藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

鍼灸治療に辿り着くまでには

当ブログはアクセスカウンターを付けていないので
一般の閲覧者の方は把握出来ないと思いますが、
一日辺り100程度のアクセスがあります。(有難う御座います
 
どのような方々がご覧になられているかは存じ上げませんが、
当ブログをご覧になる為には、「鍼灸」というキーワードが無ければ基本的には辿り着けないと思います。
僕を知らない人がいきなり「藤原航太」で検索する人もいないと思いますし、
それで検索を掛けられたら逆に怖いですわ(笑)
 
という訳で、鍼灸という治療手段を知っている人と知らない人というのは、
大抵の方々の見解通り、二極化しているというのが現状だと思います。
 
以前、某雑誌のアンケート結果では、
鍼灸」という名称に関しての知名度はそこそこあれど、
実際に治療を受けた人となると、
日本の人口の5~6%程度しか及んでいないようです。
 
私自身も今だからこそ鍼灸師という立場ですが、交通事故に遭い、
あまりの足の痛みに堪えられず何か無いのかと病院を抜け出したのをキッカケに
鍼灸治療を知るまでは、「鍼灸」という存在は名称さえ知りませんでした。
 
例えばこれが、家族が鍼灸治療を知っている、部活やスポーツ活動の場面でトレーナーが鍼灸を用いている、
隣近所の人が鍼灸ってイイねと言っていた等の、やや直接的に接見する人が鍼灸を知らない限り、
どのようにして認知度を上げられるかというと、治療院の看板やチラシになります。
 
しかし、鍼灸は国の免許である以上、法律が絡んでおり、その中の一つに広告の制限があります。
治療費や適用疾患等の一番書きたい事が書けないのです。
HPやブログは能動的に検索して閲覧される媒体になる為、
広告とは異なり書きたい放題なのは以前も当ブログで書きました。
 
このように、外で看板を見つけても「○○鍼灸院」程度の情報だったり、
鍼灸を知らない人しか周辺にいなかった場合は、
「○○鍼灸院」ってどう?
と聞いても答えられるはずもなく、鍼灸というワードは頭に浮かびにくいでしょう。
では、手元にあるPCで調べてみようかとなるかもしれません。
仮に貴方が椎間板ヘルニアと病院で診断された場合、先ずは「椎間板ヘルニア」で検索するかもしれません。
 
因みに私もyahooの検索エンジンに「椎間板ヘルニア」と打ち込んでみたら、幾つかの広告の下に
wikipediaが出てきました。今回のブログを書くに辺り、私も初めてwikipediaで「椎間板ヘルニア」の内容を
見たのですが、手術以外にも色々な治療法がありますよという紹介が見られます。
逆を言えば、確固とした治療法が存在していないとも受け止められます。
 
そして、この内容では、
ヘルニアが神経を圧迫しているから腰下肢症状が出るもんだという知識しか一般の方は得られない状況です。恐らく、それ以前に病院で写真を撮り、例の写真を見せられながら例の説明があったと思いますが。
 
この段階で鍼灸治療という手段を取る方は大きく減ると思います。
ヘルニアが神経を圧迫しているから腰下肢症状が出ていると既に擦り込まれた状態では、
鍼灸という知識が無い方であったとしても「鍼で突いてヘルニアを引っ込めたり切り取る訳じゃないでしょ」
と思うのが普通です。
 
そうです、大抵の方がこの時点で篩いに掛けられます。
では、このような方々に対し、鍼灸治療をどうやって受けてもらうかが大きな課題となってきます。
広告には適応疾患が書けないから、HPやブログで拡散するしかない。中には講演会を開く人もいるでしょう。
しかし、知っている人しか見ない状態では一向に進まない。
内輪で盛り上がってても拡散される事はないでしょう。
 
手術で結果が出ないから、鍼灸治療以外にも様々な治療法が散見される。
しかし、行ってみるも今一つだったりしたらもっと大変な事になる。
確固たる治療法やマニュアルが存在しない以上、認知度が上がらないのが世の道理ですね。
 
要は、我々が結果を出せない以上、どれだけHPやブログでカッコいい写真を載せたり、
真偽が謎の「患者様の声」や「治療家と患者の笑顔の写真」を紹介したところで意味をなさないのです。
 
言ったからには、書いたからには責任を取らなければならない。
一度でも治療した患者とは死ぬまで付き合う覚悟でいなければならないのです。
そして、患者が信頼して私の患者として来院してくれる以上、治してあげないといけないのです。
 
とは言っても鍼灸治療院も様々です。
治療ベッドに寝せられ、いきなり謎の薬を飲まされたり、
帰り際に有名スポーツ人も飲んでいる超高額ジュースを買って帰れと言われたり、
邪気が取り付いているから治らないんだと言われても患者は困るし怖いだけ。
まぁ僕の実体験ですが…。
 
そんな訳で、治療実績が無い以上、周辺の声からも鍼灸治療に対しての声も聞こえてこないですし、
個々の鍼灸師に対しての評価はあるかもしれませんが、
トータルで見たら圧倒的に効果が未知数であるイメージが付き纏っている以上、
鍼灸業界は足踏みをしている状態が続くと思うのです。
 
受傷時期や症状の度合いで、症状の経過や治療回数、治癒までの時期は差こそあれ、
私が構築している治療は、鍼を打てる技術さえあれば
誰が治療しても同じ結果を出せ続ける内容を一番に考えています。
 
賛否はあるでしょうけど、鍼灸師としての治療のマニュアル化が急務なのではないでしょうか。
過去には鍼灸業界の先人達が構築した治療法や機器が随分と西洋医学に盗用され、
我が物顔で使われています。もうそんな悔しい思いはしたくありませんね。
 
その為には、鍼灸師としての理論と治療を構築し、結果を拡散し続けなければならないのです。
 
歳のせい、ストレスのせい、ヘルニアが神経を圧迫しているせい、
この3せい運動を軸として患者と向き合っている連中とは対峙しなければなりません。
痛みと麻痺という両極端な現象を一緒くたに考えているような人間
には聞く耳を傾ける必要性はありません。そんな治らぬ治療理論を我々が追従したところで、
目の前の患者が助かる可能性はないのです。
 
結果が出て初めて患者の信頼は得られるものです。
それまでは誰だって自分自身が良くなるまでは半信半疑だと思います。
常識を覆すには相応の時間は掛かるかもしれません。
 
それにしても、常識面された理論では全く良くならない患者が山ほどいるのに、
未だに大手を振りかざして切った貼ったが繰り返されている日常こそ非常識な世界ではないでしょうか。
 
そんなこんなで今日も明日も頑張っていかなければならないですね。
 
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 青森から鍼灸治療の意識改革を~