系に反応を来し、脳萎縮を招く、認知症様症状を引き起こす等と知っていながら服薬している人は何れ位いるでしょうか。更に常用量依存、常用量離脱の問題迄となると、恐らく誰も知らないのではないかと思います。過去にも取り上げましたが、処方した人間すら離脱症状の存在を知らないケースも多く、依存性や副作用、離脱症状の存在を知っていたとしても隠している人間もいます。近隣の調剤薬局に対して情報開示しないよう、口裏を合わせ口止めしている人間もいます。アドヒアランスの悪化を懸念しての事なのかもしれませんが、それ以前に患者が求めた情報を隠す、提示しないという姿勢は、情報収集能力の乏しい年代層であれば簡単に騙し誤魔化せるかもしれませんが、今の時代は簡単にデータを取り寄せる事が出来ます。情報を意図的に隠す、情報を操作する、情報を自院利益に繋げる為に患者不利益は省みない。ここまでくると、薬が売れる売れないという問題以前に、人として問題です。例えば、鎮痛剤的な意味合いを持ち、抗うつ薬としても出され、糖尿病性神経障害の患者群に多く処方されている薬の副作用を見てみましょう。

セロトニン症候群、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、痙攣、幻覚、肝機能障害、肝炎、黄疸、 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、アナフィラキシー反応、高血圧クリーゼ、尿閉、発疹、そう痒、蕁麻疹、接触性皮膚炎、光線過敏反応、血管浮腫、皮膚血管炎、倦怠感、ほてり、脱力感、発熱、悪寒、脱水、傾眠、頭痛、めまい、不眠、立ちくらみ、しびれ感、振戦、あくび、浮遊感、味覚異常、焦燥感、気分高揚、注意力障害、錐体外路症状、不安、異常夢(悪夢を含む)、頭がぼーっとする、性欲減退、躁病反応、錯感覚、無感情 激越、オーガズム異常、嗜眠、睡眠障害、歯軋り、失見当識、攻撃性、怒り、歩行障害、開口障害、下肢静止不能症候群、悪心、食欲減退、口渇、便秘、下痢 、腹部痛、嘔吐、腹部膨満感、腹部不快感、消化不良、胃炎、口内炎、歯痛、胃腸炎咽頭不快感、咽頭炎、咽喉緊張、口臭、嚥下障害、顕微鏡的大腸炎、耳鳴、視調節障害、眼乾燥、霧視、耳痛、散瞳、緑内障、動悸、頻脈、血圧上昇、起立性低血圧、上室性不整脈,失神 、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、鼻出血、異常出血(斑状出血、胃腸出血等)、白血球減少、背部痛、肩こり、関節痛、筋痛、筋緊張、筋痙攣、排尿困難、性機能異常(月経異常、射精障害、勃起障害等)、頻尿、尿中アルブミン/クレアチニン比上昇、排尿障害、血中クレアチニン上昇、BUN上昇、尿流量減少、多尿、閉経期症状、精巣痛、高血糖、トリグリセリド上昇、総コレステロール上昇、尿中蛋白陽性、血中カリウム減少、甲状腺機能低下、低ナトリウム血症、乳汁漏出症、高プロラクチン血症、血中カリウム上昇、発汗、体重減少、体重増加、CK(CPK)上昇、浮腫、冷感、熱感、呼吸苦、胸痛、冷汗、咳嗽 ※副作用発現率90%以上 ※治験中、健康な成人男性が原因不明で自殺(4人)

これを読み、積極的に服薬しようと思う人はどれだけいるでしょうか。単剤でこれだけの副作用です。多くの患者は単剤での服薬ではない為に、上記副作用の問題だけでは済みません。他剤の副作用、他剤の長期服薬による常用量離脱症状、相互作用、 長期服薬による常用量離脱症状等々も絡んできます。では、これらの状況下に於いて、服薬している患者群1人1人が訴える身体異常、精神異常に対し、何が原因か(基礎疾患・新疾患・他剤の副作用・他剤の常用量離脱症状・相互作用・副作用・常用量離脱症状)掌握出来る人間(掌握している人間)は存在しないと思います。追加投与されていく事を追跡可能であれば、どの薬物が副作用を引き起こしているか等々の判別は付き易いかもしれませんが、いきなり多剤処方の状態で現れた場合、原因の特定が不可能に近くなります。且つ、多くの患者は、ここに至るまでも相当な薬をスイッチしてきた為、より一層困難を極めます。
 
