藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

縦軸の過剰伸張に伴う脊髄リスクと椎間孔部の骨性易インピンジ2


遺伝子異常等の先天性疾患や、極端な内分泌異常等も含めた場合、以下に挙げる構造的な成長過程の基軸は大きく外れ、幾つも例外や但し書きを含ませなければならなくなるが、一般的にはある程度の年齢迄の脊椎は縦軸に伸び、それに伴い脊髄の伸張も追随し、その結果、脊髄円錐部はL1~2辺りまで上方にせり上がり保持される事になる。尾側は馬尾性に展開し、各腰椎の椎間孔部から腰下肢等へ神経は伸びていく。構造的な成長が止まる成人位に至る迄の脊椎と脊髄の成長度合いに規則性は見られず、生理的に起こる頚椎前彎、胸椎の後彎、腰椎の前彎は頚髄、胸髄、腰髄の脊髄全般に対しテンションを緩める構造であり、体幹の前後屈、側屈等の運動にも耐えられるようにしてくれる。以下は、このような体幹運動が強制的に耐えられなくなった場合、どのような症状を出すかと言う話である。
例えばこれが構造的な成長が停止した成人の場合、生理的前彎を呈している頚椎に対し、後彎と言う生理的形成に抵抗を示す姿勢を持続的に暴露させた場合、頚髄の縦軸のテンションは過剰となる。前彎であるからこそ撓みを持たせていた頚髄のテンションが高まる。これらの動作にて、各頚椎の椎間孔部での骨性インピンジや摩擦等の持続的損傷により、各当該神経支配領域へ症状を発展させる事は容易い。イメージとしては前彎している頚椎が後彎すれば、頚髄は上方にせり上がり、その事で脊髄から神経根部の距離関係は変動する。勿論ストッパーとなる靱帯も存在するが、それが極めて強い力が外から掛かれば、それすらも損傷し、より強い症状を一気に発症する。これが一般的には引き抜き損傷と言われる状態であり、受傷度合いで症状は異なるが、基本的に引き抜かれれば運動知覚は脱失する。
仮に其処までいかなくとも、持続的な負荷の暴露下に於いては似たような現象が幾らでも起きると推測される。それが痛みや痺れ、脱力、皮膚の知覚異常等は引き抜き損傷が生じなくても誰でも経験する可能性はある。一般的には頚椎は7個、胸椎は12個、腰椎は5個あり、これらが積み木のように重ねられているが、各脊椎高位は微妙に可動域が異なる。主に可動域の高い高位はc5、c6、th3、th7、th12、L4、L5で、胸椎での変性疾患は希かもしれないが、脊椎変性疾患の多くの受傷箇所は、可動域の高い高位に落ち着く。可動域が高いと言う事は、一見自由度が高くメリットとして評価したくなるが、自由度が高いと言う事は損傷確率も高いと言う事だ。
c5、c6の神経支配領域はどの辺りに至るだろうか。一般的には腕神経叢と言うエリアになり、当該頚部、肩部、上肢全般に至る迄の動き、感覚、痛みを教えてくれる。患者が抱える痛み痺れの度合いは他者が推し量れるものではないが、人間は100人100様だと言う幻想話をしている訳でもない。症状を出す個は自己の視点からの疾患としての観念に苛まれるのは仕方のない事だが、大体が同様な部位に症状を抱えている。それは別に私が述べなくても、肩部痛や腰部痛を発症した時に手を充てがう部位を観察すれば誰でも分かる。カジュアルな症状であればあるほど、大体が同じ部位に手を充てがい症状を訴える。
現場で訴えを聞く限り、その多くはファセットでの損傷や椎間孔部でのインピンジによる損傷が多数を占める事になるのを臨床反応上経験する事になるが、例えば先ほどの手を充てがう部位が僧帽筋上部線維であれ、棘上筋や棘下筋、小・大菱形筋部、小胸筋や大胸筋の付着部であれ、当該部位に対して明確な外傷性の由来となる損傷が加えられ、筋膜や筋肉と言う細胞そのものに損傷が至っているケースは恐らく1割もない。筋肉筋膜の外傷性由来であれば、より特異的な症状を示すと思われるし、患者の訴えも明瞭である。そして、これらの症状は「持続しない」。軽度であれば2~3日、長くても2週間以内には自然治癒する。自然治癒するなら治療になんて来ない。そして5年10年も筋肉筋膜が損傷し続ける事はない。5年10年も痛みを抱え続ける人間は、仮に発症部位が筋肉筋膜と言うエリアだとしても、あくまで発症部位として訴えるエリアが其処、と言うだけであり原因は其処にはない。
多くは椎間孔部での骨性インピンジ及び当該神経支配の走行領域に於ける複数箇所でのボトルネック部位の存在、そして患者の労働環境等々での姿勢や持続的負担部位により発症箇所が若干異なると言うだけで、治療部位の多くは集約されてくる。さて、このように脊髄から横軸に走行する末梢神経系の損傷理由及び発症理由と言うのが治療反応性から逆説的に見た場合の可視化が明瞭化したところで、冒頭でも述べた構造的成長途中の脊椎と脊髄の成長が適合しなかった場合、そして適応出来なかった場合を考えなければならない。
生理的前彎を示している頚椎を持つ成人が、例えばデスクワーク等に伴い頚椎の持続的後彎に伴う脊髄縦軸の過剰テンションによって症状が発症するのと同様、それは成長期と言われる年代層でも同様に起こりうる。そして成長期での厄介事は、成人の場合は後彎を前彎に戻す事で脊髄のテンションは撓む事になるが、構造的成長途中の背景を持つ年代は、脊椎と脊髄の成長そのものが適合出来ていない為、立位や座位、臥床位等の荷重分散により幾らかの軽快は得られると思うが、どのような姿勢を取ろうともテンションは変わり難い。その結果、常に症状が出続けてしまう可能性が高くなる。脊椎に脊髄の成長が追い付かなかった場合、それでも尚人間は脊髄を守ろうとする。その構造的変化が側湾である。前と後ろ、この動きだけで生命維持に不利を感じれば、今度は右や左に変形してでも脊髄を守ろうとする。
見た目はどうであれ、そして末梢神経系の損傷と言う犠牲を払ってでも中枢神経系を守ろうとする生き物が脊椎動物なのかもしれない。
しかし、それでも守りきれない場合、否、その変形過程であったとしても、脊髄の更に上位である延髄や橋、中脳、間脳等の縦軸での損傷傾向は高まり、その結果、末梢神経系の身体的疼痛や内臓器の自律神経症状のみならず、中枢神経系を起因とした身体的疼痛や自律神経症状が出始める。中枢神経系由来の損傷は精神症状の変動も司る機構も備えている事から、構造的成長途中の人間の精神変調(多動・不注意・うつ症状、いらいら、不安、焦燥等々)の1次的な発生要因となると推測される。又、あくまで上述したのは1次であり、末梢神経系の易損傷傾向を示した場合のみだとしても、当該領域の整形外科的症状や腹痛、下痢や便秘等の内臓器の自律神経症状も継続すれば、それそのものがストレスとなり精神変調へと繋がるとも推測される為、その多くの症状は1次2次と複合的な理由から症状が惹起されると考えるのも自然である。
横軸縦軸、由来がどちらであれ、この事で内分泌異常も追随するかもしれないし、その事で更なる免疫の低下にも繋がる場合もある。そして各種カジュアル性の高いアレルギー性疾患(花粉症など)、風邪症候群への罹患頻度は上がり、化学物質への過敏症、そして凡ゆる症状に対しての治癒遅延等と悪循環に陥る事も考えられる。

