藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

椎間板ヘルニアに対しての疑問8

腰痛持病手術回避の硬膜外内視鏡治療で長期効果は60%程度

 
NEWS ポストセブン 3月15日(金)7時6分配信
 
椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など腰痛の持病を抱えるサラリーマンは多い。
腰痛が軽い場合は、ストレッチなどの運動療法や消炎鎮痛剤で対処する。
重症では神経根ブロックなどの保存療法を行なう。

しかし、これらの保存療法でも十分に効果が得られない場合は、骨などを切除する腰椎手術を行なう。
手術は患者の負担が大きい場合もあり、さらに手術をしても痛みが残ることもある。
 
こうした難治性腰痛や手術を回避したい患者のための治療法として実施されているのが、
硬膜外内視鏡(エピドラスコピー)治療だ。
順天堂大学医学部附属病院麻酔科・ペインクリニックの井関雅子・先任准教授の話。

「腰椎手術後に硬膜外の癒着があり、それが痛みの原因になっていることもあります。
一般的な腰椎疾患でも硬膜外の癒着によって、硬膜外ブロックが効きにくくなっていることもあります。
エピドラスコピーは、こうした患者さんに対する治療の選択肢の一つとして用いられています」

エピドラスコピーは極細の内視鏡を脊柱管の中に挿入して行なう。患者はうつぶせ状態で、
骨盤の中央、背骨の付け根にある仙骨付近の皮膚を1センチ程度切開する。

この施設で16~86歳の患者40人に実施したところ、
1か月後には28人にある程度効果があり、長期効果は60%程度である。

「この治療は効果に個人差があり、すべての方に有効ではありません。
強度の脊柱管狭窄症は神経を圧迫する危険性もあり、お勧めできません。
適応をしっかり見極めて治療を受けることが大切です」(井関先任准教授)


・エピドラスコピーとは?
エピドラスコピーとは、腰痛(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・脊髄手術後腰痛など)に対して
行われている新しい手術の方法で、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた先進医療の一つです。
 
・手術概要
腰椎椎間板ヘルニアや難治性の腰下肢痛,下肢のしびれなどに効果が見られます。
手術の方法は,おしりの近くの仙骨裂孔から硬膜外腔に細い(直径約0.9mm)カメラ(内視鏡
を入れて硬膜外腔の癒着を剥離する方法で、通常は鎮静麻酔で行います。
手術室でレントゲンと内視鏡(硬膜外鏡)を見ながら,硬膜外腔の癒着を剥離洗浄します。
手術自体は1時間程度で終了します。
 
・エピドラスコピーの特徴
エピドラスコピーは難治性腰下肢痛患者を対象にした新しい治療法で、
薬物療法や神経ブロックに抵抗性のある腰下肢痛に対して効果的な治療法です。

・エピドラスコピーの適応疾患
脊椎手術後に残存あるいは増強する腰部痛、下肢痛、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などです。
 
・エピドラス・コピーの手術概要
① 硬膜外内視鏡(エピドラスコピー)を仙骨裂孔から硬膜外腔へ挿入し、
腰痛の原因部位を特定します。
② エピドラスコピーを使って、直視下に、痛みの原因と考えられる癒着部位の剥離を行います。
③ 硬膜外腔に生理食塩水を注入することによって、炎症物質を洗い流します。
④ 剥離部位に局所麻酔薬やステロイド薬を投与します。
 
・エピドラスコピーの適応要件・除外要件
⇒エピドラスコピーの適応となる要件は以下のとおりです。
1 難治性の腰痛
2 各種神経ブロックを試みるも期待した効果が得られなかった腰痛
3 各種薬物療法を試みるも期待した効果が得られなかった腰痛
4 心因性ではない腰痛
5 腰仙骨部硬膜外腔に癒着の所見がある腰痛
⇒エピドラスコピーの除外対象となる要件は以下のとおりです。
1 出血素因
2 穿刺部位の感染症
3 頭蓋内圧の亢進
4 仙骨列孔の狭小化
・エピドラスコピーの鎮痛作用
① 癒着剥離により、脊髄神経や神経根の圧迫・牽引が除去され、除痛効果と血流が改善されます。
② 疼痛や神経障害に関与する発痛物質の洗浄除去により、鎮痛と神経の回復が促進されます。
③ 癒着剥離後の仙骨ブロック時の局所麻酔薬などの拡がりが良好となり、鎮痛が促進されます。
 