前項でも記述した通り、機能的症状として対称性の疼痛が高率であり、症状発症部位が両手指、両足趾、両前腕、両下腿、両上肢、両下肢、両肩頚等が左右差なく呈している場合、他、整形領域様症状である神経根症状や頚椎症性脊髄症が疑われる症状、日内変動や日差変動の著しい(固定している場合もある)各種自律神経症状、如何なる理由でも向精神薬の服薬がある(あった)場合。一見、多発性筋炎、多発性神経炎、多発性硬化症、関節リウマチ、シェーグレン、ギランバレー等の自己免疫疾患と類似してくる諸症状を呈する場合や認知症様症状、ALS様症状、パーキンソン様症状、他、多くの脳疾患由来と推定とされる症状を呈する場合も見られ、各種検査で異常がない故、線維筋痛症慢性疲労症候群、薬物由来であると否定されたむずむず脚症候群、複合性局所疼痛症候群、アイザックス症候群様症状、スティッフパーソン症候群様症状、他、明確な所見を示すパーキソニズムやアカシジア、ジスキネジア、ジストニア、過鎮静、ファシクレーション、極度な不安感、極度な焦燥感、アクティべーションシンドローム、ベンゾ主体の長期服薬患者であれば極端に外的刺激に対して鋭敏な反応を示す、疼痛閾値の極端な低下等が発症しているのであれば別として、
 
頭痛、原因不明の視力低下、異常発汗、ホットフラッシュ、めまい、耳鳴り、難聴、立ちくらみ、胸の締めつけ、喘息のようなセキ、飲み込みづらい、喉の違和感、不整脈、息苦しさ、季節に関係ない手足の冷え、下痢、便秘、生理痛、生理不順、勃起障害、慢性疲労睡眠障害、うつ症状等々は薬物由来でなくても発症する脳神経系機能の異常や自律神経系機能の異常、内臓機能異常、末梢神経系異常の類に関しては、患者自身が薬物由来であると自覚出来る状態というのは、服薬後間もなく生じた異常により、自己判断出来るレベルである為、長期服薬で発生した種々の副作用や常用量離脱は判定し難い状態になります。逆の見方をすれば、これらの自然発生した脳神経系機能異常や自律神経系異常に対して向精神薬を被せていく訳ですから病態が混沌としてくるのです。
 
余談ながら線維筋痛症慢性疲労症候群等に関しては、妙に病態の不確定要素が高い事や、曖昧な診断定義が初期からあった為、7~8年前から治療プラス追跡調査していました。「存在する派」と「存在しない派」に業界では分かれていますが、私は「存在しない派」です。勿論、知らないという意味ではありませんし、訴える様々な症状も嘘ではないのでしょうが、このような定義の曖昧な病態を恰も1つの病名として一括りにしてしまう危険性も多く孕んでいると思います。昨今賑わせている病名の多くは、鎮痛剤や向精神薬の乱用による脳神経系機能異常に端を発する医原病の隠れ蓑になっているにしか過ぎないと捉えておらず、針治療で非常に分かり易い経過を示してくれるのも(良くも悪くも)、鎮痛剤や向精神薬由来による諸症状なのではないでしょうか。もう少し丁寧に書けば、過労及びストレス+極めて多い糖質摂取より派生する低血糖様状態及び各種ビタミンやミネラル、カルシウムの過剰体内消費及び他栄養素不足+脊椎強圧(又は受傷箇所強圧)による多根性末梢神経障害及び自律神経障害から鎮痛剤及び向精神薬の乱用等の悪化要素の取り込みで追い打ちを掛けて発生する複合的クラッシュシンドロームと言ったら理解は早いのかもしれません。この手の経過は誰でも辿る可能性がある為、誰でも発症する可能性はあります。鎮痛剤や向精神薬を飲み続ける事を治療行為だと捉え続ける場合、この手の諸症状から脱する事は不可能である事を臨床を通して知る事が出来ます。根本的病態理解に関しては、日内及び日差変動を細かく聴取すれば、全員にとある共通点があります。その共通点を辿れば、根本的な病態は予想以上にシンプルなものです。ただ単に、患者が種々嗜好品の類や鎮痛剤、向精神薬を止めない限りは治らないという前提ではあり、飲みながら何とかしようと思っても、発症由来が薬物である以上は薬物を抜かない限り無理です。タバコを吸いながら肺がんを治そうとしても無理なのと一緒です。心の拠り所が病気と薬である以上、絶対治らないものです。
 
