藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

その進化を賞賛するか否か2


その進化を賞賛するか否か http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/11289977.html の続き

       

肥満だから病気になるのではなく、体重が増加する事で、病気を防いでいてくれるのかもしれない。
体重が増加してくれるから、臓器や血管に負担を掛けていない状態かもしれない。
痛いから困るのではなく、痛みがある事により、過活動を防いでいてくれるのかもしれない。
外傷、非外傷問わず、痛みのお陰で今日を過ごす事が出来たのかもしれない。
その痛みを薬で止めてしまった事で、明日を過ごす事が出来なくなるかもしれない。
 
糖質を摂取した事により、インスリンが分泌されたお陰で病気を防いでいてくれるかもしれない。
インスリンが分泌されなくなるから糖尿病になる。インスリンが効かなくなる。高血糖になる。
 
しかし、度を越える糖質摂取にて糖尿病になる。
但し、人間はインスリンのお陰で細胞内に脂肪を溜め込んでくれて防いでくれる病もある。
健康被害の代償として、肥満になる。但し、その肥満により発症する病気もある。
それでも、インスリン注射があるからと、甘い物を食べても良いという理屈は通らない気がする。
 
血糖値の乱高下は、糖尿病だけではなく、
前段階で様々な段階を経てβ細胞の働きが最終的に弱体化する。
それまでに周囲は気付けなかったか。性格が変わったりしていなかったか。
妙に焦っていたり落ち込んでいたり攻撃的になっていたり。でも、更年期に差し掛かったしね。
いやいや、膠原病らしいよ。本人は気付かなかったか。最近、寝ても覚めても疲れが取れないわ。
身体がダルイわ。最近怒りっぽいわ。頭がいたいわ。肩が凝るわ。腰が痛いわ。生理痛が酷いわ。
 
私達は、様々なシグナルを自身の身体に送りながら、日々の生活をしているのです。
そのシグナルを他要因に求めた場合、そして、他要因の解釈が間違えていた場合、
そして、症状改善の取っ掛かりを手軽に求めた場合、薬に手を出す。
その薬で痛みを誤魔化す。薬で数値を誤魔化す。酒で痛みを誤魔化す。
後戻りの出来る段階であれば、幾らでも人間は後戻り出来ます。
しかし、後戻りの出来る人間であったとしても後戻りするには相当量の努力が必要となります。
 
しかも、そこには「医療」という受動的に寄り掛かって治しているのか壊しているのか分からない世界ではなく、
患者自らが能動的に動き、努力し、直し、正し、治していかなければならない世界です。
面倒臭い?とっても面倒くさいですよ。一日二日で治るものではありません。
 
今まで何年も何十年も掛けて至った病や痛みを一日二日で逆戻り出来る事はないでしょう。
それでも、一日二日で元に戻りたいのなら、その方法は教える事は出来るかもしれません。
但し、余りにも非現実的過ぎて、絶対に出来ないかもしれません。

鍼治療とは何だろうかという問題も私は常に考えています。
症状を誤魔化す方法で無い限り、私自身は鍼でなくても良いと考えています。
 
例えば、トンカツが食べたい、マグロが食べたい、ハンバーグが食べたい、
イカが食べたいという衝動に駆られた場合、その食品を食べる事で欲求は満たされるでしょう。
しかし、自身の症状を改善したいという欲求に患者が駆られた場合、
私は鍼治療という業を行っておりますが、鍼治療で無くても構わないというスタンスでいます。
寧ろ、豆腐を食べて各種症状の消失を求められるなら鍼屋でなくても豆腐屋でも良い訳です。
幸い豆腐は大好きだし、私の名前は藤原だし、コップに水を入れて車も走らせられるし、豆腐屋もやろうかな。
 
常に、思考はフラットな位置に置いている為に、
鍼以上に高効率で治療が行える手段が存在するのであれば、私はきっと簡単に鞍替えするかもしれません。
ある程度の治効理論は固まっているし、治効理論は鍼を用いる必要のないように、常に構築していますので、
鍼以上の何かしかのアイテムが存在したら、私は恐らく其方を用いる事になるでしょう。
 
