藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

再考をする 32 2023/10/21~2023/11/5

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid02YkCLJ6SyhfRtSjEcQUjBXJMyVDNZXYdQEBidXKzDojBHtjw6XWxHfCCb4jvaSU1Zl

 

>>運動神経を受傷した場合であれば筋量の減少その他が起きる為、周囲径等で数値化が可能になり、イメージし易い

 

服薬による弊害の話題はさて置き、対薬物で絶対と表現しても良い程に勝てない能力は、火消しの能力と鎮痛の能力、自律的機能を担う神経伝達物質の動態変化ですが、それと併行して、これらの薬物は運動神経の受傷及び当該症状には、全くと言って良い程に無力な状況を気が付かせてくれ、それは知覚神経等にも細胞レベルでの改善とは異なる状況も意味する事を気が付かせてくれます。

 

当たり前の事を書いているかもしれませんし、何を当たり前の事をと思われれば、それが何よりですが、罹患細胞の改善は、火消しや鎮痛作用では得られませんし、場合によっては罹患細胞の回復の遅延を招き、神経伝達物質の動態変化を外的から求めたばかりに、その物質なしでは生命維持に困難を来すリスクが惹起され、動かし方次第で病状を加速させるのが実際です。

 

椎間孔の出口付近までは背側に知覚神経、腹側に運動神経が走行し、神経根で1本にまとまり、その内部は間も無く知覚神経の周囲径が太く、運動神経が細く、末梢に従い枝分かれと共に周囲径が逆転する状況からも、日常生活上で惹起される症状群で、確率的に知覚神経の受傷事例が目立つのは、ヒトの構造が理由でしかなく、体性神経や自律神経に対し、無差別的にダメージを加える他の傷病理由では、尚の事、これらの薬物の性格が明確に見えてきます。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid0uCYfAu2v1Z7N8k4gW8CaGux6G122cRWt937z9pHBWqiVFBLrHTxw2yUZZT7LwGEKl

 

https://news.yahoo.co.jp/.../0f4d24dd486bff5f5fea22c8a6f9...

 

>>大人がもっと議論をしなければいけない

 

大人の薬物摂取状況はもっとロクでもないので、どうしようもないが結論ですが、これを瓦解する手段として、先ずは違法と合法の垣根を排除して考える必要があると捉えています。「a)麻薬だめ」「b)覚醒剤だめ」と散見する事はありますが、「a)オピオイドだめ」「b)メチルフェニデートだめ」、とは散見し難いですし、商品名で挙げれば、「a)トラムセットだめ」「b)コンサータだめ」とも散見し難いと思います。

 

a)とb)は、それぞれ同じ神経伝達物質を増強させているにも関わらず、ダメとOKの切り分けは何処でしょうか。その理由に「違法だから」「合法だから」「医療だから」「医療用量だから」と、文字面だけで大人が思い浮かんだのであれば、議論の壇上から退けたほうが子供にとって安全です。

 

折角なので「青い舌」を例にすれば、この薬物は青色1号が混ぜ込まれているベンゾジアゼピンで、フルニトラゼパムロヒプノール/サイレース)です。この薬物はアメリカやカナダ等に持ち込めないのは有名で、日本だから許されている側面もあります。このように、国が異なれば薬物への見方も異なるので、違法合法という時代と共に変化の可能性がある制度的な線引きで、飲むや飲まない、安全や危ない等を決める思考が危険であり、その思考が薬物の問題を立ち消えさせない理由になると考えています。

 

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パチンコ屋の駐車場から道路に出てくる車の挙動で、勝ったか負けたかを予想するのが趣味の私ですが、ふと、パチンコを止めたいヒトはどうしているのだろうと思った事です。薬物は大雑把に3種類の減らし方があります。飲む日と飲まない日を交互に作りながら減らす隔日法、連日飲みながら減らす漸減法、背景はどうあれ一気断薬の3種類です。

 

その中で安全な経過を示すのが漸減法で、減薬カレンダー的なモノも作らず、通院の時期毎に他人の判断を仰いで減らすのでもなく、あくまで症状優先で、既存症状が在れば増悪の確認や、新規症状の惹起確認、また、神経障害は早発性と遅発性の問題も懸念材料にある為、血中濃度と動態だけを見て、教科書的な判断で再減薬を繰り返すと、どこかで躓く可能性が高いものですし、他の薬物との兼ね合いや、肝臓での薬物代謝酵素絡みの飲食内容の問題等、全て注視し続ける必要があります。