これが仮に抗がん剤ステロイドの類であれば比較的管理~把握もし易いものかもしれませんが、NSAIDsで血圧が上がってぶっ倒れるとか、向精神薬で狂ってぶっ倒れるというのは非常に管理~把握が難しいところでもあるでしょう。何せ、高齢の場合、理由を「高齢」にされるケースが多い為、益々原因が掴めない立ち位置に置かれています。そのような管理不能な状態に置かれた患者の中長期的な展望を示す手段は薬物治療に存在しない(あってはならない)ものであるという物の見方をしなければなりません。しかしながら、一般的に患者の目に入る(渡される)用紙というのは、どのように表記されているでしょうか。「注意事項」の欄を見てください。
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案外この程度です。多くの患者はこれ以上の薬の情報を追求する事はないと思います。 全てを既知した上で、患者自身が全リスクを背負って服薬するのなら別として、そこまで考慮した上で服薬している患者はどの程度いるでしょうか。事前知識を備えておかなければ、何かしかの身体異常や精神異常が生じる度に右往左往するハメになり、その症状を消す為に更なる服薬に走る、走らざるを得なくなり、事前知識を入れずに服薬を開始した為、自身の手で難病化させているに過ぎないのです。飲み続けている限り終わらない、飲み続けている限り常に不安定な状態が継続するというのは、例えば睡眠薬であれば、夜間就寝を薬で約束される代わり(いずれ耐性が獲得されるかもしれないが)に、覚醒時である日中に多くの代償(身体症状や精神症状)を抱える可能性があるという事であり、その天秤に掛けられ続ける日々に不安を覚えるのであれば薬を止めるしか手段はありません。しかしながら、下記以降示す通り、向精神薬からの脱却には多くの困難が待ち受けています。
 
では、上記新聞記事の内容に戻ります。因みに、上記新聞記事は何年前の記事か分かりますでしょうか。2005年、10年前の記事です。10年前以上から検討され危険性が訴えられているにも関わらず、現況はどうでしょうか。全く変わっていないどころか服薬者は驚異的に増加しています。高齢者に中止を求める向精神薬の類の件なのですが、私は残念ながら実現する事はないと思います。私は向精神薬に対して危険視はしているものの、やや悲観的に見ています。勿論、前向きに実現してもらえる事を切に願い、多くの服薬患者が気づく事で、その後の人生に於いての取捨選択が容易になる程の知識を身に付けてもらう事が何よりなのですが、これらを実現する為には幾つもの障壁が存在します。以前、私はこのような事を記述しました。

