藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

寝酒が睡眠中の副交感神経活動を抑制・秋田大研究

たまにはもっと身近なネタでも


健康人対象の睡眠ポリグラフ計による検討
 
 飲酒による副交感神経活動の抑制は既に報告されているが、
いずれの報告も覚醒時に観察されたもので睡眠時の影響については、これまで報告されていない。
秋田大学精神科学分野の佐川洋平氏らは、健康人を対象に就寝前の飲酒が睡眠に及ぼす影響を
睡眠ポリグラフ計により検討し、睡眠中は副交感神経が抑制され交感神経が亢進していたことを明らかにした(Alcohol Clin Exp Res 8月16日オンライン版)。

用量依存的に心拍数が有意に増加
 
 対象は健康な男子大学生10例〔平均年齢21.6歳、体重66.4kg、BMI 21.5、
睡眠の質を評価するピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)3.5、日中の眠気を評価する
Epworth Sleepiness Scale(ESS)5〕。ノンアルコール飲料(コントロール)群、
エタノール0.5gおよび1.0g/kg体重を含有した各アルコール飲料群の3群に分けて、
就寝100分前にそれぞれ摂取(30分以内)してもらった。
 
 就寝8時間後に睡眠ポリグラフ計により、心拍数変動、交感神経機能を反映する低周波成分(LF)と
副交感神経機能を反映する低周波成分(HF)の比を測定し、睡眠状態を観察した。
 その結果、入眠からレム睡眠が出現するまでのレム睡眠潜時は、
コントロール群および0.5g/kg体重アルコール飲料群に比べて1.0g/kg体重アルコール飲料群で
有意に延長していた〔F(2、18)=11.4、P<0.001〕。就寝中のレム睡眠(REM)時間は
アルコール用量依存的に有意に短くなり〔F(1.4、12.9)=7.53、P=0.011〕、
ノンレム睡眠ステージ1(S1)の時間は有意な延長が見られた〔F(2、18)=6.75、P=0.006〕。
 
 さらに、S1~2の心拍数は覚醒時に比べてすべての群で減少していたが、
コントロール群に比べアルコール飲料群では用量依存的に有意に多かった〔F(2、18)=5.74、P=0.012〕。
 また、 LF/ HF比についてはコントロール群に比べて1.0g/kg体重アルコール飲料群で
有意な上昇が認められた〔F(1.4、12.6)=5.10、P=0.033〕。
 
 副交感神経活動の抑制は、高血圧を伴うアルコール依存症および愛飲者に認められることが
 しかし今回の対象は健康人であり、睡眠前に飲酒した場合、
健康人における睡眠中の副交感神経活動はアルコール用量依存的に抑制され、
結果的に交感神経優位になることが明らかになった。
 
 佐川氏らは、睡眠前の飲酒により睡眠回復機能が妨げられることを示唆した研究結果となったとしている。


 
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上記記事とは異なる箇所からの引用ですが、この統計は興味深いですね。
 「日本人は医療機関が処方する薬に頼りがち」になるよりはマシやわ。
 
 青森から鍼灸治療の意識改革を~