藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

「鍼灸師 加藤資」から立派で新しいリーフレットが届きましたので宣伝


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東京は中野区、西武新宿線野方駅から歩いて3分程度の「鍼灸師 加藤資(しんきゅうし かとうたすく)」から立派で新しいリーフレットが届きましたので宣伝します。知らない人の為にも念のため書きますが、「鍼灸師 加藤」が治療院名です。彼は18歳の時にクローン病を患い、針灸治療と糖質制限食で復活したイケメンです。興味のある方、何か知りたい方は治療院アドレスのtaskkato@gmail.comまでメールを送りつけて下さい。きっと優しく答えてくれると思います。

と、このようなリーフレットが届いたので時折思う事をサラッと書きたいと思います。患者は常に治療内容と治療費と自分の症状の度合いを常に天秤に掛けています。こちらが設定している治療費が安いと思ったら10万円でも置いていくし、逆に高いと思ったら10円でも払いたくないもの。そのように、常に価値の高い治療が出来るように努めたいものです。
他業界の方々も同様かもしれませんが、コンサルからの営業メールや電話が少なくありません。内容に関しては同業の方であればご存知でしょうから割愛しますが。コンサルの手が入っているHPは一発で分かります。似通った作りになっていますから。かと言って、それを悪いと言っているのではなく、且つ、飽和故に個性を出せとか言うつもりも全くありませんが、少しこれらの内容には違和感を感じるものです。と言う訳で私がコンサルになったらと言う妄想。
根幹とし、患者のトータルコストと将来性を見越した判断が必要になります。各種症状に対しての治療期間や治療回数、治癒期間迄のプラン且つ、突発的な事象に伴う連携機関及びレッドフラッグ除外の為の諸検査の必要性と、仮にも各種診断名が告げられた場合の医療機関が執り行う保存的治療及び観血的治療内容、更にこれらの術後成績、術後の中長期成績、再発率、誤診、誤認、誤判断等々を鑑みて、対応しなければなりません。これらを含めて患者の幸福を考えれば、
プルル…
患「3年前から腰痛いんですけど、1回針を刺してもらいたくて」
僕「1回では治らないかもしれません」
で、良いんじゃないのと思う。
一見、不誠実な対応に見えるかもしれませんが、詐欺師ではないのですから1回で治らない可能性の高い症例の場合、正直に答えていくのが誠実な対応であるのですが、これがコンサルの手が加わっている場合、全く異なる対応をしていると言う事も患者側は知らなければならないでしょう。1~2回で復帰出来る症例であれば、こちらから伝えているか、次回来院を促す事なんてないのですから。
出方次第で表現を変えるとか、そのようなウザイ対応なんてどうでも良いと思います。発症時期、症状の内容、症状の度合い、既往により全て異なるんですから、相手方のプランに合わせると「1回やっても治らない」とか、訳分からないクレームが立つものです。
これは、他の物事に例えると分かり易いものです。車や家や船や道路でも、壊れ方によって修理迄の期間と言うのは変わるものです。興味本位が優位な場合、このような現象が発生します。「直す」側、「治す」側の人間としては、中途半端に「直して」「治して」世に出すほうが余程恥ずかしいのです。だから、このような場合、治療を行う前から治療回数と治療期間、治癒期間の予定をこちらから投げたほうが良く、初めから意志確認したほうが良い場合もあります。
>>治療回数と治療期間、治癒期間の予定をこちらから投げたほうが良く…
ここがコンサルでは絶対に分からない部分です。現場を知らなければ言えない事ですから。だからコンサルの手が入ったHP等は、目先の取り計らいや上っ面しか表現出来ず、キレイ事しか並ばなくなるのです。