そもそも論として、向精神薬によって今の症状が出ているのでは?という疑問を持つ事が必要です。 
すぐにでも向精神薬を飲み直そうという依存傾向があれば、回復は望めません。
向精神薬を飲む事が治療だと周囲の誰かが思っていても、回復は不可能です。
遅かれ早かれ第三者から強要され、無理やり飲まされる結果になります。
減薬~断薬は、処方した人間が基本的に行います。
その人間は、突如として減薬~断薬を望むアナタに対して何と伝えるでしょうか。今一度考えて下さい。
減薬~断薬は反医療行為であると捉える医療機関も多く、その後、受診拒否された患者は多くいます。
仮に断薬を医療機関が了承した場合も、離脱や減薬の概念が無い場合、いきなりゼロにされるかもしれません。
薬物の変更を求め了承を得られた場合でも、急激に他の作用を持つ薬物に切り替えられるかもしれません。
医療機関では、減薬~断薬時に発現する離脱症状のケアまで責任が持てず、恐れ、行いません。
離脱症状に関して患者がネガティブに捉えた結果、医療機関側が幾ら離脱症状である事を説明しても、
患者自身が僅かでも納得していない内は、周囲に悪評を立てられるリスクを恐れ、積極的に取り組めません。
患者自身は離脱である事を認識し、強く対峙しようとしていても、患者家族や周囲に理解がない場合も、
医療機関に対して悪評は向きます。そのリスクを知っている為、積極的に取り組めません。
そのようなリスクを背負ってでも、患者に対して積極的に向き合う医療機関を探さなければなりません。
減薬~断薬を行う医療機関は、経営的に全くメリットがないという事実を患者側も知ってください。
その為、減薬~断薬に積極的に取り組む医療機関を見つけたら、本当に大切にしてください。
薬物、酒、タバコ、ギャンブル等を脱する依存性ビジネスもあり、健康食品を高額で売りつける業者もいます。
患者自身が未知の症状が幾らでも出てくるという恐怖に耐えられるか否かも大切です。
薬を止める事で改善していく姿を、薬を飲んでいる人が見ると非難してくるかもしれません。
薬を止める事で改善していく姿に対して嫉妬心を抱くかもしれません。
今か今かと措置入院させるべく手続きを踏んでいる人間が周りにいるかもしれません。
世間を見渡せば直ぐに分かりますが、日本は予想以上に薬好きと薬漬けで溢れています。
減薬~断薬行為を止める人間は、医療者よりも一般人のほうが強いという事実を知ってください。
薬を飲まない事に対して非難する傾向が強いのは、医療者よりも一般人という事実を知ってください。
何故、薬物偏重意識は一般人のほうが強いのか知ってください。一般人はベネフィットしか見ないからです。
ベネフィットばかりを押し付ける一般人に対して、危険意識を持てぬ内、アナタの改善はありません。
ベネフィットを押し付ける人間との会話は綺麗事ばかりで、お言葉教室に通っているような事実。
薬を止めて症状の改善を得る事で、周りとの人間関係が崩れるかもしれないという事実。 
幾ら痛みからの解放を願っても、痛みはアナタの身体自身から発せられているという事実。
アナタそのものから発せられる痛みは常に付き纏い、「やり直し」も「挫折」も「逃避」も出来ないという事実。
痛みからの逃避行動は、強大化、難治化し、一層の治癒遅延を招き、逃げられなくなるという事実。
故に、アナタの行動が痛みを招き、アナタの行動が痛みを解放するという事実。
事実を事実として受け止められない人間程、直ぐに逃げ口上を持ち出す事実。
事実を事実として受け止められない人間程、「でも」と「だって」で感情論で逃げ切るという事実。
そして、そこには治効理論など転がっていないという現実を知らなければ簡単に引き込まれます。
人間は、小難しい理論より、感情論で揺れ動く生き物である事を知ってください。感情論で人間は治りません。
人間は、自分に都合の良い物事しか受け入れません。都合の悪い物事は見えない事にする生き物です。
都合の悪い物事は見えない事にする人間は、事実を受け止められず、憎悪の一途を辿ります。
もしもアナタが回復を望むのであれば、都合の悪い物事も全て受け入れなければなりません。
健康は足し算で成立するという概念が僅かでもあるのなら、今すぐにでも考え直してください。
健康は足し算で成立するという概念を持っている以上、目先の成功は掴めても、直ぐ先で必ず転けます。
場合によっては精神医学そのものの歴史から学ぶ必要もあるのかもしれません。
そして、これらの覚悟が出来ないのであれば、向精神薬を飲んで病人をやっていたほうが
「社会的には」健全だという事を、身を以て知る事が出来る場面に何回も何十回も遭遇する事になるでしょう。

と。ここを先ずは個人レベルでクリアしない限りは成功には至りません。足を引っ張る人間は至る所に存在し、足を引っ張られた人間は尽く惨敗しています。それは何故でしょうか。最終的に鎮静させるしか出来ない精神医療には治療という答えはなく、患者の人権を無視した非人道的行為の数々を知らぬ人間にとっては、人の心を読み解くと謳われている精神医療が輝いて見えるのでしょう。若しくは、既にその人間が向精神薬の反応に甘美しているかです。フェイスブックにも書きましたが、如何に深刻な状態に陥っている方々が多いかというのは身につまされる思いであり、遠い地から連絡を頂いても、距離や時間、他の兼ね合いの問題により何も出来ない時の無力さは本当に心が苦しくなるものです。そんな事がないよう、容易に解決出来るよう、準備をしている状況です。
 