生理的に前彎しているものが後彎となる、持続的に後彎化する、これを分かり易く書けばストレート頚椎(ストレートネック)、ストレート腰椎と言うカテゴリに含まれてくる。先天性が濃厚なものか、労働内容に伴う持続的負荷で形成されたものか、加齢に伴い微細な圧迫骨折の繰り返しで形成されたものか、又は構造的成長途中で生じたものかは各々異なるが、構造的成長途中の年齢が抱える患者の既往を見ると、その多くはストレートネックと言う画像所見のデータを保有している。何故、頚部の画像をこの年代(若年者)が持っているのか。そこを考えていくのも興味深い。通常、頚部のレントゲンやMRIと言うのは具合が悪いから撮影するものであり、具合が悪くない人は撮影しない。
多くは整形領域的疾患を抱えて撮影したと言う過去背景を持つ。そしてその多くは肩こり首コリと言う症状のみを抱えている訳ではなく、中枢神経系由来の自律神経症状も同様に抱えている事は珍しくない。恐らく、当初は整形領域的疾患「のみ」だったのだろう。それが時間の経過で自律神経症状も出てきた、頭痛、めまい、ふらつき、吐き気、耳鳴り、難聴、腹痛、便秘、下痢、感情の不安定、感情の過敏性、多動、不注意等も全て含まれてくる。当初は末梢神経系の横軸損傷が、時間の経過で中枢神経系の縦軸損傷が始まると言うのが患者データを集積していれば分かる。その多くは頚椎に目立った変性疾患(頚椎椎間板ヘルニア 頚部脊柱管狭窄症 椎間孔狭窄症 頚椎症性脊髄症等の所見の事)はない。強いて言えばストレートネックだ。
しかし、このストレートネック(ストレートな腰椎等も同様だが)と言う構造的異常の意味合いは大きい。現行医療概念は基本的に画像所見で異常が無ければ異常なし、と言う判定を出される事になる。そして神経は変性疾患が存在しない限り見ない。元々レントゲン程度であれば神経は写らない。まして横軸や縦軸のテンションの概念も無ければ、そのような見方もしない。(MRIであれば神経のテンションは分かるが、分かったとしてもそれに対しての症状惹起のシステムや積極的治療の概念が存在しない。強いて言えば腰部周辺症状であれば脊椎終始切除等になるのだろうか)そのようになると、結果的に現症状に対しては価値のないレッテルが貼られたり、鎮痛薬や向精神薬が出される事になり、自動他動運動(ストレッチやマッサージ等の筋血流量を増進)させても一時的な寛解しか得られない事も患者が一番知っていると思う。以下に当ブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/13985098.htmlから参考として一部抜粋するが、運動神経や知覚神経の体性神経とは異なり、自律神経症状の厄介事とは自分の意思、自分の力では何も出来ないと言う事である。

