藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

針と不安とベンゾジアゼピン


~はじめにまとめ~

寒冷、不安、恐怖、孤独、疲労、悲しみ、怒り、苛立ち、不眠等のネガティブな状態は、自身が抱える諸症状に対しても鋭敏に反応し易くなるものです。このような状態を痛覚閾値(疼痛閾値)の低下と言います。何かしかの症状を抱えていれば、自己の心身の疲弊は避けて通れず、結果的に閾値の低下が招かれるという悪循環は致し方ないところではありますが、自己の抱える症状や情動以外にも、外的要因で閾値の低下を招いてしまうケースも多く散見されます。最も多いケースを幾つか挙げますと、アルコール多量摂取による疼痛回避、タバコ、強い圧でマッサージや指圧を受け鎮痛作用を求め続ける行為、慢性期での漫然としたNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の使用、向精神薬及びオピオイド系鎮痛薬の長期服薬は急激に痛覚閾値を低下させ続けます。

特に、中枢神経系で鎮痛を求む事になる向精神薬オピオイド系に関しては、長期服薬による耐性の獲得から派生する常用量離脱症状の発症だけでなく、断薬後に自身の能力で即時的に各種脳神経伝達物質を生成分泌出来ない状況となり、その結果、薬物を止められず、経時経年で増量させ続けなければ過去と同一の鎮痛作用を求められない状態となる患者を多く見掛けます。結果的に薬物中毒状態となり、生涯に渡り薬物の調整無しでは生きていけない状態に陥る人も少なくありません。

こちらをご覧になり、該当していると思われた方は、早期段階で薬物から手を放す事を推奨します。針治療は痛覚閾値の上昇を求められる治療手段でもありますが、継続的に漫然と痛覚閾値の低下が招かれる身体環境を薬物で形成し続けた場合は相反し続ける状況になり、症状改善の速度は急激に低下します。医療選択は患者の自由意志ではありますが、相反する作用を求め続けても不利益を被り続けるだけあり、患者にメリットが生じる事はありません。このまま薬物の調整と一生涯付き合う覚悟なのか、薬物を手放す覚悟を決めるのかを考える良いキッカケかもしれません。尚、薬物の減~断薬に関しては処方医とご相談下さい。


      
人間は自覚~無自覚問わず、生きながらにして炎症と消炎、損傷と回復は常に繰り返されている生き物ではあるものの、これらの度合いが一定のラインを超えた時に痛みとして自覚する。このラインを閾値(いきち)と呼ぶ。では、閾値が極端に低下する理由、更に閾値上昇に至らず、低下させ続ける要因とは何であろうか。代表的なものとして、当該患部の血流量減少、血行動態異常による閾値低下である。年齢による痛覚受容器の多少にもよるだろう。若年程に密であり、高齢になるに従い減少する。それ以外に閾値を低下させる原因は何であろうか。

外的刺激(内的刺激も含め)に対しての耐性を極端に低下させる要因とし、不安や恐怖という自己から発現する感情がある。外的刺激の耐性の低下、それは外的刺激からの痛み閾値の低下にも繋がる。痛覚閾値の低下と呼称するのが一般的である。針治療という侵襲行為も外的刺激のカテゴリ下に置かれる。その他、凡ゆる治療手段も外的刺激であり、気温、気圧、風呂の温度から椅子の硬さに至るまで全てである。針治療を痛いと自覚している人には信じられない話しかもしれないが、治療を楽しむ患者も多くいる。「気持ち良い」「クセになりそうだ」「パーンと膨らんだ風船の空気が抜けていくようだ」等と表現する。何処まで正直に教えてくれているかは分からいし、クセにならなくても良いとは思うが、針治療の受け止め方は個々人の差も大きく、症状の強さや発症時期によっても異なる為に一概には言えない部分でもあるのだが、極端に針治療に恐ろしい程の不安や恐怖を抱えて来る人もいる。それは最早誇張された状態と表現しても構わない程である。では、この違いを考察しなければならない。針治療の痛みというものに関して、患者は大きく3つのグループに分けられる。
 
1)受療前から不安と恐怖なく、実際に痛くない、気持ち良いと感じるグループ
2)受療前は不安と恐怖だが、実際に受けてみたら痛くないと感じるグループ
3)受療前から不安と恐怖が高度、且つ、実際に受けて痛いと感じるグループ
 