 

形だけの断薬、薬ゼロ状態が如何に身体へ危険を齎すかは散々取り上げていますが、何よりヒトは減薬で容認不可能な神経障害が惹起されると、我慢大会にも限度があるので、再服薬、増量、他の薬物へ手出しし始める等、大概は動きが慌ただしくなり、悪循環に陥る傾向にあります。

 

隔日法が追々の不安を呼ぶ傾向になるのは、頓服的な服薬が多い場合、飲み忘れが多い場合、飲む時間が日頃から大幅にズレている場合、過去に幾度となく服薬と休薬を繰り返した場合等は、後の離脱症状重篤化する傾向が見られる為、隔日法の背景もそれと同様と捉え、リスキーな手段として見ています。

 

この辺りは別途、服薬によるレセプタのレギュレーション変化と、薬物が抜けた時の自律的なレセプタのレギュレーション変化の弊害の項で述べていますが、ヒトは常に自律的に動き続けている背景が存在する事だけは忘れてはいけないですし、時に自律的(無意識)に機能するバックグラウンドが、薬物の減らし方、減らす手段を取り上げても、弊害になりかねない仇となる機能でもある為、その動きも併せて見る必要があると思います。

 

その弊害の事例を挙げれば、例えば一定の日数を置いた後の再服薬が、有効自覚を得られないどころか、薬物が持つ性格の正反対が惹起された等です。奇異反応やアクティベーションシンドローム的なもので、この辺りも細かく挙げればキリがないので次に行きますが、男女比としては、一気断薬や急減薬のリスクを知っていたとしても、男性側が圧倒的に一気断薬、或いは数週程度の急断薬で大変な事態になり易い印象があり、女性はその逆です。知らなかったとしたら一気断薬が自然な経過かもしれません。

 

後述しますが、離脱症状の惹起リスク、軽重、重篤度合いには、過去の服薬背景、服薬歴が濃厚に絡んでいる印象があり、時として(初めての服薬と休薬程度であれば)一気断薬や急減薬でも全く問題のない、或いは数週程度で収束する事例もあるでしょう。では話は戻し、この傾向は化粧に例えているのですが、化粧には一定の段取りがあって完成しているようです。

 

どうやら化粧は顔に何層も重ねるようですが、一層一層がしっかりしていないと、次の層も上手く仕上がらずに崩れ易い事を知っており、如何に下地が大切で、段取りが大切である事を、自身の身体に叩き込まれているのかもしれません。←患者さんからの受け売りを使い回しています。

 

長くなりましたが、パチンコと薬物の違いを大カテゴリで分けると、パチンコは環境で薬物は物質です。その為、パチンコで勝った場合の報酬系の起動等は、あくまで自己分泌能内での現象です。反面、薬物はアゴニストであれアンタゴニストであれ、当該神経伝達物質や当該レセプタを標的として、鍵となるか鍵穴となるかは薬物によりけりですが、自己分泌能以上の状態を作り上げると思います。

 

そうなると、作用はもちろん後の離脱症状と表現される神経障害も、物質の取り込み側が大きく深刻な被害を生むと考えられます。只、この話は単体ずつでの考えであり、別件で既に向精神薬を摂取しながらパチンコをやっているヒトも居ると思いますし、パチンコ依存の治療と称してSSRISNRI等の抗うつ薬向精神薬を処方されながらパチンコをやっているヒトも居ると思いますし、パチンコは止める事は出来たけど、依存治療と称されたSSRISNRI等に今度は苦労している事例もありますので、個別で挙げるとキリがありませんが、

 

パチンコを止めたい界隈のヒトも、薬物と同様に隔日法や漸減法、一気断薬的な手段が存在するのかは知りませんが、左記の通りギャンブルのみならずゲーム、アルコール、違法薬物の治療として、向精神薬の投与も古くから行われています。結果、環境依存以上に厄介で深刻な物質依存に陥る可能性が高く、身体的にも直接的に多大な弊害に曝露する確率が高まる為、ギャンブルから薬物、ゲームから薬物、アルコールから薬物等、置き換えないまま止めていくのが安全かもしれません。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid0GteX7cqgRS4AB5mkNMvN6a1ZYZnkLW6TkoL1X4cnpB2YTFxZf1neB8FyQG3BSpBMl