鍼以上の侵襲性や深達性を伴い、表層から深層まで100%の力価でアプローチでき、
施行する人間誰しもが確実にアプローチし続ける方法はないか、常に考えていますが、
鍼治療以上に有用な手段は今のところ見つかりません。
その為に、現段階では鍼という手段を用いているだけであり、鍼でなくても良いと思っています。
そのように言ってしまえば、今の治療も何もかも軟着陸かもしれません。
 
鍼治療に来る患者は、飛躍的に重症度が高くなってきています。
歩けない、仕事も出来ない、生活も出来ない。
しかし、私達は、そのような患者だけを相手にしているのではありません。
 
患者側の選択肢の中で、鍼治療という存在に抵抗を示し、
最後の最後まで選択せずに重症化しただけかもしれませんし、
鍼灸適応の認知を広めなかった私達の責任かもしれません。
現に、私の所の治療院も看板と呼べる看板は出していないですし。

それを世間ではインスリン抵抗性と呼び、鍼灸抵抗性と呼ぶのかもしれません(笑)
江部先生のHPを拝見していてフト、上記の事を思ったのですが(以下引用)

イノベーター理論(Innovator theory)とは、
1962年にスタンフォード大学社会学者であるエベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)に
よって提唱された、新製品や新サービスの市場浸透に関する理論のこと。
顧客の新製品や新サービスの購入態度をもとに、5つのタイプに分類される。

イノベーター(Innovators:革新者)
冒険的で新商品が出ると進んで採用する人々の層。
市場全体の2.5%を構成する。
イノベーター層の購買行動においては、商品の目新しさ、
商品の革新性という点が重視される為、商品のベネフィットはほとんど無視される。

アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断する人々の層。
市場全体の13.5%を構成する。
他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれ、商品の普及の大きな鍵を握るとされている。
新製品や新サービスが提供するベネフィットが必ずしも万人に受け入れられるとは限らないため、
市場に広く浸透するかどうかはアーリーアダプターの判断や反応によるところが大きいとされる。

アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
新しい様式の採用には比較的慎重な人々の層。
慎重派ではあるものの、全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。
市場全体の34.0%を構成する。
アーリーアダプターからの影響を強く受け、
新製品や新サービスが市場へ浸透する為の媒介層であることから、ブリッジピープルとも呼ばれる。

レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
新しい様式の採用には懐疑的な人々の層。
周囲の大多数が使用しているという確証が得られてから同じ選択をする。
市場全体の34.0%を構成する。
新市場における採用者数が過半数を越えた辺りから導入を始める為、フォロワーズとも呼ばれる。

ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な人々の層。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統化するまで採用しない。
市場全体の16.0%を構成する。
中には、最後まで不採用を貫く者もいる。
イノベーター理論は、プロダクト・ライフサイクルと合わせて、市場分析や需要分析に活用されることが多い。

一般社会にも糖質制限がどんどん広がっていることは間違いないですが、
トレンド総研の記事(☆☆)によれば、
<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが、

(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット

糖質制限食が、第一位です。
そして「最も知られていると思うダイエット法」も第一位は“糖質制限ダイエット”でした。
さらに20代~40代の女性500名を対象にインターネット調査した結果、
2人に1人が2013年にダイエットを実践していて、そのうち半数が注目の6ダイエットにトライしていました。

しかし実際にトライされたのは
「食べ順ダイエット」(28%)
「プチ断食ダイエット」(18%)(週2日間だけ、摂取カロリーを通常の1/4に)
糖質制限ダイエット」(16%)
でした。

結果として2013年のアンケートで、

一般の人においては、糖質制限食は知名度は一番でしたが、
実践している人は、16%で、第三位でした。

そうすると、イノベーター理論的には「イノベーター:2.5%」と
アーリーアダプター13.5%」を足してぴったり16%です。

2014年6月の日経メディカル医師2263人のアンケートでは、糖質制限食賛成派が58.3%でした。
糖質制限ダイエットを自身で実行し、患者にも勧めることがある」と答えた医師が14.3%。
「自身で実行しているが、患者に勧めることはない」と回答した医師が19.4%。

医師の33.7%が糖質制限ダイエットを自ら実行している実態が明らかになりました。

また、4人に1人が「患者に勧めることがある」と答えています。
医学界をイノベーター理論的に考察してみると

「イノベーター:2.5%」
アーリーアダプター13.5%」
「アーリーマジョリティー34.0%」

33.7%ということは、イノベーターとアーリーアダプターの段階を超えて、
アーリーマジョリティーの調度、中間段階くらいです。
医学界の方が、一般社会よりも糖質制限食へのシフトが一歩すすんでいるのは、
やはり医師の方がより正確な知識を得て、
自分の頭でしっかり判断して「go sign」をだしているということなのでしょう。