勿論「痛くない」と私が断言するのもおかしな話しでもあるし、厳しい評価をすれば、1)のグループとて刺入部位により「チクッ」や「ピリッ」と自覚する事もあるだろう。それぞれの答えを見つけ出すには当該患者の全生活に入り込み、1つ1つの言動を調査する事で見えてくるのかもしれないが、問診時の対話で大体見破る事は出来る。実は各グループ毎に問診時の対話内容で共通項が存在する。1)と2)は治療時の痛みも然程ないようだから特別視する必要はない。問題となるのは3)である。勿論、3)の患者を置いてきぼりにする事はない前提での話しであり、どんな状態であろうとも何とかしなければならない。では、3)の方々は5番、3番、1番、01番、刺しているフリ、どれで痛がるか検証をした事があるだろうか。残念ながら全ての手段で同様の痛がり方をする。刺そうが刺さまいが痛い痛いと飛び上がる。針を挿管しない針管を皮膚に当て、切皮の動作を取るだけで極度の痛がり方をする。そこには大いに共通点がある。
 
1)ベンゾジアゼピンの長期服薬によるもの
2)ベンゾジアゼピンの減~断薬後、間もない期間
 
(※厳密に言えばベンゾジアゼピンだけではありません。GABA受容体に作用する薬物全般であり、エタノールや非ベンゾジアゼピン(イミダゾピリジン系)、チエノジアゼピンバルビツール酸系、他、整形領域で高頻度で処方されているプレガバリン(リリカ)もGABA受容体に作用します)
 
この2点に落ち着いてくる。長期服薬に伴う常用量離脱症状が発生している状態の時、及び減~断薬中に伴う離脱症状が発症中の状態である。仮にも今回はベンゾジアゼピン(以下 ベンゾ)を挙げたが、当該薬物と同様の作用を兼ね備える鎮痛薬(例 リリカ)等も存在する為、ベンゾに限った話しでもないし、過去にルートブロックで強烈な痛みをトラウマとして持つ場合も類似してくるかもしれない。
 
参考までに、SSRISNRI、NaSSA、三環系、四環系、抗精神病薬の類の場合、外的刺激の閾値は高い傾向になり、針治療の痛みに対して全く抵抗を示さない。寧ろ、皮膚感覚すら鈍くなる為、全身の皮膚を患者自身が触っても鈍麻傾向になる。それもそれで危険な状態だとは思う。改めて書くと、常用量離脱中、及び減~断薬後の離脱症状を発症している状態というのは、過剰且つ過敏に交感神経系が亢進している節がある事を述べた。要は、針治療という刺激も含め、全ての刺激に対して、患者の身体は過度で過敏な反応を示す。薬物の影響にてGABAの分泌が著しく乏しく、自身のホメオスタシスで状態を修飾されるには長期時間が掛かり、復帰する迄には通常では考えられない程の時間を要する事になる。長ければ1~2日。その期間に生じてしまった状態、それを症状と言い換えても良いのかもしれない。初心に戻り、交感神経系の亢進が起きると何が起きるか見てみよう。挙げればキリがなくなるから簡単にはするが、
 
血圧が上がる、心拍数が上がる、筋緊張が高まる、蠕動運動の抑制、発汗の促進、疲れやすい、だるい、不眠、立ちくらみ、微熱、めまい、頭痛、息苦しさ、食欲不振、月経痛、むくみ、イライラ、意欲や集中力低下、疲れ目、耳鳴り、吐き気、動悸、不安、落ち込み、憂鬱等
 
が一般的かもしれない。初発は社会、家族、もしくは自分自身の何らかしらの接点で歪みは出れば(勿論、内臓疾患や栄養障害を起因とするものもあるが)、自律神経系の機能異常なんて誰でも呈するものであるし、それが当たり前である。しかしながら、人間は機能異常を正す機構を本来持ち合わせているもの。そのような状況下にも関わらず、薬物で無理やり抑制させてしまったらどうなるだろうか。一時的には楽になったかもしれない。酔っ払ったように気分が良くなるかもしれない。しかしながら、いずれ耐性は獲得され、同量では効かなくなり離脱症状が出てくる。その時どうするかが問題になる。薬を増やすか薬に気づき減らすかのどちらかであるが、何も知らなければ前者を選択する(される)。「自律神経失調症ですね」「睡眠障害ですね」と言われて出された薬物を長期服薬した事で、若しくは減~断薬し始めた事で高頻度で起こりうる状況が形成される。もう少し具体性を持たせればこうなる。
 