 

>>政府は24日、大麻草から抽出した成分を含む医薬品で、安全性と有効性が確認されたものは国内での使用を可能にする大麻取締法などの改正案を閣議決定した※1)

 

最近は大麻使用者がメディアを通じて散見される為、以前ほど「大麻は安全」「副作用なし」「依存性なし」とプロパガンダする母数も減少傾向で、近年は市場に出回っているCBDオイルの弊害も目立ち始めてきました。このように、出始めは「安全」「副作用なし」「依存性なし」と標榜される物質の大概は、追々逆の結果になります。わざわざこれらのワードを使用する時点で、その物質自体を懐疑的に思うものですが、類似するフローは相当な歴史があり、

 

古くはアヘン依存の治療で、アヘンから精製/抽出したモルヒネを「副作用なし」「依存性なし」と、アヘン中毒の患者に投与してモルヒネ依存を生み、モルヒネ依存の治療で、モルヒネから抽出、科学的合成したヘロインを「副作用なし」「依存性なし」と、モルヒネ中毒の患者に投与してヘロイン依存を生み、

 

ここ最近では、ベンゾジアゼピンを「安全」「副作用なし」「依存性なし」その他、諸々まで振り返る限り、「いつもそうだよ」と一言で片付けず、多少視点を変えて「本当に出始めは副作用も依存性も確認出来なかった」観点で考える事も必要かもしれません。幾つか考えられる事として、

 

1)市場に拡散され、多数のヒトが使い始めてから、初めて見える事象も多数存在する事

 

2)初めての服薬と休薬であれば、離脱症状も惹起され難く、惹起されても数週程度で収束する可能性が高い為、その事象自体が認知され難い事。また、それを以て「安全」「副作用なし」「依存性なし」と表現している可能性もある事

 

3)上記の結果、服薬と休薬を繰り返し、結果的に現症が離脱症状と認知するには数年後、十数年後となり、且つその人口が多数となって、服薬者間で認知され始めるのも数年掛かり、十数年掛かる為、幅広い認知には時間が掛かる事

 

4)投与側は責任問題を突き付けられる為、ネガティブな事象は認めたくない感情が働き、「服薬契機となる既存傷病(病名/症候群名/障害名)の増悪」「新規傷病の惹起」と告げ、間に受けた患者は1)~3)迄の層から除外される(母数を削ぐ努力に入る)

 

思い浮かんだ限り、この程度が先ず存在します。その上で、層として厚い整形領域疾患にプレガバリンやトラマドール、SNRIが拡散し始めたのは(エチゾラムの話題や、整形から精神科に流して増量を掛ける事例は一旦置いておき)、高々10~15年弱の為、休薬時に来す神経障害の問題も表面沙汰になり難いのかもしれません。

 

語弊はありますが、整形領域疾患は高齢も多く含まれる為、高齢者が今までのありきたりな湿布や解熱鎮痛剤等のNSAIDsとは全く異なる、中枢神経を標的とした薬物を理解出来るか、言われるがまま増量され、身動きが取れない状態に陥っていないか、これらを服薬した事で猟奇的な事件や事故等が起きていないか等、幾つもの深刻な問題が想定されます。

 

麻薬や覚醒剤大麻と文字面で表現される薬物や、他の向精神薬ステロイド等、現在進行形も含め、大きく問題視された情報が飛び交うには一定の期間を要し、一定の被害が出始めてからが常です。ただ大切な事は、それが問題視され、多くの目に付く媒体に掲載され、それを以て初めて目にしたとしても、その頃には既に多くの人間が大きな被害に遭っている事、そしてその被害は、数え切れない程の傷病名で覆いつくしている現状も忘れてはいけないものです。


※1)https://news.yahoo.co.jp/articles/4a6369db0a59b0df090e7542f8d7351356ff3f62

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid02mV19qcWXoLmcgYxq9yQ3hsDaKLkscKDFqePi2eewpnrc49wLbZ4J1qD2JYqNtKsXl

 

「強制水泳試験の前提を見直す事で見えてくる生存戦略

 

 

セロトニンノルアドレナリンを増強する薬物の効果判定として、ラットを足が届かずよじ登れない深さの容器に水を張り、どれくらいの時間に渡って泳ぎ続けるか(容器から逃げ出そうと試みる運動を続けるか)を観察する試験があります※1)。

