藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

患者の声が医療を変える時はくるはずだ 3


 
 精神科の人生模様
躁病だという患者さんも、アルツハイマーかもと言われてスペクト検査するよう医師から説得されていると言っていた。「放射能のようなものを注射するんだよ。そんな恐ろしい検査なんて」と言っていた。(私はスペクト検査をすでに終わってしまっていたが、Dは事前の説明一切なしで「脳の検査」の一言だけ。そのとき、主人を保護者にして同意をとり、私のエイズ検査までやっていた。)
どうして躁病なの? と聞いたら、「毎晩お酒のんで、夜中までおちゃらけで騒いでたから、家族の我慢が限界で入院させられた」と話してくれた。独身の50代の女性だったが、しばらくして作業療法室で会ったときは、目がトロンとして覇気がなく、話し方も変わり、別人のようになっていた。
19錠薬がでている65歳の躁病の患者さんに、「どうして躁病なんですか?」と聞いたら「私は大きなことを考えてしまうらしいのです。元々内科にいて、内科から精神科にまわされて、入院したんですよ」と言っていた。食事の時、喉に食べ物が詰まりがちになるそうだ。一緒に食事をした時も、ビーフシチューだったが喉につかえたらしく、食べるのを止めてしまった。
閉鎖病棟で30代の女性が「明日退院なんだ…」というから、「おめでとう。よかったね!」と言ったら、なぜか涙ぐんで「あの家に帰りたくない。家がいやだから入院したのに(閉鎖病棟での話)一回入院すると、10万円かかるし、もう貯金もないから入院できない。どうしよう」と赤い目をしながら言っていた。
 
50代の女性(お子様はいらっしゃらない、ダンナ様がリストラされたと話していた)が雨の日、リビングで他の若者の患者さんたちに、大きな声で「ねぇ、みんな! 薬なんか飲んでないで、こんな雨の日は、楽しくオセロゲームしようよ!」と言った。この発言から間もなく、Dは閉鎖病棟のこの女性患者を退院させた。
合う薬がなかなか見つからないという理由だけで、退院が長引いている患者さんもいた。手が痙攣している20代の女性(彼からDVを受けた人)、歩き方がよちよち歩きに変わってしまった。
男性(会社は友人に渡して、親の介護をすると言っていた)ヨダレがでるから、薬をかえてくれと言っていた30代の男性――職場で上司に逆らい、退社に追い込まれた人。
お母さんとお兄ちゃんにいじめられている10代の女の子。仲間外れにされてお弁当を毎日独りぼっちで食べるのが辛く、高校を中退した女の子。母親が弟ばかりかわいがって、父親と二人で住んでいる女性。チックのでる患者さんは、入院初日、個室で施錠されたそうだ。性格の穏やかな普通の人なのになぜ施錠するのかわからない。1ヶ月ほどの入院だったがもう二度と入院するのはイヤだと母親に言ったとのこと。「私、こびとが見えるの」と言っていた若い女性もいた。

 精神科病棟の外にいたならば悩みをもつ普通の人たちが、精神科にかかったとたんに、病名をつけられて、薬漬けにされる。処方する薬の根拠などどこにもないのに、朝昼晩薬を飲ませるD医師。
子供がいなくて、家庭不和なのと言っていた主婦の人。私が閉鎖から開放病棟に移ってすぐ、「いつから入院しているの?」と聞かれた。綺麗好きで、整理整頓をきっちりやるスポーツ少年の高校生。現役の看護師さん――仕事がキツイと言っていた。救急も外来もみなくちゃで入院患者の名前いちいち覚えられないと言っていた。開放病棟ではリピーターの患者さんどうしで「久しぶり~、同期会しよう!」と言っていた。
悩み事の原因が解決しなくては、いくら薬を盛っても患者の悩みは消えるどころか、薬の副作用でかえってボロボロになっていく。(入院中、私とオセロゲームをした、赤ちゃんを産まれて間もなく亡くしてしまった主婦はいいように電気ショック漬けされ、入退院を繰り返した挙げ句ベランダから飛び降り自殺した。投薬のせいだと私は確信している。)
当然だがD医師には、いじめの解決もできず、不況を解決する力もなく、家族を仲良くさせる力もない。結局のところ、何年たっても患者さんを治せないのです。根本の原因が解決しなければ。ただ弱い患者さんを薬漬け、検査漬け、電気ショック漬けにして、自分の収入を確保しているだけ。
電気ショック療法でも、私は受けてしまった後聞いた話だが、電気ショック3回やって銀行の暗証番号忘れてしまったという患者さんに作業療法室で会った。
また、うつ病で休職中の女性が、電気ショック目的で、同意書まで書いて任意入院したのに、電気ショックを一回もしてもらえなくて「私の入院は一体なんだったんだろう」と言っていた。
しかし、同じ姑問題で悩んでいる患者さんと知り合い、話が合うので嬉しくなり、テンションがあがったら、女性の病名は、躁鬱病に変わり、任意入院から医療保護入院となり、開放病棟から閉鎖病棟へ引っ越しとなった。
患者数人で、「電気ショックしてください」と頼んだら、ある医師に「電気ショックでうつ病が治るなんて夢のような治療があるなら、すべての患者にしています」と言って、電気ショックをしてくれなかったそうだ。東大病院のある医師によると「電気ショックはする人、しない人がいる。患者によって、適、不適がある」そうだが、どこで分けるのだろう? ぜひ教えてほしい。ちなみに、精神保健指定医の資格を持っていなかった私の主治医Dは、その後、資格を取ったそうです。

 以上がE子さんからのメールである。


転載元⇒http://ameblo.jp/momo-kako/
 
 青森から鍼灸治療の意識改革を~