うづき、痛み、動揺、落ち着かない、アカシジア、不安、恐怖、パニック発作、かすみ目、胸痛、離人症抑うつ自殺念慮、現実感喪失、下痢、瞳孔拡大、めまい、複視、口渇、不快、電撃の感覚、血圧上昇、疲労と衰弱、インフルエンザ様症状、胃腸障害、聴覚障害、火照りや寒気、嗅覚過敏、入眠時の幻覚、心気症、触覚過敏、音に対する過敏、頻尿、優柔不断、不眠症、集中力低下、記憶障害、食欲不振、体重減少、味覚障害、失語、気分変動、筋痙攣、筋肉痛、筋攣縮(注 私が知る限り、ALS様のファシクレーションとも異なる)、吐き気、嘔吐、悪夢、痺れ、強迫性障害、偏執病、止まっているものが動く感覚、光過敏、RLS、頻脈、耳鳴り、振戦、死に至る程の緊張、混乱、死に至る程の発作、昏睡、妄想、幻覚、殺人願望、躁病、悪性症候群、様々である。
 
では、患者表現に変えてみてみよう。
 
脇腹、腰の激痛(チクチクガラスで刺される様な)が、お尻、背中、脚に広がりました。吐き気。ドライアイ。痺れ。
不眠。だるさ。食欲不振。頭痛。発熱。震え。動悸。音、光過敏。逆流性食道炎の様な症状。最近、泣いたり死にたいとばかり考えるように。孤独感も増しました。恐怖感、希死念慮、不随意運動、過呼吸、不眠、嫌な事を思い出すと頭が今にも破裂しそうな感覚、1分ももたない頻尿など・日常の全てに過剰に反応し学校での出来事と関連させる。それが自然にごく当たり前のように発展し、説明しがたい嫌悪感でいっぱいの考えになる。(言葉、仕草、状況が当時と似ている、あいつも同じ事言いそう、しそう、言っていたらこうなるはず・・・とリアルに想像して止められない。脳がクルクルと回転している様な感覚で発狂しそうになり、もの凄く嫌な感情で収集つかなくなる。)
・常に不安とイライラがある。(四六時中嫌なことに繋がるきっかけを探しているよう。)・自分や家族の少しの間違いも、異常に気になる。(何か大変な事に発展してしまいそう。)・プラスイメージのものに、自分をいじめた教師や生徒を投影する。
(自分をいじめつつ上手く立ち回り、皆には受け入れられていた事を思い出す。)
 
・マイナスイメージのものに、自分を投影する。(教師や一部生徒に言いくるめられ、皆から悪い噂や無視をされていた事を思い出す。)・寝る前は特に、無意識に嫌な考えに囚われる。・あるひとりの生徒(同性)のことが異常に気になる。(自分のあらぬ噂を信じて誤解しているのではないか。また、自分をいじめた生徒が、この生徒とも仲良くしていたことも嫌でたまらない。)・学校に関連しないことでも、ふと思ったことに対する考え方がおかしい。(我慢できずに発狂するほど言い表せない嫌な感覚。脳が壊れたと実感する。)・思考が混乱・興奮し、これらが終息するまで、気をそらすことも振り払うことも出来ない。(この間、悲鳴、暴言、暴力、物を投げる、外へ飛び出すなど、人が変わったようになる。)脳が「ギチュギチュ」と鳴って逆流する感覚・発狂し暴れだす位の気持ち悪さ・脳が「ガシャ」と恐怖に切り替わる感覚・頭を殴られたような「痛い!」「怖い!」などの異様な感覚ビクンビクンと痙攣したりすることもありました。恐怖感が異常であり、妄想と現実の区別もつかなくなっていました。
 
頭痛(頭にビリビリ電気が走るような痛さ、後頭部がぐわんぐわんする)、頭重、ひどい肩こり、眩暈、ふらつき(突然地面が陥没したかのようにガクンとしたり、後ろにバーんと転倒するかのような症状)音に敏感、眠りが浅い、みぞおちから喉にかけてのつかえ感(ヒステリー球)、幻聴、気力が出ない、ボーとする、手の震え、吐き気、食欲不振、下痢、激やせ(6㌔減)、光が眩しい、だるい、焦燥感、呼吸が浅い、筋肉の硬直・顔面硬直(起床時口が開かない、手足が動かない等) 症状が悪くなると動悸、焦燥感から過呼吸へ、目の乾燥。・不眠・右手右腕のこわばり・つっぱり、感覚異常、肩こり(ガチガチ)・腹部膨満感(夜中になるとゴボゴボ、ガスが溜まっている感じ)
 