抜粋開始
3)自律神経症状の進行を考える
重症度合いにもよるが、「痛み」であれば行動量を減らしたり、姿勢変化で回避する事が出来る。「脱力」に関しても、動かなければ症状にはならない。しかし、自律神経系の諸症状は行動量や姿勢変化、運動の有無に関わらず回避し難い症状である為、日常生活に負担を掛け続ける。当ブログの自律神経とは何ぞや自律神経とは何ぞや2でも書いたが、現行の定義は「分からない」が定義となっている為、その多くが向精神薬の処方対象となり、更なる悪化が懸念される群に入る。
「痛み」の知覚神経損傷、「脱力」の運動神経症状と大まかに書いてはきたが、自律神経症状と言うのは極めて広い範囲を包括する名称でもある為、分かりやすく代表的な症状を羅列する。
本態性高血圧・動悸・頻脈・のぼせ・ほてり・顔が熱くなる・微熱・頭が重い・偏頭痛・めまい・ふらつき・耳鳴り・耳がよく聞こえない・音が大きく聞こえる・涙が出る・光が眩しい・瞼がけいれんする・声が出ない・どもり・口が渇く・顔色が黒ずんで悪い・胸が苦しい・胸がつかえる・胸が痛い
のどがつかえる・飲み下し困難・食物を飲み込む時に違和感がある・息が詰まる・のどが締め付けられる・ぜんそく・背中が痛い・胃の調子が悪い・胃潰瘍・大腸の調子が悪い・ガスが出る・便秘・下痢・慢性疲労・倦怠感
肩こり・冷え性・手足がしびれる・手が震える・多汗症・夜尿症・頻尿・インポテンツ・性欲が無い・不感症・神経性皮膚炎・じんましん・円形脱毛・生理痛・生理不順・強い不安感(漠然とした不安・特定のことに対する不安)・対人恐怖・人前ですごく緊張する・他人の視線が気になる
自分の視線が気になる・赤面恐怖・表情恐怖・体臭恐怖・外出できない・乗り物恐怖・高所恐怖・閉所恐怖・先端恐怖・不潔恐怖・確認癖・視界が気になる・イライラする・怒りっぽい・無気力・落ち込み・睡眠障害(眠れない・早朝覚醒)・集中力が無い・記憶力の低下・悲観的に考える・すぐに悲しくなる・暗い・死にたくなる・摂食障害(拒食症・過食症)。(日本心身医学会より)
本態性、特発性、原発性等と名称が付くもの全てを含んでも良いかもしれないが、延髄や脳幹部、又は内臓器の自律神経系症状と多岐に渡り、これらも自然発症性であれば加療する事で症状の緩和は十分に見込める。加療により症状が緩和される経緯を逆説的に、及び罹患年代を考察すれば成長期や老年期等の脊椎変性(成長過程・圧壊過程)に伴う脊髄の下方取り込みに伴う延髄や脳幹部(又は更に上の部位)の血流量の不安定状態から発症した損傷であると推測される。これらのテンションの解除の手段が現行医療では存在しない為、わからない⇒原因不明⇒精神異常(ストレートには言わないかもしれないが)向精神薬処方の対象となる。
このような要因で至った各種自律神経症状も、若年期であれば経年変化で次第に回復傾向を示す場合もあるが、老年期の場合は器質的異常が症状の惹起因子でもある為、加療しない場合は極めて難治傾向、進行性の傾向を示す場合もある。かと言って、向精神薬を服薬し続ければ治るかと言うのは又別な話でもある。結論から言えば向精神薬を服薬しても治らないどころか悪化していく。
抜粋終了