藤原レポート6
 
数百~数千km離れた場所から相談や問い合わせが寄せられます。時間や距離の問題、治療頻度の問題等々でお断りをせざるを得ないケースも多々あるのですが、その度に身につまされる想いになります。勿論手離しでお断りはせず、各地にいる理解ある他医や他代替機関、代替手段等のネットワークは張り巡らせています。しかしながら、距離的に絶対無理だろうという場所からガタガタ震えながらも問い合わせをくれるというのは、それ程迄に深刻な状況に患者が追い込まれているという証拠でもあり、何かしかの情報を得たい一心で受話器を上げているのだと思いますし、そのような行動は私達を奮い立たせてくれる原動力にもなります。
 
人間は前に進む勇気を持つ人間に対して一種の嫉妬心を抱く生き物である事を患者間を通して教えてもらえます。それは、肩凝りや腰痛という運動器疾患であったとしてもです。治る為の行動が、それ程迄に周囲にとっては鬱陶しい行動なのでしょうか。それらの嫉妬心を抱く人間というのは、似た症状を抱えつつも、前に踏み出せず躊躇したまま無駄に時間と金を薬物に捧げた人間であり、己の勇気の無さを公表しているようなものです。医療は公平に行使出来る手段かもしれませんが、治りたいか治りたくないかは患者自身に委ねられる不公平なものなのです。下記転載の方、ここまで来ればもう余裕。結局のとこ、自分を守るのは自分しかありません。どんな病気や症状でも言えますが、患者間での対立という構図は何処でも見られますね。不思議なものです。
 
~以下転載~
 
断薬57日目
特に体調に異常なしです。ところで、断薬を終えた方が、精神薬支持派や断薬出来ない方々などから嫌がらせや攻撃を受け、ネットから退去させられることがあるらしい。これはとても悲しいことだ。同じベンゾジアゼピンの被害を受けた者同士が対立するとはなんとも悲しい。ここでちょっと確認しておきたい。我々をベンゾジアゼピン依存したのは誰なのか?我々の脳の機能を低下させたのは何なのか?我々が離脱症状で苦しまなければならない原因を作ったのは何なのか?我々が何年もかけて減薬しなければならない状況を作ったのは何なのか?そういう状況を作ったのはベンゾジアゼピンという薬でありそれを処方した人達である。被害者同士が対立するのはあまりにも悲しすぎる。怒りの向け先はどこなのか?我々をベンゾ依存にしたものに向けるべきではないのか?そして、我々は自分の口に入るものに無頓着ではいけないと思う。今は、ネットで薬の情報が調べられる。減薬・断薬ブログも多く存在して、ベンゾの危険性も知ることが出来る。最終的には、自分を守るのは自分しかいない。そう思う。
 
~転載終了~
 
患者自身の知識と理解、患者周囲及び協力者の知識と理解、患者が関与及び関連している全医療従事者の知識と理解が無ければ恐らく実現する事はありません。それ程迄に、向精神薬の減~断薬を「個々人で取り組む」のではなく、全体として取り組むには難航する(まして相手が高齢者の場合)事が予測されます。私自身は向精神薬に非常に嫌悪を示していますが、患者自身に取り組む気持ち、要はやる気が無ければ一切関与する事はしないようにしています。向精神薬由来では全くない向精神薬服薬患者に対して針治療を行うケースも当たり前のようにありますが、これらの患者が自慢気に睡眠薬依存の話を持ち掛けても、依存している事に対し後ろめたい状態でない以上、一切危険性等々の話はしていないようにしています。結論から言えば危険性の話をしたところで到底無理なのは目に見えています。何度も言う通り、向精神薬由来の場合、患者自身が人生を変える位に努力をしないと変えられない程に大変な事であり、私達が幾ら情熱を燃やしていようが無理なものは無理なのです。ではそのような深刻な依存状態から高齢者という体力面でハンデを背負っている患者群の成功率は何れ程かという問題が孕んできます。さて、心療内科や精神科では当たり前のように処方される向精神薬ですが、他科ではどのような患者群が向精神薬処方の対象となるか下記の症例を見てみましょう。
age 50 sex f
3年前、肩に激痛が伴い右上肢挙上不能となる。近場の整形でレントゲン、MRIで異常無し。五十肩と言われ、鎮痛剤と湿布が処方される。1年間の患者自身のリハビリの結果か、90度程度迄外転可となる。その後、鳩尾~右頸部前面へ掛けての痛みと、上腕外側及び内側~前腕外側中部までに痛みが出るようになる。肩関節の可動域も依然変わらず。三角筋中部及び、肩鎖関節周囲に動作時痛、安静時痛、夜間痛あり。内蔵疾患なし。精査済み。
 