・強い吐き気・発熱(夜中になると37.4〜37.8度まで上昇)・異常発汗、熱感・ドライアイ、目のかすみ、疲れ・頻尿(20回以上/日)、頻便(10回以上/日)・ふらつき、めまい、離人感・食欲減退、食欲不振・頭痛、頭部膨張感、圧迫感 身体の冷え、脳みその中が、血の流れる音?ひゅんひゅんというのがする、攻撃的になる、話したくない、もちろん眠れない、全身かゆい、脳みそ、身体のこわばり、顔が変、眼をあけているのがつらい、開けていると、まぶしい、鼻の付け根が痛い、歯ぐきが過敏になる、手に力がはいらない、呼吸がしづらい、寝ているとき、足の芯が、ずくんとして起きてします、姿勢が悪くなる 不眠 動悸 頻脈 目眩 耳鳴り 不安 希死念慮 パニック発作 異常発汗 胃腸障害 離人 現実感喪失 体感幻覚 震振 痙攣 頭痛 筋肉の凝り 歩行困難 平行感覚異常 排尿障害 脱毛 シェーグレン症候 群類似症状末梢神経痛 集中力低下 記憶障害 肌荒れ 体毛変化 体重減少光過敏 臭過敏 音過敏 
 
手先がまともに動かない。朦朧とする。感情のコントロールができない。イライラ、涙もろい、笑い出すと止まらない。ドライアイ、目蓋の腫れ。肌質が変わる。抜け毛、切れ毛。鼻の穴、耳の穴が大きくなる。歯茎からの出血(歯科に行くも原因不明)ヒゲを触る癖が付く。起きている間中ジョリジョリ弄る。動悸息切れ。下痢。頻尿、早漏、残尿。罪悪感、脅迫感、焦燥感。顔の表情の変化、病人面。全身の凝り、首、肩。吐き気。巻爪。犯罪を犯してしまうのではないかと思う心配、狙われているのではないかと思う心配。声が出せない、言葉が出ない、考えを言葉に出来ない。対人恐怖、自分は嫌われているのではないか?イジメられているような思い、生きて来たこれまでの人生が蘇る。活力が湧かない、常にネガティヴ。夜から深夜に掛け少し和らぐ気がする。お風呂に浸かると和らぐ気がする。熟睡感が無い、すぐ目が覚める。
 
頚椎捻挫と肩を痛め、痛みから寝れないと医師に相談するとリーゼを処方、それでも痺れや身体の調子が悪く、仕事に行ったり行けなかったりして、寝れない、家事が出来ない、波が出る様になり胸も来るしく、心療内科に受診、パキシルなどを処方、それでも効かない感じで、整形外科からでデパスを処方、デパスの飲み気分が良い日もあったが被害妄想が酷くなっていった、年末年始で薬が切れてしまい、4日間寝れない日々を過ごして色々な人に電話をかけ、被害妄想の話しをし、被害妄想な話しは家族にまで、、寝れないからと、救急車を呼んだら病院に誰かから追われてる感覚が取れず、怖い寝れない、大声で泣くを繰り返し、デパスを飲まされて眠りにつくが、家に一旦帰宅したら、妄想が酷い、頭がボーッとする、全身の震えで寒く怖い、不眠、希死念慮抑うつ、吐き気、息苦しさ、動悸、発汗、めまい、手の震え、手に力が入りにくい、離人感、頭がおかしい、全身ぴりぴり、音が痛い、イライラ、耳鳴り、異常に喉が渇く、対人恐怖、閉所恐怖
 
だるさ、感覚の麻痺、食欲不振、味覚の麻痺(口の中が苦い、何を食べてもしょっぱさが残る)思考力の低下、物忘れ強烈な不安感、自殺願望、希死念慮、頭痛、イライラ、認知症のような物忘れ(自分がやったことを覚えていない)フラッシュバック、吐き気、手足末端の極度の冷え風邪をひいた時のような筋肉痛、悪寒孤独感 空虚感 感情の希薄 呼吸が辛い 睡眠異常 音に過剰反応 耳の閉塞感 ドライアイ目の痛み 記憶退行 頭の中の音や違和感 多汗 吐き気 めまい肌のピリピリ感(特に顔) 全身に力が入らない 手足の痺れ 体内の震え
強烈な不安感、恐怖感 強烈な喉の渇き 脳が引っ張られる 脳がこねられる
睡眠中発汗 頭から押さえつけられて立っていられない時がある 予期不安 喉のつかえ 回復期の焦燥感 絶望感 希死念慮 孤独感 風邪など引いた時の身体症状のぶり返し(頭重感 喉のつまり渇き) 晴天時の灼熱感
 