 

添付文書※添付画像参照)の表現に従い話を進めていきますが、>>無動 とは、ラットが容器から脱出出来ない事に気付き、呼吸の為に口と鼻は水面から出して、動かなくなる行動を指します。このように無動に至る迄の時間を、投与と非投与で比較し、>>無動行動回数を減少させた 場合、薬物の効果有りと見ます。

 

セロトニンは泳ぐ時間を延長し、ノルアドレナリンはよじ登る時間を延長するようですが※2)、ノルアドレリンと筋収縮は密接に関係しており※3)、対ヒトでもノルアドレナリン関与の薬物による離脱時に、「足腰や腕に力が入らない」「起き上がれない」等の症状が出るのも、左記が関係しているのかもしれません。

 

個別な症状は一旦さて置き、少し遠い所から当該試験を眺めます。この試験には続きと前提があり、無動になったラットを一旦ヒトが取り出し、時間を置いて改めて同じ容器に入れると、無動までの時間が短縮される状態を以て、「うつ(鬱)的な行動」と見做す前提が存在する事です。それに対して「薬物を投与したラットは、無動になる時間がこれくらい延長しましたよ。だからうつ(鬱)が改善されました」と言います。一旦まとめると、

 

「a)非投与群のラットは早々に抵抗を諦め鼻と口を出した」

 

「b)投与群のラットは薬物が効いている時間帯は抵抗を諦めず脱出を試み続け、薬物が切れた頃に鼻と口を出した」

 

です。標題に戻りますが、a)とb)の行動は、どちらが安全且つ生存に有利かを知るには、b)の薬物を切らし続けなかった場合のラットを確認すれば分かるのですが、脱出を試み続けたラットは、何れ体力の限界が訪れて溺死します。ここから見えてくる事は、a)の

 

「脱出出来ないやん、動いても無駄やん、動き続けても意味ないし疲れるだけだから、体力の温存の為にもジッとして、鼻と口だけ出して息だけしとこ」

 

「引き上げられたと思ったらまた入れられたわ。同じことをしても無駄だから直ぐに黙っといたほうが得だわ」

 

と、早々に鼻と口を出したラットが、長い目で見れば生存確率が高い事を示唆するものです。その反面、b)は泳ぎ続ける事を無駄と気付かず、薬物で疲れも感じず、鼻と口を出して運動を抑え、体力の温存に努める工夫を早期に出来なかったとなります。そしてヒトはここまでのラットの学習と行動を、「うつ(鬱)的な行動」と勝手に解釈している点です。

 

長期的に無駄なく生存する為の学習と行動を、他人が勝手に「うつだね」と大きなお世話で薬物を投与し、学習と行動を奪って泳ぎ続かせた結果、最後は体力も尽きて溺れて死ぬとしたら、薬物を飲む行為が果たして賢いかどうかは再考する必要があります。

 

また、今件はSNRIを参考にしたものの、ノルアドレリンはSNRIに限らず他の薬物や覚醒剤の類でも増強されます。この類の薬物を飲むと兵隊化するとは持論ですが、実際に戦争では覚醒剤を飲み、死も恐れず眠らず攻撃行動を続ける歴史を振り返っても、あながち間違いではないと考えていますが、当該薬物が自律的な機能を奪い、種々変化する環境に応じて必要な学習と行動を習得し、成長とリスク回避に努める契機を奪うとすれば、どれだけ必要な薬物かと疑問が生まれます。

 

※1)https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med...

 

※2)Detke MJ, Rickels M, Lucki I(1995)Active behaviors in the rat forced swimming test defferentially produced by serotonergic and noradrenergic antidepressant. Psychopharmacology, 121:66─72.

