藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

診断名の押し売りは価値も意義もない


患者は診断名を押し売りされているという事に気付いていない。医学は絶対でもなく、何でも治せる訳もない。それが感染症救急救命、産科であれば別かもしれないが、日常的に発症し易い症状に関しては無力感が漂う。それは傍から見ている私以上に、外来でジジババの相手をしている医者程感じていると思う。「治らない」と。状況をヒアリングすれば、単なる腰下肢痛に過ぎない痛みとて、痛い部位に湿布を貼る事を勧め、ボルタレンでも飲ませ、座薬も処方し、トリガーブロックを打ったところで、良くなる訳がない。
でも、それ以上の手段がないのは辛いものである。後ろから後ろから似たような症状を抱えるジジババが列を成し、「効かない」「効かない「治らない」「治らない」を連呼されていれば、いっその事、他科に回したくなる気持ちも分からなくもない。「年だから」と言い聞かせたくなる気持ちも分からなくもない。
保険制度上、ガイドライン上、制限が付き纏う治療法は既に破綻している。それが幾ら保険内で安く済んで、日々低周波やトリガーを受けて揉まれたところで、これらの治療手段は、患者の何に対して何を求め、何を望んで治療をしているのだろうか。良い反面教師達である。そんな人間にならぬよう日々努めなければならない。

針治療は比較的重症度が高いケースが多い。極めて難治例で他の治療手段では抵抗性を示してきた症例も多い。それは針治療と言うイメージの悪さも相まって、限界まで我慢してしまっての事かもしれないが、皮肉な事に、その結果、患者自身が保持する情報量と言うのも膨大であり、患者からのアウトプットは全て事実且つ膨大でもある。何故、患者は重篤度が高まるに連れて事実をアウトプットするか。患者自身の体内で巻き起こっている痛みは、自身の危機である事には変わらないから嘘を付ける境遇ではないからなのである。
後医は名医なんて言葉があるが、ただ単に、それは患者が過去に受けた検査や治療で篩に掛けられただけであり、一層の事、後医の側に立つ人間のほうが治療精度が上がっていくに過ぎない。かと言って、マイスリーメイラックスに変える事が名医であると言っている訳でもなく、リリカをトラムセットに変える事が名医と言う意味でもない。そもそも、患者の症状は薬物治療の限界を超えている。しかし、極めてシンプルな話であった事は、極めてシンプルな作用機序しか持たない針治療であるからこそ見えてくるものがあるというだけの事。

今に始まった事ではないが、加齢に伴う脊椎変性疾患等で好発する椎間孔狭窄や易インピンジメント状態に伴う神経根症的症状で派生する上肢や下肢症状に対して、リリカやトラムセットやサインバルタ等の向精神薬を出す意味が分からない。
それで治ると思っているのだとしたら相当狂気の沙汰。疼痛自覚の軽減と治癒を履き違え続けた患者の脊椎変性は一層進行し、易損傷性も高まる。無論、薬物による有害性も保持する事となり、特に高齢層であるが故、薬物に対しての理解は若年層と比較すると極めて乏しい。
「痛みが消えるから良い」ではない。痛みを感じられるから行動を制限し、姿勢を工夫し、生活を工夫出来る時間に余裕のある年齢層、患者層に対してまで、中枢神経系で痛み自覚を無効とし、歩け歩けと勧めるのは納得出来ない。いずれ耐性とて獲得する日が来る。その時には甚大な被害が脊椎にも中枢神経系機能にも及んでいると言う事を知るのは暫く先と言うのも、実際に患者自身が経験してみない事には分からない事なのである。
多くの薬物治療が対応出来る症状と言うのは「痛み」まで。だから、その痛みが薬物治療によって無自覚となり日常生活を送る事になった場合の多くの脊椎変性疾患を抱える患者が次に自覚する症状と言うのは、「痺れ」であり「脱力」であり「知覚鈍麻」や「知覚過敏(アロディニアと表現しても良い)」である。得てして自然な経過である。
それは、単に薬物で「痛み」を感じずに日常生活に制限を掛ける事なく過ごしてきた代償であり、末梢神経系機能自体が確実に破綻した証拠でもある。神経自体が損傷を受けた症状を患者が呈した場合、多くの医療行為ではお手上げ状態になっている。「治し方が分からない。」「痺れに効くと言う薬はあるが効かない。」となる。無論、手術と言う手段もない訳ではないが、実際のとこ、治療成績は如何だろうか。経過の長い神経圧挫や癒着等々に伴う神経変性の症状は除圧しようが周りの組織を切り落とそうが中長期的に経過を観察してみても良いとは言えないのが現実である。