・治療効果
① エピドラスコピーによって腰下肢痛の2/3 程度に改善がみられます。
② 腰部脊柱管狭窄症については、疼痛の軽減に加え、間欠性跛行の改善がみられます。
 
・エピドラスコピーに伴う危険性、偶発症発生時の対応
エピドラスコピーの偶発症として以下の症例が報告されています。
穿刺部痛、頭蓋内圧亢進症状(頭痛・後頚部痛・悪心・嘔吐)、硬膜穿刺、くも膜穿破、髄液漏、
知覚神経障害(腰下肢痛・しびれ)、運動神経障害(運動麻痺)、
膀胱直腸障害(尿閉・尿失禁・排便困難・便失禁)、出血(網膜出血・硬膜外出血・皮下出血)、
痙攣、意識障害、呼吸循環抑制、高血圧、頻脈
② エピドラスコピー研究会会員所属機関(15施設)の患者調査(2002 年度対象患者183 名)で
は、以下の合併症等が報告されています。
頭痛・後頚部痛 42%
下肢痛 13%
硬膜穿刺 6%
中合併症
その他 穿刺部痛、腰痛、下肢のしびれ、呼吸循環抑制 4%
穿刺部痛 4%
神経障害 2%
膀胱直腸障害 1%
3 日以上の頭痛 1%
術後合併症
その他 頭痛、嘔気、高血圧、頻脈 3%


>>この施設で16~86歳の患者40人に実施したところ、
1か月後には28人にある程度効果があり、長期効果は60%程度である。
 
治療成績は悪く、且つ改善度合いも曖昧なのが、現在の椎間板ヘルニアや狭窄症に対しての手術です。
一ヶ月後という時間は、加療せずとも自然寛解する可能性もあります。
エピドラスコピーに限らず、「結果」として出ている箇所しか追わない治療の為に治せないのでしょう。
 
腰下肢痛の治療として上記の手術は存在するのにも関わらず、
何故に腰下肢痛や痺れが偶発症として出るのか。
これは術式が問題ではなく、術中の患者姿勢に問題があるのが文面から分かります。
その為に私はこの姿勢を採用する事なく、現在は治療を行っているのが現状です。
強い緊張が起き続けている患者に対して、長時間に渡る同一姿勢では危険な姿勢が幾つか存在します。
 
そして、私が以前から懸念していた事がこの手術でも考えられています。
>>腰椎手術後に硬膜外の癒着があり、それが痛みの原因になっていることもあります
癒着した中枢箇所に関しては可動性は極端に低くなります。
しかし、癒着自体が痛みの原因としては考えがたく、癒着して硬くなり可動性を失った周辺の軟部組織が
必要以上の伸張や短縮を余儀なくされ、痛み等々の愁訴が出現するのでしょう。
 
>>癒着剥離により、脊髄神経や神経根の圧迫・牽引が除去され、除痛効果と血流が改善されます。
脊髄神経や神経根の圧迫、牽引が除去される事と、除痛効果と血流改善は一切関連しません。
ここの根拠を現代医学は蔑ろにしている為、様々な術式に於いても
非常に悪い成績しか出ていないと考えられます。
神経の癒着剥離で本当に除痛効果と血流改善がされているのでしょうか。
何かで確認した上で発表している内容なのかも疑問が沸きます。
 
>>この治療は効果に個人差があり、すべての方に有効ではありません。
静脈内鎮静法じゃなく、全身麻酔で治療をしたら少しは成績が上がるんじゃないのでしょうかと、
少し皮肉交じりで今日は閉めたいと思います。
 
おまけ(レーザー編)
 
腰椎椎間板脱出に対する外科的介入
ttp://minds.jcqhc.or.jp/stc/0017/4/0017_G0000084_T0001288.html (今は見れません)

・顕微鏡下椎間板切除の結果は概して標準的な椎間板切除の結果と同等であった。
・臨床的なアウトカムに及ぼす影響については限られたエビデンスしかないが、硬膜を覆う中間挿入ゲル(5件) および脂肪(4件)に関する最近の試験により、瘢痕形成が低減されることが示されている。
・その他の経皮的椎間板切除の術式に関しては確固たる結論を導き出すための十分なエビデンスはない。
・レーザー椎間板切除術に関する3件の小規模RCTでは、
 その有効性を示す決定的なエビデンスは得られなかった。
・コブレーション治療または経椎管孔内視鏡下椎間板切除術について発表されたRCTはない
 
RCTとは(下図参照)
 
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