目の急激な霞み、目が見えなくなる、視力低下、筋肉の全身のこわばり、筋肉の震え、発狂しそうないてもたってもいられない、歩き回らないと足が気持ち悪い症状の副作用がでました。随分死ぬかと思うほど悩まされ、精神症状も良くならなかった。本当副作用だけ顕著に出ました。ジプレキサでは10キロ太り、過食症状がすごかったです。今年に入り4月にほぼ自力でやった引っ越しや寝ずに高速運転したり無茶してしまい、デパートで家具物色中に久々にガチのパニック発作が起こり救急車で搬送されました。それから懐かしの広場恐怖などが復活し、行動できないため、1日1錠~1.5服用してました。最初はバッチリ効いたが次第に飲むのに少し発作がおきたり、肩凝り、眼精疲労、飲むとすぐにお腹壊すなどがあり、薬切れる頃、頭の中が気持ち悪い感覚があり??となったのです。 人間関係がいやになる、誰とも会いたくない、話したくない、些細なことに腹がたち攻撃的になる。現在でもまだ仕事が手につかない。次第に毎日死にたいと思うようになり声に出してずっと言わないと落ち着きません。涙が出て仕方ない。後悔や自責の念。強い不安。アナと雪の女王を見にいったとき、映画の雪景色をみて消えてしまいたいと本気で思いながら帰りました。
キリがない為に此れくらいで留めておく。何となく分かるかもしれないが、根本には「強い不安」を抱えているのが分かるだろうか。処方した医者の肩を持つ訳ではないが、此れほど迄の状態を形成され、患者心理として裁判で訴えたい気持ちもあるかもしれないが、この程度の症状が出たとしても裁判では患者が負ける。PMDAも話しは聞くが何もしてくれない。まして、これらの症状を医者に伝えたところで、更なる薬物の増量が待ち受けているケースも多く、家族や友人が向精神薬に対しての知識が無ければ「狂ってしまったのではないか」と結局は病院に連れていかれる。世間一般では「精神疾患患者」というレッテルを貼られるに過ぎないのだから。時に向精神薬は攻撃性や衝動性を持つ為、暴力行為、犯罪行為が伴う場合、やはり同様の措置が取られる。その為に、頼るのは自分自身しかいなくなる。残念ながら、入院させられ致死量を超える向精神薬を処方され殺された患者すら裁判に負ける。仮に幾ら金銭的な補償があろうと、症状が消える訳でもない。症状は目の前に金を積まれても即座に解決出来る問題でもなく、その金すら使い方を間違えた患者は更なる薬漬けに走り続ける。
 
仮に今、向精神薬の服薬が無ければ、誰に何と言われようと飲まないという気持ちが必要であるし、仮に今飲んでいて、且つ目立つ症状が出ていないのだとしたらさっさと医者に相談して止める、既に症状が出ていたとしても同様。「私は向精神薬で助けられている」という気持ちでいるのなら、そのまま薬漬けになってろとしか言えない。少なくとも無力症、悪心、そわそわ、易刺激性、記憶障害、集中困難、うつ、快感消失、自律神経障害あたりが出た時点で、病気に責任を擦り付ける前に、自身が飲んでいる薬を疑うのが確実である。
 
そのような中、薬の害に気づき減らしていこうという患者群も当たり前だがいる。その人達の為に、私は上記の交感神経系の過剰亢進状態を日々落ち着かせる為の策を練り続けているだけに過ぎない。脳を蝕む圧倒的な力を持つ向精神薬の作用は、回復迄に時間が掛かる悪質な医原病である。その回復期迄、何れ程の日常生活の維持が出来るかに力を注ぎ込まなければならない。そして、私があまりこの件に関して最近積極的ではない理由がもう1つある。これらを成し遂げる為には、私の力など微塵なものである。
 