為す術なしかと言えば実はそうでもなく、希望はある。構造的成長がストップする年齢になれば、これらの症状も改善する可能性がある。余談ながら、成人ほど激烈に症状が出るのは脊椎の構造が良くも悪くも頑丈だからであり、高齢になるほど症状が柔和になるのは脊椎が加齢に伴い破壊されている事で脊髄が撓む事に由来していると思う。
さて、これらの理由で各年代毎に凡ゆる症状が出る事が治療反応上でも逆説的に掌握出来る事になり、構造的成長が著しい年代であれば再燃傾向も時として示す場合もあるが(時間の経過で脊椎も成長し続けている為)、症状は段階的に収束していく事も分かる。凡ゆる年代に対して言える事かもしれないが、人間と言うのは幸いにも適応出来る生き物である。幾ら変形や奇形があり、どの角度から見ても厳しい狭窄があり椎間孔部も人の10倍狭かろうが何とかなる場合が多い。それは恐ろしい程に膝が変形してもシャンシャン歩いている高齢者を見れば理由も分かる。
そして大切な事は、幾ら積極的な保存的治療を施しても治らない症状は、手術をしても治らない。これも興味深いものであるが、神経実質の損傷と言うのは椎間孔部を拡大しても脊椎を固定しても、直接的に神経実質の回復には直結しない。勿論可能性は上がるかもしれないが、手術一発で神経の疎通を目論むよりも、コンスタントに損傷神経に栄養を送る治療を行い続けたほうが明らかに治癒率は高く、合併症や後遺症のリスク、中長期的将来に待ち受けるリスクは愕然と異なる。 
これは今回の脊椎軸での異常による諸症状や一般的な脊椎変性疾患、そして鎮痛薬や向精神薬のネガティブな側面を保持したまま(現症状の原因が薬物であるにも関わらず、その薬物を手放さない等)治ろうとしても治らないのと同じである。治るにも理由はあるかもしれないが、治らないにも理由がある。