そのような理由もある事で、針治療と言うのはイメージの悪さも相まり、相対的に重症度が高い症例が増えてくるも、重症例を扱えるメリットもコチラとしてはあるのです。患者が保持する情報量が膨大であると言う事は、患者が過去に受療してきた治療の対象比較が可能となり、他の患者群へ更にフィードバック出来ると言うメリットも生まれます。その中で、「術者に依存しない治療」が1つ挙げられます。
各種治療器具の事です。発痛部位に対して、これらの各種治療器具を用いた事に対しての効果の有無等は、実際に症状を抱えた患者が受けてみて、初めて効果と言うものは感じられるものです。勿論、メーカーの営業等はデータを数値化、グラフ化したものを持っているとは思いますが、生の患者の評価には叶わない側面があります。これらは凡ゆる商品に関しても同様な事で、僅かでも自社の製品を良く見せるようなデータ集積は何処でもやっている事です。次に、各種治療器具をどの位の期間、受療したかと言うデータも併せて蓄積されます。
多くの症例は既に医療機関で保存的治療を受けていると言う現状があります。「数日受けた」「数週間受けた」「数年間受けた」等々、これらの受療機関に伴う治療効果と言うのも、評価対象となります。勿論、医療機関での誤診や誤判断、誤認が多く含まれる整形外科領域疾患に関しては、評価の対象にもならない場合がありますが、疼痛部位に対しての各種治療器具の効果と言うのも弾き出す事が可能にもなります。次は、薬物治療でしょう。そもそも、陳旧例が多数を占めるものですから、医療機関が一般的に処方する解熱鎮痛剤の類はそもそもマッチングしません。
理論理屈的には明解ではあるものの、それでも処方し続ける院側の理由や、利用し続ける患者側の理由と言うのもヒアリングしていれば、非常に興味深いものがあります。院側とて症状と薬剤のマッチング迄、考察して処方しているかは分かりませんが、健全な院経営の為には処方したほうが良いでしょうし、効かないと分かっていても電療やマッサージを加えたほうが点数も加算される訳ですから。
患者側は如何でしょうか。それが日常生活に支障が無い程度の軽症例であれば、それで構わないのかもしれません。取り敢えずVAS値変動が無くても、自身の症状と、自身の環境に合わせてチョイスしているものと思われます。しかしながら、自身の環境に重大な支障を来す程の症状を抱えている場合や、いち早くとも回復しなければならない理由が生じている場合、これらの治療内容に対してもいち早く疑問を呈するものです。何故、整形外科にいけばジジババが謎めいた効果不明な電療やマッサを何ヶ月も何年も治らないのに受けていると考えた事があるでしょうか。
仮にも後期高齢者であれば1割負担であり、極めて安く済むと言う理由もあるかもしれませんが、自身の短期将来に置ける明確な目標や目的が無い場合、このような状態に陥ります。その為、針治療やブロック等の積極的治療手段を受療する群と言うのは、自身の環境に多大な影響を及ぼしている症状を抱えていたり、短期将来に置いて明確な目標(大会や旅行等々)のある方々になってきます。次点として、各種医療機関で散々切った張ったを繰り返されて踏んだり蹴ったりされて怒りに身を任せている群もいるかもしれません。
そのような様々な理由があって、初めて積極的治療手段を用いる場合もあると言う事です。もっと簡単に書けば、全ては「自身の困り度」によって治療手段は選別するのが人間です。では、ここで治療と言うワードを改めて考える必要があります。どの手段が「治療療法」であり、どの手段が「対処療法」であるかの選別をしなければなりません。更に「治療療法=根治療法」が判別したら、その枠内で、どれが早期に治る「治療」かを選別しなければなりません。
例えば、私はよく『「温泉」も「マッサージ」も「針」も「ブロック」も根本的な作用機序は変わらない』と言います。患部血流量の阻害及び不安定供給に至った結果、当該部位の細胞変性に伴い症状を来たしている結果、諸々の症状を呈し、それが世間一般では病名が付き、付けられていると考えているからです。鵜呑みにした患者は「針」よりも「マッサージ」、「マッサージ」よりも「温泉」を選ぶでしょう。それは何故でしょうか。「気軽」だからです。
では、作用機序が仮にも同類だからとて、作用に伴う効果も同じかと言えば全く異なります。そもそもの侵襲性が異なるのですから治癒迄の速度も全く異なりますし作用機序が同一だからとて、作用時間も異なれば持続性も丸っきり異なってきます。要は、一度の作用でドレだけ連続性を持ち作用し続けるかによって、治癒迄の速度と言うのは変動してくるものなのです。
更に言えば、術者によって症状に対しての見立ても変われば治療部位も異なりますので、術者によっては患者の症状を全く動かせないと言う状況にも陥ります。勿論、効果が弱くても全く動きません。全く動かせないから「治らない病気」だと言う訳ではありません。
「全く動かせない」のは「治らない病気」なのではなく、術者に責任があるのです。今の医療が行っているのがコレです。保険制度上、積極的な治療手段と言うのは不可能です。重症度が高まれば高まる程、患者の症状を動かす事は出来ません。故に、中枢神経系に至る薬物を出し、精神異常者とレッテルを張り、諦めろと促し、年だからと帰します。そのような悲惨なエピソードが繰り返され、患者の症状は重篤化していきます。
まぁそんな長ったらしいエピソードを抱えて重症化してから初めて針治療をチョイスするに至るケースと言うのも新規患者の場合は多いものですから、どれだけ針治療がイメージ悪くて敷居が高いんだと考えているところでもあり、それはそれで反省すべきとこかなとも思います。