age70 sex f
主訴 左右腰背部痛 左右下肢後面痛 左右膝部内側痛
既往 糖尿 脂質異常 高血圧 難聴 頻尿 下痢 睡眠障害
5~6年前より腰部、膝部夜間痛あり。起床時激痛。日中夜間はVAS10⇒7程度まで改善。10m程度の歩行で両臀部後面~大腿後面~下腿後面及び側面に痺れと痛みが出て歩行不能となるも、前屈及び座位姿位を1min保持で改善。仰臥位及び腹臥位にて、右大腿後面~右下腿後面に引き攣れが生じる為、横臥位のみ。x-rayにてL4/5に若干の狭窄があるが、手術する迄もないとA整形で言われる。両膝部に顕著なOAが見られ、僅かな段差も上がれない。膝部内側とは言え、関節部ではなく鵞足部に著名な疼痛。同整形で人工関節の置換術を提案されている。過去、腰部に各種ブロック、膝部にヒアルロン酸ステロイドを受けるも著効せず受診。

age18 sex m
主訴 大腿二頭筋短頭第2度筋断裂
2週間程前、サッカーの練習中に相手と上半身を接触
当該部位との直接的な接触はないが、接触直後より大腿後面の痛みに伴い転倒。その後、コールドスプレーで疼痛が緩和された為、練習再開。数日間、強い痛みは伴っていたが歩行は可能だった為に気にしていなかったが、大腿後面の内出血を第三者に指摘され整形外科を受診。第二度筋断裂と診断。その後、テーピングを捲くよう指示を出され、更に数日後、低周波やホットパック等の物療を受けるも、練習再開が出来る程の回復が見えてこず、他に方法はないかと受診。

age15 sex m
主訴 右第2趾中足骨脱臼骨折後に生じたモートン病及び後脛骨神経炎を示唆する症状
約6ヶ月前、野球の練習中にスパイクで踏まれ、第2趾中足骨脱臼骨折。ギプス固定。骨癒着確認後、練習再開。若干の外方転移が第2趾中足骨に認められる。数週間後、第2趾、第3趾と下腿内側中部(患者が示す部位は内果から腓腹筋内側頭に掛けて)に痺れ。モートン病及び後脛骨神経炎を示唆するTinel兆候。
 
age 60 sex f
主訴 肩こり
発症時期不明。僧帽筋上部繊維周辺に強い症状を自覚。業務時間の経時変化により、締め付けられるような痛み、及び冷様感が肩背部広範に自覚、両側頭部の頭痛、吐き気、めまい、両前胸部から手指に掛けての痺れ。小休憩時の姿位変化にて僅かに改善。湿布が手放せなかったが、光線過敏症を友人に教えてもらってから、怖くて湿布が貼れなくなり、他に手段はないかと受診。肩関節ROM制限なし。
 
age 30 sex m
主訴 アクセレーション期に痛む右肘痛
既往 右棘上筋腱部分断裂
現役引退後も社会人野球に所属していたが、数年前より投球回数に比例し肘の内側が痛むようになる。医師からは野球肘と言われ、ステロイド注射を数回受ける。他、湿布と鎮痛剤を処方されているが、効果を自覚出来ない為に受診。部分断裂箇所に今は痛みなし。右肩甲上腕関節前方下方転移が認められる。要はルーズ。神経障害、肩関節ROM制限なし。
 
