藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

椎間板ヘルニアに対しての疑問10

http://www.qlifepro.com/news/20130108/kaken-pharmaceutical-and-seikagaku-corporation-sign-exclusive-sales-contracts-in-the-lumbar-intervertebral-disk-hernia-treatment-of-japan.html

手術以外の選択肢に期待

生化学工業株式会社(以下、生化学工業)と科研製薬株式会社は、2012年12月25日、
生化学工業が開発中の腰椎椎間板ヘルニアを適応症とする「SI-6603」 の
日本における独占的販売契約を2012年5月10日の基本合意書にもとづき締結したことを明らかにした。
Wikiメディアより引用)
米国では、第2相臨床試験が終了し、第3相臨床試験の準備を進めている段階である。

腰椎椎間板ヘルニア治療剤「SI-6603」 について

現在、腰椎椎間板ヘルニアに対の根本治療となる薬物療法が存在しないので、
1 回の投与で手術と同程度の症状改善効果を期待できる「SI-6603 」が上市されると、
患者の身体的負担の軽減、手術費や入院費などの医療費節減に寄与すると考えられている。
「SI-6603」 は、生化学工業が日米で開発を進めているテーマ。
日本においては第3相臨床試験が順調に進捗し、2014年3月期中の承認申請を目指している。
「SI-6603」は、髄核の構成成分であるグリコサミノグリカン(以下、GAG)を
特異的に分解するコンドリアーゼという酵素。同剤を椎間板内に投与することにより、
GAG が分解され髄核が縮小し神経への圧迫を減少させる効果が期待されている。
また、タンパク質を分解しないので神経などの周辺組織に影響を与えないと考えられる。
 


 
>>GAG が分解され髄核が縮小し神経への圧迫を減少させる効果が期待されている。
 
私はこの薬に対してヘルニアが縮小する効果を期待しています。
手術を行うような大掛かりな実験では無い為に、治験者も募りやすく多くのデータが取れるはずです。
 
過去も今も手術後に症状が改善しなかった場合は、
 
「神経にヘルニア(脱出した髄核)が癒着していたから」
「症状が発生してから時間が掛かりすぎたから」
「大きすぎて取り切れなかった」
「気のせいじゃないの?」
 
で済まされた多くの患者は泣いてきました。
 
今後の結果が楽しみです。
いよいよ、「ヘルニア=痛み・痺れ」の図式が間違いであった事が公けになるのではないかとですね。


イメージ 1
 
何度も書きますが、神経は膜で包まれています。
この神経の膜には痛覚を受容する機能は存在しません。
 
仮に神経周膜や上膜に存在していた場合、
どれだけ健康な人でもミクロの単位で身体を動かすだけで、神経に沿った電撃のような
激痛が身体全体に走り続け、座る事も立つ事も寝る事も出来ない状態に陥ります。
このような状況を回避、保護する為に、周膜と上膜は存在します。
 
仮に、鋭利な刃物で神経をスパっと切断すれば、麻痺となります。痛み痺れとは違います。
中途半端に切断された場合は、姿勢変化や時間帯、はたまた天気や気温に関係なく(僅かに関与はします)、
神経が回復するまで常に同一の違和感を覚え続ける事になります。
身近な症状としては、当ブログで下歯槽神経麻痺を取り上げた事があります。
 
硬性ヘルニアと軟性ヘルニアによって、
症状発生の有無、症状度合いの有無を述べる人もいますが、一切関係ありません。
椎間板ヘルニアにて痛みと痺れを伴う事はありません。
 
ヘルニアは椎間板からだけ発生するものではありませんよね。
本来は鼠径ヘルニア等を示すのが一般的でした。これは滅茶苦茶痛いです。
周囲の軟性組織を写真の通り突き破ろうとする痛みは尋常ではありません。
イメージ 2
 
 
それが画像検査機器の発達により腰下肢痛患者に対してMRIにて椎間板から髄核がはみ出ていたからと、
何時の日か鼠径ヘルニアのような痛み発生の機序と同一視してしまったのではないかと思いますね。

因みにSI-6603の効果に関してのデータは未だ出ていませんが、
ヘルニア縮小の有無に関わらず、
仮に薬剤投与が注射針でヘルニア発生高位から投与した場合の痛み痺れの
有効改善率は60%程度(治療後一ヶ月以内)と踏んでいます。
このパーセンテージは注射針による筋刺激による弛緩作用に伴う改善であろうという予測です。
しかし、長期持続を伴わない一時的な改善だけだと予測します。
 
更に、受療患者、非受療患者問わず、経年による痛み痺れの症状改善率は同程度。
そして、ヘルニアは縮小、若しくは消滅したとしても、痛み痺れの完治は0%でしょう。

一般的な椎間板ヘルニアに対しての見識は
 
「腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中心部分にある髄核や外側の線維輪の一部が突出し、
 脊椎周辺の神経を圧迫、痛みやしびれを引き起こす疾患。」だと思います。
 
>>腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中心部分にある髄核や外側の線維輪の一部が突出
⇒ここまでは正解です。しかし、
 
>>脊椎周辺の神経を圧迫、痛みやしびれを引き起こす疾患
⇒ここからが間違いです。
 
大前提を間違えているから(解釈を取り違えた)、その後も間違え続ける事になってしまうのです。
患者は待っていません。四六時中痛みと痺れに苦しんでベッドから起き上がれないのです。
 
往診先で働き盛りの年代の患者がヘルニアの除去手術を3回も4回もして、
最後は固定術まで食らうも症状が変わらずに、最終的には「原因不明」と告げられ、
ベッドから痛みで微動だに出来ず点滴をされながら泣いている姿を見るとこっちまで泣くっつーの。
そんな患者は見た事ないって?
こんな状態にまで悪化した患者は外を歩く事が出来ない為、見る事が出来ないだけなのです。
 
ここまで間違いを大きくし擦り付けた現代医療の罪は大き過ぎます。

先日起きたボストンの爆弾テロ事件。
日本のメディアは凄惨な事件としか報道していないですね。
本当ですか? 【ボストンテロ事件 やらせ】で検索でもして下さい。
大きく報じられている内容だけを鵜呑みにするのは危険です。
 
ブログをご覧になっている方々も、
行列の出来るラーメン屋に散々並んで食べたけど、
実際には美味しくなかったという経験位はあるでしょう。
 
椎間板ヘルニア=痛み・痺れ」の論説も、同じような路線に乗せられているとしたらどうしますか?
大事な身体です。そして、医療の選択は患者の権利です。
自分自身が今の医療に疑問を持ち、立ち向かう勇気が改善へと繋がります。
 
 青森から鍼灸治療の意識改革を~