一般の人においては、糖質制限食は知名度は一番でしたが、実践している人は16%で、
第三位なので、何となく知っているけれど、内容は深くは知らないので実践しないという
段階の人がかなりいると思われます。

そうすると、日本の医師もまだまだ捨てたものではなく、
革新的なことへの対応も多いに期待できるという、とても嬉しい感想です。

日本糖尿病学会の重鎮諸氏も、
糖質制限食に対する医学界の大きな変化にそろそろ気がついて欲しいですね。
 
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に

糖質制限食」
も正式に受容しました。

(引用終了)

糖質制限はダイエットとしての手段として一般には浸透しているようですが、
糖質制限により体重が減少するのは、副産物的なものと私は捉えています。
痩せる事が直接的な健康へとは繋がらないと思います。減量という行為を望むのであれば、
別に糖質制限でなくてもカロリー制限でも出来るでしょうし、断食してしまえば簡単に痩せられます。
その先を見据えている為に糖質制限という手段が存在するのです。
 
そして、知っている人間しか継続出来ないという認識も、これまた必要でしょう。
未だ「健康法」というカテゴリーに当て嵌められているから継続的に行う事が難しいのでしょう。
それが「当たり前」の世界になるのは何時の日でしょうか。
恐らくなのですが、鍼灸治療も糖質制限も残念ながら「当たり前」になる事はないでしょう。
他の「当たり前」にしたいとは常日頃思っている事象も含めて諸々。
 
意外と、この世の中は「当たり前」を望むと風当たりは強いものです。
以前にも書いた通り、「元の生活に戻す」思考とスタイルとスタンスを毛嫌いする風潮があります。
糖質制限も鍼治療もエラい大昔から行われてきたことなのですが、
糖質が多分に含まれる食品が我が物顔で並び、
「薬で何とかしようぜ面倒臭いから」というスタンスが「当たり前」になってしまっただけの事です。
 
何故かと言う理由は以前も書きましたが、「元の生活に戻す」事で多くの患者が健康になる一方、
他業界が全く儲からなくなるからであり、世の中が回らなくなるのです。
個人でやるならお金は掛からないし、鍼灸治療だとしても数千円~数万円で事は終わる。
但し、数億~数百億、もっともっとデカイ金が回らなくなります。
経済という観点から立って物事を考えれば、抗精神病薬でも多剤投与して
周囲から入る危険視する情報を遮断しておけば、患者の首根っこを鎖で一生涯に渡り繋げておけます。
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鍼灸という業をしている人間だけが思っている事ではないでしょうし、
同様の悩みを持っている他業界の方々も多い事でしょう。
 
一応は、鍼灸治療も国の免許で保健所の監視下で運営されているものですし、
糖質制限も「ダイエット」という要素が多分に含まれた状態ですが市民権を得ています。
但し、まぁそれって目玉焼きの焼き方をどうこうしろとか、アイロンの掛け方をどうしろこうしろと
言っているのと同じレベルでしか私は考えておらず、別に特別視する必要性も皆無だと思います。
 
鍼の環境に入り浸っているから感覚が麻痺しているだけなのかもしれませんが、
私にとっては日常的に行われている鍼灸業務も、知らない人にとっては
何をしているか分からない人もいるでしょうし。かと言って、それを広めようかと言えば、
性格的な問題なのか押し付けにも捉えられないかと考えてしまったり、
肩こり腰痛は当たり前に発生しうる現象だと公言しているし。
 
寧ろ、肩と腰を使っているにも関わらず、肩こり腰痛を感じない人間はそれはそれで危険なものです。
一晩寝れば治る、その程度の痛みは誰しも抱えているものかもしれません。
それが二晩寝ても三晩寝ても治らなければ加療せねば長期化するかもしれぬ黄色信号かもしれませんが。
 
早い安い旨い、そして安全が一番良いやね。先ずはココを目指すべきかと思っています。
救急救命時ならまだしも、今の多くの陳旧性に対しての医療には、残念ながら安全という言葉はありません。

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