そのような疼痛自覚を無効とさせたが故に、行動制限をしない場合、段階的に自然憎悪する症状を無自覚のまますっ飛ばし、薬物治療等で対応出来ない状態まで患者を憎悪させてしまうものだから、結局のところ、最後は患者の精神由来であると責任を押し付けてしまう事になる。その為、今件の脊椎変性疾患に限らず、画像所見や各種検査では陰性を示し、薬物治療等では反応性の乏しい頭痛、めまい、肩凝り、腰痛、膝痛、足関節痛でも何でも、中長期に渡って患者が症状を訴え続ければ、何もかも患者の精神症状に問題があると片付けられ、直接的な表現を避ける場合もあるかもしれないが、精神異常者としてのレッテルが貼られているに過ぎない。
その観点を真面目でお利口さんな患者が真摯に受け止めてしまうと、今の症状は精神異常であるが故に向精神薬を飲めば治ると言う理屈が「患者自身の中で成立」してしまう。
対応出来ない症状だから精神異常者であると患者に責任を押し付けてしまう事が問題。此処までは別に構わないと思う。どのような言われ方をしても、現段階では患者に実害が伴っていないからだ。
幾ら「うつ病」や「パニック障害」と言われても、それは単なる一個人の発言であり、特に診断名が当該患者に押し付けられた事に対しては価値も意義もない。その患者が聞き流していれば良いだろう。しかしながら、多くの場合は、それらの診断名と薬物治療がセットになっている事が大問題となる。「うつ病で自殺まで考えた」。そのような発言はよく聞く。「うつ病」と言うからには、恐らく、誰かから診断を告げられての事だろうし、高確率で薬物治療が行われている。
自殺念慮自体を全て薬剤性由来とは言い切れない部分は勿論あるが、「薬物治療で自殺念慮が急激に高まり、自殺と言う行為に対して一切の恐怖心がなくなった」と言う自殺未遂者の話も本当に多い。

患者自身が薬物治療の限界である事を意識する瞬間と言うのが、凡ゆる力価や種類含め、様々な薬物治療を施され、場合によっては医師とて保険制度上、ガイドライン上、垣根を超えて患者に対して積極的な薬物治療を施しきった場合かもしれない。
患者の為に傷病名を改ざんして検査を入れ、適応外の処方をする場合も多々あるだろう。しかしながら、これでもかと散々薬物を浴びせられたものの、やはりパッとした症状の改善が見られないと言うケースが圧倒的多数を占め、かと言って、仮にも垣根を超えた薬物治療で症状が改善したと患者が自覚したところで、それは対処療法にしか過ぎないという残念な結果である事にも変わらない。
対処療法は、根治療法に昇格する事は絶対にない。対処療法の枠内で強く効果を自覚したか、弱く効果を自覚したかに過ぎない。対処療法は対処療法である以上、対処療法以外の何者でもない。
湿布を1枚貼って効かないからと、2枚貼ってみてはどうだろうか。2枚貼ってもダメなら3枚貼ってみてはどうだろうか…対処療法とは、そのような事を繰り返しているに過ぎないのである。