 

※3)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.jstage.jst.go.jp/art.../fpj1944/96/1/96_1_1/_pdf

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid02GhQAPhQEZqSxMsaJsPNYgMXAPqA41R8vFHruvE2THiuUxZeCeUdtW66WrxWG4Eqtl

 

ある程度の年齢になると、写真を撮れば幾らでも構造的な異常は見つかると思います。その多くは、長い年月に渡る個々の環境下で構築されたものでもある為、その過程で時に異常を感じたとしても、ある程度は順応している要素も多分あり、描写が必ずしも現症との直接的な関係性を結ぶ事も出来ませんが、不安定要素の可能性も拭い切れない為、そのような折、外部から与えられた突然の杓子定規的な行為、集団での同一行為は傷害リスクを増大します。

 

既に傷めている身であれば尚更で、鎮痛剤の類でフィルターが掛けられている場合、痛みも忘れて傷口を広げる事もあります「身体に良い」とされる行為は、概ねヒトにとって反生理的で、非日常的なベクトルでエネルギーを加える為、傷害が発生するのは自然な結果と捉えています。バイアスを取っ払い、加算するエネルギーとベクトルだけで是非を問えば、見え方は変わってくると思います。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid02LnPPwxTNoqk4rrNwXF2EzGC6cfZRa6L3DXUb12J4mPiExZ2znCzMAHqUhdzneaTul

 

>>省令の改正が敷かれる丁度2年前までは、筋弛緩名目でデパスも相当量出されている印象もありましたが、大概はNSAIDsから始まると思います。それではどうも効きが弱いからとオピオイド系や向精神薬

 

病期も急性期から亜急性期、慢性期に従い火消し目的の薬物も無効となる為、中枢神経を標的とする薬物へ切り替わる(神経障害等も併発していれば、最初からセットで処方する事例も勿論あります)ものですが、ここに薬物の最大の弱点があって、慢性と表現される罹患細胞の改善には打つ手なしを意味しています。

 

血流改善と罹患細胞の回復を謳う薬物も種々傷害に用いられますが、血流改善だけでは産生されない物質が急性期には産生されており、その産生物質が罹患細胞の改善に一役買っているのですが、それを皮肉にもヒトは人為的に薬物で消失を促しています(受傷と同時にヒトが回復に向かうメカニズムがここに凝縮されています)。

 

しかし、受傷度合い次第では立ち上がれない程の痛みを出す場合もありますし、他人の痛みは知る由もないので、薬物で火消し作業をしても責める権利はないものの、薬物を使い倒す事例ほど、慢性期に移行し易いのは容易に想像がつきます。

 

ただ、幾ら理解していても痛いのは誰しも嫌でしょうし、タイガーウッズですらオピオイド中毒に陥った契機も腰の痛みで、オピオイドアセトアミノフェンの合剤、バイコディンでした。日本でも、オピオイドSNRIアセトアミノフェンの合剤、トラムセット(ジェネリックもあります)があり、確かに効く話題も聞いています。勿論、オピオイドと一言で言っても薬物で力価は違いますし、服薬量でも違いを見せるかもしれませんが、※以下例)

 

・トラマドール(※トラムセット等)100mg/day=モルヒネ換算10mg/day

 

オキシコドン10mg/day=モルヒネ換算15mg/day

 

・MSコンチン20mg/day=モルヒネ換算20mg/day

 

・ヒドロコドン(※バイコディン等)20mg/day=モルヒネ換算30mg/day

 

どうしようもない疼痛、例えば癌性疼痛等とは異なり、日常的な傷病の関節痛や腰痛は、寛解と再燃、再受傷の確率も高めで、これらに適応を拡げたのは、拡げ過ぎとどうしても考えてしまいます。

 

勿論、このように書けば「こちとらの痛みも知らんくせに」とはなるものの、長期的/継続的な服薬による懸念云々よりも、上記の通り寛解と再燃、再受傷の確率が高めな傷病は、服薬と休薬が頻繁に繰り返される可能性も高く、カジュアルな傷病が故、服薬管理も曖昧になりがちで、且つトラムセットだけ飲んでいる訳でもなく、リリカやタリージェ、何ならサインバルタ等のSNRIも更に盛り、ベンゾやNSAIDs等も合わせ、アルコールも普段以上に追加する場合もあるでしょう。

 

自覚症状があらゆる環境に左右され、日内日差が伴い易い場合、「今日は調子が良いから飲まない(或いは普段より少なく飲む)」「今日は調子が悪いから飲む(或いは普段より多く飲む)」「(頓服として処方されているから)調子が悪いから飲む」や、「飲み忘れた」「飲む時間がずれた」等々は起こりがちですが、対症状ではなく対レセプタで鑑みると、上記は全て追々のリスク上昇の一因になりがちです。

 