age 60 sex m
主訴 右下腿裏の痛み
3年程前より長期座位姿勢からの歩行開始時より右下腿裏全般が痛むようになる。整形でMRI撮影をした結果、L5/S1の椎間板ヘルニア(後方脱出)が認められるものの、異常箇所と発症箇所の整合性が取れないという事で、観血的治療及び保存療法は見送り。様子見となる。
どの患者が処方対象になるでしょうか。答えは全員です。腰痛患者に抗うつ薬を出す時代、整形領域とて症状が長期化すれば、手を焼いた医者は面倒臭い患者に関して精神疾患患者というレッテルを貼ります。安易な服薬が症状の長期化を招きかねない事態になる事は、経験した患者であれば身を以て知っています。既に多くの過去患者が苦しい想いをしてきた事を「私だけは違う」として、服薬し続ける事だけは避けて頂きたいと願っています。いずれ、上記のような基礎疾患で悩む暇なんてなくなる位の事態に陥ってからでは遅い場合もあるのです。
 
日常的に発生する心身の損傷起因は過負荷によるものであり、自身のキャパシティを超過した末に発症します。損傷起因は至るところに転がっています。それが仕事、スポーツ、家庭、死別、破産等、そしてこれらのカテゴリ内でも更に身体的動作や精神的変容というのは必ずあり、更に、持って生まれた骨格の脆弱性や過去に生じた怪我や病気、手術によっての脆弱性、栄養状態、全てが関与し、今の状態というのは形成されています。心身の損傷の発症時期は個々人で異なりますし、発症度合いも異なる。治癒に至る迄の期間も異なるし、針治療後の経過も異なる。皆が平等に損傷し、皆が平等に回復はしない。実のところ、薬物治療のような手段を用いないのであれば、治し方や治り方なぞどうだって良いのです。直接電話してきてこられた方であれば聞いた事があるかもしれませんが、寝ているだけで自然治癒する確率が高度な患者環境が整っている症例に関しては、生活指導だけして電話を切るだけの事もあります。しかしながら、私の言っている事に対して信用を置いている場合に限るかもしれません。そうでなければ、心配が募った患者家族は「寝ているだけ」という積極的休養の意味が分からず、アチコチ連れ回して悪化した(連れ回す過程が悪化する要因となる)というケースも多いものなのです。人は間違えた行動を取らなければ、多くの急性的症状は亜急性~慢性期に至る事なく回復します。勿論、早期回復を望むのであれば治療を介入させるのが手っ取り早く、早期QOLの向上は獲得出来るかもしれませんが、私達が先行的に考えなければならないのは、「どのようにして治すか」という治療手段よりも、「何故、目の前にいる患者がこれ程迄に重篤化し、治らないでいるのか」を考えなければならないと思います。そのように考えると、患者意図なのか周囲の親切心か何なのかは分かりませんが、細かく聴取すると、回復を遅延させる手段を意外にも多く取り入れている事に気づきます。
 
分かりやすくもう一度書きます。心身の損傷起因は日常にある。日常で心身は損傷する。日常で発生した心身の損傷は、日常を変えなければ回復には至らず、日常を変える事で回復に至る。次点として前項にも記述した向精神薬の長期服薬で派生する「反跳性不眠」「反跳性不安」「反跳性筋硬直」の常用量離脱(若しくは減~断薬後の離脱)、術後後遺症(主に脊椎変性疾患に対しての観血的治療による椎間板不安定症から派生した他高位の神経損傷等々)でしょうか。余談かもしれませんが、睡眠薬を長期に渡り服薬している患者ほど「頭痛や目眩、吐き気、肩凝り」という症状で来られるようですが、相当な割合が睡眠薬による「反跳作用」だと現場を通して分かります。自然発生で生じた非服薬群の同一症状での改善速度や予後が全く異なる事、運動器疾患とは異なる特異的な症状形成を訴える事、症状自覚時間が血中濃度と当てはまる事(例 朝は楽だけど薬切れとなる昼過ぎからどんどん辛くなる等、睡眠薬単剤であれば比較的分かり易い)。そして、睡眠薬を止めれば症状が消失する事。これが答えでしかありません。改めてですが、損傷に於ける薬物治療は急性期であれば奏功する場合もあるでしょう。しかしながら、亜急性~慢性期に移行した症状は、急性期主体の薬物治療の範疇から外れた状態、謂わば急性期以外に対しての薬物治療の適応力は極めて低くなります。その為、頭で抑えてしまう向精神薬オピオイド系が処方されるようになります。しかしながら、対処療法としての「鎮痛作用」は得られたとしても「治療」としての意義があるものでしょうか。
 