2013/11/26
特定の栄養摂取が過剰となり、特定の栄養が欠乏した結果であり、
特定の栄養摂取が過剰となり、特定のホルモン異常の結果であり、
特定の栄養摂取が過剰となり、特定の脳内神経伝達物質が招いた結果であり、
特定の栄養摂取が過剰となっている事を自他共に危険性を知らず、摂取し続けた結果であり、
特定の栄養摂取が過剰となるような社会的背景であり、
特定の薬物摂取が長期間に及んだ結果、特定の栄養が欠乏した結果であり、
特定の薬物摂取が長期間に及んだ結果、特定のホルモン異常の結果であり、
特定の薬物摂取が長期間に及んだ結果、特定の脳内神経伝達物質が招いた結果であり、
特定の薬物に耐性が付いた為、特定の状態が現われた、及び、常用性離脱が疑われる病状です。
患者の話を良く聞けば、原因は分かるような内容なのにも関わらず、患者の発する症状に対して蓋ばかりをするような、所謂対処療法としての薬物が蔓延してしまった結果、必要以上に患者は様々な症状に苛まれ、受療動機ともなる初期症状すら訳が分からなくなる、記憶が飛んでしまう程の状況になってしまうのです。
ここ最近、麻薬や覚醒剤紛いの中枢神経に作用する薬が各科で随分と出されています。何でこんな状況に陥ってしまったのでしょう。「取り合えず脳で止めてしまえ」的な対処の仕方は、結果的に「アナタの痛みは分からないんです」と言っているのと同義なのではないでしょうか。
下記に○○症や、○○症候群と言われる病名を幾つかまとめました。ご覧になって分かる通り、訴える病状が非常に酷似している事が分かると思います。よくよく読み、内容を理解して頂ければ気付くと思います。知ってか知らずか各々の医原病に対して更に薬物投与だ何だを繰り返すから、益々拗れていくのは当たり前なのです。前も書きましたが、何で「足す」事ばっかりしか考えず「引く・抜く」事を考えないのか。
知識と情報収集能力、疑問を持つというキッカケが患者に無かったら、死期を早めているだけです。「病気」にするから死期が早まるんです。昨今のどうでも良い診断~薬物投与の流れは、患者の寿命を縮めているだけなのではないでしょうか。
医原病を○○症や○○症候群と、もっともらしい病気に仕立て上げたのは。下記の病状も全て発症する訳ではないので、各々発症した症状に応じて、様々な科に行って検査を受けたり治療(投薬)されたりするのですが、残念ながら大半が無効であり、各科を回れば回るほど薬が増えていくという蟻地獄に陥ります。
患者の最も辛い症状に応じてチョイスされる病院は変わるかもしれません。そして、整形に行けば○○症、内科に行けば△△症、婦人科行けば××症、精神科行けば□□症、皮膚科に行けば…、耳鼻科に行けば…とコロコロ変わるかもしれません。
「○○先生の指示が悪かったのでこうなったので症」とは絶対ならないのが世の常。薬物による副作用や栄養指導の誤り諸々含め、患者の発する症状は全て病気になっていきます。
○○症
顔面周囲の剥脱性皮膚炎、アトピー性皮膚炎 、カンジダ性皮膚炎(歯周病も含む) 、脂漏性皮膚炎 易感染性、神経炎などの神経障害、指の爪の強度不足、糖尿病、腎症(IgA腎症、非IgA腎症)、慢性関節リウマチ、尋常性乾癬、狭窄型狭心症、攣縮性狭心症掌蹠膿疱症掌蹠膿疱症性骨関節炎、気管支喘息、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、クローン病ベーチェット病、多発性骨髄腫、強皮症、代謝障害、免疫異常、慢性甲状腺炎(慢性甲状腺機能亢進症)、肝硬変、脂漏性湿疹、落屑性紅皮症、食欲不振、不眠症、痙攣、習慣性流産、不足した状態で妊娠すると催奇性があるため障害児が産まれる確率があがる、乳児や幼児の発達遅延、乳幼児の突然死、小児の全身脱毛、自閉症状、倦怠、低血圧、ケト乳酸アシドーシス 、有機酸尿、四肢の感覚異常、痙攣、運動失調、結膜炎、髪の脱色、疲労感、筋肉痛、嘔吐、結膜炎、精神症状(うつ病、嗜眠、落ち込み、無気力、幻覚、麻痺 )、緊張低下、髪の損失