これらの懸念もある訳ですが、もう一度話題を絞れば、断続的な使用で惹起され易い離脱症状の確率上昇と重篤化も併行して考えると、そしてオピオイドSNRIその他の離脱群を見ていても、過剰に適応疾患が拡大された現状に不安が過るものです。

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid0PhSvcKXGPhNU8mPog1he7bZWtk4f9Lurh49LW6kA6PpDfAwZE1kS9K8vRBwS15qMl

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/19aaca0901a38b4486920bea19a5ac88bc75be73

 

今件は意図的に別なカプセルに詰め替えて試験をしたのが問題であって、経時経年でカプセルの材質が変化し、溶出率が低下(効き方が変わる)する事例、及びその回収事例は度々あるようです※1)。また、薬物の効き方は同一の薬物でも、強めたり弱めたりと幾らでも変えられる手法は数多く存在するので、この問題に限った話ではありませんが、今件の現象に的を改めて絞ると、

 

1)※3)の通りゼラチンが問題なのか

 

2)ゼラチンが問題であれば、全メーカーが抱える問題なのか

 

3)ゼラチンの調達先が違う為に局所的に起きた現象なのか 

 

4)ゼラチンは関係なく、別な添加物が原因なのか

 

5)包装の材質含む保存方法の問題なのか

 

6)添加物の組み合わせが問題なのか

 

7)添付文書に記載していない何かも添加しているのか

 

等々、今思い浮かんだ限りでも幾つかの疑問は生まれ、現状ではその答えは分からず終いですが、仮に溶出率0%の薬物を服薬したとしても、それがそのヒトにとって初めての薬物であれば、何の効果自覚もなく(プラセボの話は一旦さて置き)、「効かないね。別な薬にしよ」で済むかもしれませんが、例えば既に何かを服薬していて、何かの拍子で溶出率0%の薬物に切り替えた際は、大きな問題に発展しかねないものです。

 

左記の0%は極端にせよ、常用中や減薬中でも度々伺う話で、「ジェネリックにしたら悪化した」や、或いはその逆に、「ジェネリックから先発品に切り替えたら悪化した」も散見されます。これは先発品だから良い、後発品だから悪い、という表面上の問題ではなく、後発品でも、それを初めから服薬し続けているのであれば、減薬の際も後発品のまま減らしていくのが安全な手段であり、先発品でも然りな印象があります。

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以下 参考

 

>>製造後3年が経過した薬のカプセルが、胃の中で問題なく溶け出すかを調べる試験(溶出試験)で※2)

 

>>カプセルに入っている中身を取り出し、別の新しいカプセルに詰め替えて試験していた※2)

 

>>カプセルが溶けないため薬効が期待できない※2)

 

>>カプセル溶出率が「0%」となる個体も複数あった※3)

 

>>近年,保存検体の溶出率低下による医薬品の回収事例が報告されている7).このうちカプセル剤については,その一因として保存中にゼラチンが架橋して不溶化を起こし,剤皮が崩壊しにくくなり溶出が遅延するとされている※4)

 

※架橋→化学反応における架橋(かきょう Cross-link クロス・リンク)とは、主に高分子化学においてポリマー同士を連結し、物理的、化学的性質を変化させる反応※5)

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1)ゼラチン 全メーカーで使用

 

2)酸化チタン エーザイ(先発品)を除く全てで使用

 

3)カルメロースCa 沢井製薬 鶴原製薬 のみ使用

 

4)結晶セルロース 沢井製薬 鶴原製薬 のみ使用 

 

5)ステアリン酸Mg 沢井製薬 東和薬品 のみ使用

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https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product...

 

エーザイ 先発品 有効期間 : 3年

 

黄色5号、含水二酸化ケイ素、グリシン青色1号、ゼラチン、タルク、トウモロコシデンプン、トコフェロール、マクロゴール6000、D-マンニトール、ラウリル硫酸ナトリウム

 

東和薬品 後発品 使用期限 : 外箱、ラベルに記載

 

トコフェロール、軽質無水ケイ酸、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロースステアリン酸Mg カプセル本体:黄色5号、青色1号、酸化チタン、ラウリル硫酸Na、ゼラチン

 

沢井製薬 後発品 使用期限 : 外箱等に表示

 

カルメロースCa、軽質無水ケイ酸、結晶セルロースステアリン酸Mg、トコフェロール、ヒドロキシプロピルセルロース、カプセル本体に、酸化チタン、ゼラチン、ラウリル硫酸Na、青色1号黄色5