分かりやすくする為に逆説的な見方でも書いてみます。針で症状が軽減~改善~治癒に至ったとします。針の作用と、急性憎悪期に用いる薬物の作用は真逆を辿ります。針は血管拡張による患部の栄養供給を求めますが、急性憎悪期に用いる薬物は患部の抗炎症を求める作用を持つ為、結果的に血管の収縮が生じます。では、急性憎悪期を過ぎても尚、抗炎症作用等々を求める手段を求めていた場合どうなるでしょうか。いつまで経っても治らないばかりか、憎悪していく可能性も高度になります。人間は症状として自覚するかは別として、常に損傷と回復を繰り返しています。炎症と抗炎症のバランスが保たれながら生活を送っています。そのバランスが保たれているからこそ生活が出来ています。炎症が起きていない時期に、抗炎症作用を求めた薬物を用いても回復には至りません。寧ろ悪化します。別な例えもしますが、胃酸が過剰分泌している状況下に於ける胃痛に対して胃酸分泌を促す薬を飲めば、もっと痛くなるのと同じです。このように、傷に塩を塗るような行為が、不思議な事に日常的に派生し易い整形領域疾患には漫然と行われているのです。鎮痛は得られるかもしれないが回復はない、もしかしたら鎮痛すら得られないかもしれない、それでも何時かは治ると飲み続けていた薬は作用と病態が異なる以上、ゴールが元々存在しない。自ら回復の可能性を潰して治らないと言われても、そりゃそうだとしか言えません。針治療が慢性期の症状に対して優位に立てるのはこれらの理由もありますし、解剖上、骨間を無視したアプローチが可能である為、100の力価を100のまま深層部迄持っていけるからです。詳しくはこちらを⇒ 針治療を受けられる方々へ
 
非炎症期にも関わらず抗炎症作用を持つ手段を取り込む、血管収縮作用を持つ手段を取り込む、血管圧迫が示唆される手段を取り込む、細胞が挫滅する程の強圧を発症部位に与え鎮痛作用を取り込む、解剖学的にも有害事象が発生し易い箇所に対して外的刺激を掛け続ける、器質的異常が画像所見上明確なのにも関わらず神経や脈管の疎通を阻害するストレッチや体操を強行する、痛みを我慢してウォーキングをする、疼痛閾値が上がるからと向精神薬を飲む、酒を飲む等が先ず挙げられます。仕事上、家庭上の身体的動作で難しいケースを除いては、患者努力でしなくても良い事を積極的に行った事で症状が長期化、憎悪化した事を鑑みるのが大切です。何かしかの症状が発症すれば、あれもこれもと手を伸ばしたくなる気持ちは良く分かりますが、病態を無視した行為は治癒遅延を招きます。先ずは、これらを除外する事。除外する事で回復速度は急激に上がります。良かれと思っている行為だとしても、心を鬼にして止めさせる。嫌われても良いから止めさせる。そんな事をしていれば、時に「医学や~」「科学的根拠に~」「エビデンスが~」と言ってくる人間もいますが、その医学や科学的根拠に基づいた方法とやらで「治っていない」というエビデンスを持った目の前の患者はどうするのでしょうか。これらの患者が精神疾患とレッテルを貼られ、薬漬けにされているのです。そして、これらの薬漬け医療は医学であり科学的根拠であるのでしょうか。どれだけ多くの患者が初発は軽微な理由で発症した症状が向精神薬や鎮痛剤で症状が憎悪し、無駄な時間を過ごしたか。そして、治りたくても治れない身体環境下に陥れられているか。針という道具しか使わない事で見えてくる事は多くあるのです。

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※昨今、多くの被害者の声により、向精神薬及び精神医療の実態が大きなメディアを通しても報じられ、減薬~断薬が一種の流行になっていると情報が入っています。危険性を知ったからと、減薬~断薬は興味本位で取り組めるような生易しいものではありません。急激な減薬~断薬は命に危険を及ぼす場合もあります。自己判断では行わないように※

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  ~針治療から病態定義の見直しを~