尚、以下に薬剤性筋硬直(体幹硬直)に伴う諸症状に関しての検証及び臨床像を示す。
 
日常生活で発生する諸症状は、起因は見つけやすいが再現が難しい。折角治ったのに、再度同様な受傷環境を整えて傷め直す事は難しいし、そもそも、そのようなマゾはいない。
 
しかし、向精神薬の中長期服薬に伴う常用量離脱症状と言うのは極めて判定と再現が容易く、そこからの視点で改めて自然発症性の整形領域疾患や自律神経症状を見直すのも又良いのではないかと思う。鎮痛薬や向精神薬のように結果的に全身投与となる場合、如何なる部位に原因があれど検証不能になるが、選択的に脊椎高位に対して処置が施せる手技を持っていると、何処がどのように症状を持たせ、且つ寛解憎悪するかと言う理屈まで透明化するものです。以下に
 当ブログより(http://blogs.yahoo.co.jp/anti_white_supremacy/13951852.html)を一部抜粋するが
以下抜粋
ここで反跳性筋硬直に関して此処の段階で一旦まとめてみますと、極めて強い体幹硬直に伴い、脊髄近郊部(運動神経・知覚神経・後根神経節)から派生した椎間孔部で生じる易インピンジメント性から起きる四肢末梢の諸症状は離脱症状群の1次的誘引ではなく、治療反応上から鑑みても体幹硬直が1次であり、其処からの派生の四肢末梢部の諸症状は2次である可能性が極めて高く、その根拠とし、四肢末梢部の諸症状に関しては極めて治療反応性は良く、即時的に改善自覚を得られると同時に、主に服薬者に関しては「服薬し続けている」と言う現状から見ても、そして針治療の作用時間から見ても改善自覚~憎悪自覚の時刻が殆ど一致する事が理由として挙げられます。
反面、断薬後に伴う離脱症状として生じている反跳性筋硬直と思しき諸症状に関しては、服薬者と同一に治療反応性は良く、その後の改善の伸びが異なる傾向にある(針治療の作用時間以上でも伸びを見せる)傾向があり、断薬した、と言う患者自身の過去努力も更なる症状改善に対してポジティブな一助になるかもしれません。但し残念ながら、上記の内容とて、向精神薬に伴う反跳性筋硬直であるとする確固たる根拠もない、と言う現実も踏まえて考えなければならず、非服薬者との照らし合わせでしか判定出来ない状況であると言う事も踏まえておかなければならない事でしょう。後述する事にもなりますが、1つの考え方としては治療に伴う作用時間と一致しかしないながらも症状改善自覚を得られる事が分かった場合、早期回復及び日常生活のQOLを向上させ続ける事を望む場合に於いては、針治療の作用時間と一致させた治療スパンで施術し続ける事で、その過程で可能であれば減~断薬へ進む事も出来ると言う事です。
先述の通り、顔面部の硬直等も向精神薬由来の諸症状では多く見受けられるものです。これは、無感情だとか離人症と言うような、表現が乏しい、喜怒哀楽等が出来ないと言う意味ではなく、単純に顔面部が固まる、顔面部が痛い、オデコが詰まる感覚になる、鼻が詰まる感覚になる、耳が痛い、歯が痛い、顎が痛い、と言う諸症状も多いもので、その多くは耳鼻科や歯科、脳神経系外科で異常判定はされないものでありますが、このような諸症状に関しても、治療反応性と言う観点のみでの説明ではありますが、三叉神経が極めて関与しているものであると考えられるものです。例えば、これらの諸症状に関してはステロイドやボツリヌス注射等も全て無効であった(勿論、もっと様々な薬物治療はあるかもしれませんが)と言う経緯を持っているものであり、
表現の仕方は上手くないかもしれませんが、三叉神経の機能異常を目的とする処置を行う事で症状改善が得られるケースも多い為、顔面部の諸症状に関しては三叉神経痛(大穴でC1~3程度の頚椎の体幹硬直に伴う顔面部の諸症状)と言うのも伺いしれるものでもあります。このように改めてですが、恐らく、反跳性筋硬直と言うのは治療反応上から見ても2次的要因である可能性が高いものです。では、仮にも2次的要因を改善させたとしても、それは残念ながら「枝葉」の症状であり「根っこ」ではないと言う点です。
そのように考えると、恐らく、目で見て触れてと言う五感の情報は大脳皮質~視床~脊髄へ派生する過程での状況を鑑みる限り、大脳皮質部に於ける神経伝達物質異常であり、それが鋭敏性を持ち患者自覚させるか、鈍麻性を持ち患者自覚をさせるかに関しては、その時々のタイミングによって異なるものの、特にベンゾ系のような脳内全般に分布するGABAの状況を弄られた場合、見越さなければならないのは、やはり中枢への処置も同時に行い続ける必要性も極めて高い、と言う事も改めて考えなければならないものです。時折、向精神薬による副作用や常用量離脱、離脱症状に関しては、個々の患者の一番弱い場所(部位)を狙い打ちするかのように症状を発症する、と言う表現がされていますが、個人的な解釈では、仮にも体幹硬直が生じた場合、個々の弱い部位、と言うよりも脊椎の可動域の大きい部位から派生する神経症状(体性神経・自律神経)が起きる可能性があると言う見方も出来るものです。
その為、仮にも体幹硬直に伴う脊椎近傍部からの派生での四肢末梢部の諸症状と言う推測が濃厚だとした場合、その多くは脊椎の可動域の大きい部位、及び日常生活で易負担部位が挙げられるものかもしれず、その多くはc6、c7、c8、th3、th12、L4、L5周辺が考察され、神経走行が解剖学上正しいとした場合、容易に上肢への諸症状、下肢への諸症状、場合によっては前胸部、肩甲間部、腰部、腹部、臀部、更に輪を掛けて内臓器の自律神経系症状も纏う、と考察すれば、「末梢部のみ」である体性神経系や自律神経系のみでも、2次的と言う間接因子にも関わらず、十分に酷い諸症状を患者に自覚させる可能性もある、と言う事も考えられます。そこで更に中枢神経系の1次的要因が伸し掛かるとイメージすれば、更に症状は甚大かもしれませんが、幸いな事にも、1次的(以降)要因に関しては、枝葉の諸症状であるものの、枝葉は簡単に切り落とせる、と言うメリットも実はあり、その後に残った症状を1次的と、判定する事も出来るものです。

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