 

陽進堂 後発品 有効期間 : 3年

 

無水ケイ酸、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、トコフェロール、ゼラチン、酸化チタン、ラウリル硫酸Na、黄色5号、青色1号

 

・鶴原製薬 後発品 使用期限 : 外箱、容器に表示

含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、トコフェロール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、トウモロコシデンプン、タルクを、また、同じく添加物としてカプセル本体中に黄色5号、青色1号、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化チタン、ゼラチンを含有

 

日医工ファーマ 後発品 使用期限 : 外装に表示

 

含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、ゼラチン、タルク、乳糖水和物、ヒドロキノン、マクロゴール6000、ラウリル硫酸ナトリウム、青色1号黄色5

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参考)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.sawai.co.jp/release/pdf/614

※1)https://www.info.pmda.go.jp/kaisyuu/menu_kiki.html

※2)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF233UN0T21C23A0000000/

※3)https://toyokeizai.net/articles/-/712059?page=2

※4)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/archive/issue/kenkyunenpo/nenpo62/11kishimoto.pdf

※5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%B6%E6%A9%8B

 

https://www.facebook.com/kouta.fujiwara1/posts/pfbid0BSvnPU8qwPwZtj5sjUptzNsjVJYkVAziB7dEAtS5zhpnqyQLTZVTbg5G6Mo3fX5Dl

 

集中や努力、推進という態度や姿勢が通用するのは、便宜的にも既に答えが存在する○か×かのペーパーテスト位なもので、それに伴う視野狭窄や思考停止の副作用はそれほど影響しないものですが、それ以外の場面では、これらの副作用は存分に発揮され、その結果としてミスが起きたり、ミスに気付かなかったり、最適解の工夫や追求が出来なくなったり、迷惑を掛けたり等のネガティブな現象が起きがちです。

 

分かり易く例えると、何故ヒトは陰謀論を好むかを挙げれば、鮮明になるかもしれません。陰謀論の特徴に、○か×かのハッキリとした答えが存在する傾向にある為と考えています。その一方で「科学的にー」と叫ばれるタイミングもあるでしょう。案外知られていない事に、科学とは答えが存在しない学問で、常に反論に曝される余白があり、その上で最適解を求め続け、それでもそれを答えとも考えず、完成とも捉えません。

 

陰謀論は、反論する余白が存在しない傾向にあるのと同時に、仮に反論しても、それ以上の何かが起きる訳でもありません。何故なら既に○か×かが存在し、それ以上の答えが存在しない完成した性質を持つ為です。もしかしたら陰謀論にハマっていたほうが、既に答えが存在していて考える必要もない為、楽なのかもしれませんし、過剰に「科学的にー」を求める心境は、断定的な表現を用いる情報に信頼を寄せ、それが結果的に陰謀論、疑似的、似非的に偏る傾向も忘れてはいけない事です。

 

何れも、如何に多くの人間が、○か×かに線引きされた答えを欲しているかの表れかもしれませんし、線引きされた答えをどこまでも欲する背景には、今迄も強引に○か×かで過ごしてきた、済ませてきた背景があるからなのかもしれません。勿論それ以外の界隈でも、正しいか間違いかは関係なく、○か×かを創造した業界はあるかもしれませんが、ヒトは未知な事態に苛まれると、不安という感情が芽生え、それも視野狭窄と思考停止が起きがちである事も忘れてはいけないと思います。

 

ここで一旦まとめると、視野狭窄と思考停止が起きる背景に、集中、努力、推進、不安の4つの要素があると挙げました。もしかしたら他にもあるかもしれません。この状況は上述の通り、

 

>>ミスが起きたり、ミスに気付かなかったり、最適解の工夫や追求が出来なくなったり、迷惑を掛けたり等のネガティブな現象が起きがち

 

により、これらの要素を背景に持つ出来事、或いはその背景を以て創造されたものは、大きなリスクが付き纏いがちで、且つ、当人もそのリスクに気が付いていない可能性もネックになります。それはどこかの他人が創造し、あたかも完成したかに見える傷病名に縋るのも同様で、その時点から多方面に及ぶリスクに曝されている状況も併行して理解する必要があります。

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f:id:fujiwarakota:20200710112556p:plain イメージ 1 ~針治療から病態定義の見直しを~

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