藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

腰痛は怒りではなく、腰痛は治せない人間に対しての怒りである

世の中には「それを言っちゃおしまいよ」という言葉があります。
 
心因性疼痛」
 
という表現が浸透して久しいですが、
本来あるべき表現方法ではないと思います。
 
術者の逃げ口上にしか聞こえません。
こんな言葉はこの世から消してなくしたいですわ。
 
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そりゃ何処かの部位にダメージを受けている状態で外内的ストレスを感じようものなら、
交感神経優位⇒血管収縮⇒低酸素代謝⇒乳酸性アシドーシス⇒疼痛等の各種愁訴の
発生の図式も成り立ちますので、あながち間違いではないのかもしれません
 
しかし、要らぬストレスを与え、腰痛患者を激増させているのは、
我々含む患者を治療する立場の人間が原因です。
 
腰痛に苦しむ患者が、やっとの思いで治療院を訪れ、目の前に座っている術者が「原因不明です」
なんて言おうものなら頭に血が上ります。若しくは、患者は不安に陥るでしょう。
 


 
治療院により患者層はカラーがあるでしょうから他の院は知りませんが、
現実的に一回で完治まで持っていける症例は多くありません。
アチコチたらい回しにされ、精も根も尽き果てた段階で来院されるのが一般的です。
 
街の整形外科⇒総合病院⇒大学病院⇒整体⇒整骨院鍼灸
 
地域差はあります。鍼灸が根付いた地では、初発で鍼灸院をチョイスする地域があるのも事実です。
鍼師ですと言ってもピンとこない人が大半の地域もあれば、
地域が変わればマルッキリ違う反応が起きるのも事実です。
 
しかし如何せん、患者は鍼なんか打たれずに、なるだけ気軽に治りたいものです。
薬や電気、牽引で治るのであれば、それに越した事はありません。
発症段階で鍼灸院という存在が頭に浮かんだとしても、回避する理由を付けたがるのが人間です。
 
初発で鍼灸院をチョイスする患者というのは、既存の患者程度でしょう。
現実は我々の業界の力不足もあり、上記の流れで医院・治療院を回るケースも相応にしてあります。
 
上記の赤字の段階を踏んできた多くの患者は、
感情を表に出そうが内に潜めてようが既に怒り狂ってるか悲しんでます。
 
これは、ここに辿りつくまでの数ヶ月~数年来の間、様々な治療や投薬を受けるも一向に良くならず、
痛みの原因を究明して、患者に対してのハビリテーション含む自助努力時のアドバイスすらも
出来ていなかった(的外れだった)からの何物でもありません。
 
簡単に言えば治せなかったからです。
 
腰が痛いと頼ってきて、患者という立場になった以上、我々は術者です。
そんな中、どっかの心理カウンセラーのように「ストレスです」だなんて死んでも言えません。
そんな事を言おうものなら、目の前に転がっている鍼と艾はゴミ箱にぶん投げてしまったら良いですわ。
ついでに免状も国に返納したら良い。
 
少しの光も見せられない術者が全て悪いのです。
 
しかし、鍼灸治療は日常の生活や仕事をこなしながら治療をされる方も多い為に、
病院のように隔離された環境とは違います。その為に、治療院外でイレギュラーな事態が発生したり、
ドラマティックな展開も起きながら治癒へ進んでいく事もあります。
 
時には力量不足で痛みを制御出来ない時もあります。
幾ら治療をしても症状が停滞する事もあります。
治療をしたからと言って、直後に著効を示す事なく、数日~1週間後に良くなる事もあります。
患者はそれを自然治癒だったと思うかもしれません。
しかし、自然治癒だと思わせるような治療と言動をとった術者も悪いのです。
 
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治療は本当に難しいものです。
細いステンレスの針を刺してどうなるものかと思うのが一般的な意見でしょう。
良くも悪くも色々言われ思われるのが術者です。
 
現実的に今の日本は医師という立場の人間がトップである以上、
医師の発言力はメディアを大きく動かし、ウソでもホントでもテレビや雑誌を見た人間はそのまま信じるでしょう。
私が医師の隣で「手術なんかいりませんよ」と言ったところで、患者は手術の同意書にサインするでしょう。
 
古くは日本でも医療の中核としてあった鍼灸は、
明治の法制度やGHQなんて関係なく、既に業界は潰れかけています。
一度弱くなった力を取り戻すには相当の時間が掛かります。
我々が強く力を持ち、今変えていかなければならない時だと思います。
 
その為に、先ずは我々だけでも「ストレス」だなんて言葉は絶対に使ってはいけないと思います。
「ストレスだね」なんて言葉は患者同士の茶飲み話で良いのです。
あくまで力量不足である己を悔やみ、前に進むしかないのです。
 
街の整形外科⇒総合病院⇒大学病院⇒整体⇒整骨院鍼灸
 
我々は患者にとって最後の地となっている事を思えば、ストレスだなんて死んでも言えませんね。
 
 青森から鍼灸治療の意識改革を~