藤原航太針灸院

痛み・痺れ・麻痺・自律神経症状の難治例の検証と臨床

#脳・神経・脊髄

神経変性疾患との向き合い方を考える

中枢神経の傷害理由は多岐に及び、外傷や感染症、腫瘍や神経毒等、数限りなく考えられます。また、傷害理由問わず諸々の以後の状態と推測される、脱髄や軸索変性等の器質的な神経変性が生じた結果論での症状表現も異なります。只、受傷部位で症状内容は異な…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 13

1)GABAと体性神経の関係と症状群から、GABAレセプタ由来の症状群を考える 脊髄症や神経根症を呈する症状群も、受傷理由問わず、症状の継続により罹患高位のGABAの減少が示唆されています。推測するに発症初期は抑制を掛ける為、高い濃度を維持しようと機能…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 12

炎症性サイトカインの誘発イベントの継続で、血液脳関門のサイトカイントランスポータのアップレギュレーションによる脆弱性、グルココルチコイドレセプタのダウンレギュレーションによるHPA軸のネガティブフィードバック、炎症カスケードへの抵抗性の弱体化…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 11

「症状の成り立ちと重症度を決める原因、病態を考える」 重症度は受傷時のエネルギーと暴露時間で左右されます。強い力で継続的に力を加え続ける場合と、弱い力で短期的に力を加えた場合では壊れ方も異なります。壊れ方が異なれば治り方も治るまでの過程も回…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 10

1)断薬後も残存する症状群から病態を読む事で回避出来る服薬中のリスク 自己分泌能の低下とダウンレギュレーションによる全身症状への反映に、服薬しているからの理由を直結させる印象を受けますが、この理屈では断薬後も残存する症状群に対する辻褄が合わ…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 9

~ベンゾ離脱症例の治療応答から見える基礎病態と将来性~ 幾度と無く検討を続けている内容ですが、治療反応性や経過等も踏まえた上でベンゾ離脱期の身体状態を探る事は、当該事情を抱えた場合の生活向上と安定性に繋げられると考えています。先ずは「良くな…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 8

~ベンゾ離脱の進行病変の抑制手段を考える~ 離脱症状が中枢神経の回復期を意味する事は決してなく、症状自覚を有する時点で急性期か慢性期に分類される極めてデリケートな状態に置かれている基礎病態を知る事で、如何様にも変動するリスクを僅かでも回避す…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 7

向精神薬の弊害による症状群も、星の数ほどある疾患名に上手に名前を変えられて闇に葬りさられているだけで、数十年前からこのような問題は存在していました。只、それを知った上での対処法も、栄養その他で末梢の神経伝達物質や末梢の内分泌を弄る程度で、…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 6

純粋な肩こり腰痛神経痛患者が、いつの間にか訳の分からない言動を取ったりギャンブルや買い物に依存したり、不思議な交通事故を起こしたり自殺未遂をする度、これまた「あ~〇〇さんはウツ病だからね」と随分な言われようを世間や隣近所にされる背景に向精…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 5

~ベンゾ離脱の急性症状と慢性症状を、シナプス間隙間ギャップと興奮性細胞死に置き換えて考える~ 離脱症状の病態検討のメリットは増悪因子を呼び込まない事に繋がります。中枢神経に幅広く深く反応を及ぼす薬物による弊害は、僅かな理由で症状増悪に至る極…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 4

~知覚神経症状を、口腔/頭部/顔面症状から治療反応性を踏まえ、周辺事情と共に理解を深める~ 脳幹から各器官へ分枝する脳神経の知覚神経異常から生じる表現は様々です。人間が言葉や文字で何かを表現する時は、過去に経験した症状と照らし合わせたり、外部…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 3

~アセチルコリン放出不全に伴う筋収縮機能の低迷~ 表題からも概念として神経筋接合部の疾患が思い浮かびますが、個人的には向精神薬由来の症状群を各論的に考える意義は低いと考えています。それは度々述べていますが、各論的に述べても治療上は当該部位を…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療 2

~ベンゾを代表とする離脱症状とはそもそも何者なのか~ 自律神経(交感神経/副交感神経)の1つ、交感神経の持続的な亢進は多大な影響を全身に反映させるのは既知の事実です。この度は簡単な基礎概要と現場での治療反応性を僅かに踏まえながら以下に続きます…

向精神薬由来症状/離脱症状の安全な取り組み方の検討と治療/症状改善速度と治療抵抗性の理由を考える

向精神薬が濃厚に絡む中枢神経症状を抱える症例が最もデリケートで困難を極める理由に、向精神薬由来と思しき精神症状の併発が全てを無にするほど強大な力を持つ事が1つの理由に挙げられます。脱抑制による精神症状は自己制御が出来ず、尋常ではない苦しみを…