○○症
関節と全身のこわばり、疲労感、全身のひどいだるさと倦怠感、四肢の脱力、不眠と睡眠障害、頻尿、下痢、月経困難、生理不順、過敏性腸症候群、微熱、頤神経麻痺、筋力と運動能力の低下、筋肉の激しい疲労、嚥下困難、起立困難、歩行困難、悪夢、焦燥感、不安感、抑うつ、判断力や思考力の著しい低下、記憶を失うほどの痛みにより認知症のように記憶がなくなる、足、手の先の冷感や灼熱感、ドライアイ、リンパ節の腫れと痛み、四肢こわばりとだるさ、関節痛、レイノー現象、光線過敏、脱毛、シェーグレン症候群、自覚的な関節の腫れなどの膠原病様症状、首から肩にかけての痛みやしびれ、上肢の痛みやしびれ、腰背部の疼痛やこわばり感、臀部から太ももの痛みと張り感、膝から下腿の痛みやしびれ、眼の奥の痛み、口腔の痛み、頭痛などの様々な疼痛症状、重度の場合はガンの末期患者と同レベルの疼痛、髪やつめに触っただけで痛みが走る、意識がもうろうとなり寝たきりになる、通常の日常生活(食事・買い物・入浴・着替え・歩行・寝返り等)が困難、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感が著しく過敏になる。化学物質やアルコール不耐性、アレルギー症状は悪化、灼熱感や冷感、悪寒、穿痛感、乱切痛、アロディニア、思考と理解力の低下、短期と長期記憶力の低下、集中力の欠如と混乱の注意障害、失語症遂行機能障害などの不安、焦燥、錯乱
○○症候群
結膜炎、鼻炎、咽頭炎、皮膚炎、気管支炎、喘息、動悸、不整脈、下痢、便秘、悪心、自律神経障害、手足の冷え、易疲労性、不眠、不安、うつ状態、記憶困難、集中困難、価値観や認識の変化、痙攣、頭痛、発熱、疲労感、末梢神経障害、運動障害、四肢末端の知覚障害
○○症候群
めまい、冷や汗、震、緊張するようなところではないのに脈が速くなる、血圧が激しく上下する、立ち眩み、耳鳴り、吐き気、頭痛、微熱、過呼吸、倦怠感、不眠症、生理不順、味覚障害、人間不信、情緒不安定、不安感、イライラ、被害妄想、鬱状態
○○症候群
不安、恐怖、パニック発作、興奮と不安、心気症、拡張型心筋症、集中力障害、悪夢、不眠、筋肉の痙攣、電気ショック感覚、目のかすみ、めまい、ドライマウス、刺す痛み、聴覚障害、味覚・嗅覚障害、胸の痛み、インフルエンザ様症状、記憶と思考の障害、触覚過敏、聴覚過敏、頻尿増加、熱感覚・冷感、頭痛、リバウンドレム睡眠、筋肉の緊張、疲労と脱力、嗅覚過敏、むずむず脚症候群、金属の味、羞明パラノイア、幻覚、吐き気や嘔吐、血圧上昇、頻脈、高血圧、姿勢低血圧、うつ 、振戦、発汗、食欲不振、
体重低下、不快、離人強迫性障害、耳鳴り、知覚異常、視覚異常、優柔不断、過敏性腸症候群、痙攣、緊張病、昏睡、自殺、自殺未遂、自殺念慮自傷行為熱中症、妄想、殺人願望、叫ぶ、投げる、壊す、暴力、PTSD、器質性脳症候群、精神病、混乱、躁病、悪性症候群様症状、振動せん妄

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  ~針治療から病態定義の見直しを~