藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

経口薬と選択的脊椎高位の治療による症状解釈の差異


例とし1~2指に疼痛を伴わず痺れと脱力、皮膚知覚鈍麻等が生じ、起床時憎悪、日中に軽快と言う症状を呈している場合、整形外科的思考で考察すれば、手根管症候群、前骨間神経麻痺、胸郭出口症候群頚椎症性神経根症の類が頭に思い浮かぶと思うのですが、各々筋電図や画像所見含めた神経学的検査は案外役に立たず、要らぬバイアスを患者が抱えてしまうケースも少なくありません。
重篤疾患を除外する為には検査は積極的に受けたほうが良いと言うのは私のスタイルですが、その結果「おらヘルニアだから治らねーんだよ。手術って言われてんだおー」みたいなノリの人もいるのは事実で、検査した事が良かったのか悪かったのか。世の中は知らないほうが良い事もあるのでしょう。
この手の症状に対し鎮痛薬(経口薬)で対処しようとし症状に変化があった場合、確かに1~2指の症状は変化したかもしれませんが、その原因部位は何処にあるかの判定は出来ません。単独でのクラッシュなのかダブルクラッシュなのか又はトリプルなのかetc…。是非は扠措き、このように全身投与になる薬物であれば原因部位が何処にあろうと打ち消す事が出来ます(出来ない場合もあります)。
では、選択的脊椎高位による治療が可能な場合、そして中枢神経系領域疾患様症状を抱えている場合は治療を行う事で何が見えてくるかも考えたいところです。向精神薬被害やhpvv接種後症例が中枢神経系領域では主になってくるのですが、例えば下記に症例を僅かに転載しますと
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http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/14065281.html 
2014/2 初診
針治療中、右上肢・右下腿の疼痛は消失。その他の症状は治療直後変化なし。歩行状態に関しては、針治療の痛みが残存する事から後日観察となる。左腰部痛は比較的外側の限局した疼痛の為、腎結石も疑う。発熱は持続している(朝低く、夜高い)。※左腰部痛に関しては、現段階では加療せず右半身のみの治療
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>>針治療中、右上肢・右下腿の疼痛は消失。
です。治療部位は腰~腕~頚神経叢及び当該支配領域の交感神経節になります。とは言え同時に全ての神経叢及び交感神経節に対して処置は出来ず、チマチマと腰、腕、頚と刺していく事になります。もう1症例を挙げますと
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http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/14199456.html 
治療中及び直後は全身性の疼痛や極度な不安感、焦燥感は治まるも、翌日弱再燃傾向を繰り返しの治療が2度過ぎた頃、知人が患者宅に用事で伺った際、患者の姿が異様な光景に見えた事から(アカシジアやジスキネジア、不安発作状態を見ての事と思われる。知らない人が見れば確かに異様と言えば異様と言う表現も分からなくもない)そのまま車に載せ、以前の入院先とは異なる精神病院に連れて行き入院となる。
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元来面倒臭がりなので針刺しマシーンの開発が出来ないかと何年も考えているものの、思い至らず未だ手作業ですが、手作業故に見えてくる事もあり、腰に針を刺し下腿の症状が消失、首に針を刺し右上肢の症状が消失と段階を経て観察する事も可能です。hpvv症例は私自身も未知な部分はありますので慎重に治療中も患者さんから情報を頂いているのですが、この事から考えられるのは、例えば他症例の向精神薬被害やhpvv接種後に末梢神経系領域に症状が出た場合でも類似した症状改善を患者は自覚されています。
例えば手指の強張りや痛み、上肢~下肢及び体幹部の凡ゆる症状などなど、選択的に針を刺していく事で見えてくる事は、主に中枢神経系症状に伴う抹消神経症状が、このような手段で解決すると言うことは神経走行の途中でフンダンに修飾されている事も又分かるものです。(交感神経の持続的異常亢進に伴う血管攣縮性疼痛や神経過敏、アロディニアやcrps、中枢感作的な表現など何でも良いですが、個人的には薬剤性反跳性筋硬直と言う名称を推したい)
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※改めて交感神経の流れを復習します
交感神経幹は頭蓋骨底から脊椎の前外側を下行し、尾骨に至る。各脊髄神経またはその前根と交通枝(灰白交通枝)を介して接続している。交感神経幹の上縁は、さらに上行して頸動脈管から頭蓋内に入り、内頸動脈上に神経叢を形成している。また下縁は尾骨の前方を走行して他方の神経幹と合わさり、不対神経節と呼ばれる構造を形成する(不対神経節は存在しないこともある)。交感神経幹に沿って存在する神経節は、脊椎傍神経節と呼ばれる。脊椎傍神経節に分類される神経節としては、以下のようなものがある。
頸部
上頸神経節 - 第二頸椎(軸椎)と第三頸椎の間の高さにある。
中頸神経節 - 第六頸椎の高さにある。小さい神経節で、存在しないこともある。
星状神経節(頸胸神経節) - 頸神経節と第一胸神経節が癒合したもので、第七頸椎の高さにある。それぞれが独立してることもある。
胸部
第一から第十二胸神経節 - 第一から第四胸神経節からの神経線維が集まって心肺内臓神経が作られ胸腔内の内臓に分布している。同様に、第五から第九胸神経節から大内臓神経が、第十と第十一胸神経節から小内臓神経が作られ、腹腔内に分布する。第十二胸神経節からの最小内臓神経が作られる場合もある。
腰部
腰神経節 - ふつう3つ存在し、ここから腰内臓神経が起き、下腸間膜神経叢にいたる。
仙骨
仙骨神経節 - 4つから5つ存在する。ここからは仙骨内臓神経が起き下腹神経叢にいたる。
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外部からの情報を大脳皮質がキャッチし、変換、視床等々を経由しながら脊椎及び脊髄を下降し、全身に枝分かれしていきます。脳実質内のトラブルであれば外部からの情報の有無関わらず、脳の当該部位で危険信号を出して抹消へ下降し症状として教えてくれます。
選択的な治療をし、症状の消失に至ると言うことは(重症度により後日再燃する場合もありますが繰り返す事で段階的収束となる)、当該脊椎高位各々で生じ、又は変換された交感神経節が症状を修飾し、上肢なり下肢なりへ症状を出していると言う見方も出来なくはありませんし、交感神経節と神経根は繋がっているものですから、知覚神経のdrg部で更なる修飾が行われていると考える事も出来ます。
一般的な疼痛程度であれば交感神経節への処置はオーバートリートメントかもしれませんが、位置的には神経根部と対して変わらず、処置するにあたり、針なら骨間抜けの処置も別に力の要る作業でもありません(注射針でも同様な事は出来ます)。
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元来の薬物反応を鑑みれば中枢神経系領域の機能回復が大前提となる為、抹消神経領域のみならず中枢神経領域も併行する事になりますが、このような事例(症例)が当たり前のようにある事から、
仮に中枢神経系症状だとしても、当該脊椎高位の交感神経節部位及び当該脊椎高位の知覚神経のdrg部で修飾が行われ、症状を出している事も又分かるものです。

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イメージ 1 ~針治療から病態定義の見直しを~