こないだ理研の某氏から治療内容について伺いたいって電話がきたんですよ。業界的にはご存知の方もいらっしゃると思いますけど、無理くりな針を特注しては職人を困らせてしまって申し訳ないと思っていますから治療内容等々も隠す事なく伝えてはいるんですけどね。
そんなアウトプットが伴えば、新しい知見もフト見えてくるものですが、更にフト思いついたのですが、僕らって常に既存の物事に対して善し悪しを評価し、ピックアップしては実践し、その結果を元に取捨選択していると思います。それが上司や部下やスポンサーや云々かんぬんが邪魔している場合、言えない事もあったり、出来ない事もあったりと制限があるかもしれませんが、
既存の知見を捨て去るって、実は難しい事なのかもしれません。難しいと言うよりも、既に誰かがしている可能性があり、散々数年数十年と汗水垂らして教科書を丸覚えする位の努力をしたとしても、その教科書が間違っている事なんて医療の世界では当たり前なのです。要は散々勉強しても、特に臨床現場とは剥離感が著しくもあり。
間違えていると言うよりも、教科書を作成するのも人間であり、そこには様々なシガラミが存在する事になり、権威があり派閥があり、スポンサーがあり、買ってくれる人の事を考えれば、教科書と言う物自体が既にオカシイ存在である事も分かります。と、フト思ったのです。これ見てください↓
【109回G問題No.50】
50歳の男性。3か月続く後頸部痛と肩こりとを主訴に来院した。症状は夕方に強いが、増悪はしておらず仕事に支障があるほどではない。市販の消炎鎮痛薬を貼付している。半年前に職場を変わり、仕事でほぼ1日中パソコンに向かってデスクワークを行っている。職場での人間関係は問題ない。後頸部から両肩にかけて筋緊張を認める。頸椎エックス線写真と頸部MRIとに異常を認めない。
まず行うのはどれか。
a 頸椎の牽引を行う。 
b 星状神経節ブロックを行う。 
c トリプタンの皮下注射を行う。 
d 配置転換の希望を会社に出すように伝える。 
e 作業時間、パソコンの位置および姿勢を確認する。
正解 e
だそうです。
正解は「消炎鎮痛薬を止めさせる」でしょ。まぁそうは言っても大人の事情で言えない世界もあるから書けない世界もあるって事を言いたかっただけ。

依存と不安はビジネスの対象に繋がります。
意外と患者が気づけない点として受療間隔が挙げられます。
昨今は、交通事故専門と言う患者負担の無い群だけを専門に集めて散々毎日通わせている所もありますが、流石の素人でも、そのオカシさは分かる。しかし、患者も患者とて通えば通うほど患者自身にもお金が入ると言うメリットも生じる為、止めるに止め難い。お互いwinwinな関係に見えるかもしれませんが、毎日のように電療食らって牽引受けてガン揉みされていれば、特に頸部受傷のムチウチ等は余計悪くなる可能性も高いから、いずれ患者はloseする場合もある。まぁそのような特別な例は置いといたとしても、
治癒に向けての大原則として
1)患者は時間の経過に伴い自然に治癒に運ぶ機構を持っている生き物であり
2)その自然治癒機構の速度を大幅に加速させてあげること
3)損傷起因が日常にあれば、損傷起因を省みてもらうこと
4)その損傷内容に付随する症状に対して逆行手段を良かれと思って取り入れている手段があれば、それも除いてもらうこと
が挙げられてくると思います。そのような中、1)と2)が術者努力、3)と4)が患者努力となり、治癒に向けて双方が動く必要があると思います。そのような中、1)と2)を把握する為には、「患者の症状」と「発症原因部位」、「自身の治療手段」と、「自身が用いる治療手段の作用時間と作用機序」、「自身のキャパ」が把握出来ていないと、適切な受療間隔と言うのも指示出来ないものです。勿論、患者によっては距離や時間の問題もあり、全てが指示した通りに上手く物事が運ぶ事はありませんが、患者の抱える症状と言うのは比較的、多岐に渡るものです。
そして、治療と言うものに関しても、「患者の今現在の基礎的身体状態」をベースとして持ち上げていくものになりますから、それが針治療が極めて効いている時間のVAS値だけを見て、それが全てだと思う事も良くありません。患者の本来のベースとなる基礎的身体状態は、「針治療が極めて効いている時間外」で、「さてどうか」をヒアリングする必要性もあり、全ての症状に関して毎日通わせるような手段を用いる院に関しては、患者の事も自分の事も把握出来ていないが故に起きているか、もしくは依存か不安を煽り、毎日通わせているかに過ぎないものです。
自分の力を信じる事。患者の回復力を信じてあげる事。患者に無駄通いさせず、何処よりもトータルコストを低減とさせた治療、そして再発率の低い治療プランを練る事が、患者にとって最適なものなのではないでしょうか。
まぁ患者は痛いと焦っている場合も多いので、ドードーする場合もありますけどね。大体、焦る患者が依存ビジネスや不安ビジネスにハマると言う傾向も事実と言えば事実。故に、ガンガンとベンゾを長期服薬させられた患者が反跳性不安を呈した場合、財産を根こそぎ向精神薬や違法薬物に注ぎ込んでしまうと言う現象も時として見られてしまうのですね。

【電話】 0173-74-9045 又は 050-1088-2488
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  ~針治療から病態定義の見直しを~