必要なのは患者の知識と体力と患者周囲の協力であり、患者自身が依存という状態から抜け出す為の強い精神力が無ければ絶対に成功出来ない。成功率は約2~3割。それ以外の患者は依存に負けて再服薬の道を辿り、振り出しに戻るか更なる悪化が訪れる。勿論、これらの患者群は処方した医師に相談した上でという話しは付け加えておく。何も知らない医療信仰者は、薬を止める事が反医療行為であると悪評を立てる。今は、減~断薬のクリニックも増えているのだが(超営利的な危ない所も出てきているが)、クリニックと大病院では、大病院の話ししか耳を傾けない患者も多いものだ。やり切れない想いでやっている事には変わらない。私はその2~3割、100人いたら20~30人、もしかしたらもっと少ないかもしれない。私はその失敗組と失敗組の家族及び周囲の人間を敵に回しても、強い精神力を持つ2~3割の患者を助ける。

今回の主旨は、離脱症状の軽減や早期脱出の治療法の話しではなく、且つ、離脱症状特有の病態の見破り方でもなく(過去に触れたから今回は省略)、どこで見破るかである。何でこんな初歩の初歩の話しをしているかって言うと、単なる筋骨格系を主訴に持つ患者群であったとしても、別件でベンゾを服薬している患者は恐ろしい程の数がおり、且つ、患者本人も少し後ろめたいのか、初診時から服薬している事を言わないという状況が多い。
 
高齢層の場合、薬が多過ぎて何を飲んでいるのか把握も出来ない状況でもある。正直言えば、高齢層が既に向精神薬を長期服薬し、且つ依存傾向である事を自覚していた場合は何も言わない。離脱症状惹起のリスクを軽減しつつの治療内容にシフトしながら当初は様子を見ていく事にしている。恐らく、この手の話しをしても理解出来ないし身体が持たないと思う。まして、情報が無ければ言えない事もあるし、出来ない事もある。状況によっては治療内容を変えなければならなくなる。そのような状況下に於いて、隠れ服薬者とも当たり前のように出会う訳であり、それらの患者情報が無い状態で治療を行うと、時に著しく具合を崩す時がある。治療部位によっては脳血流量が上がる為、離脱症状を出してしまう時があるからだ。治療により離脱症状が出る事自体悪い訳ではない。寧ろ、脳血流量の増加の証明にもなるのだが、患者の主目的が薬物による早期離脱脱出ではない場合、どうなるであろうか。その為の、隠れ服薬者と隠れ過去服薬者を見抜く為に、問診時の共通項、及び、針治療時の痛がり方で探るしかなくなるという状況に陥る。他に何か良い方法があれば教えてほしい。
 
所謂心療内科や精神科経由で薬漬けになるのではなく(ここを経由すれば当たり前に起きる事だから)、一般内科での始まりの多くは、NSAIDs→降圧剤→ベンゾが多いと思う。整形外科ではどうか。NSAIDs→オピオイド系→治療抵抗性を示しベンゾではないだろうか。その後ベンゾの耐性が獲得され、抑うつ傾向を示したり鎮静状態が形成された場合、抗うつ薬等の追加投与が最も多く、最も危険視しなければならない悪循環が始まる。そもそも、ベンゾに至る前、何故降圧剤を飲む事になったかを患者自身が考察しなければならない。それは塩の摂り過ぎではない。NSAIDsの長期服薬(湿布でも同じだが)に過ぎない場合が多い。他は肩頸部の強揉みのされ過ぎもあるか。因みにこれらの漫然とした使用も痛覚閾値を低下させる一因になり、ますます外的刺激に対して耐性を弱める。結果、段階を踏んで最終的には高用量多剤に陥る。ベンゾだろうが何だろうが、薬に頼る根本的思考性が招いた結果でしかない。それには幾つか段階を踏んでの事を、過去の自分自身の経緯を振り返れば分かる事である。 薬で形成された身体状態を更に薬で止めるなぞ宜しくないと書けば誰でも理解してもらえるだろうか。
 
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※昨今、多くの被害者の声により、向精神薬及び精神医療の実態が大きなメディアを通しても報じられ、減薬~断薬が一種の流行になっていると情報が入っています。危険性を知ったからと、減薬~断薬は興味本位で取り組めるような生易しいものではありません。急激な減薬~断薬は命に危険を及ぼす場合もあります。自己判断では行わないように※

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  ~針治療から病態定義の見直しを~